Solaris 2.6 情報ライブラリ (SPARC 版)

Solaris 2.3 リリース

表 2-9 に、Solaris 2.3 で追加された機能を紹介します。また、 表 2-10 に Solaris 2.3 の新規日本語機能を紹介します。

表 2-9 Solaris 2.3 の新機能

機能 

説明 

ネットワーク 

PPP 

データリンク層で非同期通信を実装する標準のポイントツーポイント通信プロトコル (point-to-point protocol=PPP) です。PPP はインターネットプロトコル群の 1 つとして、モデムと電話回線を介して通信リンクを確立します。 

NIS+

ユーザーが NIS+ ドメインをより簡単に設定できるように、3 つのスクリプトが追加されました。 

ファイルシステム 

autofs 

ファイルシステムの自動マウントをサポートする新しいカーネル仮想ファイルシステムです。 

キャッシュファイルシステム (CacheFS)

不揮発性のキャッシュ機構です。小型で高速なローカルディスクを使用することによって、特定のファイルシステムで性能が向上します。 

システム管理 

シリアルポートマネージャ 

このツールによって、端末やモデムを使うシリアルポート用ソフトウェアをすばやく設定したり修正したりできます。 

グラフィックス 

Direct Xlib 3.0 

Direct Xlib の最初のリリース版です。MIT DDX (デバイス依存型 X) を使って、X11 グラフィックスを描画します。 

PEX 実行環境 (RTE)

MIT PEX 仕様を実装した実行環境です。MIT PEX は、3 次元グラフィックスをサポートするための X Window System の拡張機能です。 

XGL 実行環境

異機種ハードウェアプラットフォーム間のアプリケーションの移植を可能にし、グラフィックスアクセラレータを利用してグラフィックスアプリケーション性能の最適化を行う 2-D および 3-D の即時モード API です。 

表 2-10 Solaris 2.3 の新規日本語機能

機能 

説明 

OS / ネットワーク 

curses ライブラリの複数バイト文字対応 

libcurses(3X) が、複数バイト文字に対応するようになりました。

デスクトップ 

ウィンドウサーバー 

ウィンドウサーバーが MIT X11 R5 と Adobe Display PostScript を統合したものに変更されました。 

日本語入力 

バイナリ互換性サポートパッケージ 

バイナリ互換性サポートパッケージに JLE 上で静的リンクされたアプリケーションを実行する機能が追加されました。 

xci (入力サーバー htt 用インタフェースモジュール) 

キーバインド指定のリソース CNV_NEXT、ERASE_ALL などの機能名を記述する部分に、機能名 xci_nop が指定できるようになりました。