Solaris 2.6 情報ライブラリ (SPARC 版)

可変長サブネットマスク (VLSM)

以前の Solaris オペレーティング環境では、ネットワーク上のそれぞれのネットワーク番号に対して 1 つのサブネットマスクしか使えませんでした。サブネットマスクによって、IP ネットワーク番号のどのビットがサブネットを表し、どのビットがホストを表すかが決定されます。可変長サブネットマスク (VLSM) を使うと、大きなネットワークで従来のサブネットマスクより効率的に IP アドレスを使用できるようになります。VLSM では、1 つのネットワーク番号に対して複数のサブネットマスクが使えるので、各サブネットのホスト数に合わせてビットマスクを調節できるようになります。IP パケットの経路を指定するときに、Solaris は自動的にその IP アドレスに対応する最も長いサブネットマスクを適用します。

たとえば、以前のリリースで管理者は 192.168.1.0 というネットワークを 8 個のサブネットに分割するときに 255.255.255.224 というサブネットマスクを使用しました。VLSM を使うと、このネットワークは次のように分割することができます。

また、VLSM を使うとネットワーク番号をまとめて新しいネットワークを構成することができるので、ネットワークルーターが管理するルーティングテーブルのサイズを大幅に節約することができます。以上の 2 つの技術によって、RFC1519 で定義される Classless Inter-Domain Routing (CIDR) の実装が可能になります。

実際にネットワークで VLSM を実装するには、OSPF、BGP-4、RIPv2 などの CIDR に対応した経路制御プロトコルを使用する必要があります。

詳細については、TCP/IP とデータ通信を参照してください。