論理デバイス名は、次の場合に、ディスクデバイスにアクセスするために使用されます。
システムに新しいディスクを追加する。
あるシステムから別のシステムへディスクを移動する。
ローカルディスク上にあるファイルシステムにアクセス (またはマウント) する。
ローカルファイルシステムのバックアップをとる。
管理コマンドの多くは、ディスクスライスまたはファイルシステムを参照する引数を使用します。
シンボリックリンクされるサブディレクトリ (/dev/dsk または /dev/rdsk のいずれか) に続けて、特定のコントローラ、ディスク、およびスライスを識別する文字列を指定することによって、ディスクデバイスを参照してください。
ディスクとファイルの管理コマンドには、raw (または「キャラクタ型」) デバイスインタフェースか、「ブロック」デバイスインタフェースを使用する必要があります。この区別は、データがデバイスから読み取られる方法によって決まります。
raw デバイスインタフェースは、一度に少量のデータだけを転送します。ブロックデバイスインタフェースには、大量のデータブロックが一度に読み取られるバッファが含まれます。
コマンドによって、必要なインタフェースは異なります。
コマンドが raw デバイスインタフェースを必要とする場合は、/dev/rdsk サブディレクトリを指定してください。(rdsk の "r" は、"raw" を表します。)
コマンドがブロックデバイスインタフェースを必要とする場合は、/dev/dsk サブディレクトリを指定してください。
コマンドが /dev/dsk または /dev/rdsk のどちらを必要とするかがわからない場合は、そのコマンドのマニュアルページをチェックしてください。
表 20-1 は、一般的に使用されるディスクコマンドとファイルシステムコマンドの一部に必要なインタフェースを示しています。
表 20-1 使用頻度の高いコマンドに必要なデバイスインタフェースのタイプ
コマンド |
インタフェースのタイプ |
使用例 |
---|---|---|
ブロック |
df /dev/dsk/c0t3d0s6 |
|
raw |
fsck -p /dev/rdsk/c0t0d0s0 |
|
ブロック |
mount /dev/dsk/c1t0d0s7 /export/home/ziggy |
|
raw |
newfs /dev/rdsk/c0t0d1s1 |
|
raw |
prtvtoc /dev/rdsk/c0t0d0s2 |
特定のスライスを特定のディスクで識別するために使用する文字列は、コントローラのタイプが、直接かバス指向のどちらであるかによって決まります。表 20-2 は、コントローラが直接かバス指向かによって、プラットフォームが何になるかを示しています。
表 20-2 コントローラのタイプ
直接コントローラ |
バス指向コントローラ |
---|---|
Xylogics (SPARC) |
SCSI (SPARC/x86) |
IDE (x86) |
IPI (SPARC) |
両方のタイプのコントローラについて、次の項で説明します。
コントローラ番号は、システム初期設定時に自動的に割り当てられます。この番号は、厳密に論理的なものであり、物理コントローラに直接対応するものではありません。
SPARC システムにおいて直接コントローラでアクセスされるディスクにスライスを指定するには、図 20-1 に示す命名規則に従ってください。
ディスク全体を示すには、スライス 2 (S2) を指定してください。
システムにコントローラが 1 つしかない場合、x は常に 0 になります。
x86 システムにおいて IDE コントローラでアクセスされるディスクにスライスを指定するには、図 20-2 に示す命名規則に従ってください。
Solaris fdisk パーティション全体を示すには、スライス 2 (s2) を指定してください。
システムにコントローラが 1 つしかない場合、w は常に 0 になります。
SPARC システムにおいてバス指向コントローラ (SCSI など) でアクセスされるディスクにスライスを指定するには、図 20-3 に示す命名規則に従ってください。
システムにコントローラが 1 つしかない場合、w は常に 0 になります。
SCSI コントローラの場合、x はデバイスの背面にあるスイッチによって設定されたターゲットアドレス、y はターゲットに接続されたドライブの論理デバイス番号 (LUN) を示します。ディスクに組み込みコントローラがある場合、y は通常 0 になります。
ディスク全体を示すには、スライス 2 (s2) を指定してください。
x86 システムにおいて SCSI コントローラでアクセスされるディスクにスライスを指定するには、図 20-4 に示す命名規則に従ってください。
システムにコントローラが 1 つしかない場合、v は常に 0 になります。
SCSI コントローラの場合、w はデバイスの背面にあるスイッチによって設定されたターゲットアドレス、x はターゲットに接続されたドライブの論理デバイス番号 (LUN) を示します。ディスクに組み込みコントローラがある場合、x は通常 0 になります。
Solaris fdisk パーティション全体を示すには、スライス 2 (s2) を指定してください。