Solaris のシステム管理

ファイルシステム管理コマンド

ほとんどのファイルシステム管理コマンドには、汎用コマンドとファイルシステム専用の 2 種類があります。ファイルシステム専用のコマンドを呼び出す汎用コマンドを使用してください。表 26-1 は、汎用ファイルシステム管理コマンドを示しています。この種のコマンドは、/usr/sbin ディレクトリに入っています。

表 26-1 汎用ファイルシステム管理コマンド

コマンド 

機能 

clri(1M)

i ノードをクリアする。 

df(1M)

空きディスクブロック数とファイル数を出力する。 

ff(1M)

ファイルシステムのファイル名と統計情報を表示する。 

fsck(1M)

ファイルシステムの完全性をチェックし、検出された損傷を修復する。 

fsdb(1M)

ファイルシステムをデバッグする。 

fstyp(1M)

ファイルシステムのタイプを調べる。 

labelit(1M)

テープにコピーするときに、ファイルシステムのラベルを表示または作成する (volcopy コマンド専用)。

mkfs(1M)

新しいファイルシステムを作成する。 

mount(1M)

ファイルシステムとリモート資源をマウントする。 

mountall(1M)

ファイルシステムテーブルで指定されたすべてのファイルシステムをマウントする。 

ncheck(1M)

パス名とその i 番号のリストを生成する。 

umount(1M)

ファイルシステムとリモート資源のマウントを解除する。 

umountall(1M)

ファイルシステムテーブルで指定されたすべてのファイルシステムをマウント解除する。 

volcopy(1M)

ファイルシステムのイメージコピーを作成する。 

上記のほとんどのコマンドには、それに相当するファイルシステム固有のコマンドがあります。


注 -

ファイルシステム上でサポートされない操作を指定すると、汎用コマンドから次のエラーメッセージが表示されます。

コマンド名 : ファイルシステムのタイプ type に操作が適用されません。


汎用コマンドの構文

ほとんどの汎用コマンドには、次の構文を使用します。

コマンド [-F type] [-V] [generic-options] [-o specific-options] [special|mount-point] [operands] 
表 26-2 汎用コマンドのオプションと引数

オプション/引数 

説明 

-F type

ファイルシステムのタイプ。このオプションを使用しなければ、/etc/vfstab ファイル内で special または mount-point と一致するエントリが検索される。それ以外の場合、デフォルトは、ローカルファイルの場合は /etc/default/fs ファイルから取り出され、リモートファイルシステムの場合は /etc/dfs/fstypes ファイルから取り出される。

-V

補完されたコマンド行を表示する。表示される行には、/etc/vfstab から取り込まれた付加情報が含まれていることがある。このオプションを使用し、コマンド行を検査して正しいかどうかを確認する。コマンドは実行されない。

generic-options

各種ファイルシステムに共通するオプション 

-o specific-options

ファイルシステムのタイプに固有のオプションのリスト。このリストは、-o の次に空白を 1 つ付け、その後に一連の keyword [=value] をコンマで区切って空白を入れずに入力しなければならない。

special|mount-point

ファイルシステムの指定。この名前は、ファイルシステムを保持するスライスのマウントポイントまたは特殊デバイスファイルでなければならない。コマンドによって、特殊ファイルは raw (キャラクタ型) デバイスでなければならない場合と、ブロック型デバイスでなければならない場合がある。ディスクデバイス名の詳細は、404 ページの「デバイス名の命名規則」を参照。この引数は、ファイル /etc/vfstab 内で一致するエントリを検索し、他の情報を取得するためのキーとして使用されることがある。ほとんどの場合、この引数は必須であり、specific-options の次に指定しなければならない。ただし、コマンドを /etc/vfstab ファイルに列挙されたすべてのファイルシステム (タイプ別に区切られることもある) に適応させたい場合は不要である。

operands

ファイルシステムのタイプに固有の引数。詳細は、各コマンド (mkfs_ufs(1M) など) のマニュアルページを参照。

ファイルシステムコマンドによるファイルシステムタイプの判断

汎用ファイルシステムコマンドは、次の順序でファイルシステムのタイプを判断します。

  1. -F オプションで指定されているファイルシステムのタイプ

  2. 特殊デバイスを /etc/vfstab 内のエントリと突き合わせて判断します (special が指定されている場合)。たとえば fsck は、まず fsck device フィールドと突き合わせて一致するエントリを検索します。一致するエントリが見つからなければ、特殊デバイスフィールドと突き合わせてチェックします。

  3. ローカルファイルシステムの場合は /etc/default/fs 内で指定されたデフォルトを使用し、リモートファイルシステムの場合は /etc/dfs/fstypes 内で指定されたデフォルトを使用して判断します。

汎用コマンドと専用コマンドのマニュアルページ

汎用コマンドと専用コマンドについては、『SunOS Reference Manual』の Section 1M「Maintenance Commands」を参照してください。専用コマンドのマニュアルページは、汎用コマンドのマニュアルページに続いて入っています。特定のマニュアルページを見つけるには、汎用コマンド名の末尾にアンダースコアとファイルシステムタイプの略称を追加してください。たとえば、HSFS ファイルシステムのマウントに関して専用コマンドのマニュアルページを調べるには、man mount_hsfs(1M) と入力します。