ファイルシステムをマウント解除すると、ファイルシステムのマウントポイントから削除され、そのエントリが /etc/mnttab ファイルから削除されます。マウントされているファイルシステム上では、一部のファイル管理作業を実行できません。次の場合には、ファイルシステムをマウント解除する必要があります。
ファイルシステムが不要になった場合、またはより新しいソフトウェアが入ったファイルシステムに交換された場合
fsck コマンドを使用してファイルシステムをチェックし、修復する場合。fsck コマンドの詳細は、第 31 章「ファイルシステムの完全性チェック」を参照
ファイルシステムの完全バックアップを実行する前に、マウント解除しておくとよいでしょう。バックアップの実行の詳細は、第 34 章「ファイルとファイルシステムのバックアップの手順」を参照してください。
各ファイルシステムは、ファイルシステムのシャットダウン手続きの一部として自動的にマウント解除されます。
ファイルシステムをマウント解除する場合の前提条件は次のとおりです。
スーパーユーザーでなければならない
ファイルシステムをマウント解除に使用できなければならない。使用中のファイルシステムはマウント解除できません。ファイルシステムは、ユーザーがそのディレクトリ内に入っているときや、プログラムがそのファイルシステム内でファイルを開いているときには使用中と見なされます。次の方法でファイルシステムを使用可能にできます。
別のファイルシステム内のディレクトリに変更する
システムからログアウトする
fuser コマンドを使用して、そのファイルシステムにアクセス中のすべてのプロセスを表示し、必要に応じて停止する。詳細は、「あるファイルシステムのすべてのプロセスを停止する方法」を参照
他のユーザーが使用しているファイルシステムをマウント解除する必要があるときは、各ユーザーに通知してください。
ファイルシステムをマウント解除したことを確認するには、mount コマンドからの出力を調べます。この手順については、「どのファイルシステムがマウントされているかを調べる方法」を参照してください。
どのプロセスを停止するかがわかるように、ファイルシステムを使用中のすべてのプロセスを表示します。
# fuser -c [ -u ] mount-point
-c |
ファイルシステムのマウントポイントとなっているファイルと、マウントされているファイルシステム内のファイルが表示される |
-u |
プロセス ID ごとにユーザーのログイン名が表示されます |
mount-point |
プロセスを停止したいファイルシステム名 |
ファイルシステムのすべてのプロセスを停止します。
ユーザーのプロセスを停止するときには、必ず事前に警告してください。
# fuser -c -k mount-point
ファイルシステムを使用中のプロセスに SIGKILL が送信されます。
ファイルシステムを使用中のプロセスがないことを確認します。
# fuser -c mount-point
次の例では、/export/home ファイルシステムを使用中のプロセス 4006c が停止されます。
# fuser -c /export/home /export/home: 4006c # fuser -c -k /export/home /export/home: 4006c # fuser -c /export/home /export/home:
次の手順で、ファイルシステム (/ または /usr を除く) をマウント解除します。
ルート (/) と /usr の UFS ファイルシステムは特殊ケースです。システムが機能するにはルートが必要なので、ルート (/) のファイルシステムはシャットダウン中でなければマウント解除できません。
「前提条件」の前提条件を満たしているかどうかを確認します。
ファイルシステムをマウント解除します。
# umount mount-point
mount-point |
マウント解除したいファイルシステム名。ここでは、ファイルシステムがマウントされているディレクトリ名、ファイルシステムのデバイス名パス、NFS ファイルシステムの資源、LOFS ファイルシステムのループバックディレクトリのいずれかを指定できる |
次の例では、ローカルのホームディレクトリからファイルシステムがマウント解除されます。
# umount /export/home
次の例では、スライス 7 のファイルシステムがマウント解除されます。
# umount /dev/dsk/c0t0d0s7
次の手順で、/、/proc、/var、/usr のファイルシステムを除き、/etc/vfstab ファイルに列挙されているすべてのファイルシステムをマウント解除します。
「前提条件」の前提条件を満たしているかどうかを確認します。
/etc/vfstab ファイルに列挙されているすべてのファイルシステムをマウント解除します。
# umountall
可能なファイルシステムがすべてマウント解除されます。使用中のファイルシステムはマウント解除されません。
使用中だったためにマウント解除されなかったファイルシステムの場合は、「あるファイルシステムのすべてのプロセスを停止する方法」で説明した手順に従って、マウント解除できるようにします。
必要に応じて、すべてのファイルシステムがマウント解除されるまで手順 2 を繰り返します。