Solaris のシステム管理

キャッシュの構造と動作

各キャッシュには、その動作と構造を決定する一連のパラメタが付いています。各パラメタは、表 29-5 に示すデフォルト値に設定されています。デフォルト値は、フロントファイルシステム全体をキャッシュに使用するように指定しますが、これはファイルシステムをキャッシュに書き込む場合の推奨方法です。

表 29-5 キャッシュパラメタとデフォルト値

キャッシュパラメタ 

デフォルト値 

定義 

maxblocks

90% 

CacheFS がフロントファイルシステム内で回収できる最大ブロック数を設定する 

minblocks

0% 

CacheFS がフロントファイルシステム内で回収できる最小ブロック数を設定する 

threshblocks

85% 

CacheFS が minblocks で指定したより多数ブロックを回収する前に、フロントファイルシステム内で使用可能でなければならないブロック数を設定する

maxfiles

90% 

CacheFS がフロントファイルシステム内で回収できる使用可能 i ノードの最大数 (ファイル数) を指定する 

minfiles

0% 

CacheFS がフロントファイルシステム内で回収できる使用可能 i ノードの最小数 (ファイル数) を指定する 

threshfiles

85% 

CacheFS が minfiles で指定したより多数のファイルを回収する前に、フロントファイルシステム内で使用可能でなければならない i ノード数 (ファイル数) を設定する

通常、これらのパラメタ値を変更する必要はありません。最適のキャッシュ動作が得られるデフォルト値に設定されています。ただし、キャッシュに使用されないフロントファイルシステム内に空き空間があり、それを他のファイルシステムに使用したい場合は、maxblocksmaxfiles の設定を変更できます。そのためには、cfsadmin(1M) コマンドを使用します。たとえば、次のようになります。

$ cfsadmin -o maxblocks=60