Solaris のシステム管理

UFS ファイルシステムを対話方式でチェックして修復する

次の場合には、ファイルシステムを対話方式でチェックする必要があります。

使用中のシステムの整合性が失われると、コンソールウィンドウにエラーメッセージが表示されたり、システムがクラッシュしたりすることがあります。

fsck を使用する前に、fsck コマンドの構文とオプション」第 73 章「ファイルシステムで発生する問題の解決」を参照してください。

ファイルシステムのチェックが必要かどうかを調べる方法

  1. スーパーユーザーになります。

  2. ファイルシステムをチェックします。

    # fsck -m /dev/rdsk/device-name
    

    このコマンドで指定したファイルシステムのスーパーブロック内の状態フラグがチェックされ、ファイルシステムがクリーンかチェックが必要かが判断されます。

    デバイス引数を省略すると、/etc/vfstab 内で「fsck pass」の値が 0 より大きいすべての UFS ファイルシステムがチェックされます。

例 - ファイルシステムのチェックが必要かどうかを調べる

次の例では、第 1 のファイルシステムはチェックが必要で、第 2 のファイルシステムはチェックが不要です。

# fsck -m /dev/rdsk/c0t0d0s6
** /dev/rdsk/c0t0d0s6
ufs fsck: sanity check: /dev/rdsk/c0t0d0s6 needs checking
# fsck -m /dev/rdsk/c0t0d0s7
** /dev/rdsk/c0t0d0s7
ufs fsck: sanity check: /dev/rdsk/c0t0d0s7 okay

ファイルシステムを対話方式でチェックする方法

  1. スーパーユーザーになります。

  2. ルート (/) と /usr 以外のローカルファイルシステムをマウント解除します。

    # umountall -l
    
  3. ファイルシステムをチェックします。

    # fsck
    

    /etc/vfstab ファイル内で、「fsck pass」フィールド内のエントリが 0 より大きいすべてのファイルシステムがチェックされます。また、fsck の引数として、マウントポイントディレクトリや /dev/rdsk/device-name も指定できます。非整合性メッセージが表示されます。エラーメッセージのプロンプトに応答して 1 つまたは複数の UFS ファイルシステムを対話方式でチェックする方法については、第 73 章「ファイルシステムで発生する問題の解決」を参照してください。

  4. エラーを修正し終わったら、fsck と入力して Return キーを押します。

    fsck は、一度の実行ですべてのエラーを修正できないことがあります。「FILE SYSTEM STATE NOT SET TO OKAY」というメッセージが表示される場合は、このコマンドをもう一度実行します。コマンドが機能しない場合は、fsck で修復できない UFS ファイルシステムを修正する方法」を参照してください。

  5. ファイル名を変更して lost+found ディレクトリに入れます。

    fsck によって lost+found ディレクトリに入れられた各ファイル名は、その i ノード番号を使用して変更されます。可能であれば、ファイル名を変更し、ファイルが含まれるディレクトリに移動してください。grep コマンドを使用すると各ファイルの内容を照合し、file コマンドを使用するとファイルタイプを識別できます。ディレクトリ全体を lost+found にダンプする場合は、所属先を指定して移動する方が簡単です。

例 - ファイルシステムを対話方式でチェックする

次の例では、/dev/rdsk/c0t0d0s6 がチェックされ、不正なブロック数が訂正されます。

# fsck /dev/rdsk/c0t0d0s6
checkfilesys: /dev/rdsk/c0t0d0s6
** Phase 1 - Check Block and Sizes
INCORRECT BLOCK COUNT I=2529 (6 should be 2)
CORRECT? y

** Phase 2 - Check Pathnames
** Phase 3 - Check Connectivity
** Phase 4 - Check Reference Counts
** Phase 5 - Cylinder Groups
929 files, 8928 used, 2851 free (75 frags, 347 blocks, 0.6%
fragmentation)
/dev/rdsk/c0t0d0s6 FILE SYSTEM STATE SET TO OKAY

***** FILE SYSTEM WAS MODIFIED *****

UFS ファイルシステムの修復

fsck修復オプション (fsck -o p) は、UFS ファイルシステムをチェックし、単純な問題を自動的に修正します。通常、この種の問題は予期しないシステム停止によるものです。オペレータの介入が必要な問題が発生すると、このコマンドは即座に終了します。また、修復オプションを使用すると、ファイルシステムを並行チェックできます。

-o p オプションを指定して fsck を実行すると、クリーンされずに停止した後でファイルシステムを修復できます。このモードでは、fsck はクリーンフラグを調べずに完全チェックを実行します。これらの処理は、fsck を対話形式で実行した場合の処理のサブセットです。

ファイルシステムを修復する方法

  1. スーパーユーザーになります。

  2. ファイルシステムをマウント解除します。

    # umount mount-point
    
  3. 修復オプションを指定して UFS ファイルシステムをチェックします。

    # fsck -o p /dev/rdsk/device-name
    

    fsck の引数として mount-point または /dev/rdsk/device-name を使用すると、各ファイルシステムを修復できます。

例 - ファイルシステムを修復する

次の例では、/usr ファイルシステムが修復されます。

# fsck -o p /usr