Solaris のシステム管理

ファイルシステムのコピーコマンド

ファイルシステム全体をバックアップして復元したいときは、第 36 章「ufsdump コマンドと ufsrestore コマンドの参照情報」で説明した ufsdump コマンドと ufsrestore コマンドを使用します。個々のファイル、ファイルシステムの一部、またはファイルシステム全体をコピーまたは移動したいときは、ufsdumpufsrestore の代わりに、この章で説明する手順を使用できます。

表 37-1 は、各種バックアップコマンドの用途を示しています。

表 37-1 バックアップコマンドの用途

目的 

使用するコマンド 

参照ページ 

ファイルシステムをテープにバックアップする 

ufsdump

「カートリッジテープ上でバックアップを実行する方法」

ファイルシステムをテープから復元する 

ufsrestore

「ファイルシステム全体を復元する方法」

ファイルを他のシステムに転送する 

pax, tar, または cpio

「ファイルとファイルシステムをテープにコピーする」

ファイルまたはファイルシステムをディスクにコピーする 

dd

「ディスクをクローン化する方法 (dd)」

ファイルをフロッピーディスクにコピーする 

tar

「ファイルを 1 枚のフォーマット済みフロッピーディスクにコピーする方法 (tar)」


注 -

一時的な場合でも、/tmp ディレクトリにファイルを復元してはなりません。/tmp ディレクトリは、通常、TMPFS ファイルシステムとしてマウントされていて、ACL などの UFS ファイルシステム属性をサポートしていません。


表 37-2 は、各種のバックアップコマンドと復元コマンドを示しています。

表 37-2 バックアップコマンドの概要

コマンド名 

ファイルシステム境界の認識 

複数ボリュームバックアップのサポート 

物理コピーか論理コピーか 

volcopy

する 

する 

物理 

tar

しない 

しない 

論理 

cpio

する 

する 

論理 

pax

する 

する 

論理 

dd

しない 

する 

物理 

ufsdump/ufsrestore

する 

する 

論理 

次の節では、各方法の長所と短所を説明し、コマンドの使用例を示します。