システムクラッシュは、ハードウェアの誤動作、電源の異常、入出力の障害、およびソフトウェアのエラーが原因で発生します。ソフトウェアの突然異常 (たとえば、オペレーティングシステムのバグによる致命的なカーネルエラーなど) によってシステムがクラッシュした場合、システムはその物理メモリーのイメージを、ディスクのスワップスライスの最後に core ファイルとして書き込みます。このファイルはカーネルの状態のスナップショットであり、クラッシュ時に捕捉されたプログラムのテキスト、データ、および制御構造体を含んでいます。
UNIX システムがクラッシュしたときに書き込まれるクラッシュダンプ、つまり core ファイルは、カーネルのデバッグに熟練した人が使用すれば、クラッシュの原因を突き止める鍵となります。しかし、システムで core ファイルをクラッシュダンプファイルに保存することを有効にしていなければ、UNIX システムがクラッシュ後にリブートすると、通常の場合は、生成されていた core ファイルが上書きされてしまいます。
システムがクラッシュダンプファイルを保存することを有効にする方法の詳細は、「クラッシュダンプの使用方法の作業マップ」を参照してください。クラッシュダンプファイルは非常に大きくなる可能性があるため、不要なものは削除してください。
制御構造体、アクティブなテーブル、動作中またはクラッシュしたシステムカーネルのメモリーのイメージなど、カーネルの動作についての情報を調べるには、crash ユーティリティを使用します。crash を完全に使いこなすには、カーネルについての詳細な知識が必要ですが、このマニュアルでは扱いません。crash ユーティリティの動作の詳細は、crash(1M) のマニュアルページを参照してください。
また、crash で保存したクラッシュダンプを購入先に送って、システムがクラッシュした原因を解析してもらうことも可能です。購入先にクラッシュダンプファイルを送る場合は、「クラッシュダンプの使用方法の作業マップ」にリストされている最初の 3 つの作業を実行してください。