Solaris のシステム管理

初期化フェーズの fsck メッセージ

初期化フェーズでは、コマンド行構文がチェックされます。ファイルシステムのチェックを実行する前に、fsck はテーブルを設定してファイルを開きます。

この節のメッセージは、コマンド行オプション、メモリー要求、ファイルのオープン、ファイルの状態、ファイルシステムのサイズチェック、およびスクラッチファイルの作成によるエラー条件に関するものです。ファイルシステムを修復する間に、どんな初期化エラーが発生した場合も、fsck は終了します。

bad inode number inode-number to ginode

エラーの発生原因 

解決方法 

inode-number が存在しないため、内部エラーが発生した。fsck は終了する

ご購入先に問い合わせる 

cannot alloc size-of-block map bytes for blockmap

cannot alloc size-of-free map bytes for freemap

cannot alloc size-of-state map bytes for statemap

cannot alloc size-of-lncntp bytes for lncntp

エラーの発生原因 

解決方法 

内部テーブル用のメモリー要求に失敗した。fsck は終了する。このメッセージは、即座に処理しなければならない重大なシステム障害を示す。他のプロセスが大量のシステム資源を使用していると、このエラー条件が発生することがある

他のプロセスを終了すると問題を解決できることがある。解決できない場合は、ご購入先に問い合わせる 

Can't open checklist file: filename

エラーの発生原因 

解決方法 

ファイルシステムのチェックリストファイル filename (通常は /etc/vfstab) を開いて読み込めない。fsck は終了する

ファイルの有無と、そのアクセスモードで読み取りが可能かどうかをチェックする 

Can't open filename

エラーの発生原因 

解決方法 

fsck はファイルシステム filename を開けなかった。対話形式で実行している場合、fsck はこのファイルシステムを無視し、次に指定されたファイルシステムのチェックを続ける

そのファイルシステムの row デバイスファイルに読み取り/書き込みができるかどうかをチェックする 

Can't stat root

エラーの発生原因 

解決方法 

fsck はルートディレクトリに関する統計情報要求に失敗した。fsck は終了する

このメッセージは、重大なシステム障害を示す。ご購入先に問い合わせる 

Can't stat filename
Can't make sense out of name filename

エラーの発生原因 

解決方法 

fsck はファイルシステム filename に関する統計情報要求に失敗した。対話形式で実行している場合、fsck はこのファイルシステムを無視し、次に指定されたファイルシステムのチェックを続ける

ファイルシステムの有無とそのアクセスモードをチェックする 

filename: (NO WRITE)

エラーの発生原因 

解決方法 

-n オプションが指定されているか、fsck はファイルシステム filename を書き込み用に開けなかった。fsck を非書き込みモードで実行中であれば、すべての診断メッセージが表示されるが、fsck は何も修正しようとしない

-n を指定しなかった場合は、指定したファイルのタイプをチェックする。通常ファイル名の可能性がある

IMPOSSIBLE MINFREE=percent IN SUPERBLOCK (SET TO DEFAULT)

エラーの発生原因 

解決方法 

スーパーブロックの最小容量が、99パーセントを超えているか、0 パーセント未満である 

minfree パラメタをデフォルトの 10 パーセントに設定し、デフォルトプロンプトから y と入力する。エラー条件を無視するには、デフォルトプロンプトから n と入力する

INTERNAL INCONSISTENCY: message

エラーの発生原因 

解決方法 

fsck に内部エラーが発生した。そのメッセージは message である

次のいずれかのメッセージが表示される場合は、ご購入先に問い合わせる 

MAGIC NUMBER WRONG
NCG OUT OF RANGE
CPG OUT OF RANGE
NCYL DOES NOT JIBE WITH NCG*CPG
SIZE PREPOSTEROUSLY LARGE
TRASHED VALUES IN SUPER BLOCK

次の例では、このメッセージの後にエラーが記述されています。

filename: BAD SUPER BLOCK: block-numberUSE AN ALTERNATE SUPER-BLOCK TO SUPPLY NEEDED INFORMATION;
e.g., fsck[-f ufs] -o b=# [special ...]
where # is the alternate superblock.  See fsck_ufs(1M)

エラーの発生原因 

解決方法 

スーパーブロックが破損している 

代替スーパーブロックを使用して必要な情報を与える。手始めにブロック 32 を指定するとよい。スライス上で newfs -N コマンドを実行すると、スーパーブロックの代替コピーの位置を調べることができる。-N を指定しないと、newfs は既存のファイルシステムを上書きするので注意する

UNDEFINED OPTIMIZATION IN SUPERBLOCK (SET TO DEFAULT)

エラーの発生原因 

解決方法 

スーパーブロックの最適化パラメタが OPT_TIME でも OPT_SPACE でもない

ファイルシステム上で処理の実行時間を最小限度まで短縮するには、SET TO DEFAULT プロンプトから y を入力する。このエラー条件を無視するには、n を入力する