Service Registry 3.1 ユーザーズガイド (2006Q4)

オブジェクトの発行

    オブジェクトをレジストリに発行するには、次の 3 つの手順が必要です。

  1. オブジェクトを作成します。

  2. 詳細やその他のオブジェクトを追加します。これらはメモリーに保存されますが、レジストリには発行されません。

  3. オブジェクトをレジストリに発行します。

オブジェクトをレジストリに発行できるのは、ユーザーアカウントの作成とログインが完了している場合です。ユーザーアカウントの作成を行うには、「ユーザーアカウントの作成」の手順に従います。

最初のタスクでは、新規オブジェクトを作成する手順について説明します。後続の各セクションでは、特定の種類のオブジェクトを発行するための追加手順について説明します。

表 2–2 に表示されているすべてのオブジェクトを作成および発行できます。ただし、以下の例外があります。

ここでは、次の作業について説明します。

Procedure新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する

  1. 左メニュー領域の「タスク」タブで、「新規レジストリオブジェクトを作成」をクリックします。

  2. 「レジストリオブジェクト」領域で、コンボボックスからオブジェクト型を選択し、「追加」をクリックします。

    「詳細」領域に、オブジェクトの「詳細」フォームが表示されます。

  3. 「名前」フィールドに名前を入力します。

  4. (省略可能) 「説明」フィールドに説明を入力します。

  5. (省略可能) 「バージョンコメント」フィールドにコメントを入力します。

  6. (省略可能) 割り当てられた「一意の識別子」と「論理一意識別子」を自分で選んだ識別子に置き換えます。

    識別子は、有効な URN であり、レジストリのインストール内部で一意である必要があります。

  7. オブジェクト型固有のフィールドにデータを入力します。

  8. 「保存」をクリックして、オブジェクトをメモリーに保存します。


    注 –

    別のタブに移動する前に、タブ領域でオブジェクトに加えた変更内容を必ず保存してください。保存しないと、変更内容は失われます。


  9. (省略可能) 「詳細」フォームのタブを使用して、合成オブジェクトを追加および保存します。

  10. 「適用」をクリックして、オブジェクトをレジストリに発行します。

    正常に適用されたかどうかを示す状態メッセージが表示されます。

次の手順

オブジェクトを発行する前またはあとで、ほかの合成オブジェクトを追加することによってオブジェクトを編集できます。表 2–4 は、追加できるオブジェクトを示しています。これらのオブジェクトの追加方法についてはあとで説明します。

ProcedureAdhocQuery オブジェクトを作成および発行する

AdhocQuery オブジェクトは、クエリー構文に表示される Ad hoc クエリーを表します。AdhocQuery オブジェクトを使用してレジストリオブジェクトを検出します。AdhocQuery オブジェクトの目的は、リレーショナルデータベースのストアドプロシージャーと似ています。たとえば、検索パネル内の定義済みクエリーはすべて AdhocQuery オブジェクトです。

  1. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 1–6 を実行します。ステップ 2 で AdhocQuery を選択します。

  2. (省略可能) 「クエリータイプ」コンボボックスからクエリータイプを選択します。

    デフォルトは SQL クエリーです。ほかにサポートされているクエリータイプは XQuery と ebXML フィルタクエリーです。

  3. 「クエリー文字列」フィールドにクエリーのテキストを入力します。

    SQL クエリーの場合、通常は単一引用符で囲む項目を、単一引用符のペアで囲みます。このような項目として、一般にサブクエリーに含まれるパラメータプレースホルダーやリテラルがあります。たとえば、サブクエリー内のパラメータプレースホルダーは、次のように指定します。

    (SELECT id FROM ClassificationNode WHERE path LIKE ''$objectTypePath'')

    リテラルとパラメータプレースホルダーの両方を指定する場合は、次のようにします。

    ... AND (ro.id = s.parent AND s.name_ = 
    ''urn:oasis:names:tc:ebxml-regrep:profile:ws:wsdl:nameSpacesUsed''
      AND s.value LIKE ''$nameSpacePattern'')
  4. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 8–10 を実行します。

ProcedureClassificationNode オブジェクトを作成および発行する

ClassificationNode オブジェクトは、内部 Classification Scheme のほかの要素と構造関係を持つ分類要素を表します。ClassificationNode オブジェクトを作成して Classification Scheme に追加することもできますが、ClassificationScheme 詳細パネルの「Concept」タブを使用して Concept を作成する方が簡単です。

  1. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 1–6 を実行します。ステップ 2 で ClassificationNode を選択します。

  2. 「値」フィールドに ClassificationNode オブジェクトの値を入力します。

    「Classification Scheme」、「親 ID」、「パス」の各フィールドはグレー表示されています。

  3. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 8–10 を実行します。

ProcedureClassificationScheme オブジェクトを作成および発行する

ClassificationScheme オブジェクトはオブジェクトの分類に使用する分類法を表します。内部 ClassificationScheme では、すべての分類要素はレジストリで Concept インスタンスとして定義されます。外部 ClassificationScheme では、値はレジストリで Concept インスタンスとして定義されず、String 表現として参照されます。

  1. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 1–6 を実行します。ステップ 2 で ClassificationScheme を選択します。

    「外部 Classification Scheme」チェックボックスが選択されていて、scheme に Concept がないことを示しています。Classification scheme に Concept を追加すると、チェックボックスは選択解除になります。

  2. 「値タイプ」コンボボックスから値 を選択します。

    • 「Unique」。分類基準の各ノードに一意のコードが割り当てられることを示します。

    • 「Embedded Path」。分類基準の各ノードに割り当てられた一意のコードにノードのパスもエンコードされることを示します。

    • 「Non-Unique」。ノードが一意でなく、ノードの識別に ClassificationScheme から該当するノードまでの完全なパスを使用する必要がある場合があります。

    デフォルトは Unique です。

  3. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 8–10 を実行します。

ProcedureExternalLink オブジェクトを作成および発行する

ExternalLink オブジェクトはレジストリ外部にあるコンテンツの URI を提供します。

  1. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 1–6 を実行します。ステップ 2 で ExternalLink を選択します。

    「オブジェクト型」フィールドには値 ExternalLink が含まれます。

  2. (省略可能) 「オブジェクト型の Concept を選択」ボタンをクリックして、URI によって参照されるデータのオブジェクト型を選択します。

    「Extrinsic Object Classification Node Selector」ウィンドウで ExtrinsicObject 型の適切な Concept が表示されるまでノードを展開します。「了解」をクリックすると、「オブジェクト型」ウィンドウに選択した型が表示されます。

  3. 「外部 URI」フィールドに外部リンクの URI を入力します。

  4. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 8–10 を実行します。


    注 –

    ExternalLink オブジェクトを保存しようとしてエラーが発生した場合、管理タスクを実行する必要があることを示します。詳細については ExternalLink ServiceBinding を作成できない」を参照してください。


ProcedureExtrinsicObject オブジェクトを作成および発行する

ExtrinsicObject は、コンテンツの型が本質的にレジストリにとって既知ではないために、MIME タイプなどの追加属性によって記述する必要のある場合、この型を記述するメタデータを提供します。

ExtrinsicObject を使用してさまざまな種類のファイルを発行します。多くの場合、これらは WSDL ファイルなどの Web サービスの成果物です。

ebXML Registry Profile for Web Services は、Web サービスの成果物の発行、管理、統制、検出、再使用 に関する ebXML レジストリプロファイルを定義する OASIS 標準です。デフォルトでは、Service Registry にこのプロファイルが実装されています。すなわち、WSDL ファイルをExtrinsicObject オブジェクトとしてレジストリに発行する場合、レジストリは文書に対して何らかの標準メタデータを作成し、これによって、文書で定義された Web サービスを作成します。この機能は WSDL カタログと呼ばれます。

相互にまたはほかのファイル (XSD ファイルなど) と依存関係を持つ1 つまたは複数の WSDL ファイルを発行するには、すべてのファイルを含む zip ファイルを作成します。

管理者は WSDL カタログ機能を無効化できます。詳細については 『Service Registry 3.1 管理ガイド』「WSDL Cataloger の無効化」を参照してください。

  1. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 1–6 を実行します。ステップ 2 で ExtrinsicObject またはサブタイプの 1 つを選択します。

    たとえば、1 つまたは複数の WSDL ファイルを発行する場合は、WSDL を選択します。

  2. (省略可能) 「MimeType」フィールドに MIME タイプを入力します。http://www.iana.org/assignments/media-types に表示されているタイプを入力する必要があります。

    スタンドアロン WSDL ファイル (XML を含むテキストファイル) をアップロードする場合、MIME タイプを text/xml に設定します。

    複数の WSDL (およびオプションで XSD) ファイルを含む zip ファイルをアップロードする場合、MIME タイプを application/zip に設定します。

  3. (省略可能) オブジェクトのコンテンツをレジストリで読み取ることができない場合、「不透過」チェックボックスを選択します (暗号化されている場合など)。

  4. ExtrinsicObject よりも特殊なオブジェクト型を選択する必要がある場合は、「オブジェクト型の Concept を選択」ボタン をクリックします。

    「Extrinsic Object Classification Node Selector」ウィンドウで ExtrinsicObject 型の適切な Concept が表示されるまでノードを展開します。「了解」をクリックすると、「オブジェクト型」ウィンドウに選択した型が表示されます。

  5. 「リポジトリ項目ファイルを選択」ボタンをクリックして、ExtrinsicObject のリポジトリ項目を検索します。

    1. 「ファイルのアップロード」ウィンドウで、テキストフィールドにファイルパスを入力するか「ブラウズ」をクリックします。

    2. 「ブラウズ」をクリックした場合、ファイル選択ウィンドウを使用してファイルに移動して、「開く」をクリックします。

    3. 「ファイルのアップロード」ウィンドウで「ファイルのアップロード」をクリックします。

    4. 「了解」をクリックします。

    「詳細」パネルに以下の追加項目が表示されます。

    • 「コンテンツのバージョン」フィールド (グレー表示)

    • 「コンテンツのバージョンコメント」フィールド (入力可能)

    • 「リポジトリ項目を削除」ボタン

    • 「リポジトリ項目の内容を表示」リンク

  6. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 8–10 を実行します。

次の手順

WSDL ファイルを参照する ExtrinsicObject オブジェクトを作成後、WSDL 検出クエリーを使用して検索できます。また、基本クエリーを使用して WSDL タイプの ExtrinsicObject オブジェクト、Service オブジェクト、ServiceBinding オブジェクトを検索すると、レジストリで WSDL ファイルの要素によって指定されたすべてのオブジェクトが作成されていることを確認できます。

ProcedureFederation オブジェクトを作成および発行する

Federation はレジストリの関連グループを表します。属性は基本 RegistryObject 属性のみです。Federation オブジェクトを作成するには、管理者であることが必要です。

  1. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 1–6 を実行します。ステップ 2 で Federation を選択します。

  2. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 8–10 を実行します。

  3. 「オブジェクト間の関係の作成」のステップに従って、関連レジストリを連携に追加します。以下のステップを実行します。

    1. 連携を検索し、「選択」チェックボックスを選択して、「ブックマーク」をクリックします。

    2. レジストリを検索し、「選択」チェックボックスを選択して、「関連付け」をクリックします。

    3. 「関係を作成」領域で、ソースオブジェクトとして連携を選択します。レジストリがターゲットオブジェクトになります。

    4. AssociationType を HasFederationMember に設定します。

ProcedureOrganization オブジェクトを作成および発行する

Organization オブジェクトは組織についての情報を提供します。1 つの親組織、および 1 つまたは複数の子組織を持つことができます。主担当者として常に User オブジェクトがあり、組織と 1 つまたは複数の Service オブジェクト間の関連付けを作成することで、サービスを提供できます。

  1. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 1–6 を実行します。ステップ 2 で Organization を選択します。

  2. (省略可能) 「住所」フィールドに値を入力します。

  3. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 8–10 を実行します。

    Organization オブジェクトへの合成オブジェクトの追加の詳細については、以下のセクションを参照してください。

  4. ServiceOrganization に追加するには、「オブジェクト間の関係の作成」のステップに従います。以下のステップを実行します。

    1. 組織を検索し、「選択」チェックボックスを選択して、「ブックマーク」をクリックします。

    2. サービスを検索し、「選択」チェックボックスを選択して、「関連付け」をクリックします。

    3. 「関係を作成」領域で、ソースオブジェクトとして組織を選択します。サービスがターゲットオブジェクトになります。

    4. AssociationType を OffersService に設定します。

ProcedurePerson または User オブジェクトを作成および発行する

Person または User オブジェクトは、レジストリ内の個人および登録ユーザーについての情報を提供します。どちらのオブジェクトも同じ属性を持ちます。User オブジェクトは主担当者として Organization オブジェクトと関連します。 User オブジェクトは、AuditableEvent を生成する要求を送信した要求者を識別するために、AuditableEvent オブジェクトでも使用されます。

User オブジェクトは、ユーザー登録ウィザードを使用して作成することを推奨します。レジストリに自分自身でアクセスしない個人のメタデータを作成するたびに、Web コンソールを使用して Person オブジェクトを作成します。

1 人の個人に対して複数の住所、電子メールアドレス、電話番号を作成できるようにするには、User オブジェクトを作成します。Web コンソールでは、住所、電子メールアドレス、電話番号を、Person オブジェクトではなく、User オブジェクトの合成オブジェクトとして追加できます。

  1. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 1–6 を実行します。ステップ 2 で Person または User を選択します。

  2. 「個人の名前」フィールドに値を入力します。

    これらのうち少なくとも 1 つのフィールドに値を指定します。

    「名前」フィールドは使用しないでください。Web コンソールは Person または User の「名前」フィールドに入力した値はすべて無視します。

  3. 以下のセクションに記述されている合成オブジェクトを追加します。

  4. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 8–10 を実行します。

ProcedureRegistry オブジェクトを作成および発行する

Registry オブジェクトはレジストリを表します。属性は基本 RegistryObject 属性のみです。Registry オブジェクトを作成するには、管理者であることが必要です。

  1. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 1–6 を実行します。ステップ 2 で Registry を選択します。

  2. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 8–10 を実行します。

次の手順

レジストリを連携に追加する方法については、Federation オブジェクトを作成および発行する」を参照してください。

ProcedureRegistryPackage オブジェクトを作成および発行する

RegistryPackage オブジェクトは、任意の数のレジストリオブジェクトの論理グループ化を表します。

  1. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 1–6 を実行します。ステップ 2 で RegistryPackage を選択します。

  2. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 8–10 を実行します。

  3. オブジェクトをパッケージに追加するには、「レジストリパッケージへのオブジェクトの追加」の手順に従います。

ProcedureService オブジェクトを作成および発行する

Service オブジェクトはサービスに関する情報を提供します。サービスへのアクセス方法に関する技術情報を表す、1 つまたは複数のServiceBinding オブジェクトを含めることができます。

Service オブジェクトを発行する最も一般的な方法は、コンテンツが 1 つまたは複数の WSDL ファイルで構成される ExtrinsicObject オブジェクトを発行することです。詳細については ExtrinsicObject オブジェクトを作成および発行する」を参照してください。

  1. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 1–6 を実行します。ステップ 2 で Service を選択します。

  2. 「新しいレジストリオブジェクトを作成して発行する」のステップ 8–10 を実行します。

  3. ServiceBinding オブジェクトをサービスに追加するには、「Service へのサービスバインディングの追加」の手順に従います。

  4. SpecificationLink オブジェクトを ServiceBinding に追加するには、「サービスバインディングへの仕様リンクの追加」の手順に従います。