Java ES インストーラは、選択した製品コンポーネントの共有コンポーネントを自動的にアップグレードして、Java ES のリリースに必要なレベルに一致させます。共有コンポーネントを手動でアップグレードする場合は、インストーラを終了し、共有コンポーネントをアップグレードしてから、インストーラを再度使用する必要があります。共有コンポーネントのインストールまたはアップグレードは、共有コンポーネントだけをインストールして現在のリリースと同期をとるだけの専用インストールセッションを使って行うこともできます。「共有コンポーネント」項目をインストールする場合は、Java ES リリースに必要なすべての共有コンポーネントがインストールまたはアップグレードされます。
疎ルートファイルシステムを使用して非大域 Solaris ゾーンでインストーラを実行する場合は、「共有コンポーネント」項目は選択できません。
Solaris OS では、一部の製品コンポーネントはすでにオペレーティングシステムにインストールされています。その場合は、Java ES インストーラを使用してこれらの製品コンポーネントをアップグレードできます。グラフィカルモードのインストールセッションでは、アップグレード可能な製品コンポーネントがホスト上で検出されると、「ソフトウェアコンポーネントの選択」ページの「状況」列に「アップグレード可」と表示されます。テキストベースのインストーラの場合は、アップグレード可能な製品コンポーネントの一覧が別のウィンドウに表示されます。次の表は、インストーラでアップグレードできるコンポーネントの一覧です。該当する場合は、Solaris ゾーンの問題も説明しています。
表 1–1 Java ES インストーラのアップグレードサポート
構成要素 |
Java ES インストーラでアップグレードできる状況 |
Solaris ゾーンの問題 |
---|---|---|
Application Server |
Application Server 7.0 が Solaris 9 にバンドルされている場合 Application Server 8.0 が Solaris 10 にバンドルされている場合 Application Server 8.1.0 が Java ES 3 (2005Q1) と一緒にインストールされた場合 Application Server 8.1.2 が Java ES 4 (2005Q4) と一緒にインストールされた場合 |
Application Server を非大域疎ルートゾーンにインストールする前に、バンドルされた Application Server を大域ゾーンから削除する必要があります。 大域ゾーンの Application Server をアップグレードすると、大域ゾーンの既存のバージョンと、完全ルートまたは疎ルートゾーンのすべてのバージョンが置き換えられます。 |
HADB |
HADB が Java ES 2005Q1 (リリース 3) と一緒にインストールされた場合 HADB が Java ES 2005Q4 (リリース 4) と一緒にインストールされた場合 | |
Message Queue |
Message Queue が Solaris 9 にバンドルされている場合 Message Queue が Solaris 10 にバンドルされている場合 Message Queue が Java ES 3 (2005Q1) と一緒にインストールされた場合 Message Queue が Java ES 4 (2005Q4) と一緒にインストールされた場合 |
Message Queue は、大域ゾーンまたは完全ルート非大域ゾーンにのみインストールできます。 大域ゾーンの Message Queue は、常に非大域ゾーンに伝播されます。 |
互換性のない製品コンポーネントバージョンのうち、アップグレードできないものがインストーラによって検出された場合は、それらの製品コンポーネントを削除するか手動でアップグレードしないとインストールを続行できないというメッセージが表示されます。このようなアップグレードについては、『Sun Java Enterprise System 5 アップグレードガイド (UNIX 版)』に詳しく記載されています。