インストーラはインストール時に、ホストにすでにインストールされている Java ES コンポーネントがインストールする Java ES のリリースと互換性があるかどうかをチェックします。コンポーネントの一部に互換性がない場合、互換性がないことを示すエラーメッセージが表示され、インスールが中断する場合があります。したがって、インストール済みのソフトウェアを調べ、必要なアップグレードを行なったあとで、Java ES ソフトウェアをインストールすることをお勧めします。
インストールを実行するときに、ホストにある互換性のないコンポーネントを確認できます。Application Server、Message Queue、または HADB をインストールする場合は、インストーラを使ってこれらのコンポーネントをアップグレードできます。その他の製品コンポーネントについては、インストーラを使用してアップグレードすることはできません。代わりに、『Sun Java Enterprise System 5 アップグレードガイド (UNIX 版)』の手順に従って、それらの互換性のないコンポーネントを削除またはアップグレードする必要があります。
Java ES インストーラは、インストールする製品コンポーネントで必要となるすべての共有コンポーネントを、アップグレードまたはインストールします。
prodreg や pkginfo などの Solaris コマンド、Linux の rpm コマンド、または HP-UX の swlist コマンドを使用して、インストール済みのソフトウェアを調べることができます。次の表に、各 UNIX プラットフォームの基本的なパッケージコマンドの対応関係を示します。
表 1–2 UNIX のパッケージコマンドの対応関係
作業 |
Solaris |
Linux |
HP-UX |
---|---|---|---|
インストール済みパッケージの表示 |
pkginfo |
rpm –qa |
swlist |
パッケージのインストール |
pkgadd |
rpm -i |
swinstall |
パッケージの削除 |
pkgrm |
rpm –e |
swremove |
また、インストーラそのものを使用して、この項で説明する手順に従って、パッケージベースのソフトウェアインストールを調べることもできます。
インストールされているソフトウェアに関する情報を得るために、Java ES インストーラだけを頼りにすることは、避けるべきです。インストール済みのソフトウェアについて、ホストを独自に調査して確認することも必要です。
DISPLAY 環境変数を設定します。
リモートホストにログインしているときには、DISPLAY 環境変数がローカルディスプレイに適切に設定されていることを確認します。 DISPLAY 変数が正しく設定されていないと、インストーラはテキストベースモードで実行されます。
C Shell での例 (ホスト名は myhost):
setenv DISPLAY myhost:0.0 |
Korn Shell での例 (ホスト名は myhost):
DISPLAY=myhost:0.0 |
表示権限を付与します。
ローカルディスプレイでインストーラを実行するには、表示権限の付与が必要になる場合があります。たとえば、次のコマンドを使用して、myhost から serverhost のルートユーザーに表示権限を付与することができます。
myhost\> xauth extract - myhost:0.0|rsh -l root serverhost xauth merge - |
このような権限を安全に付与する手順については、『Solaris X Window System Developer's Guide』の「Manipulating Access to the Server」の章を参照してください。
ソフトウェアをインストールしないことを示す -no オプションを指定してインストーラを起動します。
グラフィカルインストーラの場合、次のとおり入力します。
./installer -no |
テキストベースのインストーラの場合、次のとおり入力します。
./installer -nodisplay -no |
コンポーネントの選択に進みます。
このホストにインストールする製品コンポーネントを選択します。
状態列は、選択した製品コンポーネントに必要な製品と、アップグレード可能なコンポーネントを示します。
インストーラが選択可能な製品コンポーネントのバージョンに互換性がないことを検出した場合、互換性のないバージョンのアップグレードまたは削除が求められます。
Solaris にバンドルされている Application Server、Message Queue、および HADB の場合は、インストーラを使ってアップグレードすることができます。詳細は、「アップグレードのしくみ」を参照してください。
この問題を解決したら、選択リストを更新し、選択し、インストーラを先に進めます。
インストーラが共有コンポーネントのバージョンに互換性がないことを検出した場合、アップグレードの必要がある共有コンポーネントのリストが表示されます。
表示された各共有コンポーネントについて、「インストール済みのバージョン」と「必要なバージョン」を比較し、アップグレードする必要があるかどうかを確認します。新しい Java ES バージョンの共有コンポーネントと、ホスト上でその共有コンポーネントを使用するほかのアプリケーションとの間に互換性があるかどうかを確認する必要があります。
必要に応じてインストーラを終了し、必要なアップグレードを実行します。
インストーラがアップグレードできない製品コンポーネントについては、『Sun Java Enterprise System 5 アップグレードガイド (UNIX 版)』を参照してください。
共有コンポーネントの場合は、インストール時に大部分のアップグレードを実行できます。
各ホストに対して手順を繰り返します。
インストーラは Solaris OS によって配布される Directory Server のバージョンを調べ、この Solaris の配布の中に含まれている Directory Server のスクリプトの名前がインストーラによって変更されることを警告します。何の操作も必要ありません。