この章では、Sun JavaTM Enterprise System (Java ES) のインストールとアンインストールに関する問題を解決するためのヒントを提供します。
この章で説明する内容は、次のとおりです。
ここでは、Java ES のインストールおよびアンインストール時に、問題の原因を分析して特定するためのガイドラインを紹介します。
ここで説明する内容は、次のとおりです。
インストールまたはアンインストール中に問題が発生した場合は、発生した問題に関する情報を確認するために、最初にインストールログを調べます。ユーザーの選択、パッケージの操作、インストールまたはアンインストールの手順などの操作のあとには、情報メッセージ、警告メッセージ、およびエラーメッセージが発行されます。インストール、アンインストール、およびインストール時に行なった設定に関するメッセージは、ソースログファイルに収集されます。各メッセージに表示される情報は、日時、ログレベル、モジュール ID、およびメッセージテキストで構成されます。パスワードが出力されることはありません。
インストールまたはアンインストールの情報が収集されるログファイルには、次の 4 種類のファイルがあります。
サマリーファイル。何をインストールして設定したかについての概要情報が記録されます。
詳細バージョン A ファイル。完了情報が記録されます。
詳細バージョン B ファイル。ログメッセージの詳細が記録されます。
デバッグファイル。インストールに失敗したときにそれに関連する情報が記録されます。デバッグファイルは、ほかのログファイルのいずれかがエラーを示しているときに使用します。
ログメッセージは、ULF (Unified Logging Format) と呼ばれる Sun 標準形式で格納されます。ULF を読みにくい場合は、Java ES ログビューアを使ってログメッセージを表示することもできます。
ソースログファイルは、テキストエディタを使って編集できます。次の表は、ソースログファイルの形式を示しています。
表 9–1 ログファイルの形式
ログに記録される内容 |
ログファイル名の形式 |
---|---|
インストーラ |
Java_Enterprise_System_5_install.Atimestamp |
Java_Enterprise_System_5_install.Btimestamp |
|
JavaES_Install_log.timestamp |
|
Java_Enterprise_System_5_Summary_Report_install. timestamp |
|
アンインストーラ |
Java_Enterprise_System_5_uninstall.Atimestamp |
Java_Enterprise_System_5_uninstall.Btimestamp |
|
JavaES_UnInstall_log.timestamp |
|
Java_Enterprise_System_5_Summary_Report_uninstall. timestamp |
アンインストールが完了すると、アンインストーラはインストーラ、ログビューア、およびアンインストーラ自体を削除します。ただし、ソースログファイルは削除されず、次の場所に格納されます。
Solaris の場合: /var/sadm/install/logs
Linux および HP-UX の場合: /var/opt/sun/install/logs
サマリーファイルを調べます。例:
Java_Enterprise_System5_Summary_Report_install. timestamp
問題が発生した場合は、どのコンポーネントが問題の原因であるかを確認します。複数の問題が発生したかどうかを確認します。必要に応じて、詳細ログのいずれかまたは両方のファイルを調べる必要があります。
詳細ログを調べます。例:
JavaES_Install_log timestamp
最初に発生したエラーまたは警告を探して、解決します。1 つのエラーを解決すると、関連性がないように見える後続の多数のエラーも解決することがよくあります。
Java ES ログビューアは、JavaES_Install_log.timestamp ファイルまたは JavaES_UnInstall_log.timestamp ファイルの ULF ログメッセージを表示するための、グラフィカルな画面です。ログファイルを表示するには、ログビューアメインページの「ファイル」メニューから「Open」を選択します。指定するファイルがすでに存在する場合または書き込み権限で開けない場合には、ログビューアエラーが発生し、ログビューアメインページに戻ります。インストーラがソースログを記録するために使用するディレクトリに、そのようなファイルを置くことはできません。
「Search」ボタンをクリックすると、フィルタ条件に一致するメッセージが 1 つのログテーブルに表示されます。ログテーブルが表示されたあとに、ログテーブルの各行を選択すると、その詳細が表示されます。複数行の形式で表示されることもあります。
ログ出力を調整するには、ULF ログファイルを選択したあとに、ログビューアメインページで表示設定と検索条件を指定します。「Display Preferences」には、選択内容を表示する言語と、検索したレコードの表示に適用する制限を指定します。
「Language」。メッセージを表示するための翻訳言語を選択します。デフォルトは英語です。このリストは、インストーラによって格納される翻訳リソースバンドルに基づいて表示されます。リソースバンドルを指定しない場合は、メッセージとログビューアインタフェースは英語で表示されます。
「Timestamp」。フィルタで検索して表示するレコードを設定します。オプションは、「View All」、「Most Recent」、および「Oldest」です。
「View All」。すべてのデータが検索されて表示されます。
「Most Recent」。すべてのデータが検索されて、最新のデータが最初に表示されます。
「Oldest」。すべてのデータが検索されて、もっとも古いデータが最初に表示されます。
メッセージをフィルタで検索するときには、重要度の高いものまたは目的に合っているものから表示されるように、3 つの方法が用意されています。ログレベル別、ロガー別、および内容別の表示方法があります。
「Log Level」。メッセージを検索するときのログレベルを選択します。オプションは、「SEVERE」、「ERROR」、「WARNING」、「INFO」、「CONFIG」、「FINE」、「FINER」、および「FINEST」です。「FINEST」を選択することは、すべてのレコードを表示することを選択することになります。ログレベルを選択した場合は、そのログレベルまたはそれより重要度の高いレベルのメッセージだけが表示されます。指定したログレベルのメッセージだけを表示して、それ以外は除外する場合は、「Do not include more severe messages」チェックボックスをクリックします。
「Logger」。開いたファイルに適用するロガーを 1 つ選択します。何も選択しなくてもかまいません。ロガー (ULF ファイルの moduleID) によって、インストーラのどの部分がそのログメッセージを書き込んでいるかがわかります。主要なロガーとして、JAVAESConfig、JAVAESInstall 、JAVAESUninstall があります。選択したロガーに関連付けられているメッセージだけが表示されます。また、製品コンポーネントのロガーも指定できます。たとえば、WebServerInstall、 AccessManagerConfig、DirectoryServerUnInstall などを指定できます。
「Content」。「configure」などの文字列を「Only Show Entries Containing」テキストボックスに入力すると、その文字列を含むメッセージだけが選択されます。
一般的な検索条件をいくつか紹介します。
ログレベルが「SEVERE」のログメッセージだけをこのファイルから表示する。
ログレベルが「ERROR」以上のログメッセージだけを表示する。
インストールログメッセージのうち、ログレベルが「ERROR」以上のメッセージだけを表示する。
アンインストールイベントのログメッセージだけを表示する。
ログビューアは読み取り専用モードで動作するため、複数のユーザーが同時にログビューアを実行できます。
コマンド行で、ログビューアの場所に移動します。
Solaris SPARC の場合: /var/sadm/prod/SUNWentsys5i/Solaris_sparc
Solaris x86 の場合: /var/sadm/prod/SUNWentsys5i/Solaris_x86
Linux の場合: /var/sadm/prod/sun-entsys5i/Linux_x86
HP-UX の場合: /var/sadm/prod/sun-entsys5i/HPUX_PA-RISC
ログビューアを起動します。
./viewlog |
ログビューアのメインページが表示されます。
「ファイル」メニューで、表示するログファイルを選択します。
選択したファイルが ULF でない場合は、選択したファイルが ULF でないため選択できないというメッセージが表示されます。ログビューアを使って表示できるのは、ULF ファイルだけです。
利用できる ULF ログファイルがない場合は、インストールまたはアンインストールがまだ完了していない可能性があります。しばらく待ってから、もう一度やり直してください。
目的に合わせて「Display Preferences」と「Search Criteria」を選択します。
「検索」をクリックします。
フィルタ条件に一致するレコードがログテーブルに表示されます。
多数の製品コンポーネントに、インストール時の相互依存関係があります。1 つの製品コンポーネントに影響を与える問題は、別の製品コンポーネントにも影響を与える可能性があります。まず、『Sun Java Enterprise System 5 インストール計画ガイド』で説明されている内容をよく理解してください。
サマリーファイルおよびログファイルを参照し、関連付けられている製品に問題が発生していないかどうか確認します。これにより、最初に解決すべきことの手がかりが得られる可能性があります。
正しい接続情報を指定しているかどうかチェックします。例:
Directory Server の設定時に指定した情報は、その Directory Server を使用する製品コンポーネントに指定したディレクトリ情報と一致しているか。
Portal Server または Portal Server Secure Remote Access に指定した Access Manager の情報は、Access Manager に指定した情報と一致しているか。
製品コンポーネントの依存関係のほかに、一部の製品コンポーネントは Solaris パッケージがホストにインストールされているかどうかにも依存しています。パッケージが存在していない場合は、それが原因でインストールが失敗することがあります。詳細については、リリースノートの「ソフトウェア要件」の節を参照してください。
製品コンポーネントの起動時に問題が発生する場合は、その製品コンポーネントのログファイルを調べてください。多くの製品コンポーネントのログファイルの場所については、「製品コンポーネントのトラブルシューティングのためのヒント」を参照してください。
次のホストレベルの問題は、インストール時に問題を引き起こす可能性があります。
アップデート: 推奨アップデート (パッチ) は適用されているか。
ディスク容量: ディスクパーティションをどのように設定し、どのパーティションにインストールディレクトリを作成するか。インストールディレクトリ /var/sadm および /etc/opt、または独自に指定したデフォルト以外のディレクトリに、十分なディスクの空き容量が必要です。
ネットワークポート: 設定時に、Java ES 製品コンポーネントのポート番号を指定します。次の項目をチェックします。
/etc/services ファイルで標準ポート番号を調べる。
サマリーログファイルを参照し、標準の設定と比較する。ポート番号を誤って入力していないか、またはあるサーバーに対して通常は別のサーバーで使用するポートを設定していないか。
netstat -a コマンドを使用して、現在システムで使用しているポートを調べる。すでに他で使用中のポート番号を割り当てていないか。
IP アドレス: 設定時に、IP アドレスを指定します。正しい IP アドレスを入力したかどうかチェックします。確認する必要のあることがいくつかあります。
このシステムに複数のネットワークインタフェースがある場合、それぞれに独自の IP アドレスが指定されているか。
高可用性設定において、論理ホストの IP アドレス、またはクラスタノードの IP アドレスを指定したか。
製品コンポーネントの起動時に問題が発生する場合は、第 6 章「インストール後の設定の実行」に記述されている手順に正しく従っていたか確認します。
DVD または CD からのインストールでは、メディアの汚れや損傷を調べます。ディスクに汚れがあると、インストール時に問題が発生する可能性があります。
Directory Server に依存する製品コンポーネントをインストールする場合、次のいずれかの問題によって問題が発生する可能性があります。
Directory Server に対して不正なユーザー ID およびパスワードを指定した。
不正な LDAP ポートを指定した。
Directory Server に接続できない。
インストーラを対話モードで実行するとインストール時に Directory Server の接続性がチェックされますが、サイレントモードではチェックされません。Directory Server を利用できない状態でサイレントインストールを実行すると、Access Manager または Portal Server のインストールが失敗する可能性があります。
編集済みの設定ファイルなど、カスタマイズされたファイルの上書きを防ぐために、そのファイルが格納されるディレクトリには Web Server をインストールできません。
Web Server を再インストールする場合、インストールディレクトリをチェックして、それが空であることを確認します。空ではない場合は、どこか別の場所にファイルをアーカイブしてからインストールを再試行します。
インストーラは、製品コンポーネントごとにパスワードの入力を求めます。複数のホストに複数の製品コンポーネントをインストールする場合、各ホストで正しいパスワードを入力することが重要です。
パスワードの問題を解決するには、いったんアンインストールしてから再インストールすることが必要となる場合があります。アンインストールに失敗した場合は、「アンインストール時に残されたファイルによるインストールの失敗」を参照してください。
製品コンポーネントをインストールしたものの問題があり、再インストールまたはアンインストールを実行できない場合は、Solaris の pkginfo コマンド、Linux の rpm コマンド、または HP-UX の swlist コマンドを使用して、インストールしたコンポーネントパッケージを調べます。その結果を、『Sun Java Enterprise System 5 インストールリファレンス (UNIX 版)』の第 5 章「インストール可能なパッケージの一覧」に記載されている Java ES パッケージと比較します。追加のトラブルシューティング情報については、「アンインストール時に残されたファイルによるインストールの失敗」を参照してください。
Solaris 9 と Solaris 10 では、製品レジストリ (prodreg ツール) を使用することもできます。このツールは、グラフィカルインタフェースを提供し、pkg ユーティリティーの代わりに、各コンポーネントおよびそのパッケージへの索引付けをします。製品レジストリを起動するには、コマンドプロンプトで prodreg を入力します。詳細については、prodreg(1) のマニュアルページを参照してください。
「アンインストーラ用の管理者アクセス権の付与」で説明されているように、アンインストール時に管理者アクセス権をアンインストーラに付与しなければならないことがあります。
ここでは、インストール時に発生する可能性のある次の問題について説明します。
アンインストール時に製品コンポーネントファイルやパッケージが削除されずに残されることがあります。このような場合、Java ES を再インストールする前に、ファイルやパッケージの手動での削除が必要となる場合があります。削除したと思っているにもかかわらず、インストーラは製品コンポーネントがホスト上にあるとレポートします。
次の状況が発生した可能性があります。
アンインストールが失敗し、アンインストールされなかったパッケージの名前がエラーメッセージで示されたが、問題が解決されなかった。
アンインストールが失敗したがエラーが検出されなかったため、パッケージがアンインストールされていないのにアンインストールされたと思っている。
次のコマンドを使用して、一部だけがインストールされたパッケージがないかどうか調べます。
Solaris OS の場合: pkginfo -p
Linux の場合: rpm -qa |grep —I ^sun | xargs rpm -V
HP-UX の場合: swlist -l product sun-*
コマンドの出力で、一部だけがインストールされたパッケージのリストが表示されます。『Sun Java Enterprise System 5 インストールリファレンス (UNIX 版)』の第 5 章「インストール可能なパッケージの一覧」を参照し、返されたパッケージ名に基づいてそれらのパッケージが属している製品コンポーネントを調べます。
コンポーネントまたはパッケージを削除します。
Solaris 9 または Solaris 10 では、prodreg というツールを使用します。
prodreg ツールを使用すると、ホスト上のパッケージベースのコンポーネントを管理できます。各製品コンポーネントとそのパッケージについて、相互依存関係を含む完全な情報を参照できます。prodreg ツールを使用して、安全に製品コンポーネントをアンインストールし、パッケージを削除することができます。prodreg ツールで製品コンポーネントを削除すると、再インストールできるようになります。
Linux では、rpm -e コマンドを使用します。
製品のレジストリファイルを編集するには、/var/opt/sun/install/productregistry ファイルを開きます。この XML ファイルには、各製品コンポーネントの説明があります。各製品コンポーネントの説明は、<compid\> タグで始まり、</compid\> タグで終わります。製品コンポーネントのエントリ全体を削除します。
HP-UX では、swremove コマンドを使用します。
製品のレジストリファイルを編集するには、/var/adm/swproductregistry ファイルを開きます。この XML ファイルには、各製品コンポーネントの説明があります。各製品コンポーネントの説明は、<compid\> タグで始まり、</compid\> タグで終わります。製品コンポーネントのエントリ全体を削除します。
次のディレクトリに Java ES 製品コンポーネントやパッケージがないことを確認します。
/opt
/etc/opt
/var/opt
インストーラをもう一度実行します。
Java ES 5 リリースから、インストールが終了すると、製品レジストリファイル内に共有コンポーネントが登録されるようになっています。
Java ES アンインストーラは、製品コンポーネントをシステムから削除しますが、共有コンポーネントは削除しません。アンインストールが終了しても、製品レジストリには共有コンポーネントのエントリが依然として含まれています。アンインストール後に Java ES の共有コンポーネントを手動で削除しても、それらのコンポーネントは製品レジストリからは削除されません。したがって、次回の Java ES 5 のインストールは失敗します。なぜなら、手動で削除された共有コンポーネントに対するエントリが製品レジストリ内には依然として存在するため、インストーラはそれらのコンポーネントが存在するものと仮定するからです。
Java ES の共有コンポーネントをシステムから手動で削除しないでください。
推奨される解決方法: 製品レジストリファイルから対応するエントリを削除するか、製品レジストリファイル自体を削除します。製品レジストリファイルからエントリを削除するとファイルが壊れる危険性があるため、製品レジストリの全体を削除することをお勧めします。これを行う前に、Java ES コンポーネント以外の製品が製品レジストリファイルを使用していないことを確認してください。
Linux および HP-UX では、Solaris OS に存在するグラフィカル製品レジストリに相当するものはありません。Linux または HP-UX 上のファイルを手動で削除した場合は、製品レジストリファイルを手動で編集してそれらのエントリを削除する必要があります。
WebSphere を実行していない、または WebSphere のネイティブ設定と一致しない WebSphere 値を指定したことが原因として考えられます。この問題の解決には、次の 2 つの方法があります。Solaris OS では、IBM WebSphere のみが Web コンテナとしてサポートされます。
1 つの方法は、WebSphere インスタンスの設定をチェックすることです。
WebSphere が実行されていることを確認します。
次のインストーラフィールドの値を調べます。
WebSphere 仮想ホスト (状態ファイルの PS_IBM_VIRTUAL_HOST)
Application Server 名 (状態ファイルの PS_IBM_APPSERV_NAME)
WebSphere ツールで設定をチェックし、これらの値と一致する値を確実に入力します。
再試行します。
もう 1 つの方法は、WebSphere エンティティーの新しいインスタンスを作成することです。
adminclient.sh を使用して、WebSphere コンソールを起動します。
新しい仮想ホストのインスタンスおよび新しい Application Server のインスタンス名を作成します。
ノード (通常はホスト名) の下のエントリをクリックし、Regen WebServer Plugin を選択します。
このプロセスにより、plugin 設定ファイルに新しいエントリが保存されます。インストーラによって、その正式名称がチェックされます。
インストーラに戻り、作成した値を入力します。
電源障害またはシステム障害が発生した可能性があります。または CTRL/C を入力して、インストーラのプロセスを停止した可能性もあります。
推奨される解決方法: インストール中または設定プロセスで障害が発生した場合は、おそらく一部だけがインストールされたままになっています。アンインストーラを実行します。アンインストーラが失敗した場合は、「アンインストールが失敗し、ファイルが削除されずに残った」の手順に従います。
イメージが入力を受け付けるようになる前に、インストーラによって画面上にイメージが作成されることがあります。待ちきれずにインストールウィザードで何度も「次へ」をクリックすることは避けてください。
推奨される解決方法: デフォルトの選択肢を表すボタンには、青い四角形が表示されます。この四角形は、ボタンが表示されたあとに表示されることがあります。ボタンをクリックするときは、青い四角形が表示されるまで待ってください。
使用しているプラットフォームで作成された状態ファイルを使用している場合、ファイルが壊れ、原因不明であるというエラーが発生する可能性があります。この問題の解決には、次の 2 つの方法があります。
サイレントインストールを実行しているのと同じプラットフォームで状態ファイルを作成した場合は、新しい状態ファイルを生成して再インストールします。
別のプラットフォームまたは別のバージョンで作成した状態ファイルを使用している場合、問題は、その状態ファイルが、作成したときと同じタイプのプラットフォームだけで実行できることです。たとえば、状態ファイルを Solaris 9 で作成した場合、そのファイルは Solaris 10 では使用できません。また、x86 プラットフォームで作成した状態ファイルは、SPARC プラットフォームでは使用できません。
状態ファイルを作成したプラットフォームが、サイレントインストールを実行しているプラットフォームと異なる場合、状態ファイルに対してプラットフォームに適した ID を新たに作成します。この方法については、「プラットフォームに適した状態ファイル ID の作成」を参照してください。
状態ファイルを編集した場合、それによってエラーが発生した可能性があります。次の点をチェックし、「状態ファイルの作成」の説明に従って状態ファイルを再生成します。
すべてのローカルホストパラメータが設定され、矛盾のない値が設定されているか。
パラメータ値の大文字、小文字の区別は適切か。
目的のパラメータを入力せずに、必須のパラメータを削除してしまっていないか。
使用するすべてのポート番号は有効であり、かつ割り当て済みではないか。
推奨される解決方法: 問題を解決し、状態ファイルを再生成します。
この問題が起きる場合、たいていはインストールしたコンポーネントの MANPATH 環境変数が正しく設定されていないことが原因です。
推奨される解決方法: 新しいマニュアルページに直接関連付けるように /etc/MANPATH を更新します。「マニュアルページの確認」を参照してください。
ここでは、アンインストール時に発生する可能性のある次の問題について説明します。
Java ES のインストールプログラムは、システム上の次の場所に uninstall (アンインストーラ) を格納します。
Solaris OS の場合: /var/sadm/prod/SUNWentsys5
Linux および HP-UX の場合: /var/sadm/prod/sun-entsys5
アンインストーラがこのディレクトリにない場合は、次のいずれかの原因が考えられます。
このホストに Java ES がインストールされたことが一度もない
Java ES アンインストーラは、すでにアンインストーラを含むすべての製品コンポーネントをこのホストから削除している。
アンインストール時に、どの Java ES 製品コンポーネントもホストに存在しないことを検出すると、アンインストーラはアンインストーラ自身をもアンインストールします。
失敗したインストールの実行中に、次のいずれかの状況が生じた。
アンインストーラがホストにインストールされなかった。
アンインストーラは削除されたが、一部の Java ES 製品コンポーネントはホストに残された。
推奨される解決方法: 「アンインストールが失敗し、ファイルが削除されずに残った」の説明に従ってシステムを手動でクリーンアップします。
アンインストーラがファイルまたはプロセスを削除できなかったために手動クリーンアップが必要となった場合は、次の手順を実行し、システムからパッケージを削除します。
削除が必要なパッケージを特定します。
システム上のパッケージを、『Sun Java Enterprise System 5 インストールリファレンス (UNIX 版)』の第 5 章「インストール可能なパッケージの一覧」に記載されている Java ES パッケージと比較します。「アンインストール時に残されたファイルによるインストールの失敗」も参照してください。次のコマンドを使用して、インストールされているパッケージを判定できます。
Solaris OS pkginfo または prodreg ユーティリティー
Linux rpm コマンド
HP-UX swlist コマンド
Java ES 製品コンポーネントの実行中のプロセスをすべて停止します。
プロセスの停止手順の概要については、第 6 章「インストール後の設定の実行」の製品コンポーネントマニュアルを参照してください。
以後のインストールで再利用を考えているカスタム設定データとユーザーデータをすべてバックアップします。
バックアップすべき設定データやユーザーデータについては、「Java ES 製品コンポーネントのアンインストール動作の確認」を参照してください。詳細については、各製品コンポーネントのマニュアルを参照してください。
pkgrm、rpm -e、または swremove コマンドを使って Java ES コンポーネントパッケージを削除します。
以後のインストールで使用しない、残されている製品コンポーネントディレクトリとその内容をすべて削除します。これらのディレクトリをあとで利用する場合は、別の場所に移動します。
次の場所にある製品レジストリファイルを更新します。
Solaris OS の場合: /var/sadm/install/productregistry
Linux の場合: /var/opt/sun/install/productregistry
HP-UX の場合: /var/adm/sw/productregistry
アンインストーラはこのレジストリを使用して、ホストにインストールされている製品コンポーネントを特定します。インストーラとアンインストーラは、インストールまたはアンインストールの完了時に製品レジストリを更新します。
アンインストーラを使用せずに、パッケージを手動で削除した場合は、システムにインストールされているソフトウェアを製品レジストリが正しく反映するように、このファイルを手動で更新する必要があります。
次の場所にあるシステムのログファイルをクリーンアップします。
Solaris OS の場合: /var/sadm/install/logs
Linux および HP-UX の場合: /var/opt/sun/install/logs
ログファイルは、パッケージを手動削除したあとのシステムの状態を正しく反映していない可能性があります。
アンインストール時に、アンインストーラは製品レジストリファイルを使用して、アンインストールが必要な要素を特定します。
Solaris OS の場合: /var/sadm/install/productregistry
Linux の場合: /var/opt/sun/install/productregistry
HP-UX の場合: /var/adm/sw/productregistry
アンインストーラが失敗した場合は、バックアップコピーから製品レジストリを復元してからアンインストールを再実行しなければならないことがあります。
パッケージを手動で削除した場合、製品レジストリは自動更新されません。製品レジストリがシステムの状態を正しく反映していないために、後でアンインストーラを実行したときに問題が生じる可能性があります。このような場合は、再インストールを行なってから、アンインストーラを再実行します。
ここでは、Common Agent Container の共有コンポーネントに関連して起きる可能性のある次の問題について説明します。
Java ES に付属の Common Agent Container (V2.0) は、デフォルトで次のポート番号を予約します。
JMX ポート (TCP) = 11162
SNMP アダプタポート (UDP) = 11161
トラップ用 SNMP アダプタポート (UDP) = 11162
Commandstream アダプタポート (TCP) = 11163
RMI コネクタポート (TCP) = 11164
Sun Cluster ソフトウェアのインストールの問題を解決する場合、Sun Cluster ソフトウェアでは異なるバージョンの Common Agent Container が使用されるため、ポートの割り当てが異なります。この場合、デフォルトのポートは次のようになります。
JMX ポート (TCP) = 10162
SNMP アダプタポート (UDP) = 10161
トラップ用 SNMP アダプタポート (UDP) = 10162
Commandstream アダプタポート (TCP) = 10163
RMI コネクタポート (TCP) = 10164
上記のポート番号のいずれかがすでにインストール時に予約されている場合は、Common Agent Container が使用するポート番号を次の手順の説明に従って変更します。
Common Agent Container の cacaoadm コマンドの詳細については、cacaoadm のマニュアルページを参照してください。このマニュアルページをコマンド行に表示できない場合は、MANPATH が正しく設定されているか確認します。「マニュアルページの確認」を参照してください。
root として、Common Agent Container 管理デーモンを停止します。
/usr/sbin/cacaoadm stop |
次の構文を使用して、ポート番号を変更します。
/usr/sbin/cacaoadm set-param param=value
たとえば、SNMP アダプタが占有するポートをデフォルトの 11161 から 11165 に変更するには、次のようにします。
Sun Cluster ソフトウェアの場合は、前述のポートを使用します。
/usr/sbin/cacaoadm set-param snmp-adaptor-port=11165 |
Common Agent Container 管理デーモンを再起動します。
/usr/sbin/cacaoadm start |
root として、Common Agent Container 管理デーモンを停止します。
/opt/sun/cacao/bin/cacaoadm stop |
次の構文を使用して、ポート番号を変更します。
/opt/sun/cacao/bin/cacaoadm set-param param=value
たとえば、SNMP アダプタが占有するポートを 11161 から 11165 に変更するには、次のようにします。
/opt/sun/cacao/bin/cacaoadm set-param snmp-adaptor-port=11165 |
Common Agent Container 管理デーモンを再起動します。
/opt/sun/cacao/bin/cacaoadm start |
Java ES が稼働するホストで、セキュリティーキーを再生成することが必要になる場合があります。たとえば、ルートパスワードが他の人に知られたおそれがあり、安全性が危うくなっている場合には、セキュリティーキーを再生成することが必要です。Common Agent Container サービスによって使用されるキーは、次の場所に格納されています。
Solaris OS の場合: /etc/opt/SUNWcacao/securityLinux および HP-UX の場合: /etc/opt/sun/cacao/security
通常の動作では、これらのキーはデフォルトの構成のままとなります。キーの安全性が危うくなったために、キーを再生成することが必要な場合は、次の手順でセキュリティーキーを再生成できます。
root として、Common Agent Container 管理デーモンを停止します。
/usr/sbin/cacaoadm stop |
セキュリティーキーを再生成します。
/usr/sbin/cacaoadm create-keys --force |
Common Agent Container 管理デーモンを再起動します。
/usr/sbin/cacaoadm start |
Sun Cluster ソフトウェアの場合は、この変更をクラスタ内のすべてのノードに伝達する必要があります。詳細については、『Sun Cluster Software Installation Guide for Solaris OS』の「How to Finish a Rolling Upgrade to Sun Cluster 3.1 8/05 Software」を参照してください。
root として、Common Agent Container 管理デーモンを停止します。
/opt/sun/cacao/bin/cacaoadm stop |
セキュリティーキーを再生成します。
/opt/sun/cacao/bin/cacaoadm create-keys --force |
Common Agent Container 管理デーモンを再起動します。
/opt/sun/cacao/bin/cacaoadm start |
cacaoadm コマンドの詳細については、cacaoadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
ここでは、インストール後に発生する可能性のあるさまざまな問題について説明します。
Application Server を再起動した場合、Application Server と Monitoring Console の間の通信が中断され、再度有効にする必要があります。以前動作していた監視規則が動作しなくなり、不明の状態になります。Application Server ホストで共通エージェントコンテナを再起動した場合は、Monitoring Console ホストでも共通エージェントコンテナを再起動する必要があるため、問題は引き続き存在します。
root として、Application Server があるホストで共通エージェントコンテナを再起動します。例:
/usr/sbin/cacaoadm start |
次に、Monitoring Console があるホストに移動し、共通エージェントコンテナを再起動します。例:
共通エージェントコンテナがすでに実行されている場合は、いったん停止してから、次のコマンドを使用して起動します。
Solaris OS の場合:
/usr/sbin/cacaoadm stop /usr/sbin/cacaoadm start |
Linux および HP-UX の場合:
/opt/sun/cacao/bin/cacaoadm stop /opt/suncacao/bin/cacaoadm start |
これは、デフォルトの Application Server コマンドを使用して Java DB を再起動した (asadmin stop-databsse、次に asadmin start-database ) あとで、Java DB を使用する Application Server サンプルを配備したときに発生することがあります。Portal Server サンプルにアクセスできなくなります。
推奨される解決方法: この問題の対処方法は多数あります。
Java DB を停止しないでください。
Java DB を停止した場合は、Application Server データベースを代わりの場所に作成できる次のコマンドを使用して Java DB を再起動します。
Solaris OS の場合: /asadmin start-database --dbhome /var/opt/SUNWportal/derby
Linux および HP-UX の場合: /asadmin start-database --dbhome /var/opt/sun/portal/derby
データベースをデフォルトの場所に配置する場合は、デフォルト以外のポートを使用して Java DB の 2 つ目のインスタンスを起動し、Application Server サンプル common.properties ファイルで正しい Derby ポートを指定します。例: asadmin start-database --dbport 1528
このセクションの表では、製品コンポーネントの問題を解決するためのさまざまなヒントを提供し、役立つマニュアルを紹介します。ここで説明する内容は、次のとおりです。
トピック |
詳細 |
---|---|
設定ファイル |
AMConfig.properties
|
ログファイルとデバッグファイル |
ログファイルのディレクトリ:
デバッグファイルのディレクトリ:
|
デバッグモード |
『Sun Java System Access Manager 7.1 Developer’s Guide 』の「Auditing Features」の章を参照してください。 |
トピック |
詳細 |
---|---|
ログファイル |
ログファイルのディレクトリ:
Application Server インスタンスのログディレクトリ (最初に作成するインスタンスのデフォルトの場所):
メッセージログのファイル名: server.log (サーバーインスタンスごとに存在する) |
設定ファイル |
|
トラブルシューティング |
『Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.2 トラブルシューティングガイド』を参照してください。 |
トピック |
詳細 |
---|---|
ログファイル |
インストールログファイル:
|
トラブルシューティング |
『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.0 管理ガイド』のパート I「Directory Server による管理」を参照してください。 『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.0 管理ガイド』のパート II「Directory Proxy Server による管理」を参照してください。 |
トピック |
詳細 |
---|---|
ログファイル |
インストールログファイル:
ブローカログファイル:
|
トラブルシューティング |
『Sun Java System Message Queue 3 2005Q4 管理ガイド』の「問題のトラブルシューティング」の章を参照してください。 パフォーマンスの問題については、『Sun Java System Message Queue 3 2005Q4 管理ガイド』の「メッセージサービスの分析と調整」を参照してください。 |
トピック |
詳細 |
---|---|
設定ファイル |
Monitoring Console の場合:
|
ログファイル |
Monitoring Console の場合:
Monitoring Framework の場合:
|
トラブルシューティング |
Monitoring Console にアクセスできない場合は、『Sun Java Enterprise System 5 監視ガイド (UNIX 版)』の「Monitoring Console のトラブルシューティング」を参照してください。監視対象のコンポーネントが Monitoring Console に表示されない場合は、『Sun Java Enterprise System 5 監視ガイド (UNIX 版)』の「Monitoring Framework のトラブルシューティング」を参照してください。 |
Portal Server は、Access Manager と同じログファイルとデバッグファイルを使用します。
表 9–7 Portal Server のトラブルシューティングのヒント
トピック |
詳細 |
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デバッグファイル |
Solaris OS の場合: /var/opt/SUNWam/debug Linux および HP-UX の場合: /var/opt/sun/identity/debug Portal Server デスクトップのデバッグファイル: Solaris OS の場合: /var/opt/SUNWam/debug/desktop and /var/opt/SUNWam/debug/desktop.dpadmin.debug Linux および HP-UX の場合: /var/opt/sun/identity/debug/desktop and /var/opt/sun/identity/debug/desktop.dpadmin.debug dpadmin、par、rdmgr、および sendrdm という Portal Server コマンド行ユーティリティーには、デバッグメッセージを生成するためのオプションがあります。それらのオプションについては、『Portal Server 管理ガイド』を参照してください。 |
ログファイル |
Solaris OS の場合: /var/opt/SUNWam/logs Linux および HP-UX の場合: /var/opt/sun/identity/logs |
トラブルシューティング |
Portal Gateway のデバッグログは次のディレクトリに格納されます。
Solaris OS の場合: /var/opt/SUNWportal/debug
Linux および HP-UX の場合: /var/opt/sun/portal/debug and /var/opt/sun/identity/debug/desktop/debug
Solaris OS の場合、Access Manager 管理コンソールからロギングをオンにすると、NetFile などの Portal Server サービスのログは /var/opt/SUNWam/debug に作成されます。
トピック |
詳細 |
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ログファイル |
インスタンスログのディレクトリ:
メッセージログファイルの名前は server.log です。 |
設定ファイルの場所 |
Solaris OS の場合: /opt/SUNWsrvc-registry/install/install.properties Linux および HP-UX の場合: /opt/sun/srvc-registry/install/install.properties |
トラブルシューティング |
『Service Registry 3.1 管理ガイド』を参照してください。 |
HP-UX および Linux では、Sun Cluster コンポーネントはサポートさません。
トピック |
詳細 |
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ログファイル |
デフォルトのログディレクトリ: /var/cluster/logs/install エラーメッセージ: /var/adm/messages |
トラブルシューティング |
『Sun Cluster Software Installation Guide for Solaris OS 』を参照してください。 |
トピック |
詳細 |
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ログファイル |
errors ログファイルには、サーバーで発生したすべてのエラーが一覧表示されます。access ログファイルには、サーバーに対する要求と、サーバーからの応答に関する情報が記録されます。詳細については、『Sun Java System Web Proxy Server 4.0.4 管理ガイド』を参照してください。 |
設定ファイルのディレクトリ |
Solaris OS の場合: /opt/SUNWproxy/proxy-instance-name /config Linux および HP-UX の場合: /opt/sun/webserver/proxy-instance-name /config |
デバッグモード |
/server-root/proxy-instance-name/config/server.xml ファイル内の LOG 要素の loglevel 属性の値を、次の値に設定できます。info、fine、finer、finest。 |
トピック |
詳細 |
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ログファイル |
Web Server のログファイルは 2 種類あります。errors ログファイルと access ログファイルです。errors ログファイルには、サーバーで発生したすべてのエラーがリストされます。access ログファイルには、サーバーに対する要求と、サーバーからの応答に関する情報が記録されます。詳細については、『Sun Java System Web Server 7.0 管理ガイド』を参照してください。 これらのログは、次のディレクトリにあります。
Web Server の設定が「今すぐ設定」インストール時に失敗する場合は、次のログの追加情報を参照してください。
管理サーバーのエラーログは、次の場所にあります。
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設定ファイルのディレクトリ |
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このマニュアルに記載されている次の情報も、トラブルシューティングに役立ちます。
第 6 章「インストール後の設定の実行」には、インストール後設定の実行手順が含まれています。
第 8 章「アンインストール」には、Java ES ソフトウェアのアンインストール時に発生する可能性のある問題に関する情報が含まれています。