Service Registry の設定プロセスはデフォルトで、registry という名前の Application Server ドメインを作成し、そこに Service Registry Web アプリケーションを配備します。このドメインは、RegistryDomain-base/domains/registry ディレクトリ内に存在します。
この場所は、Application Server ドメインのデフォルトの場所である、/var/opt/SUNWappserver/domains (Solaris OS)、/var/opt/sun/appserver/domains (Linux および HP-UX システム) とは異なります。
registry ドメインでは Service Registry 以外のアプリケーションを実行しないことをお勧めします。
registry ドメインを管理するには、Application Server 管理コンソール (「管理コンソール」) を使用できます。管理コンソールを使えば、ドメインの起動と停止、サーバーログの表示など、各種の管理作業を行えます。詳細については、「Application Server 管理コンソールを使用する」を参照してください。
また、サーバーログを直接確認することもできます。このログはファイル RegistryDomain-base/domains/registry/logs/server.log に格納されています。
管理コンソールのほかに、asadmin コマンドを使って registry ドメインを管理することも可能です。ただし、このドメインはデフォルトの場所に存在しないため、--domaindir オプションをサポートする asadmin コマンドを使用する際には、そのオプションを指定する必要があります。--domaindir オプションの引数は RegistryDomain-base/domains です。
asadmin コマンドの --passwordfile オプションを使う場合、レジストリドメインの管理者パスワードのファイルとコピーが必要です。このようなファイルを作成するには、build-install.xml ファイルの generate.password.file ターゲットを使用します。ファイルは RegistryDomain-base/3.0/data/security/pw.txt です。
registry ドメインでは、デフォルトの Application Server ドメインである domain1 との間で衝突が発生しないように、一連の非デフォルトポートが使用されます。これらの Service Registry ポート値は、IANA (Internet Assigned Numbers Authority) に登録されます。表 1–2 に、それらのポートの一覧と説明を示します。詳細については、『Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.2 管理ガイド』の「Application Server のポート」を参照してください。
表 1–2 Service Registry ドメインのデフォルトのポート
ポート値 |
説明 |
---|---|
6480 |
HTTP ポート |
6443 |
HTTPS over SSL |
6484 |
Message Queue ポート |
6485 |
IIOP ポート |
6486 |
IIOP SSL ポート |
6487 |
IIOP 相互認証ポート |
6488 |
JMX ポート |
6489 |
Application Server ドメイン管理ポート |
Web ブラウザで URL https://hostname:6489/ にアクセスします。
hostname は、Application Server と Service Registry が動作しているシステムです。
提供された証明書を受け入れます。
ログインページが表示されます。
ログインページの「ユーザー名」フィールドに「admin」と入力します。
レジストリの設定時に registry.install.AdministratorUserID プロパティーのデフォルト値を変更した場合は、そのときに指定した値を入力します。
「パスワード」フィールドに Application Server 管理者パスワードを入力します。レジストリ設定時に registry.install.AdministratorPassword プロパティーに指定した値を使用します。デフォルトは 12345678 です。
「ログイン」をクリックします。
管理コンソールの使用方法の詳細については、管理コンソールのオンラインヘルプまたは『Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.2 管理ガイド』を参照してください。
Service Registry のロギングレベルを変更するには、管理コンソールのオンラインヘルプの手順に従います。「追加プロパティー」領域で指定するプロパティーは org.freebxml.omar です。
特定の Service Registry サブコンポーネントのロギングを変更するには、次のファイルを参照してください: RegistryDomain-base/domains/registry/applications/j2ee-modules/soar/WEB-INF/classes/log4j.properties 。このファイルに記載されているサブコンポーネントであればいずれも指定可能です。文字列 log4j.logger を含めないでください。たとえば、org.freebxml.omar.server と指定することで、サーバー呼び出しのログをとれます。
レジストリの設定プロセスは、レジストリの配備先となる Application Server ドメインを起動します。特定の管理作業を実行し終わったら、そのドメインを停止および再起動する必要があります。そうした作業の例としては、「レジストリドメイン用の Java 仮想マシン (JVM) の設定」および 「管理者の作成」が挙げられます。
ドメインを再起動する必要がある場合には、管理コンソールからユーザーにその旨が通知されます。管理コンソールを使えばその作業を実行できます。asadmin コマンドを使用している場合には、Ant タスクを使ってドメインを停止および起動できます。
Service Registry インストールディレクトリに移動します。
cd ServiceRegistry-base/install
次のコマンドを実行します (すべてを 1 行で入力)。
Ant-base/ant -f build-install.xml -Dinstall.properties= props-file appserver.domain.bounce
ここで、props-file は、「インストール後の設定のあとでカスタムプロパティーを使って Service Registry を root として設定する」または 「インストール後の設定のあとでカスタムプロパティーを使って Service Registry を root 以外のユーザーとして設定する」で編集した install.properties ファイルのコピーのパス名です。
appserver.domain.bounce のターゲットがドメインを停止し、そのあと再起動します。
build-install.xml ファイルには、レジストリ用ドメインの停止と起動を別個に行うための Ant ターゲットも含まれています。このドメインを停止するには、Ant ターゲット appserver.domain.stop を使用します。このドメインを起動するには、Ant ターゲット appserver.domain.start を使用します。