Sun Java System Message Queue 3.7 UR1 管理ガイド

ブローカユーティリティー

ブローカユーティリティー (imqbrokerd) では、ブローカを起動します。コマンド行オプションは、ブローカ設定ファイルの値を上書きします。ただし、上書きの対象は現在のブローカセッションだけです。

表 13–1 に、imqbrokerd コマンドのオプションと、各オプションによって上書きされる設定プロパティー (ある場合) を示します。

表 13–1 ブローカユーティリティーのオプション

オプション 

上書きされるプロパティー 

説明 

-name instanceName

imq.instancename

ブローカのインスタンス名

同じホスト上で実行される複数のブローカインスタンスには、異なるインスタンス名を割り当てる必要があります。 

デフォルト値: imqbroker

-port portNumber

imq.portmapper.port

ブローカのポートマッパーのポート番号

Message Queue クライアントは、このポート番号を使用してブローカに接続します。同じホスト上で実行される複数のブローカインスタンスには、異なるポートマッパーのポート番号を割り当てる必要があります。 

デフォルト値: 7676

-cluster broker1 [ [ , broker2 ] … ]

imq.cluster.brokerlist

ブローカを接続してクラスタを形成します [ブローカクラスタに対してのみ適用します]

指定したブローカは、imq.cluster.brokerlist プロパティーのリストとマージされます。各ブローカの引数は、次のいずれかの形式になります。

    hostName: portNumber


    hostName


    :portNumber


hostName を省略した場合、デフォルト値は localhost になります。portNumber を省略した場合、デフォルト値は 7676 になります。

-Dproperty= value

インスタンス設定ファイル内の対応するプロパティー 

設定プロパティーを設定します 

ブローカ設定プロパティーについては、第 14 章「ブローカのプロパティーのリファレンス」を参照してください。

注: このオプションを使用してプロパティーを設定するときは、スペルと形式をよく確認してください。誤りのある値は無視され、通知や警告は表示されません。

-reset props

なし 

設定プロパティーをリセットします 

ブローカの既存のインスタンス設定ファイル config.properties を空のファイルに置き換えます。すべてのプロパティーがデフォルト値になります。

-reset store

なし 

持続データストアをリセットします 

持続メッセージ、永続サブスクリプション、およびトランザクション情報を含むすべての持続データをデータストアから消去します。これにより、ブローカインスタンスを新規の状態で起動できます。その後の再起動時に持続ストアがリセットされないようにするには、-reset オプションを付けずにブローカインスタンスを再起動します。

持続メッセージまたは永続サブスクリプションだけを消去するには、代わりに -reset messages または -reset durables を使用します。

-reset messages

なし 

データストアから持続メッセージを消去します 

-reset durables

なし 

データストアから永続サブスクリプションを消去します 

-backup fileName

なし 

設定変更レコードをファイルにバックアップします

詳細については、「設定変更レコードの管理」を参照してください。

-restore fileName

なし 

設定変更レコードをバックアップファイルから復元します

バックアップファイルは、-backup オプションを使用してあらかじめ作成しておく必要があります。

詳細については、「設定変更レコードの管理」を参照してください。

-remove instance

なし 

ブローカインスタンスを削除します [-force を一緒に指定しないかぎり、ユーザーの確認が求められます。]

インスタンスに関連付けられたインスタンス設定ファイル、ログファイル、持続ストア、およびその他のファイルとディレクトリを削除します。 

-password keyPassword

imq.keystore.password

SSL 証明書キーストアのパスワード [このオプションは異論が多く、最終的には削除される予定です。パスワードを省略して、ユーザーがインタラクティブにパスワードが要求されるようにするか、または -passfile オプションを使用して、パスワードが含まれるパスワードファイルを指定します。]

-dbuser userName

imq.persist.jdbc.user

JDBC ベースの持続データストアのユーザー名

-dbpassword dbPassword

imq.persist.jdbc.password

JDBC ベースの持続データストアのパスワード

-ldappassword ldapPassword

imq.user_repository.ldap.password

LDAP ユーザーリポジトリのパスワード

-passfile filePath

imq.passfile.enabledimq.passfile.dirpathimq.passfile.name

パスワードファイルの場所

ブローカの imq.passfile.enabled プロパティーを true に設定し、imq.passfile.dirpath をパスワードファイルを含むパスに設定し、imq.passfile.name をファイル名自体に設定します。

詳細については、「パスワードファイル」を参照してください。

-shared

imq.jms.threadpool_model

共有スレッドプールモデルを使用して jms 接続サービスを実装します。

実行スレッドが接続間で共有されるため、サポートされる接続数が増えます。 

ブローカの imq.jms.threadpool_model プロパティーを shared に設定します。

-javahome path

なし 

代替 Java ランタイムの場所

デフォルトの動作: システムにインストールされているランタイム、または Message Queue にバンドルされているランタイムが使用されます。

-vmargs arg1 [ [ arg2 ] … ]

なし 

Java 仮想マシンに引数を渡します 

引数はスペースで区切ります。複数の引数またはスペースを含む引数を渡すには、引数のリストを引用符で囲みます。 

VM 引数は、コマンド行からのみ渡すことができます。インスタンス設定ファイルには、関連する設定プロパティーはありません。

-license [ licenseName ]

なし 

インストール済み Message Queue 製品エディションのデフォルトとは異なるライセンスを使用する場合に読み込むライセンス

    pe: 基本機能を備えた Platform Edition


    try: 企業向け機能 (90 日間のトライアル) を備えた Platform Edition


    unl: Enterprise Edition


ライセンス名を指定しない場合は、システムにインストールされているすべてのライセンスが一覧表示されます。 

-upgrade-store-nobackup

なし 

非互換バージョンから Message Queue 3.5 または 3.5 SPx にアップグレードするときに、古いデータストアを自動的に削除します

詳細については、『Message Queue Installation Guide』を参照してください。

-force

なし 

ユーザーの確認なしでアクションを実行します 

このオプションは、通常は確認が必要な -remove instance および -upgrade-store-nobackup オプションのみに適用されます。

-loglevel level

imq.broker.log.level

ロギングレベル

    NONE


    ERROR


    WARNING


    INFO


デフォルト値: INFO

-metrics interval

imq.metrics.interval

ブローカのメトリックスのロギング間隔 (秒単位)

-tty

imq.log.console.output

コンソールにすべてのメッセージをログ出力します 

ブローカの imq.log.console.output プロパティーを ALL に設定します。

指定しない場合は、エラーおよび警告メッセージだけがログ出力されます。 

-s | -silent

imq.log.console.output

サイレントモード (コンソールへのログ出力なし)

ブローカの imq.log.console.output プロパティーを NONE に設定します。

-version

なし 

バージョン情報を表示します [コマンド行に指定したその他のオプションはすべて無視されます。]

-h | -help

なし 

使用方法に関するヘルプを表示します