Sun Java System Message Queue 3.7 UR1 管理ガイド

パート IV 付録

付録 A プラットフォームごとの Message QueueTM データの場所

Sun Java SystemTM Message Queue データは、オペレーティングシステムのプラットフォームによって異なる場所に格納されます。以降の表に、次のプラットフォームでの各種の Message Queue データの場所を示します。

表の中の instanceName は、データが関連付けられているブローカインスタンスの名前を示します。

Solaris

表 A–1 は、Solaris オペレーティングシステム上での Message Queue データの場所を示しています。Solaris でスタンドアロンバージョンの Sun Java System Application Server とともに Message Queue を使用している場合は、「Windows」 で説明するディレクトリ構造と同様になります。

表 A–1 Solaris プラットフォームでの Message Queue データの場所

データのカテゴリ 

場所 

ブローカインスタンスの設定プロパティー

/var/imq/instances/instanceName /props/config.properties

ブローカ設定ファイルのテンプレート

/usr/share/lib/imq/props/broker/

持続ストア (メッセージ、送信先、永続サブスクリプション、トランザクション)

/var/imq/instances/instanceName /fs350 または JDBC のアクセス可能なデータストア

ブローカインスタンスのログファイルのディレクトリ (デフォルトの場所)

/var/imq/instances/instanceName /log/

管理対象オブジェクト (オブジェクトストア)

任意のローカルディレクトリ、または LDAP サーバー 

セキュリティー: ユーザーリポジトリ

/var/imq/instances/instanceName /etc/passwd または LDAP サーバー

セキュリティー: アクセス制御ファイル (デフォルトの場所)

/var/imq/instances/instanceName /etc/accesscontrol.properties

セキュリティー: パスワードファイルのディレクトリ (デフォルトの場所)

/var/imq/instances/instanceName /etc/

セキュリティー: パスワードファイルの例

/etc/imq/passfile.sample

セキュリティー: ブローカのキーストアファイルの場所 

/etc/imq/

JavaDoc API のマニュアル

/usr/share/javadoc/imq/index.html

アプリケーションと設定の例

/usr/demo/imq/

Java アーカイブ (.jar)、Web アーカイブ (.war)、およびリソースアダプタアーカイブ (.rar) の各ファイル

/usr/share/lib/

Linux

表 A–2 は、Linux オペレーティングシステム上での Message Queue データの場所を示しています。

表 A–2 Linux プラットフォームでの Message Queue データの場所

データのカテゴリ 

場所 

ブローカインスタンスの設定プロパティー

/var/opt/sun/mq/instances/instanceName /props/config.properties

ブローカ設定ファイルのテンプレート

/opt/sun/mq/private/share/lib/props/

持続ストア (メッセージ、送信先、永続サブスクリプション、トランザクション)

/var/opt/sun/mq/instances/instanceName /fs350/ または JDBC のアクセス可能なデータストア

ブローカインスタンスのログファイルのディレクトリ (デフォルトの場所)

/var/opt/sun/mq/instances/instanceName /log/

管理対象オブジェクト (オブジェクトストア)

任意のローカルディレクトリ、または LDAP サーバー 

セキュリティー: ユーザーリポジトリ

/var/opt/sun/mq/instances/instanceName /etc/passwd または LDAP サーバー

セキュリティー: アクセス制御ファイル (デフォルトの場所)

/var/opt/sun/mq/instances/instanceName /etc/accesscontrol.properties

セキュリティー: パスワードファイルのディレクトリ (デフォルトの場所)

/var/opt/sun/mq/instances/instanceName /etc/

セキュリティー: パスワードファイルの例

/etc/opt/sun/mq/passfile.sample

セキュリティー: ブローカのキーストアファイルの場所 

/etc/opt/sun/mq/

JavaDoc API のマニュアル

/opt/sun/mq/javadoc/index.html

アプリケーションと設定の例

/opt/sun/mq/examples/

Java アーカイブ (.jar)、Web アーカイブ (.war)、およびリソースアダプタアーカイブ (.rar) の各ファイル

/opt/sun/mq/share/lib/

共有ライブラリ (.so) ファイル

/opt/sun/mq/lib/

Windows

表 A–3 は、Windows オペレーティングシステム上での Message Queue データの場所を示しています。Solaris プラットフォームでも、Message Queue がスタンドアロンバージョンの Message Queue Application Server にバンドルされている場合は、この表が適用されます。スタンドアロンバージョンの Application Server は、Solaris と Sun Java Enterprise System にはバンドルされません。表 A–3 のパス名では、Windows の円記号 (\) を Solaris のスラッシュ (/) に変更してください。 IMQ_HOME および IMQ_VARHOME ディレクトリ変数の定義については、「ディレクトリ変数の表記規則」を参照してください。

表 A–3 Windows プラットフォームでの Message Queue データの場所

データのカテゴリ 

場所 

ブローカインスタンスの設定プロパティー

IMQ_VARHOME\instances\instanceName \props\config.properties

ブローカ設定ファイルのテンプレート

IMQ_HOME\lib\props\broker\

持続ストア (メッセージ、送信先、永続サブスクリプション、トランザクション)

IMQ_VARHOME\instances\instanceName \fs350\ または JDBC のアクセス可能なデータストア

ブローカインスタンスのログファイルのディレクトリ (デフォルトの場所)

IMQ_VARHOME\instances\instanceName \log\

管理対象オブジェクト (オブジェクトストア)

任意のローカルディレクトリ、または LDAP サーバー 

セキュリティー: ユーザーリポジトリ

IMQ_VARHOME\instances\instanceName \etc\passwd または LDAP サーバー

セキュリティー: アクセス制御ファイル (デフォルトの場所)

IMQ_VARHOME\instances\instanceName \etc\accesscontrol.properties

セキュリティー: パスワードファイルのディレクトリ (デフォルトの場所)

IMQ_HOME\etc\

セキュリティー: パスワードファイルの例

IMQ_HOME\etc\passfile.sample

セキュリティー: ブローカのキーストアファイルの場所 

IMQ_HOME\etc\

JavaDoc API のマニュアル

IMQ_HOME\javadoc\index.html

アプリケーションと設定の例

IMQ_HOME\demo\

Java アーカイブ (.jar)、Web アーカイブ (.war)、およびリソースアダプタアーカイブ (.rar) の各ファイル

IMQ_HOME\lib\

付録 B Message QueueTM インタフェースの安定度

Sun Java SystemTM Message Queue では多くのインタフェースが使用されるので、管理者はタスクを自動化できます。この付録では、安定度によってインタフェースを分類します。インタフェースの安定度が高くなるほど、製品の今後のバージョンで変更される可能性が低くなります。

この付録に掲載されないインタフェースは非公開であり、お客様は使用できません。

分類方式

付録 B 「Message QueueTM インタフェースの安定度」では、安定度分類方式について説明します。

表 B–1 インタフェースの安定度の分類方式

分類 

説明 

非公開 

ユーザーは直接使用しません。リリースによって変更される、あるいは削除される可能性があります。 

発展中 

ユーザーが使用します。メジャーリリース (3.0 や 4.0 など)、またはマイナーリリース (3.1 や 3.2 など) で、互換性のない変更が生じる可能性があります。変更は慎重に、かつ徐々に行われます。すべての変更について、互換性が保てるように十分な努力が払われますが、保証はされていません。 

安定 

ユーザーが使用します。互換性のない変更は、メジャーリリース (3.0 や 4.0 など) でしか生じません。 

標準 

ユーザーが使用します。これらのインタフェースは、形式標準によって定義され、標準組織によって制御されます。これらのインタフェースでは、互換性のない変更はめったにありません。 

不安定 

ユーザーが使用します。メジャーリリース (3.0 や 4.0 など)、またはマイナーリリース (3.1 や 3.2 など) で、互換性のない変更が生じる可能性があります。これらのインタフェースは、今後のリリースで、互換性のない方法でかなりの削除や変更が行われる可能性があることに注意してください。不安定なインタフェースでは、明示的な依存関係を作成しないでください。 

インタフェースの安定度

付録 B 「Message QueueTM インタフェースの安定度」は、インタフェースとその分類の一覧です。

表 B–2 Message Queue インタフェースの安定度

インタフェース 

分類 

コマンド行インタフェース

 

imqbrokerd コマンド行インタフェース

発展中 

imqadmin コマンド行インタフェース

不安定 

imqcmd コマンド行インタフェース

発展中 

imqdbmgr コマンド行インタフェース

不安定 

imqkeytool コマンド行インタフェース

発展中 

imqobjmgr コマンド行インタフェース

発展中 

imqusermgr コマンド行インタフェース

不安定 

imqbrokerdimqadminimqcmdimqdbmgrimqkeytoolimqobjmgrimqusermgr からの出力

不安定 

コマンド

 

imqobjmgr コマンドファイル

発展中 

imqbrokerd コマンド

安定 

imqadmin コマンド

不安定 

imqcmd コマンド

安定 

imqdbmgr コマンド

不安定 

imqkeytool コマンド

安定 

imqobjmgr コマンド

安定 

imqusermgr コマンド

不安定 

API

 

JMS API (javax.jms)

標準 

JAXM API (javax.xml)

標準 

C-API 

発展中 

C-API 環境変数 

不安定 

メッセージベースの監視 API 

発展中 

管理対象オブジェクト API (com.sun.messaging)

発展中 

.jar および .war ファイル

 

imq.jar の格納場所および名前

安定 

jms.jar の格納場所および名前

発展中 

imqbroker.jar の格納場所および名前

非公開 

imqutil.jar の格納場所および名前

非公開 

imqadmin.jar の格納場所および名前

非公開 

imqservlet.jar の格納場所および名前

発展中 

imqhttp.war の格納場所および名前

発展中 

imqhttps.war の格納場所および名前

発展中 

imqjmsra.rar の格納場所および名前

発展中 

imqxm.jar の格納場所および名前

発展中 

jaxm-api.jar の格納場所および名前

発展中 

saaj-api.jar の格納場所および名前

発展中 

saaj-impl.jar の格納場所および名前

発展中 

activation.jar の格納場所および名前

発展中 

mail.jar の格納場所および名前

発展中 

dom4j.jar の格納場所および名前

非公開 

fscontext.jar の格納場所および名前

不安定 

ファイル

 

ブローカログファイルの格納場所および内容形式 

不安定 

パスワードファイル 

不安定 

accesscontrol.properties ファイル

不安定 

システム送信先

 

mq.sys.dmq 送信先

安定 

mq.metrics.* 送信先

発展中 

設定プロパティー

 

Message Queue JMS リソースアダプタの設定プロパティー 

発展中 

Message Queue JMS リソースアダプタの JavaBean と ActivationSpec の設定プロパティー 

発展中 

メッセージのプロパティーと形式

 

デッドメッセージキューのメッセージプロパティー、JMSXDeliveryCount

標準 

デッドメッセージキューのメッセージプロパティー、JMS_SUN_*

発展中 

Message Queue クライアントメッセージプロパティー : JMS_SUN_*

発展中 

メトリックスまたは監視メッセージの JMS メッセージ形式 

発展中 

その他

 

Message Queue JMS リソースアダプタパッケージ、com.sun.messaging.jms.ra

発展中 

持続メッセージの保存の JDBC スキーマ 

発展中 

付録 C HTTP/HTTPS のサポート

Message QueueTM の Enterprise Edition では、Java クライアントが、TCP 接続を直接使用するのではなく、HTTP またはセキュリティー保護された HTTP (HTTPS) 転送を使用してブローカと通信するようにサポートされています。C クライアントでは、HTTP/HTTPS がサポートされません。

この付録では、このようなサポートを有効にするために使用されるアーキテクチャーについて説明し、クライアントが Message Queue メッセージングに HTTP ベースの接続を使用するために必要となる設定の手順を示します。この付録は、次の節から構成されています。

HTTP/HTTPS サポートのアーキテクチャー

Message Queue メッセージングは、HTTP/HTTPS 接続で実行できます。HTTP/HTTPS 接続は、通常ファイアウォールの通過が許可されるため、ファイアウォールによってブローカからクライアントアプリケーションを分離できます。

図 C–1 に、HTTP/HTTPS サポートの提供に関連する主なコンポーネントを示します。

図 C–1 HTTP/HTTPS サポートのアーキテクチャー

図は、HTTP プロキシおよび HTTP トンネルサーブレットにより、メッセージがどのようにファイウォールを通過するかを示します。図は文字で説明されます。

図 C–1 からわかるとおり、HTTP と HTTPS サポートのアーキテクチャーは非常によく似ています。主な相違点は、HTTPS (httpsjms 接続サービス) の場合、トンネルサーブレットにクライアントアプリケーションとブローカの両方への安全な接続があることです。

ブローカへの安全な接続は、SSL に対応したトンネルサーブレット、つまり Message Queue の HTTPS トンネルサーブレットを通して提供されます。このトンネルサーブレットが、接続の要求時にブローカに自己署名付き証明書を渡します。ブローカは証明書を使用して、HTTPS トンネルサーブレットへの暗号化された接続を設定します。この接続が確立されると、クライアントアプリケーションと Web サーバーまたはアプリケーションサーバーは、クライアントアプリケーションとトンネルサーブレット間の安全な接続のネゴシエーションを行うことができます。

HTTP サポートの有効化

次に、HTTP サポートを有効化するのに必要な手順を説明します。

ProcedureHTTP サポートを有効にする

  1. HTTP トンネルサーブレットを配備します。HTTP トンネルサーブレットは次の場所に配備できます。

    • Sun Java SystemTM Web Server

      • Sun Java System Application Server

  2. ブローカの httpjms 接続サービスを設定し、ブローカを起動します。

  3. HTTP 接続を設定します。

手順 1: HTTP トンネルサーブレットを配備する

HTTP トンネルサーブレットは、Sun Java System Web Server または Sun Java System Application Server に、Web アーカイブ (.war) ファイルとして配備できます。

HTTP トンネルサーブレットを .war ファイルとして配備するときは、Web サーバーまたはアプリケーションサーバーで提供される配備メカニズムを使用します。HTTP トンネルサーブレットの .war ファイル (imqhttp.war ) は、.jar .war、および .rar ファイルを含むディレクトリに配備します。これはオペレーティングシステムによって異なります (付録 A 「プラットフォームごとの Message QueueTM データの場所」を参照)。

.war ファイルには、Web サーバーまたはアプリケーションサーバーがサーブレットを読み込んで実行するときに必要となる基本的な設定情報が示された配備記述子が含まれています。Web サーバーまたはアプリケーションサーバーによっては、サーブレットの URL のコンテキストルート部分を指定しなければならない場合もあります。

Web アーカイブファイルとして配備する

Sun Java System Web Server への配備については、「HTTP トンネルサーブレットを Sun Java System Web Server に配備する」を参照してください。

Sun Java System Application Server への配備については、「HTTP トンネルサーブレットを Message Queue Application Server に配備する」を参照してください。

HTTP トンネルサーブレットを Sun Java System Web Server に配備する

ここでは、Message Queue Web Server への配備手順について説明します。Web ブラウザを使用してサーブレットの URL にアクセスすると、HTTP トンネルサーブレットが問題なく配備されたことが確認できます。ステータス情報も表示されます。

ProcedureHTTP トンネルサーブレットを .war ファイルとして配備する

  1. ブラウザベースの管理 GUI で、「Virtual Server Class」タブを選択してから、「Manage Classes」を選択します。

  2. 適切な仮想サーバークラス名 (defaultClass など) を選択して、「Manage」ボタンをクリックします。

  3. 「Manage Virtual Servers」を選択します。

  4. 適切な仮想サーバー名を選択し、「Manage」ボタンをクリックします。

  5. 「Web Applications」タブを選択します。

  6. 「Deploy Web Application」をクリックします。

  7. 「WAR File On」フィールドおよび「WAR File Path」フィールドで、imqhttp.war ファイルを指す適切な値を選択します。このファイルはオペレーティングシステムによって異なるディレクトリに格納されています (付録 A 「プラットフォームごとの Message QueueTM データの場所」を参照)。

  8. 「Application URI」フィールドにパスを入力します。

    「Application URI」フィールドの値は、トンネルサーブレット URL の /contextRoot 部分です。

    http://hostName :portNumber / contextRoot/tunnel

    たとえば、contextRootimq に設定した場合、「Application URI」フィールドは次のようになります。

    /imq

  9. サーブレットを配備するインストールディレクトリのパス (通常は、Message Queue Web Server インストールルートの内の場所) を入力します。

  10. 「OK」をクリックします。

  11. Web サーバーインスタンスを再起動します。

    サーブレットは次のアドレスで利用可能となります。


    http://hostName:portNumber/
    contextRoot/tunnel

    クライアントはこの URL を使用することで、HTTP 接続を使ってメッセージサービスに接続できます。

サーバーのアクセスログを無効にする

必ずしもサーバーのアクセスログを無効にする必要はありませんが、無効にしたほうがより良いパフォーマンスを得ることができます。

Procedureサーバーのアクセスログを無効にする

  1. 「Status」タブを選択します。

  2. 「Log Preferences Page」を選択します。

    Log クライアントアクセス制御を使用して、ロギングを無効にします。

HTTP トンネルサーブレットを Message Queue Application Server に配備する

この節では、HTTP トンネルサーブレットを Message Queue Application Server に .war ファイルとして配備し、Message Queue ブローカからの接続を受け付けるようにトンネルサーブレットを設定する方法について説明します。

2 段階の手順が必要です。

配備ツールを使用する

ProcedureHTTP トンネルサーブレットを Application Server 環境に配備する

  1. Web ベースの管理 GUI で、次を選択します。

    「App Server」>「Instances」>「server1」>「Applications」>「Web Applications」

  2. 「Deploy」ボタンをクリックします。

  3. 「File Path:」テキストフィールドに、HTTP トンネルサーブレットの .war ファイル (imqhttp.war) の場所を入力し、「OK」をクリックします。

    imqhttp.war ファイルの場所は、オペレーティングシステムによって異なります (付録 A 「プラットフォームごとの Message QueueTM データの場所」を参照)。

  4. 「Context Root」テキストフィールドの値を設定し、「OK」をクリックします。

    「Context Root 」フィールドの値は、トンネルサーブレット URL の /contextRoot 部分です。

    http:// hostName :portNumber / contextRoot/tunnel

    たとえば、「Context Root」フィールドは /imq に設定できます。

    表示される確認画面で、トンネルサーブレットが正常に配備され、デフォルトで有効になっており、この場合は次の場所に格納されていることが確認されます。


    /var/opt/SUNWappserver8/domains/domain1/server1/applications/
    j2ee-modules/imqhttp_1

    サーブレットは次の URL で利用可能となります。


    http://hostName:portNumber/
    contextRoot/tunnel

    クライアントはこの URL を使用することで、HTTP 接続を使ってメッセージサービスに接続できます。

server.policy ファイルを変更する

Application Server は、セキュリティーポリシーが変更されていないかぎり、強制的にデフォルトのセキュリティーポリシーセットを適用し、HTTP トンネルサーブレットが Message Queue ブローカからの接続を受け入れるのを阻止します。

各アプリケーションサーバーインスタンスには、セキュリティーポリシーまたはルールを含むファイルがあります。たとえば、Solaris 上の server1 インスタンスのこのファイルは次の場所にあります。

/var/opt/SUNWappserver8/domains/domain1/server1/config/
server.policy

トンネルサーブレットに Message Queue ブローカからの接続を受け入れさせるように設定するには、このファイルにエントリを追加する必要があります。

Procedureアプリケーションサーバーの server.policy ファイルを変更する

  1. server.policy ファイルを開きます。

  2. 次のエントリを追加します。


    grant codeBase
    "file:/var/opt/SUNWappserver8/domains/domain1/server1/
                    applications/j2ee-modules/imqhttp_1/-”
    {
            permission java.net.SocketPermission "*",
                    “connect,accept,resolve";
    };

手順 2: httpjms 接続サービスを設定する

デフォルトでは、HTTP サポートはブローカに対してアクティブになっていないため、httpjms 接続サービスをアクティブにするようブローカを再設定する必要があります。再設定したあとは、「ブローカの起動」で説明されているようにブローカを起動できます。

Procedurehttpjms 接続サービスをアクティブにする

  1. ブローカのインスタンス設定ファイルを開きます。

    インスタンス設定ファイルは、その設定ファイルが関連付けられているブローカインスタンスの名前 (instanceName) によって識別されるディレクトリに格納されています (see 付録 A 「プラットフォームごとの Message QueueTM データの場所」を参照)。

    /instances/ instanceName /props/config.properties

  2. httpjms の値を imq.service.activelist プロパティーに追加します。


    imq.service.activelist=jms,admin,httpjms

    ブローカは、起動時に、Web サーバーまたはアプリケーションサーバーとそのホストマシン上で実行している HTTP トンネルサーブレットを探します。リモートトンネルサーブレットにアクセスするには、接続サービスの servletHost および servletPort プロパティーを設定し直します。

    pullPeriod プロパティーを設定し直して、パフォーマンスを向上させることもできます。「手順 2: httpjms 接続サービスを設定する」では、httpjms 接続サービスの設定プロパティーについて説明します。

    プロパティー 

    説明 

    imq.httpjms.http.servletHost

    必要に応じてこの値を変更し、HTTP トンネルサーブレットを実行するホストの名前 (ホスト名または IP アドレス) を指定します。リモートホストか、またはローカルホストの特定のホスト名のどちらかになります。デフォルト値: localhost

    imq.httpjms.http. servletPort

    この値を変更して、ブローカが HTTP トンネルサーブレットにアクセスするために使用するポート番号を指定します。Web サーバー上でデフォルトのポート番号が変更されている場合は、それに合わせてこのプロパティーを変更します。デフォルト値: 7675

    imq.httpjms.http. pullPeriod

    メッセージをブローカから取り出すために各クライアントランタイムが出す HTTP 要求の間隔を秒単位で指定します。このプロパティーはブローカで設定され、クライアントランタイムに伝達される点に注意してください。値がゼロまたは負の場合、クライアントは常に HTTP 要求の 1 つを保留にして、可能なかぎり迅速なメッセージの取り出しに備えます。クライアント数が多いと、この動作によって Web サーバーまたはアプリケーションサーバーのリソースが消耗し、サーバーの応答が遅くなる場合があります。そのような場合には、pullPeriod プロパティーを正の秒数に設定する必要があります。これにより、後続の取り出し要求が出される前の、クライアントの HTTP トランスポートドライバの待機時間が設定されます。値を正の数に設定すると、クライアントにより監視される応答時間を犠牲にして、Web サーバーまたはアプリケーションサーバーのリソースが維持されます。デフォルト値: -1

    imq.httpjms.http. connectionTimeout

    クライアントランタイムが例外をスローする前に HTTP トンネルサーブレットからの応答を待機する時間を秒単位で指定します。このプロパティーはブローカで設定され、クライアントランタイムに伝達される点に注意してください。このプロパティーは、ブローカが HTTP トンネルサーブレットと通信したあと、接続を解放するまでの時間も指定します。ブローカとトンネルサーブレットは、HTTP サーブレットへアクセス中のクライアントが異常終了したかどうかを確認する手段を持っていないため、この場合はタイムアウトが必須となります。デフォルト値: 60

手順 3: HTTP 接続を設定する

クライアントアプリケーションは、設定済みの接続ファクトリ管理対象オブジェクトを適切に使用して、ブローカへの HTTP 接続を確立する必要があります。この節では、HTTP 接続設定について説明します。

接続ファクトリを設定する

HTTP サポートを有効にするには、接続ファクトリの imqAddressList 属性を HTTP トンネルサーブレット URL に設定する必要があります。HTTP トンネルサーブレット URL の一般的な構文は次のとおりです。

http://hostName:portNumber

/contextRoot/tunnel

hostName:portNumber は、HTTP トンネルサーブレットをホストする Web サーバーまたはアプリケーションサーバーの名前とポートです。contextRoot は、Web サーバーまたはアプリケーションサーバーにトンネルサーブレットを配備したときに設定したパスです。

接続ファクトリ属性の全般と imqAddressList 属性の詳細については、『Message Queue Developer's Guide for Java Clients』を参照してください。

接続ファクトリ属性の設定は、次のいずれかの方法で行います。

1 つのサーブレットを使用して複数のブローカにアクセスする

複数のブローカを実行している場合、複数の Web サーバーまたはアプリケーションサーバーとサーブレットインスタンスを設定する必要はありません。現在実行中のブローカ間で、1 つの Web サーバーまたはアプリケーションサーバーと HTTP トンネルサーブレットのインスタンスを共有できます。複数のブローカインスタンスが 1 つのトンネルサーブレットを共有している場合は、次に示すとおり、imqAddressList 接続ファクトリ属性を設定する必要があります。

http://hostName:portNumber

/contextRoot/tunnel?ServerName=
bkrHostName:instanceName

bkrHostName はブローカインスタンスのホスト名で、instanceName はクライアントにアクセスさせる特定のブローカインスタンスの名前です。

bkrHostNameinstanceName に正しい文字列を入力したことを確認するには、ブラウザからサーブレット URL にアクセスして、HTTP トンネルサーブレットの状態レポートを生成します。レポートでは、サーブレットがアクセスしているすべてのブローカが次のように一覧表示されます。


HTTP tunnel servlet ready.
Servlet Start Time : Thu May 30 01:08:18 PDT 2005
Accepting TCP connections from brokers on port : 7675
Total available brokers = 2
Broker List :
   jpgserv:broker2
   cochin:broker1

HTTP プロキシを使用する

HTTP プロキシを使用して HTTP トンネルサーブレットにアクセスする場合、次の設定を行います。

クライアントアプリケーションを起動するコマンドに -D オプションを使用して、これらのプロパティーを設定できます。

HTTPS サポートの有効化

以降の節では、HTTPS サポートを有効化する手順について説明します。この手順は、「HTTP サポートの有効化」の手順とほとんど同じですが、さらに SSL 証明書の生成とアクセスに必要となる手順も追加されています。

ProcedureHTTPS サポートを有効にする

  1. HTTPS トンネルサーブレットの自己署名付き証明書を生成します。

  2. HTTP トンネルサーブレットの .war ファイルの配備記述子を次のように変更します。

    • 証明書キーストアを配置した場所を指すようにします

      • 証明書キーストアのパスワードを指定します

  3. HTTP トンネルサーブレットを配備します。HTTP トンネルサーブレットは次の場所に配備できます。

    • Sun Java System Web Server

      • Sun Java System Application Server

  4. ブローカの httpsjms 接続サービスを設定し、ブローカを起動します。

  5. HTTPS 接続を設定します。

    それぞれの手順については、順次、詳しく説明します。

手順 1: HTTPS トンネルサーブレットの自己署名付き証明書を生成する

Message Queue の SSL サポートは、クライアントが既知の信頼されたサーバーと通信することを前提に、ネットワーク上のデータを保護することを目的としています。したがって、自己署名付きのサーバー証明書だけを使用して SSL が実装されます。httpsjms 接続サービスのアーキテクチャーでは、HTTPS トンネルサーブレットが、ブローカに対してもアプリケーションクライアントに対してもサーバーの役割をします。

keytool ユーティリティーを実行し、トンネルサーブレットの自己署名付き証明書を生成します。コマンドプロンプトで次のとおり入力します。

JRE_HOME/bin/keytool -servlet keyStoreLocation

ユーティリティーによって必要な情報が要求されます。UNIX システムでは、キーストアを作成するアクセス権を取得するためにスーパーユーザー (root) として keytool を実行する必要があります。

keytool は、まず、キーストアに対するパスワードの入力を要求します。次に一部の組織情報の入力、続いて確認を要求します。確認が取れると、鍵ペアを生成している間、このコマンドは停止します。その後、特定の鍵ペアをロックするためのパスワード (キーパスワード) の入力を要求してくるので、Return キーを押します。これで、キーパスワードに、キーストアと同じパスワードが設定されます。


注 –

指定したパスワードは覚えておいてください。あとでトンネルサーブレットがキーストアを開くことができるように、そのパスワードを入力する必要があります。


JDK keytool ユーティリティーは、自己署名付き証明書を生成し、keyStoreLocation 引数 で指定された Message Queue のキーストアファイル内に証明書を配置します。


注 –

HTTPS トンネルサーブレットは、キーストアを参照する必要があります。必ず、keyStoreLocation にある生成されたキーストアを、HTTPS トンネルサーブレットがアクセスできる場所に移動またはコピーしてください (「手順 3: HTTPS トンネルサーブレットを配備する」を参照)。


手順 2: HTTP トンネルサーブレットの .war ファイルの記述子ファイルを変更する

HTTP トンネルサーブレットの .war ファイルには、Web サーバーまたはアプリケーションサーバーがサーブレットを読み込んで実行するときに必要となる基本的な設定情報が示された配備記述子が含まれています。

imqhttps.war ファイルの配備記述子は、トンネルサーブレットが必要とするキーストアファイルが配置された場所を認識できません。そのため、imqhttps.war ファイルを配備する前に、トンネルサーブレットの配備記述子 (XML ファイル) を編集し、キーストアの場所とパスワードを指定する必要があります。

ProcedureHTTPS トンネルサーブレット .war ファイルを変更する

  1. .war ファイルを一時ディレクトリにコピーします。

    cp /usr/share/lib/imq/imqhttps.war /tmp (Solaris)

    cp /opt/sun/mq/share/lib/imqhttps.war /tmp (Linux)

    cp IMQ_HOME/lib/imqhttps.war /tmp (Windows)

  2. 一時ディレクトリを現在のディレクトリにします。

    $ cd /tmp

  3. .war ファイルの内容を抽出します。

    $ jar xvf imqhttps.war

  4. .war ファイルの配備記述子を一覧表示します。

    $ ls -l WEB-INF/web.xml

  5. web.xml ファイルを編集して、keystoreLocationkeystorePassword という引数に正しい値を設定します。必要に応じて serverPortserverHost の引数も設定します。

  6. .war ファイルの内容を設定し直します。

    $ jar uvf imqhttps.war WEB-INF/web.xml

    これで修正済みの imqhttps.war ファイルを使用して、HTTPS トンネルサーブレットを配備できるようになりました。キーストアパスワードの漏洩が心配な場合は、ファイルシステムアクセス権を使用して、imqhttps.war ファイルへのアクセスを制限できます。

手順 3: HTTPS トンネルサーブレットを配備する

HTTP トンネルサーブレットは、Sun Java System Web Server または Sun Java System Application Server に、Web アーカイブ (WAR) ファイルとして配備できます。

HTTPS トンネルサーブレットを .war ファイルとして配備するときは、Web サーバーまたはアプリケーションサーバーで提供される配備メカニズムを使用します。HTTPS トンネルサーブレットの .war ファイル (imqhttps.war ) は、オペレーティングシステムによって異なるディレクトリに格納されています (付録 A 「プラットフォームごとの Message QueueTM データの場所」を参照)。

Web サーバーで暗号化がアクティブであり、クライアントとブローカの間で終端間の安全な通信が有効であることを確認してください。

Web アーカイブファイルとして配備する

Sun Java System Web Server への配備については、「HTTPS トンネルサーブレットを Sun Java System Web Server に配備する」を参照してください。

Sun Java System Application Server への配備については、「HTTPS トンネルサーブレットを Message Queue Application Server に配備する」を参照してください。

HTTPS トンネルサーブレットを Sun Java System Web Server に配備する

この節では、HTTPS トンネルサーブレットを Message Queue Web Server に .war ファイルとして配備する方法について説明します。Web ブラウザを使用してサーブレットの URL にアクセスすると、HTTPS トンネルサーブレットが問題なく配備されたことが確認できます。ステータス情報も表示されます。

HTTPS トンネルサーブレットを配備する前に、JSSE .jar ファイルが Web サーバーのクラスパスに含まれていることを確認します。これを確実にするもっとも簡単な方法は、jsse.jarjnet.jar、および jcert.jarWebServer_TOPDIR/bin/https/jre/lib/ext にコピーすることです。

ProcedureHTTPS トンネルサーブレットを .war ファイルとして配備する

  1. ブラウザベースの管理 GUI で、「Virtual Server Class」タブを選択します。「Manage Classes」をクリックします。

  2. 適切な仮想サーバークラス名 (defaultClass など) を選択して、「Manage」ボタンをクリックします。

  3. 「Manage Virtual Servers」を選択します。

  4. 適切な仮想サーバー名を選択し、「Manage」ボタンをクリックします。

  5. 「Web Applications」タブを選択します。

  6. 「Deploy Web Application」をクリックします。

  7. 「WAR File On」フィールドおよび「WAR File Path」フィールドで、修正済みの imqhttps.war ファイルを指す適切な値を選択します (「手順 2: HTTP トンネルサーブレットの .war ファイルの記述子ファイルを変更する」を参照)。)

  8. 「Application URI」フィールドにパスを入力します。

    「Application URI」フィールドの値は、トンネルサーブレット URL の /contextRoot 部分です。

    https://hostName :portNumber / contextRoot/tunnel

    たとえば、contextRootimq に設定した場合、「Application URI」フィールドは次のようになります。

    /imq

  9. サーブレットを配備するインストールディレクトリのパス (通常は、Message Queue Web Server インストールルートの内の場所) を入力します。

  10. 「OK」をクリックします。

  11. Web サーバーインスタンスを再起動します。

    サーブレットは次の URL で利用可能となります。


    https://hostName:portNumber/imq/tunnel

    クライアントはこの URL を使用することで、安全な HTTPS 接続を使ってメッセージサービスに接続できます。

サーバーのアクセスログを無効にする

必ずしもサーバーのアクセスログを無効にする必要はありませんが、無効にしたほうがより良いパフォーマンスを得ることができます。

Procedureサーバーのアクセスログを無効にする

  1. 「Status」タブを選択します。

  2. 「Log Preferences Page」を選択します。

    Log クライアントアクセス制御を使用して、ロギングを無効にします。

HTTPS トンネルサーブレットを Message Queue Application Server に配備する

この節では、HTTPS トンネルサーブレットを Message Queue Application Server に .war ファイルとして配備する方法について説明します。

2 段階の手順が必要です。

配備ツールを使用する

HTTPS トンネルサーブレットを Application Server 環境に配備する手順を次に示します。

ProcedureHTTPS トンネルサーブレットを Application Server 環境に配備する

  1. Web ベースの管理 GUI で、次を選択します。

    「App Server」>「Instances」>「server1」>「Applications」>「Web Applications」

  2. 「Deploy」ボタンをクリックします。

  3. 「File Path:」テキストフィールドに、HTTPS トンネルサーブレットの .war ファイル (imqhttps.war) の場所を入力し、「OK」をクリックします。

    imqhttps.war ファイルの場所は、オペレーティングシステムによって異なります (付録 A 「プラットフォームごとの Message QueueTM データの場所」を参照)。

  4. 「Context Root」テキストフィールドの値を設定し、「OK」をクリックします。

    「Context Root 」フィールドの値は、トンネルサーブレット URL の /contextRoot 部分です。

    https://hostName :portNumber / contextRoot/tunnel

    たとえば、「Context Root」フィールドは次のように設定できます。

    /imq

    次の画面で、トンネルサーブレットが正常に配備され、デフォルトで有効になっており、この場合は次の場所に格納されていることが表示されます。


    /var/opt/SUNWappserver8/domains/domain1/server1/applications/
    j2ee-modules/imqhttps_1

    サーブレットは次の URL で利用可能となります。


    https://hostName:portNumber/
    contextRoot/tunnel

    クライアントはこの URL を使用することで、HTTPS 接続を使ってメッセージサービスに接続できます。

server.policy ファイルを変更する

Application Server は、セキュリティーポリシーが変更されていないかぎり、強制的にデフォルトのセキュリティーポリシーセットを適用し、HTTPS トンネルサーブレットが Message Queue ブローカからの接続を受け入れるのを阻止します。

各アプリケーションサーバーインスタンスには、セキュリティーポリシーまたはルールを含むファイルがあります。たとえば、Solaris 上の server1 インスタンスのこのファイルは次の場所にあります。

/var/opt/SUNWappserver8/domains/domain1/server1/config/
server.policy

トンネルサーブレットに Message Queue ブローカからの接続を受け入れさせるには、このファイルにエントリを追加する必要があります。

Procedureアプリケーションサーバーの server.policy ファイルを変更する

  1. server.policy ファイルを開きます。

  2. 次のエントリを追加します。


    grant codeBase
    "file:/var/opt/SUNWappserver8/domains/domain1/server1/
                    applications/j2ee-modules/imqhttps_1/-”
    {
            permission java.net.SocketPermission "*",
                    “connect,accept,resolve";
    };

手順 4: httpsjms 接続サービスを設定する

デフォルトでは、HTTPS サポートはブローカに対してアクティブになっていないため、httpsjms 接続サービスをアクティブにするようブローカを再設定する必要があります。再設定したあとは、「ブローカの起動」で説明されているようにブローカを起動できます。

Procedurehttpsjms 接続サービスをアクティブにする

  1. ブローカのインスタンス設定ファイルを開きます。

    インスタンス設定ファイルは、その設定ファイルが関連付けられているブローカインスタンスの名前 (instanceName) によって識別されるディレクトリに格納されています (see 付録 A 「プラットフォームごとの Message QueueTM データの場所」を参照)。

    /instances/ instanceName /props/config.properties

  2. httpsjms の値を imq.service.activelist プロパティーに追加します。


    imq.service.activelist=jms,admin,httpsjms

    ブローカは、起動時に Web サーバーとそのホストマシン上で実行している HTTPS トンネルサーブレットを探します。リモートトンネルサーブレットにアクセスするには、接続サービスの servletHost および servletPort プロパティーを設定し直します。

    pullPeriod プロパティーを設定し直して、パフォーマンスを向上させることもできます。「手順 4: httpsjms 接続サービスを設定する」では、httpsjms 接続サービスの設定プロパティーについて説明します。

    プロパティー 

    説明 

    imq.httpsjms.https.servletHost

    必要に応じて、この値を変更し、HTTPS トンネルサーブレットを実行するホストの名前 (ホスト名または IP アドレス) を指定します。リモートホストか、またはローカルホストの特定のホスト名のどちらかになります。デフォルト値: localhost

    imq.httpsjms.https. servletPort

    この値を変更して、ブローカが HTTPS トンネルサーブレットにアクセスするために使用するポート番号を指定します。Web サーバー上でデフォルトのポート番号が変更されている場合は、それに合わせてこのプロパティーを変更します。デフォルト値: 7674

    imq.httpsjms.https. pullPeriod

    メッセージをブローカから取り出すために各クライアントが出す HTTP 要求の間隔を秒単位で指定します。このプロパティーはブローカで設定され、クライアントランタイムに伝達される点に注意してください。値がゼロまたは負の場合、クライアントは常に HTTP 要求の 1 つを保留にして、可能なかぎり迅速なメッセージの取り出しに備えます。クライアント数が多いと、この動作によって Web サーバーのリソースが消耗し、サーバーの応答が遅くなる場合があります。そのような場合には、pullPeriod プロパティーを正の秒数に設定する必要があります。これにより、後続の取り出し要求が出される前の、クライアントの HTTP トランスポートドライバの待機時間が設定されます。値を正の数に設定すると、クライアントにより監視される応答時間を犠牲にして、Web サーバーのリソースが維持されます。デフォルト値: -1

    imq.httpsjms.https. connectionTimeout

    クライアントランタイムが例外をスローする前に HTTPS トンネルサーブレットからの応答を待機する時間を秒単位で指定します。このプロパティーはブローカで設定され、クライアントランタイムに伝達される点に注意してください。このプロパティーは、ブローカが HTTPS トンネルサーブレットと通信したあと、接続を解放するまでの時間も指定します。ブローカとトンネルサーブレットは、HTTPS サーブレットへアクセス中のクライアントが異常終了したかどうかを確認する手段を持っていないため、この場合はタイムアウトが必要となります。デフォルト値: 60

手順 5: HTTPS 接続を設定する

クライアントアプリケーションは、適切に設定された接続ファクトリ管理対象オブジェクトを使用して、ブローカへの HTTPS 接続を確立する必要があります。

ただし、クライアントは Java Secure Socket Extension (JSSE) で提供される SSL ライブラリへもアクセスし、ルート証明書を持つ必要もあります。SSL ライブラリは、JDK 1.4 に付属しています。それ以前の JDK バージョンを使用している場合は、「JSSE を設定する」を参照してください。それ以外の場合は 「ルート証明書をインポートする」に進んでください。

これらの点を解決したあとで、HTTPS 接続の設定に進むことができます。

JSSE を設定する

ProcedureJSSE を設定する

  1. JSSE .jar ファイルを JRE_HOME/lib/ext ディレクトリにコピーします。


    jsse.jar、jnet.jar、jcert.jar
  2. JSSE セキュリティープロバイダを静的に追加します。


    security.provider.n=com.sun.net.ssl.internal.ssl.Provider

    これを JRE_HOME/lib/security/java.security ファイルに追加します。n は、セキュリティープロバイダパッケージに対して次に利用可能な優先順位です。

  3. JDK 1.4 を使用していない場合は、-D オプションをクライアントアプリケーションを起動するコマンドに使用して、次の JSSE プロパティーを設定します。


    java.protocol.handler.pkgs=com.sun.net.ssl.internal.www.protocol

ルート証明書をインポートする

Web サーバーの証明書に署名した認証局 (CA) のルート証明書が、デフォルトで信頼されるデータベースにない場合、または Web サーバーまたはアプリケーションサーバーの専用の証明書を使用している場合、信頼されるデータベースに証明書を追加する必要があります。これに該当する場合は、次の手順に従ってください。それ以外の場合 は、「接続ファクトリを設定する」に進んでください。

証明書が certFile に保存され、trustStoreFile がキーストアであると仮定して、次のコマンドを実行します。

JRE_HOME/bin/keytool -import -trustcacerts
 -alias aliasForCertificate -file certFile

-keystore trustStoreFile

次の質問に YES と答えます。Trust this certificate?

クライアントアプリケーションを起動するコマンドに -D オプションを使用して、次の JSSE プロパティーを指定する必要もあります。

javax.net.ssl.trustStore=trustStoreFile
javax.net.ssl.trustStorePassword=trustStorePasswd

接続ファクトリを設定する

HTTPS サポートを有効にするには、接続ファクトリの imqAddressList 属性を HTTPS トンネルサーブレット URL に設定する必要があります。HTTPS トンネルサーブレット URL の一般的な構文は次のとおりです。

https://hostName:portNumber

/contextRoot/tunnel

hostName:portNumber は、HTTPS トンネルサーブレットをホストする Web サーバーの名前とポートです。contextRoot は、Web サーバーにトンネルサーブレットを配備したときに設定したパスです。

接続ファクトリ属性の全般と imqAddressList 属性の詳細については、『Message Queue Developer's Guide for Java Clients』を参照してください。

接続ファクトリ属性の設定は、次のいずれかの方法で行います。

1 つのサーブレットを使用して複数のブローカにアクセスする

複数のブローカを実行している場合、複数の Web サーバーとサーブレットインスタンスを設定する必要はありません。現在実行中のブローカ間で、1 つの Web サーバーと HTTPS トンネルサーブレットのインスタンスを共有できます。複数のブローカインスタンスが 1 つのトンネルサーブレットを共有している場合は、次に示すとおり、imqAddressList 接続ファクトリ属性を設定する必要があります。

https://hostName:portNumber

/contextRoot/tunnel?ServerName=
bkrHostName:instanceName

bkrHostName はブローカインスタンスのホスト名で、instanceName はクライアントにアクセスさせる特定のブローカインスタンスの名前です。

bkrHostNameinstanceName に正しい文字列を入力したことを確認するには、ブラウザからサーブレット URL にアクセスして、HTTPS トンネルサーブレットの状態レポートを生成します。レポートでは、サーブレットがアクセスしているすべてのブローカが次のように一覧表示されます。


HTTPS tunnel servlet ready.
Servlet Start Time : Thu May 30 01:08:18 PDT 2002
Accepting secured connections from brokers on port : 7674
Total available brokers = 2
Broker List :
   jpgserv:broker2
   cochin:broker1

HTTP プロキシを使用する

HTTP プロキシを使用して HTTPS トンネルサーブレットにアクセスする場合、次の設定を行います。

クライアントアプリケーションを起動するコマンドに -D オプションを使用して、これらのプロパティーを設定できます。

トラブルシューティング

この節では、HTTP や HTTPS 接続で発生する可能性がある問題、およびその問題の解決方法について説明します。

サーバーかブローカの障害

Web サーバーで障害が生じても再起動すれば、すべての接続が復元され、クライアントへの影響はありません。ただし、ブローカに障害が生じ再起動された場合は、例外がスローされ、クライアントはそれぞれの接続を再確立する必要があります。

Web サーバーとブローカの両方に障害が生じ、ブローカが再起動されない場合、Web サーバーはクライアント接続を復元し、ブローカ接続を待機しますが、クライアントには通知しません。この状況を避けるため、ブローカの再起動を必ず確認してください。

クライアントのトンネルサーブレットによる接続障害

HTTPS クライアントがトンネルサーブレットでブローカに接続できない場合は、次のように操作します。

Procedureクライアントが接続できない場合

  1. サーブレットとブローカを起動します。

  2. ブラウザを使用し、HTTPS トンネルサーブレット URL でサーブレットに手動でアクセスします。

  3. 次の管理コマンドを使用し、接続の一時停止と再開を行います。


    imqcmd pause svc -n httpsjms -u admin
    imqcmd resume svc -n httpsjms -u admin

    サービスが再開する場合、HTTPS クライアントはトンネルサーブレットでブローカに接続できます。

付録 D よく使用するコマンドユーティリティーのコマンド

この付録では、よく使用するいくつかの Message QueueTM コマンドユーティリティー (imqcmd) のコマンドを示します。コマンド行から利用可能なコマンドオプションおよび属性の包括的なリストについては、「コマンドユーティリティー」を参照してください。

構文

imqcmd subcommand argument [
options]
imqcmd -h|H
imqcmd -v

-H または -h は、包括的なヘルプを提供します。-v サブコマンドは、バージョン情報を提供します。

imqcmd を使用するときは、コマンドユーティリティーによってパスワードを要求されます。要求されないようにしてセキュリティーを高めるには、-passfile pathToPassfile オプションを使用して、管理者のユーザー名とパスワードが含まれるパスワードファイルを指定できます。

例: imqcmd query bkr -u adminUserName -passfile pathToPassfile -b myServer:7676

ブローカとクラスタの管理

imqcmd query bkr
imqcmd pause bkr
imqcmd restart bkr
imqcmd resume bkr
imqcmd shutdown bkr -b myBroker:7676
imqcmd update bkr -o "imq.system.max_count=1000"
imqcmd reload cls

ブローカ設定プロパティー (-o オプション)

「ブローカ設定プロパティー (-o オプション) 」に、よく使用するブローカ設定プロパティーの一覧を示します。ブローカ設定プロパティーとその説明の完全なリストについては、第 14 章「ブローカのプロパティーのリファレンス」を参照してください。

表 D–1 ブローカ設定プロパティー (-o オプション)

プロパティー 

メモ 

imq.autocreate.queue

 

imq.autocreate.queue.maxNumActiveConsumers

無制限の場合は -1 を指定します

imq.autocreate.queue.maxNumBackupConsumers

無制限の場合は -1 を指定します

imq.autocreate.topic

 

imq.cluster.url

 

imq.destination.DMQ.truncateBody

 

imq.destination.logDeadMessages

 

imq.log.file.rolloverbytes

無制限の場合は -1 を指定します

imq.log.file.rolloversecs

無制限の場合は -1 を指定します

imq.log.level

NONEERRORWARNINGINFO

imq.message.max_size

無制限の場合は -1 を指定します

imq.portmapper.port

 

imq.system.max_count

無制限の場合は -1 を指定します

imq.system.max_size

無制限の場合は -1 を指定します

サービスと接続の管理

imqcmd list svc
imqcmd query svc
imqcmd update svc -n jms -o "minThreads=200" -o "maxThreads=400" -o "port=8995"
imqcmd pause svc -n jms
imqcmd resume svc -n jms
imqcmd list cxn -svn jms
imqcmd query cxn -n 1234567890

永続サブスクライバの管理

imqcmd list dur -d MyTopic
imqcmd destroy dur -n myDurSub -c "clientID-111.222.333.444"
imqcmd purge dur -n myDurSub -c "clientID-111.222.333.444"

トランザクションの管理

imqcmd list txn
imqcmd commit txn -n 1234567890
imqcmd query txn -n 1234567890
imqcmd rollback txn -n 1234567890

送信先の管理

imqcmd create dst -n MyQueue -t q -o "maxNumMsgs=1000" -o "maxNumProducers=5"
imqcmd update dst -n MyTopic -t t -o "limitBehavior=FLOW_CONTROL| REMOVE_OLDEST|REJECT_NEWEST|REMOVE_LOW_PRIORITY"
imqcmd compact dst -n MyQueue -t q
imqcmd purge dst -n MyQueue -t q
imqcmd pause dst -n MyQueue -t q -pst PRODUCERS|CONSUMERS|ALL
imqcmd resume dst -n MyQueue -t q
imqcmd destroy dst -n MyQueue -t q
imqcmd query dst -n MyQueue -t q
imqcmd list dst -tmp

送信先設定プロパティー (-o オプション)

「送信先設定プロパティー (-o オプション) 」に、よく使用する送信先設定プロパティーの一覧を示します。送信先設定プロパティーとその説明の完全なリストについては、第 15 章「物理的送信先のプロパティーのリファレンス」を参照してください。

表 D–2 送信先設定プロパティー (-o オプション)

プロパティー 

メモ 

consumerFlowLimit

無制限の場合は -1 を指定します

isLocalOnly (作成のみ)

 

limitBehavior

FLOW_CONTROLREMOVE_OLDESTREJECT_NEWESTREMOVE_LOW_PRIORITY

localDeliveryPreferred (キューのみ)

 

maxNumActiveConsumers (キューのみ)

無制限の場合は -1 を指定します

maxNumBackupConsumers (キューのみ)

無制限の場合は -1 を指定します

maxBytesPerMsg

無制限の場合は -1 を指定します

maxNumMsgs

無制限の場合は -1 を指定します

maxNumProducers

無制限の場合は -1 を指定します

maxTotalMsgBytes

無制限の場合は -1 を指定します

useDMQ

 

メトリックス

imqcmd metrics bkr -m cxn|rts|ttl -int 5 -msp 20
imqcmd metrics svc -m cxn|rts|ttl
imqcmd metrics dst -m con|dsk|rts|ttl