オブジェクトストアを管理コンソールに接続したら、管理対象オブジェクト (接続ファクトリおよび送信先) の追加に進むことができます。この節ではその方法について説明します。
管理コンソールには Message Queue 管理対象オブジェクトだけが表示されます。オブジェクトストアに、追加したい管理対象オブジェクトと同じ検索名の Message Queue 以外のオブジェクトが含まれている場合は、追加操作を実行しようとするとエラーが表示されます。
接続ファクトリは、クライアントアプリケーションがブローカへの接続を作成するために使用します。接続ファクトリを設定すると、作成する接続のプロパティーを制御できます。
オブジェクトストアが管理コンソールに接続されていることを確認します (「オブジェクトストアへの接続」を参照)。
管理コンソールウィンドウのナビゲーション区画にあるオブジェクトストアの名前の下の「Connection Factories (接続ファクトリ)」アイテムをクリックし、「Actions (アクション)」メニューから「Add Connection Factory Object (接続ファクトリオブジェクトを追加)」を選択します。
または、「Connection Factories (接続ファクトリ)」を右クリックし、ポップアップコンテキストメニューから「Add Connection Factory Object (接続ファクトリオブジェクトを追加)」を選択します。どちらの場合も「Add Connection Factory Object (接続ファクトリオブジェクトを追加)」ダイアログボックス (図 2–13) が表示されます。
「Lookup Name (検索名)」フィールドに接続ファクトリの名前を入力します。
この名前は、クライアントアプリケーションが JNDI によって接続ファクトリを検索するときに使用する名前です。
この演習では、MyQueueConnectionFactory と入力します。
「Factory Type (ファクトリタイプ)」プルダウンメニューから、作成する接続ファクトリのタイプを選択します。
この演習では、QueueConnectionFactory を選択します。
「Connection Handling (接続の処理)」タブをクリックします。
図 2–13 に示すように、「Connection Handling (接続の処理)」パネルが表示されます。
「Message Server Address List (メッセージサーバーのアドレスのリスト)」フィールドに、この接続ファクトリで接続を作成するブローカのアドレスを入力します。
このアドレスリストには、1 つのブローカまたは (ブローカクラスタの場合に) 複数のブローカを指定できます。ブローカごとに、ブローカの接続サービス、ホスト名、ポート番号などの情報を指定します。指定する情報の実際の性質や構文は、使用される接続サービスによって異なります。仕様については、「接続の処理」を参照してください。
サンプルアプリケーション HelloWorldMessageJNDI は、接続ファクトリが、デフォルトで自動的に設定される標準アドレスリストの属性 (接続サービス jms、ホスト名 localhost、ポート番号 7676) を使用することを想定しています。したがって、この演習では、「Message Server Address List (メッセージサーバーのアドレスのリスト)」フィールドに何も入力する必要はありません。
必要に応じて、接続ファクトリのその他の属性を設定します。
「Add Connection Factory Object (接続ファクトリオブジェクトを追加)」ダイアログボックスに、「Connection Handling (接続の処理)」以外の多数のパネルが表示されます。これらを使用して、接続ファクトリのさまざまな属性を設定できます。
この演習では、ほかの属性設定を変更しないでください。ただし、ほかのタブをクリックして、指定可能な設定情報の種類を知ることは有益な場合があります。これらのほかの設定パネルの内容について詳しく知るには、「Help (ヘルプ)」ボタンを使用してください。
必要に応じて、「Read-Only (読み取り専用)」チェックボックスをクリックします。
これによって、接続ファクトリオブジェクトの設定属性が、作成時に指定された値にロックされます。読み取り専用の管理対象オブジェクトの属性は、クライアントコードからプログラムによっても、コマンド行から管理者によっても上書きできません。
この演習では、「Read-Only (読み取り専用)」をチェックしないでください。
「OK」をクリックして、接続ファクトリを作成し、それをオブジェクトストアに追加して、ダイアログボックスを閉じます。
新しい接続ファクトリが結果区画に表示されます。
送信先管理対象オブジェクトは、ブローカ上の物理的送信先を表し、クライアントはプロバイダ固有の設定とネーミング構文とは関係なく、物理的送信先にメッセージを送信できます。クライアントが管理対象のオブジェクトによってアドレス設定されたメッセージを送信すると、ブローカは対応する物理的送信先 (存在する場合) にメッセージを配信します。物理的送信先が存在しない場合、自動作成が有効ならば、「物理的送信先の作成」に説明されているとおりに、ブローカによって自動的に作成され、メッセージが配信されます。自動作成が有効でなければ、メッセージを配信できないことを通知するエラーが生成されます。
次の手順に、既存の物理的送信先に対応するオブジェクトストアに、送信先管理対象オブジェクトを追加する方法を説明します。
オブジェクトストアが管理コンソールに接続されていることを確認します (「オブジェクトストアへの接続」を参照)。
管理コンソールウィンドウのナビゲーション区画にあるオブジェクトストアの名前の下の「Destinations (送信先)」アイテムをクリックし、「Actions (アクション)」メニューから「Add Destination Object (送信先オブジェクトを追加)」を選択します。
または、送信先を右クリックし、ポップアップコンテキストメニューから「Add Destination Object (送信先オブジェクトを追加)」を選択します。どちらの場合も「Add Destination Object (送信先オブジェクトを追加)」ダイアログボックス (図 2–14) が表示されます。
「Lookup Name (検索名)」フィールドに送信先管理対象オブジェクトの名前を入力します。
この名前は、クライアントアプリケーションが JNDI によって送信先を検索するときに使用する名前です。
この演習では、MyQueue と入力します。
「Queue (キュー)」または「Topic (トピック)」のラジオボタンを選択し、作成する送信先オブジェクトのタイプを指定します。
この演習では、「Queue (キュー)」ラジオボタンが選択されていなければ選択します。
「Destination Name (送信先名)」フィールドに、対応する物理的送信先の名前を入力します。
この名前は、ブローカに物理的送信先を追加したときに指定した名前です (「物理的送信先の操作」を参照)。
この演習では、MyQueueDest と入力します。
オプションで、「Destination Description (送信先の説明)」フィールドに、送信先の簡単な説明を入力します。
このフィールドの内容は、ユーザーが参照することのみを目的としているため、クライアントの処理には影響がありません。
この演習では、「Destination Description (送信先の説明)」フィールドの内容を削除しても、次のような説明のテキストを入力してもかまいません。
Example destination for MQ Admin Guide tutorial |
必要に応じて、「Read-Only (読み取り専用)」チェックボックスをクリックします。
これによって、送信先オブジェクトの設定属性が、作成時に指定された値にロックされます。読み取り専用の管理対象オブジェクトの属性は、クライアントコードからプログラムによっても、コマンド行から管理者によっても上書きできません。
この演習では、「Read-Only (読み取り専用)」をチェックしないでください。
「OK」をクリックして、送信先オブジェクトを作成し、それをオブジェクトストアに追加して、ダイアログボックスを閉じます。
図 2–15 に示すように、新しい送信先オブジェクトが結果区画に表示されます。
管理コンソールの「Actions (アクション)」メニューの「Properties (プロパティー)」コマンドを使用して、管理対象オブジェクトのプロパティーを表示または変更できます。
管理コンソールウィンドウのナビゲーション区画のオブジェクトストア名の下の「Connection Factories (接続ファクトリ)」または「Destinations (送信先)」を選択します。
利用できる接続ファクトリまたは送信先管理対象オブジェクトの一覧が結果区画に表示され、各オブジェクトの検索名とタイプ (および送信先管理対象オブジェクトの場合は送信先名) が示されます。
結果区画の管理対象オブジェクトの名前をクリックして、管理対象オブジェクトを選択します。
「Actions (アクション)」メニューから「Properties (プロパティー)」を選択します。
「Add Connection Factory Object (接続ファクトリオブジェクトを追加)」(図 2–13) または「Add Destination Object (送信先オブジェクトを追加)」(図 2–14) ダイアログに類似した、「Connection Factory Object Properties (接続ファクトリオブジェクトのプロパティー)」または「Destination Object Properties (送信先オブジェクトのプロパティー)」ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスを使用して、選択したオブジェクトの設定属性を変更できます。ただし、オブジェクトの検索名は変更できません。検索名を変更するには、オブジェクトを削除してから、目的の検索名で新しい管理対象オブジェクトを作成する方法しかありません。
「OK」をクリックして、新しい属性値を受け入れ、ダイアログボックスを閉じます。
管理対象オブジェクトを削除すると、そのオブジェクトが属するオブジェクトストアから完全に削除されます。
管理コンソールウィンドウのナビゲーション区画のオブジェクトストア名の下の「Connection Factories (接続ファクトリ)」または「Destinations (送信先)」を選択します。
利用できる接続ファクトリまたは送信先管理対象オブジェクトの一覧が結果区画に表示され、各オブジェクトの検索名とタイプ (および送信先管理対象オブジェクトの場合は送信先名) が示されます。
結果区画の管理対象オブジェクトの名前をクリックして、管理対象オブジェクトを選択します。
「Edit (編集)」メニューから「Delete (削除)」を選択します。
確認のダイアログボックスが表示され、処理を続けることを確認するように求められます。
「Yes (はい)」をクリックして処理を確認し、確認ダイアログを閉じます。
この演習では、前に作成した管理対象オブジェクト MyQueue または MyQueueConnectionFactory は削除しません。「No (いいえ)」をクリックし、削除操作を実行せずに確認のダイアログを閉じてください。