Sun Java System Message Queue 3.7 UR1 管理ガイド

監視サービス

ブローカには、アプリケーションおよびブローカのパフォーマンスを監視し、診断するためのコンポーネントが含まれます。次のコンポーネントがあります。

この仕組みの概略を、図 4–3 に示します。管理サービスを設定するブローカプロパティーを、「監視のプロパティー」に示します。

図 4–3 監視のサポート

図は、ロガーへの入力、エラーレベル、および出力チャネルを示しています。図は文字で説明されます。

メトリックスジェネレータ

メトリックスジェネレータは、ブローカとの間で入出力されるメッセージフロー、ブローカメモリー内のメッセージ数とそれらが消費するメモリー量、開かれている接続の数、使用中のスレッドの数など、ブローカのアクティビティーに関する情報を提供します。ブール型のブローカプロパティー imq.metrics.enabled はそれらの情報を記録するかどうかを制御し、imq.metrics.interval は記録する頻度を指定します。

ロガー

エラーの発生時に、ロガーで、ブローカコードおよびメトリックスジェネレータによって生成された情報が取得され、その情報が標準出力 (コンソール)、ログファイル、Solaris プラットフォーム、syslog デーモンプロセスに書き込まれます。使用するログファイルは imq.log.file.dirpath および imq.log.file.filename ブローカプロパティーで指定し、imq.log.console.stream はコンソールの出力を stdout または stderr のどちらに書き込むかを指定します。

imq.log.level プロパティーは、ロガーが収集するメトリックス情報のカテゴリを制御します。カテゴリは、ERRORWARNING、または INFO です。各レベルにはそれ以上のレベルも含まれるため、たとえばロギングレベルとして WARNING を指定すると、エラーメッセージも記録されます。imq.log.console.output および imq.log.file.output プロパティーは、指定したカテゴリのどれをコンソールに書き込み、どれをログファイルに書き込むかを制御します。たとえば、エラーと警告の両方をログファイルに書き込み、情報メッセージをコンソールに書き込む場合は、明示的に imq.log.file.outputERROR|WARNING に設定し、imq.log.console.outputINFO に設定する必要があります。Solaris プラットフォームでは、別のプロパティー imq.log.syslog.output で、syslog デーモンに書き込むメトリックス情報のカテゴリを指定します。デッドメッセージが破棄された場合、またはデッドメッセージキューに移動された場合にログに 記録するかどうかを指定するimq.destination.logDeadMsgs プロパティーもあります。

ログファイルの場合、ファイルを閉じて出力が新しいファイルにロールオーバーされる時点を指定できます。ログファイルが指定したサイズ (imq.log.file.rolloverbytes) または有効期間 (imq.log.file.rolloversecs) に達すると、保存されて新しいログファイルが作成されます。

ログに関連するその他のブローカプロパティーについては、「監視のプロパティー」を参照してください。また、ロガーの設定方法およびロガーを使用してパフォーマンス情報を取得する方法の詳細については、「ブローカロギングの設定と使用」を参照してください。

メトリックスメッセージプロデューサ (Enterprise Edition)

メトリックスメッセージプロデューサは、メトリックスジェネレータから定期的に情報を受け取り、メトリックスメッセージに情報を書き込みます。メトリックスメッセージは、メッセージに含まれるメッセージ情報のタイプに応じて、多数のメトリックストピック送信先のいずれかに送信されます (表 4–2 を参照)。これらのメトリックストピック送信先にサブスクライブされている Message Queue クライアントはメッセージを消費し、それらに含まれるメトリックスを処理できます。これにより、開発者はカスタム監視ツールを作成して、メッセージングアプリケーションをサポートできます。各タイプのメトリックスメッセージで報告されるメトリックス数の詳細は、『Message Queue Developer's Guide for Java Clients』を参照してください。

表 4–2 メトリックスのトピック送信先

トピック名 

メトリックス情報のタイプ

mq.metrics.broker

ブローカのメトリックス 

mq.metrics.jvm

Java 仮想マシンのメトリックス 

mq.metrics.destination_list

送信先とそれらのタイプのリスト 

mq.metrics.destination.queue.queueName

指定したキューの送信先メトリックス 

mq.metrics.destination.topic.topicName

指定したトピックの送信先メトリックス 

ブローカプロパティー imq.metrics.topic.enabled および imq.metrics.topic.interval はそれぞれ、メッセージをメトリックストピック送信先に送信するかどうかと、その頻度を制御します。imq.metrics.topic.timetolive および imq.metrics.topic.persist プロパティーは、それらのメッセージの有効期間とそれらが持続メッセージであるかどうかを指定します。

メトリックスメッセージの本文に含まれる情報以外に、各メッセージのヘッダーには次の追加情報を提供するプロパティーが含まれます。

これらのプロパティーは、異なる種類または異なるブローカからのメトリックスメッセージを処理するクライアントアプリケーションに有用です。