Sun Java System Message Queue 3.7 UR1 管理ガイド

ブローカのプロパティーの設定

ブローカの設定プロパティーは、次のいずれかの方法で指定できます。

次の 2 つの節で、この 2 つのブローカの設定方法について説明します。

設定ファイル

ブローカ設定ファイルには、ブローカを設定するプロパティー設定が格納されます。それらのファイルは、オペレーティングシステムプラットフォームによって異なる場所のディレクトリに保存されます。詳細については、付録 A 「プラットフォームごとの Message QueueTM データの場所」を参照してください。このディレクトリには、次のファイルが格納されています。

さらに、後述するように、ブローカインスタンスごとに個別のインスタンス設定ファイルがあります。クラスタでブローカインスタンスを接続する場合、クラスタ設定ファイルを使用して、クラスタの設定情報を指定する必要があります。詳細については、「クラスタ設定プロパティー」を参照してください。

起動時に、ブローカはさまざまな設定ファイルのプロパティー値をマージします。図 4–4 に示すように、ファイルは階層を形成し、インスタンス設定ファイルに指定された値によってインストール設定ファイルの値が上書きされ、さらに、これらの値によってデフォルトの設定ファイルの値が上書きされます。階層の最上部で、imqbrokerd コマンドにコマンド行オプションを使用して、設定ファイルに指定されている任意のプロパティー値を手動で上書きできます。

図 4–4 ブローカ設定ファイル

図は、コマンド行オプションが config.properties を上書きし、以下順に install.properties、default options を上書きする状況を示します。

インスタンス設定ファイルの編集

最初にブローカを実行したときに、その特定のブローカインスタンスの設定プロパティーを格納するインスタンス設定ファイルが作成されます。インスタンス設定ファイルは config.properties と呼ばれ、設定ファイルが属するブローカインスタンスの名前によって識別されるディレクトリに格納されます。

/instances/ instanceName/props/config.properties

instances ディレクトリの場所については、付録 A 「プラットフォームごとの Message QueueTM データの場所」を参照してください。ファイルが存在しない場合、ブローカの起動時に -name オプションを使用して (「ブローカユーティリティー」を参照)、Message Queue がファイルの作成に使用できるインスタンス名を指定する必要があります。


注 –

instances/instanceName ディレクトリとインスタンス設定ファイルは、対応するブローカインスタンスを作成したユーザーが所有します。ブローカインスタンスは、常に同じユーザーにより再起動されます。


インスタンス設定ファイルは、ブローカインスタンスによって管理され、Message Queue 管理ユーティリティーを使用して設定に変更を加えた場合に変更されます。また、インスタンス設定ファイルを手作業で編集して、ブローカの動作とリソースの使用をカスタマイズできます。手作業で編集するには、instances/ instanceName ディレクトリの所有権が必要です。所有権がなければ、root としてログインしてディレクトリのアクセス権限を変更する必要があります。

ブローカがインスタンス設定ファイルを読み込むのは起動時だけです。ブローカの設定の変更を確定するには、ブローカをシャットダウンして、ファイルを編集し、ブローカを再起動する必要があります。ファイル (または任意の設定ファイル) 内のプロパティーの定義では、次の構文が使われます。

propertyName=value [[,value1] ]

たとえば、次のエントリは、ブローカが追加メッセージを拒否するまでに、メモリーと持続ストレージに最大 50,000 メッセージを保持するように指定します。

imq.system.max_count=50000

次のエントリは、毎日、つまり 86,400 秒ごとに新しいログファイルを作成するように指定します。

imq.log.file.rolloversecs=86400

使用可能なブローカ設定プロパティーとそれらのデフォルト値については、「ブローカサービス」および 第 14 章「ブローカのプロパティーのリファレンス」を参照してください。

コマンド行からの設定オプションの設定

ブローカの起動時、または起動後に、コマンド行からブローカ設定オプションを入力できます。

起動時に、ブローカユーティリティー (imqbrokerd) を使用してブローカインスタンスを起動します。コマンドの -D オプションを使用すると、ブローカの設定プロパティーとその値を指定できます。詳細については、「ブローカの起動」および 「ブローカユーティリティー」を参照してください。サービス管理ユーティリティー (imqsvcadmin) を使用して、Windows サービスとしてブローカを起動している場合、-args オプションを使用して起動時設定プロパティーを指定します。「サービス管理ユーティリティー」を参照してください。

また、ブローカインスタンスの実行中に、特定のブローカプロパティーを変更できます。実行中のブローカの設定を変更するには、コマンドユーティリティーの imqcmd update bkr コマンドを使用します。「ブローカのプロパティーの更新」および 「ブローカ管理」を参照してください。