第 17 章 JMS リソースアダプタのプロパティーのリファレンス
この章では、Message QueueTM の JMS リソースアダプタ (JMS RA) の設定プロパティーについて説明します。この JMS リソースアダプタを使用すると、標準的な J2EE コネクタアーキテクチャー (JCA) により、Sun Java SystemTM Message Queue を任意の J2EE 1.4 アプリケーションサーバーと統合できます。リソースアダプタをプリケーションサーバーに組み込むと、そのアプリケーションサーバーに配備したアプリケーションが、Message Queue を使用して JMS メッセージを送受信できるようになります。
Message Queue の JMS リソースアダプタでは、次の 3 つの JavaBean コンポーネントを介して設定プロパティーが公開されます。
これらのエンティティーのプロパティー値を設定するには、リソースアダプタの設定用と配備用、および MDB の配備用にアプリケーションサーバーによって提供されるツールを使用します。
この章では、Message Queue の JMS リソースアダプタの設定プロパティーを一覧表示して説明します。この章は、次の節から構成されています。
ResourceAdapter JavaBean
ResourceAdapter 設定では、JMS リソースアダプタのデフォルト動作を設定します。表 17–1 で、この JavaBean を設定するためのプロパティーを一覧表示して説明します。
表 17–1 リソースアダプタのプロパティー
プロパティー
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データ型
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デフォルト値
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説明
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addressList
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文字列
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mq://localhost:7676/jms
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(必須) Message Queue サービスに接続するためのメッセージサービスのアドレス
次に示す connectionURL と同じものです。いずれか一方を設定する必要があります。
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connectionURL
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文字列
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mq://localhost:7676/jms
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Message Queue サービスに接続するためのメッセージサービスのアドレス
上記の addressList と同じものです。いずれか一方を設定する必要があります。
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userName
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文字列
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guest
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(必須) Message Queue サービスに接続するためのデフォルトユーザー名
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password
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文字列
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guest
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(必須) Message Queue サービスに接続するためのデフォルトパスワード
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addressListBehavior
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文字列
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PRIORITY
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Message Queue サービスに接続を試行する順序。
注 –
接続障害後の再接続の試行は、接続がエラーになったブローカから始まり、このプロパティーに設定された値にかかわらず、アドレスリストを順番に処理します。
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addressListIterations
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整数
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1
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接続の確立または再確立を試行する際にアドレスリストを繰り返す回数
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reconnectEnabled
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ブール
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false
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失われた接続の再確立を試行するかどうか
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reconnectAttempts
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整数
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6
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アドレスリスト内の次のアドレスに移る前に、各アドレスに再接続を試行する回数
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reconnectInterval
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倍長整数
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30000
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再接続を試行する間隔 (ミリ秒単位)
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ManagedConnectionFactory JavaBean
管理対象接続ファクトリでは、リソースアダプタがメッセージ駆動型 Bean に提供する接続の定義を行います。表 17–2 では、ManagedConnectionFactory JavaBean のプロパティーを示します。これらのプロパティーが設定された場合、ResourceAdapter JavaBean の対応するプロパティーは上書きされます。
表 17–2 管理対象接続ファクトリのプロパティー
プロパティー
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データ型
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デフォルト値
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説明
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addressList
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文字列
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ResourceAdapter JavaBean (表 17–1 を参照) から継承
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Message Queue サービスに接続するためのメッセージサービスのアドレスのリスト
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userName
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文字列
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guest
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(任意指定) Message Queue サービスに接続するためのユーザー名
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password
|
文字列
|
guest
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(任意指定) Message Queue サービスに接続するためのパスワード
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clientID
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文字列
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なし
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Message Queue サービスに接続するためのクライアント識別子
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addressListBehavior
|
文字列
|
PRIORITY
|
Message Queue サービスに接続を試行する順序。
注 –
接続障害後の再接続の試行は、接続がエラーになったブローカから始まり、このプロパティーに設定された値にかかわらず、アドレスリストを順番に処理します。
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addressListIterations
|
整数
|
1
|
接続の確立または再確立を試行する際にアドレスリストを繰り返す回数
|
reconnectEnabled
|
ブール
|
false
|
失われた接続の再確立を試行するかどうか
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reconnectAttempts
|
整数
|
6
|
アドレスリスト内の次のアドレスに移る前に、各アドレスに再接続を試行する回数
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reconnectInterval
|
倍長整数
|
30000
|
再接続を試行する間隔 (ミリ秒単位)
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ActivationSpec JavaBean
表 17–3に、ActivationSpec JavaBean の設定可能なプロパティーを示します。アプリケーションサーバーは、これらのプロパティーを使用してメッセージ終端をアクティブにし、それらとメッセージ駆動型 Bean を関連付けるようにリソースアダプタに命令します。
表 17–3 アクティブ化仕様のプロパティー
プロパティー
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データ型
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デフォルト値
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説明
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addressList [Message Queue JMS リソースアダプタに固有のプロパティー]
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文字列
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ResourceAdapter JavaBean から継承
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(任意指定) Message Queue サービスに接続するためのメッセージサービスのアドレス
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destination [標準的な Enterprise JavaBean (EJB) および J2EE コネクタアーキテクチャー (CA) のプロパティー]
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文字列
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なし
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(必須) メッセージを消費する送信先の名前
値は、Message Queue の送信先管理対象オブジェクトの destinationName プロパティーの値にする必要があります。
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destinationType
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文字列
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なし
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(必須) destination プロパティーで指定した次のいずれかの送信先のタイプ。
javax.jms.Queue: キュー送信先
javax.jms.Topic: トピック送信先
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messageSelector
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文字列
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なし
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(任意指定) コンシューマに配信されるメッセージのフィルタリングに使用するメッセージセレクタ
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subscriptionName
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文字列
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なし
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永続サブスクリプションの名前
subscriptionDurability が Durable に設定されている場合は、このプロパティーを設定する必要があります。
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subscriptionDurability
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文字列
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NonDurable
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トピック送信先のコンシューマが永続的であるかどうか。
Durable: 永続コンシューマ
NonDurable: 永続的でないコンシューマ
このプロパティーは、destinationType をjavax.jms.Topic に設定した場合にのみ有効です。また、永続的でないサブスクリプションでは任意指定であり、永続サブスクリプションでは必須です。Durable に設定した場合は、clientID プロパティーと subscriptionName プロパティーも設定する必要があります。
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clientId
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文字列
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なし
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Message Queue サービスに接続するためのクライアント ID
subscriptionDurability を Durable に設定した場合は、このプロパティーを設定する必要があります。
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acknowledgeMode
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文字列
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Auto-acknowledge
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(任意指定) 次のいずれかの通知モード。
Auto-acknowledge: Auto-acknowledge モード
Dups-ok-acknowledge: Dups-OK-acknowledge モード
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customAcknowledgeMode
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文字列
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なし
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MDB メッセージの消費に使用する通知モード
有効な値は、No_acknowledge または NULL です。
no-acknowledge モードは、処理済みでも永続的でもないトピックサブスクリプションのみに使用できます。処理済みサブスクリプションか永続サブスクリプションでこの設定を使用すると、サブスクリプションのアクティブ化はエラーになります。
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endpointExceptionRedeliveryAttempts
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整数
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6
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メッセージ配信中に MDB で例外がスローされたとき、メッセージを再配信する回数
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sendUndeliverableMsgsToDMQ
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ブール
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true
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MDB で実行時例外がスローされ、再配信回数が endpointExceptionRedeliveryAttempts の値を超えたとき、デッドメッセージキューにメッセージを配置するかどうか
false に設定した場合、Message Queue ブローカは、同一 MDB も含めた有効なコンシューマにメッセージを再配信しようとします。
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