この章では、Sun JavaTM Enterprise System (Java ES) コンポーネントのインストール後に初期設定を実行する手順について説明します。この章に挙げられていない Java ES コンポーネントについては、インストール後の設定は必要ありません。ただし、この章に挙げられていない Java ES コンポーネントについても、監視データサービスの Java ES コンポーネントをインストールする場合は、これらに関連するインストール後の作業が必要になる場合があります。
この章の内容は次のとおりです。
Java ES インストーラでのインストールが完了したら、ほとんどのコンポーネントには、Java ES 環境を運用する前に追加の設定が必要です。この作業の範囲は、選択した設定タイプが「インストール中に自動的に設定」または「インストール後に手動で設定」のいずれであるかによって異なります。
「インストール後に手動で設定」オプションを選択した場合、インストーラは、コンポーネントのパッケージファイルをそれぞれのディレクトリに配置します。パラメータの設定が行われておらず、実行時サービスを利用できないため、ほとんどのコンポーネントはそのままでは機能しません。多くのコンポーネントには、インストール後の手動設定を実行するための設定ツールが用意されています。設定ツールを実行すると、このガイドおよび各コンポーネントのマニュアルに記載されている指示に従って、追加の変更を行うことができます。
この章の説明に従って作業する前に、Java ES コンポーネントのインストールを完了してください。JavaES-install-dir\Summary date.txt ファイルで、インストール時に設定した設定値を含むサマリーレポートを参照できます。
インストールの完了後、インストールした Java ES コンポーネントに関する内容について、この章に含まれる手順に目を通します。Java ES コンポーネントに追加設定が必要ない場合は、第 6 章「インストールした Java ES コンポーネントの確認」の手順に従って Java ES コンポーネントを起動できます。
Java ES コンポーネントのデフォルトのインストール場所は、プラットフォームごとに異なる可能性があります。そのため、この章の説明では、これらの場所を表す変数を使用します。たとえば、ApplicationServer-base は、プラットフォームの種類にかかわらず、Application Server のインストール先ディレクトリを表します。
インストールした Java ES コンポーネントが Java ES Monitoring を使用する場合は、Monitoring Framework を使用するようにそのコンポーネントを設定することが必要なときがあります。設定手順については、『Sun Java Enterprise System 5 監視ガイド (UNIX 版)』の第 2 章「Monitoring Framework の有効化と設定」を参照してください。
Java ES インストーラを使って Web Server 上の Access Manager を設定するたびに、次の手順を実行する必要があります。
すべての Access Manager インストールについて、Web コンテナを再起動する必要があります。Web Server または Application Server で完全インストールを実行している場合は、インストーラによって Web コンテナインスタンスが停止されるので、Web コンテナを手動で起動する必要があります。Access Manager の再起動手順については、「Access Manager の起動と停止」を参照してください。
「インストール中に自動的に設定」の実行後、Access Manager を起動して Access Manager コンソールにログインできます。ただし、いくつかの最終的な設定手順を完了するまで、基本的なユーザー管理操作を実行することはできません。これらの手順は、すでにユーザーデータがプロビジョニングされた Directory Server インスタンスを Access Manager が使用するかどうかによって異なります。配備状況に応じて、次のような設定作業がさらに必要になることもあります。
Directory Server プロビジョニングの状況を把握する
Directory Server 参照整合性検査プラグインを有効にする
Access Manager インデックスを Directory Server に追加する
これらの作業の実行手順については、『Sun Java System Access Manager 7.1 Postinstallation Guide』を参照してください。
「インストール後に手動で設定」での操作後、パッケージがインストールされ、すぐに Access Manager 設定バッチファイル AccessManager-base\setup\amconfig.bat を使って Access Manager を設定できます。このプログラムの使い方の詳細については、『Sun Java System Access Manager 7.1 Postinstallation Guide 』を参照してください。
サードパーティーの Web コンテナ (BEA WebLogic または IBM WebSphere Application Server) 用に Access Manager を設定する手順については、『Sun Java System Access Manager 7.1 Postinstallation Guide』を参照してください。
「インストール中に自動的に設定」での操作後、Application Server にはインストール後の設定は必要ありませんが、「インストール中に自動的に設定」および「インストール後に手動で設定」の操作後に Application Server ロードバランスプラグインを設定する必要はあります。
「インストール後に手動で設定」の操作後に Application Server を設定するには、JavaES-Install-Dir\appserver\setup ディレクトリにある ASConfigure.bat を実行します。
レジストリで、IS_LB の値を true に、Cfgr_LB の値を false に設定します。
HKEY_LOCAL_MACHINE > Software > Sun Microsystems > EntSys5 > Installer > Application Server
HKEY_LOCAL_MACHINE > Software > Wow6432node > Sun Microsystems > EntSys5 > Installer > Application Server
ApplicationServer-base\setup\ASConfigurator.properties ファイルを編集します。
AS_WSINSTANCEDIR および AS_WSINSTANCENAME プロパティーの値を設定します。たとえば、次のように入力します。
AS_WSINSTANCEDIR =C:\\Sun\\JavaES5\\WebServer7\\https-jws-winpc-1.red.iplanet.com
AS_WSINSTANCENAME=https-jws-winpc-1.red.iplanet.com
ApplicationServer-base\setup\ASConfigure.bat コマンドを実行します。
「インストール中に自動的に設定」の操作後に、追加の設定は必要ありません。
「インストール後に手動で設定」での操作後、パッケージがインストールされ、Directory Proxy Server を設定できるようになります。Directory Proxy Server インスタンスの作成手順については、『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.0 Installation Guide』を参照してください。
DirectoryProxyServer-base\dps6\bin ディレクトリに移動します。
cd DirectoryProxyServer-base \dps6\bin
Directory Proxy Server インスタンスを作成します。
dpadm.exe create -p port-no -P ssl-port-no instance-path
インスタンスを起動します。
dpadm.exe start instance-path
「インストール後に手動で設定」での操作後、パッケージがインストールされ、Directory Server の設定作業を実行できるようになります。
DirectoryServer-base\ds6\bin ディレクトリに移動します。
cd DirectoryServer-base\ds6\bin
Directory Server インスタンスを作成します。
dsadm.exe create -p port-no -P ssl-port-no instance-path
インスタンスを起動します。
dsadm.exe start instance-path
対応するドメインコンポーネントでルートサフィックスを作成します。
dsconf.exe create-suffix --unsecured -p port-no root-suffix
「インストール中に自動的に設定」での操作後に、HADB にインストール後の追加設定は必要ありません。
「インストール後に手動で設定」での操作後、次の手順を実行します。
コマンドパスを HADB-base\4.4.3–4\lib に変更します。
HADBConfig.bat ファイルを実行します。
このコマンドで HADBMgtAgent サービスの登録と起動が行われます。
Java ES レポータのインストール後に、レポータを無効にして Sun にレポートを送信しないようにしたり、無効にしたあとでレポータを再度有効にしたりすることができます。
config.properties レポータ設定ファイルを見つけます。
JavaES-install-dir\share\mfwk\config\reporter\config.properties
ファイルを編集して、enabled プロパティーを true または false に設定します。
enabled=true # レポータは有効
enabled=false # レポータは無効
共通エージェントコンテナを再起動します。
cacaoadm start
「インストール中に自動的に設定」の操作後に、追加の設定は必要ありません。Windows のサービスを使用して Message Queue を起動できます。「Windows サービスを使用して Message Queue を起動する」を参照してください。
「インストール後に手動で設定」での操作後、パッケージがインストールされ、Message Queue の設定作業を実行できるようになります。インストール後の設定手順の詳細については、『Sun Java System Message Queue 3.7 UR1 Administration Guide 』を参照してください。
「インストール中に自動的に設定」での操作中にインストーラが設定するのは、Portal Server のみです。
「インストール後に手動で設定」で操作したあとに、ファイルのみがコピーされているので、Portal Server の設定を手動で完了する必要があります。
Application Server と Web Server の両方をインストールするように選択すると、Web Server が、Access Manager の配備に使用されるデフォルトの Web コンテナになります。Portal は、Access Manager が配備されるコンテナに配備されます。
Portal Server Secure Remote Access のコンポーネントを、Portal Server がインストールされていないホスト上に設定する場合は、psconfig.bat コマンドを使用してください。
「インストール中に自動的に設定」での操作中にインストーラが設定するのは、Portal Server のみです。Portal Server Secure Remote Access (SRA) のコンポーネントを選択すると、対応する MSI パッケージはインストールされますが、これらのコンポーネントは設定されません。Portal Server Secure Remote Access のコンポーネントは次のとおりです。
ゲートウェイ
Netlet プロキシ
Rewriter プロキシ
Portal Server Secure Remote Access のコンポーネントは、次のいずれかのユーティリティーを使用して設定できます。
psadmin.bat
psconfig.bat
必要な Portal Server Secure Remote Access コンポーネントのテンプレートプロパティーファイルを PortalServer-base\template\sra ディレクトリから portalserver-base\data にコピーします。
テンプレートプロパティーファイルは次のとおりです。
ゲートウェイ: GWConfig.properties.template
Netlet プロキシ: NLPConfig.properties.template
Rewriter プロキシ: RWPConfig.properties.template
Directory Server を起動します。
共通エージェントコンテナインスタンスを起動します。
Web コンテナを起動します。
テンプレートプロパティーファイルを編集します。
Portal Server Secure Remote Access をオンにします。
PortalServer-base \bin\psadmin.bat switch-sra-status -u admin-user-name -f password-file on
Portal Server Secure Remote Access を有効にします。
PortalServer-base \bin\psadmin.bat provision-sra -u admin-user-name -f password-file -p PortalName --gateway-profile gateway_profile -enable
Portal Server Secure Remote Access コンポーネントインスタンスを作成します。
PortalServer-base\bin\psadmin.bat create-sra-instance -u admin-user-name -f password-file -S PortalServer-base/data/template-property-file -t gateway/nlproxy/rwproxy
Portal Server Secure Remote Access インスタンスを起動します。
PortalServer-base\bin\psadmin.bat start-sra-instance -u admin-user-name -f password-file -N gateway_profile -t gateway/nlproxy/rwproxy
PortalServer-base\samples\psconfig ディレクトリに移動します。
適当なサンプル xml ファイルを選択し、適切な値に編集します。
PortalServer-base\samples\psconfig にある README.txt を使用して適当なサンプルファイルを選び、適切な値に変更します。関連するサンプル xml ファイルは次のとおりです。
ゲートウェイコンポーネントのみをインストールするテンプレートサンプル設定ファイル
Netlet プロキシコンポーネントのみをインストールするテンプレートサンプル設定ファイル
Rewriter プロキシコンポーネントのみをインストールするテンプレートサンプル設定ファイル
Web Server コンテナに配備する Portal Server または検索サーバー、およびすべての Portal Server Secure Remote Access コンポーネントを設定するテンプレートサンプル設定ファイル
psconfig.bat コマンドを実行します。
psconfig.bat --config PortalServer-base\samples\psconfig example-file
PortalServer-base\samples\psconfig ディレクトリに移動します。
適当なサンプル xml ファイルを選択し、適切な値に編集します。
PortalServer-base\samples\psconfig にある README.txt を使用して適当なサンプルファイルを選び、適切な値に変更します。
psconfig.bat コマンドを実行します。
psconfig.bat --config PortalServer-base\samples\psconfig example17.xml
example17.xml ファイルは、Web コンテナに配備する Portal Server または検索サーバー、およびすべての Portal Server Secure Remote Access コンポーネントの設定に使用します。
Service Registry は、インストール中に自動的に設定できません。インストールが完了すると、パッケージがインストールされ、Service Registry の設定作業を実行できるようになります。Service Registry は 管理者以外のユーザーとして設定することをお勧めします。詳細については、『Service Registry 3.1 管理ガイド』の「Service Registry の設定」、特に作業『Service Registry 3.1 管理ガイド』の「インストール後の設定のあとでカスタムプロパティーを使って Service Registry を root として設定する」を参照してください。
「インストール中に自動的に設定」の操作後に、追加の設定は必要ありません。「インストール後に手動で設定」の操作後、パッケージがインストールされ、次の手順で Web Proxy Server を設定できるようになります。
WebProxyServer-base\bin\proxy\install\misc ディレクトリに移動します。
設定したい内容に合わせてプロパティーファイルを更新します。
wps.properties ファイルに含まれる設定の例を示します。
WPS_JDK_HOME=<Java_Home> WPS_SERVER_ROOT=JavaES-install-dir\webproxyserver WPS_ADMIN_NAME=admin WPS_ADMIN_PWD=admin123 WPS_ADMIN_PORT=8889 WPS_START_ON_BOOT=N WPS_ADMIN_SERVER_USER=root WPS_SERVER_NAME=jws-v60x-4.red.iplanet.com WPS_SERVER_PORT=8081 WPS_SERVER_ID=proxy-server1 WPS_ADMIN_SERVER_ID=proxy-admserv WPS_SERVER_USER=root |
WebProxyServer-base に移動します。
WPSConfigure.bat コマンドを実行します。
「インストール中に自動的に設定」での操作後に、Web Server の設定に追加の設定は必要ありません。
「インストール後に手動で設定」の操作後、パッケージがインストールされ、次の手順で Web Server を設定できるようになります。
Web Server コンフィギュレータを実行して、Web Server の実行時設定を作成します。
詳しくは、『Sun Java System Web Server 7.0 Installation and Migration Guide』の「Configure Later Mode (Java ES Only)」を参照してください。
共通サーバー設定を確認し、その設定を必要に応じて更新します。
使用する Java ES コンポーネントに必要なインストール後の設定が完了したあとで、Java ES コンポーネントによっては、Java 仮想マシン (JVMTM) ソフトウェアの調整が必要になる場合があります。JVM ソフトウェアはいくつかのエンティティーから構成されていますが、その中でもっとも重要なのは、コンパイラです。コンパイラは Java バイトコードをマシン命令に変換します。この Java ES リリースに含まれている Java Development Kit (JDKTM) ソフトウェアのバージョンでは、JVM ソフトウェアの設定をいくつか選択することができます。重要なオプションとして–server オプションがあります。–server オプションは、JVM をサーバーモードで実行するための便利な調整オプションです。オプションの一覧を取得するには java –? コマンドを使用します。
Java ヒープメモリーも、設定しなければならない可能性のある重要な調整オプションの 1 つです。次に例を示します。
初期 Java ヒープサイズを設定するには、-Xms size を使用します。
最大 Java ヒープサイズを設定するには、-Xmx size を使用します。
高負荷システムの場合、まずはヒープサイズの最大値を 1.2G バイトに設定してみることをお勧めします。
この章で説明した設定作業が完了したら、第 6 章「インストールした Java ES コンポーネントの確認」の説明に従って Java ES コンポーネントを起動し、インストール後の設定を確認します。