このリリースノートでは、今回のリリースの変更点、サポートされるプラットフォームのリスト、必要なソフトウェアとパッチの一覧、およびその他の関連情報について説明します。また、Logical Domains (LDoms) 1.3 ソフトウェアに影響するバグについても説明します。
Logical Domains 1.3 ソフトウェアは、OpenSolaris 2009.06 リリース以降の OpenSolarisTM OS でサポートされています。Logical Domains 1.3 のマニュアルでは、Solaris 10 OS での Logical Domains の使用法を中心に説明します。Logical Domains は、Solaris 10 OS と OpenSolaris OS の両方で同じ機能を使用できます。ただし、OpenSolaris OS で Logical Domains を使用する場合には、わずかに異なる点があることがあります。OpenSolaris OS については、OpenSolaris Information Center を参照してください。
今回のリリースの LDoms 1.3 ソフトウェアの主な変更点は、次のとおりです。
リンクベースの IPMP のサポート。『Logical Domains 1.3 管理ガイド』の「Logical Domains 仮想ネットワークでのリンクベースの IPMP の使用」を参照してください。
暗号化装置を持つドメインのマイグレーションのサポート。『Logical Domains 1.3 管理ガイド』の「アクティブなドメインの暗号化装置の移行」を参照してください。
CPU 動的資源管理のサポート。『Logical Domains 1.3 管理ガイド』の「動的資源管理ポリシーの使用」を参照してください。
自動マイグレーションのサポート。『Logical Domains 1.3 管理ガイド』の「自動化された移行の実行」を参照してください。
ldm set-domain コマンドによる hostid および mac-addr プロパティーのサポート。ldm(1M) マニュアルページを参照してください。
マイグレーションパフォーマンスを向上するメモリー圧縮のサポート。『Logical Domains 1.3 管理ガイド』の「アクティブなドメインの移行」を参照してください。
自動保存 XML インタフェースのサポート。
1T バイトを超えるディスクからの起動のサポート。
バグの修正
前のバージョンの Logical Domains ソフトウェアに追加された機能については、「What's New in Logical Domains Software」 Wiki を参照してください。
この節では、LDoms ソフトウェアを実行するためのシステム要件について説明します。
Logical Domains 1.3 から、UltraSPARC® T1 プラットフォームはサポートされなくなりました。それ以前のリリースの Logical Domains ソフトウェアでは、このプラットフォームは引き続きサポートされます。
Logical Domains Manager 1.3 ソフトウェアは、次のプラットフォームでサポートされています。
UltraSPARC T2 Plus ベースのサーバー
Sun SPARC Enterprise® T5140 および T5240 サーバー。『Sun SPARC Enterprise T5140 および T5240 サーバアドミニストレーションガイド』を参照してください。
Sun SPARC Enterprise T5440 サーバー。『Sun SPARC Enterprise T5440 サーバアドミニストレーションガイド』を参照してください。
Sun BladeTM T6340 サーバーモジュール。『Sun Blade T6340 Server Module Product Notes』を参照してください。
NetraTM T5440 サーバー。『Sun Netra T5440 Server Product Notes』を参照してください。
UltraSPARC T2 ベースのサーバー
Sun SPARC Enterprise T5120 および T5220 サーバー。『Sun SPARC Enterprise T5120 および T5220 サーバアドミニストレーションガイド』を参照してください。
Sun Blade T6320 サーバーモジュール。『Sun Blade T6320 Server Module Product Notes』を参照してください。
Netra CP3260 ブレード。『Netra CP3260 Board Product Notes』を参照してください。
Netra T5220 サーバー。『Sun Netra T5220 Server Product Notes』を参照してください。
この節では、LDoms 1.3 ソフトウェアを使用するための必須のソフトウェアとパッチを示します。
LDoms 1.3 ソフトウェアのすべての機能を使用するには、すべてのドメインに少なくとも Solaris 10 10/09 OS と同等のオペレーティングシステムをインストールするようにしてください。次のいずれかの新規インストールまたはアップグレードを行うことができます。
OpenSolaris 2009.06 OS
Solaris 10 10/09 OS
Logical Domains 1.3 ソフトウェアは、OpenSolaris 2009.06 リリース以降の OpenSolaris OS でサポートされています。Logical Domains 1.3 のドキュメントでは、Solaris 10 OS での Logical Domains の使用法を中心に説明します。Solaris 10 OS と OpenSolaris OS の両方で、Logical Domains の同じ機能を使用できます。ただし、OpenSolaris OS で Logical Domains を使用する場合、わずかに異なる点があることがあります。OpenSolaris OS については、OpenSolaris Information Center を参照してください。
次の表に、以前のリリースの Solaris 10 OS で Logical Domains 1.3 の機能を使用するために必要なパッチを示します。これらのパッチは、Solaris 10 10/09 OS に含まれています。
表 1–1 旧バージョンの OS のパッチとパッチが必要なドメイン
パッチ ID |
制御ドメイン |
サービス -I/O ドメイン |
ゲストドメイン |
---|---|---|---|
139946-01 (niumx) |
X |
X |
|
141054-01 (cnex) |
X |
|
|
141444-09 (Solaris 10 10/09 機能のカーネル更新) |
X |
X |
X |
141514-02 (vntsd) |
X |
|
|
142055-03 (vlds) |
X |
X |
|
142245-01 (ncp 暗号化) |
X |
X |
X |
このパッチリストには、最低限必要なパッチバージョンが示されています。同じパッチのあとのバージョンをインストールすることもできます。
LDoms 1.3 のすべての機能を有効にするには、UltraSPARC T2 ベースのサーバーと UltraSPARC T2 Plus ベースのサーバーの両方で、システムファームウェア Version 7.2.7 以上を実行している必要があります。必要な Solaris OS については、「必須および推奨される Solaris OS」を参照してください。
LDoms 1.3 ソフトウェアは、以前のバージョンのその他のソフトウェアコンポーネントとともに実行することが可能です。たとえば、1 台のマシンのさまざまなドメイン上で異なるバージョンの Solaris OS を動作させることができます。Logical Domains 1.3 のすべての機能を利用するには、使用している論理ドメインが、Solaris 10 10/09 を実行していることを確認してください。同じシステム上の各論理ドメインでは、異なる OS リリースを実行できます。前のバージョンの OS を実行しているドメインでは、Logical Domains 1.3 の一部の機能を使用できない場合があります。ただし、代替アップグレード方針として、制御ドメインとサービスドメインを Solaris 10 10/09 にアップグレードするか、または表 1–1 に示すパッチを適用し、ゲストドメインは既存のパッチレベルで実行し続けることもできます。
次の表に、必須ソフトウェアの最小要件のバージョンを示します。LDoms 1.3 パッケージ SUNWldm は、少なくとも次のバージョンのソフトウェアを実行するシステムに適用できます。ソフトウェアの最小要件のバージョンは、プラットフォームに固有であり、マシンの CPU の要件に応じて異なります。特定の CPU タイプに対して最小要件となる Solaris OS のバージョンは、すべてのドメインタイプ (制御、サービス、I/O、およびゲスト) に適用されます。
表 1–2 ソフトウェアの最小要件のバージョン
サポートされるサーバー |
システムファームウェア |
Solaris OS |
---|---|---|
UltraSPARC T2 Plus ベースのサーバー |
7.2.x |
ID 127111-08 以降のパッチが適用された Solaris 10 8/07 |
UltraSPARC T2 ベースのサーバー |
7.2.x |
Solaris 10 8/07 |
Logical Domains 1.3 のすべての機能を使用するには、使用しているサーバーが、少なくとも次に示すシステムファームウェアのパッチバージョンを実行していることを確認してください。
Sun SPARC Enterprise T5120 および T5220 サーバー
Sun Blade T6320 サーバーモジュール
Netra T5220 サーバー
Sun SPARC Enterprise T5140 および T5240 サーバー
Netra T5440 サーバー
Sun SPARC Enterprise T5440 サーバー
Sun Blade T6340 サーバーモジュール
ダウンロードする LDoms 1.3 ソフトウェアは、http://www.sun.com/servers/coolthreads/ldoms/index.jsp で入手できます。
Logical Domains 1.3 ソフトウェアでは、セキュリティーサービスを提供する SST をバンドルしなくなりました。SST の詳細は、「オプションのソフトウェア」を参照してください。
ダウンロードした LDoms_Manager-1_3.zip ファイルには次のものが含まれています。
Logical Domains Manager 1.3 ソフトウェア (SUNWldm.v)
ldm(1M) マニュアルページは SUNWldm.v パッケージに含まれています。このパッケージをインストールすると、マニュアルページもインストールされます。
Logical Domains Manager 1.3 ソフトウェアのインストールスクリプト (install-ldm)
Logical Domains Management Information Base (SUNWldmib.v)
Physical to Virtual 移行ツール (SUNWldmp2v)
Configuration Assistant GUI (Configurator.jar)
zip ファイルのディレクトリ構造は次のようになります。
LDoms_Manager-1_3/ Install/ install-ldm Legal/ 819-0764-10-2209.pdf CDDL.LICENSE Ldoms_MIB_1.0.1_Entitlement.txt Ldoms_MIB_1.0.1_SLA_Entitlement.txt Ldoms_MIB_1.0.1_TranslatedSLA.pdf License_Notice_Translated.pdf Product/ Configurator/ Configurator.jar README.GUI Japanese/ README SUNWjldm.v SUNWjldmp2v SUNWldm.v SUNWldmib.v SUNWldmp2v README |
Solaris OS およびシステムファームウェアの必須パッチは、次の SunSolveSM サイトで入手できます。
『Logical Domains 1.3 管理ガイド』と『Logical Domains 1.3 リリースノート』は、次の Web サイトで入手できます。
http://docs.sun.com/app/docs/prod/ldoms
次の Sun Logical Domains Wiki には、LDoms ソフトウェアを配備するためのベストプラクティス、ガイドライン、および推奨事項が記載されています。
http://wikis.sun.com/display/SolarisLogicalDomains/Home
『Beginners Guide to LDoms: Understanding and Deploying Logical Domains』を参照すると、Logical Domains ソフトウェアの概要を理解することができます。ただし、このガイドの詳細は、厳密には 1.0 ソフトウェアリリースに適用されるもので、LDoms 1.3 ソフトウェアに対しては有効ではありません。このガイドは、次の Sun BluePrintsTM のサイトで入手できます。
http://www.sun.com/blueprints/0207/820-0832.html
この節では、LDoms ソフトウェアとともに使用できるソフトウェアについて説明します。
Solaris Security Toolkit (SST) ソフトウェアを使用すると、制御ドメインやその他のドメインで Solaris OS をセキュリティー保護することができます。SST は Sun ではサポートされなくなり、Logical Domains 1.3 ソフトウェアバンドルでも提供されなくなりました。
ただし、Logical Domains システムを強化するために、次のバージョンの SST を引き続きダウンロードして使用できます。
以前 Logical Domains リリースとバンドルされていた SST 4.2。http://www.sun.com/software/security/jass/ から入手できます。
コミュニティーサポートバージョンである SST:CE。Solaris 10 OS と OpenSolaris OS の両方で使用できます。このプロジェクトに関する情報およびソースコードについては、http://hub.opensolaris.org/bin/view/Project+sst/ のプロジェクトページを参照してください。
Logical Domains Management Information Base (MIB) ソフトウェアは、Sun 以外のアプリケーションを使用して遠隔監視やいくつかの制御操作を実行する場合に役立ちます。詳細は 『Logical Domains (LDoms) MIB 1.0.1 Administration Guide』 および 『Logical Domains (LDoms) MIB 1.0.1 Release Notes』 を参照してください。
LDoms ソフトウェア用の LDoms MIB ソフトウェアは、LDoms 1.0.1 以降のソフトウェアとともに動作します。
この節では、Logical Domains ソフトウェアと互換性があり、Logical Domains ソフトウェアとともに使用できるソフトウェアについて説明します。使用しているバージョンの LDoms ソフトウェアおよびプラットフォームで使用可能なソフトウェアのバージョン番号を、そのソフトウェアのドキュメントまたは使用しているプラットフォームのドキュメントで必ず確認してください。
SunVTS 機能は、特定の LDoms ソフトウェアリリースおよび特定のプラットフォーム上の制御ドメインとゲストドメインで使用可能です。SunVTSTM (Sun Validation Test Suite) は、Sun サーバーの大部分のハードウェアコントローラとデバイスの接続性および適切な機能を確認することによって、Sun のハードウェアのテストおよび検証を行う包括的な診断ツールを提供します。SunVTS の詳細は、『SunVTS 5.0 ユーザーマニュアル』を参照してください。
Sun Management Center 4.0 アドオンソフトウェアは、Logical Domains Manager ソフトウェアが有効になっている制御ドメインでのみ使用できます。Sun Management Center は、オープンで拡張可能なシステム監視および管理ソリューションです。このソフトウェアは、JavaTM Runtime Environment と一種の SNMP (ネットワーク管理用プロトコルの一種。Simple Network Management Protocol の略) を使用することで、Sun 製品とそのサブシステム、コンポーネント、および周辺デバイスの総合的で包括的な管理を企業規模で行うことができます。Sun Center 環境内のハードウェア監視のサポートは、適切なハードウェアサーバーモジュールのアドオンソフトウェアを使用して、ハードウェア構成および障害の報告に関する情報を Sun Management Center の管理サーバーとコンソールに提供することで実現されます。サポートされるサーバーでの Sun Management Center 4.0 の使用法に関する詳細は、『Sun Management Center 4.0 Release Notes 』を参照してください。
Sun Explorer Data Collector は、Logical Domains Manager ソフトウェアが制御ドメインで有効になっている場合に使用できます。Sun Explorer は診断データ収集ツールです。このツールは、シェルスクリプトといくつかのバイナリ実行可能ファイルで構成されています。Sun Explorer Data Collector の使用法に関する詳細は、『Sun Explorer User’s Guide 』を参照してください。
Solaris Cluster ソフトウェアは、LDoms 1.0.2 までの Logical Domains ソフトウェアリリースでは I/O ドメイン上でのみ使用できます。LDoms 1.0.3、1.1、1.2、および 1.3 ソフトウェアでは、Solaris Cluster ソフトウェアをゲストドメインで使用できますが、いくつか制限があります。制限および Solaris Cluster ソフトウェアの一般的な概要については、Solaris Cluster のドキュメントを参照してください。Logical Domains 1.2 以降および Solaris Cluster 11/09 以降のリリースでは、Solaris Cluster フェイルオーバーエージェントを使用して、論理ドメインをリソースとして管理することもできます。
Sun Ops Center 2.5 を使用すると、物理システムリソースおよび仮想システムリソースを管理できます。このソリューションは、リソースの検出および監視を簡単にし、オペレーティングシステムおよびファームウェアのプロビジョニングを提供し、包括的な更新およびパッチの管理を実行します。また、Solaris Containers や Logical Domains などの仮想環境を管理し、起動から本番までのハードウェア管理をサポートします。詳細は、http://www.sun.com/software/products/opscenter/inside.jsp を参照してください。
次のシステムコントローラ (SC) ソフトウェアは、LDoms 1.3 ソフトウェアと対話します。
Integrated Lights Out Manager (ILOM) 3.0 ファームウェアは、Sun UltraSPARC T2 ベースのサーバープラットフォームの監視、管理、および設定を行うために使用できるシステム管理ファームウェアです。ILOM はこれらのプラットフォームにプリインストールされており、LDoms がサポートされ、Logical Domains Manager 1.3 ソフトウェアが有効になっているサーバーで使用できます。ILOM をサポートする Sun のラックマウント型サーバーまたはブレードサーバーで共通の機能およびタスクについては、『Sun Integrated Lights Out Manager 3.0 ユーザーズガイド』を参照してください。使用しているサーバープラットフォームに固有な ILOM の機能およびタスクについては、ほかのユーザーマニュアルに記載されています。ILOM のプラットフォーム固有の情報は、使用しているシステムに付属のマニュアルセットで参照できます。
Netra Data Plane Software Suite は、完全なボード用ソフトウェアパッケージソリューションです。このソフトウェアは、Sun CMT プラットフォームのマルチストランドパーティション分割ファームウェアの上部に、最適化された開発および実行環境を迅速に提供します。Logical Domains Manager には、このソフトウェアとともに使用する ldm サブコマンドとして、add-vdpcs、rm-vdpcs、add-vdpcc、および rm-vdpcc があります。このソフトウェアの詳細は、『Netra Data Plane Software Suite 2.0 User’s Guide 』 を参照してください。
この節では、LDoms 1.3 ソフトウェアにアップグレードする方法について説明します。
既存の LDoms 1.0 の設定を LDoms 1.3 ソフトウェアで使用する場合は、「LDoms 1.0 ソフトウェアからのみアップグレードする」に示す手順を実行してください。既存の LDoms 1.0 の設定は、LDoms 1.3 ソフトウェアでは機能しません。
それ以降のバージョンの Logical Domains ソフトウェアからアップグレードする場合は、『Logical Domains 1.3 管理ガイド』の「Logical Domains 1.3 ソフトウェアにアップグレードする」を参照してください。このような既存の LDoms の設定は、LDoms 1.3 ソフトウェアでも機能します。
既存の Logical Domains 1.0 の設定は LDoms 1.3 ソフトウェアでは機能しません。そのため、Logical Domains 1.0 の設定を保存してから、LDoms 1.3 ソフトウェアで使用できるようにその設定をアップグレードする必要があります。次の手順では、ldm add-domain コマンドに XML 制約ファイルおよび -i オプションを使用して、構成を保存および再構築する方法について説明します。
基本的な処理は、各ドメインの制約情報を XML ファイルに保存することです。アップグレード後に、この XML ファイルを Logical Domains Manager に対して再実行して、必要な設定を再構築できます。
この節に示す手順は、制御ドメインではなく、ゲストドメインに対して有効です。制御 (primary) ドメインの制約を XML ファイルに保存することはできますが、それを ldm add-domain -i コマンドに指定することはできません。ただし、XML ファイルのリソース制約を使用して、primary ドメインを再構成する CLI コマンドを作成することはできます。ldm list-constraints -x primary コマンドの標準的な XML 出力を、第一ドメインの再構成に必要な CLI コマンドに変換する方法については、『Logical Domains 1.3 管理ガイド』の「制御ドメインの再構築」を参照してください。
次に示す方法では、実際のバインドは保持されず、それらのバインドを作成するために使用した制約だけが保持されます。つまり、この手順を行うと、ドメインは同じ仮想リソースを持ちますが、同じ物理リソースにバインドされるとはかぎりません。
各ドメインで、ドメインの制約を含む XML ファイルを作成します。
# ldm list-constraints -x ldom > ldom.xml |
サービスプロセッサに格納されている論理ドメイン構成をすべて一覧表示します。
# ldm list-config |
サービスプロセッサに格納されているそれぞれの論理ドメイン構成を削除します。
# ldm rm-config config-name |
Logical Domains Manager デーモン (ldmd) を無効にします。
# svcadm disable ldmd |
Logical Domains Manager パッケージ (SUNWldm) を削除します。
# pkgrm SUNWldm |
(省略可能) Solaris Security Toolkit パッケージ (SUNWjass) を削除します。
# pkgrm SUNWjass |
システムのファームウェアをフラッシュ更新します。
手順全体については、『Logical Domains 1.3 管理ガイド』の「システムファームウェアをアップグレードする」または『Logical Domains 1.3 管理ガイド』の「FTP サーバーを使用せずに、システムファームウェアをアップグレードする」を参照してください。
Logical Domains Manager を再インストールします。
『Logical Domains 1.3 管理ガイド』の「Logical Domains Manager のインストール」を参照してください。
primary ドメインを手動で再構成します。
手順については、『Logical Domains 1.3 管理ガイド』の「制御ドメインを設定する」を参照してください。
手順 1 で作成した各ゲストドメインの XML ファイルに対して、次のコマンドを実行します。
# ldm add-domain -i ldom.xml # ldm bind-domain ldom # ldm start-domain ldom |
この節では、LDoms 1.3 ソフトウェアに関する一般的な問題と固有のバグについて説明します。
この節では、固有のバグ番号よりも広い範囲で、LDoms ソフトウェアの今回のリリースに関して一般的に知られている問題について説明します。回避方法がある場合は、一緒に記載しています。
Logical Domains のドキュメントの説明では、サービスプロセッサ (SP) とシステムコントローラ (SC) という用語は同じ意味で使用されます。
次のカードは、LDoms 1.3 ソフトウェアリリースではサポートされていません。
Sun Dual Port 4x IB Host Channel Adapter PCI-X カード
Dual Port 4x PCI EXPRESS® Infiniband Host Channel Adapter - ロープロファイル
このようなサポートされていない構成が LDoms 1.3 とともに使用されている場合は、制御ドメインを再起動する前に、すべての論理ドメインを停止してバインドを解除してください。この操作を行わないと、システム内のアクティブな論理ドメインがすべて失われ、システムがクラッシュする可能性があります。
サービスドメインが Solaris 10 10/09 より前のバージョンの Solaris 10 OS で動作しており、このサービスドメインからゲストドメインに仮想ディスクとして物理ディスクスライスをエクスポートしている場合、このゲストドメインではその仮想ディスクが不適切なデバイス ID で表示されます。その後、このサービスドメインを Solaris 10 10/09 にアップグレードすると、このゲストドメインでは、仮想ディスクとしてエクスポートされた物理ディスクスライスはデバイス ID がない状態で表示されます。
仮想ディスクのデバイス ID を削除すると、仮想ディスクのデバイス ID を参照しようとするアプリケーションで問題が発生する可能性があります。特に、これが原因で Solaris Volume Manager (SVM) がその構成を確認できなくなったり、メタデバイスにアクセスできなくなったりする可能性があります。
回避方法: サービスドメインを Solaris 10 10/09 にアップグレードしたあとで、ゲストドメインでその SVM 構成またはメタデバイスを確認できない場合は、次の手順を実行してください。
ゲストドメインを起動します。
次の行を /kernel/dr/md.conf ファイルに追加して、SVM の devid 機能を無効にします。
md_devid_destroy=1; md_keep_repl_state=1; |
ゲストドメインを再起動します。
ドメインが起動したあとで、SVM 構成とメタデバイスが確認できるようになるはずです。
SVM 構成が正しいことを確認します。
手順 2 で追加した 2 行を /kernel/drv/md.conf ファイルから削除して、SVM の devid 機能を再度有効にします。
ゲストドメインを再起動します。
再起動時に次のようなメッセージが表示されます。
NOTICE: mddb: unable to get devid for 'vdc', 0x10 |
これらのメッセージは正常で、問題を報告するものではありません。
論理ドメインで使用できる LDC の数には制限があります。UltraSPARC T2 ベースのプラットフォームでは、この制限は 512 です。UltraSPARC T2 Plus ベースのプラットフォームでは、この制限は 768 です。実際には、この制限が問題になるのは制御ドメインのみです。これは、制御ドメインには I/O サブシステムの少なくとも一部が割り当てられているためです。また、仮想 I/O データ通信と Logical Domains Manager によるその他の論理ドメインの制御の両方に対して多数の LDC が作成される可能性があるため、この制限が問題になる場合があります。
サービスの追加やドメインのバインドを実行しようとすると LDC チャネルの数が制御ドメインで制限を超えるため、処理は失敗し、次のようなエラーメッセージが表示されます。
13 additional LDCs are required on guest primary to meet this request, but only 9 LDCs are available |
次のガイドラインによって、制御ドメインで LDC 機能がオーバーフローする可能性のある構成を作成することを防止できます。
制御ドメインは、ハイパーバイザ、障害管理アーキテクチャー (FMA)、およびシステムコントローラ (SC) とのさまざまな通信用に、12 個の LDC を割り当てます。これは、構成済みのほかの論理ドメインの数には依存しません。
制御ドメインは、制御ドメイン自身を含む各論理ドメインに対して、制御トラフィック用に LDC を 1 つ割り当てます。
制御ドメインの各仮想 I/O サービスは、そのサービスに接続されているクライアントごとに LDC を 1 つ使用します。
たとえば、制御ドメインが 1 つとそれ以外の論理ドメインが 8 つある場合について考えます。各論理ドメインには少なくとも次のものが必要です。
仮想ネットワーク
仮想ディスク
仮想コンソール
前述のガイドラインに従うと、次のような結果になります。丸括弧内の数字は、値の算出に用いた前述のガイドラインの番号に対応しています。
12 (1) + 9 (2) + 8 × 3 (3) = LDC の合計数 45
次に、ドメインの数が 8 ではなく 45 で、各ドメインに 5 つの仮想ディスク、5 つの仮想ネットワーク、および 1 つの仮想コンソールがある場合について考えます。この場合、数式は次のようになります。
12 + 46 + 45 × 11 = LDC の合計数 553
使用するプラットフォームでサポートされる LDC の数に応じて、Logical Domains Manager が構成を受け入れるか拒否するかが決まります。
Logical Domains ソフトウェアでは、ドメインの作成時にメモリーサイズの制限がありません。メモリーサイズの要件は、ゲストオペレーティングシステム特有のものです。Logical Domains の機能によっては、現在のメモリー容量が推奨サイズより少ないと動作しない場合があります。メモリーサイズの推奨要件と最小要件については、使用しているオペレーティングシステムのインストールガイドを参照してください。
Solaris 10 OS の場合は、『Solaris 10 10/09 インストールガイド(インストールとアップグレードの計画)』の「システム要件と推奨事項」を参照してください。
OpenSolaris 2009.06 OS の場合は、『OpenSolaris 2009.06 入門』の「システム要件」を参照してください。
OpenBootTM PROM では、ドメインの最小サイズに関する制限があります。現在、制限値は 12M バイトです。このサイズより小さいドメインが存在すると、Logical Domains Manager はそのドメインのサイズを自動的に 12M バイトに引き上げます。メモリーサイズの要件については、使用しているシステムファームウェアのリリースノートを参照してください。
使用しているプラットフォームに応じて、次の数のドメインを起動できます。
UltraSPARC T2 Plus ベースサーバーでは最大 128
UltraSPARC T2 ベースサーバーでは最大 64
未割り当ての仮想 CPU を使用できる場合は、それらをサービスドメインに割り当てて、仮想 I/O 要求の処理に役立てます。32 を超えるドメインを作成する場合は、サービスドメインに 4 ~ 8 個の仮想 CPU を割り当ててください。ドメインの最大構成ではサービスドメインに CPU が 1 つしか含まれない場合、ドメインを構成して使用する際は、この単一の CPU に余分な負荷を与えないようにします。仮想スイッチ (vsw) サービスは、マシンで使用できるネットワークアダプタ全体に接続する必要があります。たとえば、Sun SPARC Enterprise T5240 サーバーで 128 のドメインを起動する場合、4 つの vsw サービスを作成し、各サービスで 32 の仮想ネット (vnet) インスタンスを処理します。1 つの vsw サービスで 32 を超える vnet インスタンスを処理しないでください。1 つの vsw に 32 を超えるインスタンスを関連付けると、サービスドメインでハードハングが発生する可能性があるためです。
最大構成を実行するには、使用しているプラットフォームに応じて次の容量のメモリーをマシンに搭載して、ゲストドメインに適切なメモリー容量を割り当てられるようにする必要があります。
UltraSPARC T2 Plus ベースサーバーでは 128G バイトのメモリー
UltraSPARC T2 ベースサーバーでは 64G バイトのメモリー
ゲストドメインのメモリーおよびスワップ空間の使用率は、そのドメインで使用する vsw サービスが、複数のドメインで多数の仮想ネットワークにサービスを提供する場合に増加します。これは、vsw に接続するすべての vnet の間のピア・ツー・ピア接続によるものです。サービスドメインでは、追加のメモリーを設定すると役立ちます。64 を超えるドメインが動作する場合は、4G バイト以上にすることをお勧めします。10 以下のドメインをグループにまとめて起動し、起動が完了するまで待機してから次のグループを起動します。この方法は、ドメインにオペレーティングシステムをインストールする際にも適用されます。
最後に構成を SC に保存してから構成に変更を加えた場合は、Logical Domains システムの電源を切って再投入する前に、保持する必要のある最新の構成を必ず保存してください。
I/O ドメイン以外のすべてのドメインを停止して、バインドを解除します。
アクティブな I/O ドメインをすべて停止して、バインドを解除します。
primary
ドメインを停止します。
ほかにバインドされているドメインは存在しないため、ファームウェアは自動的にシステムの電源を切ります。
I/O ドメイン以外のすべてのドメインを停止して、バインドを解除します。
アクティブな I/O ドメインをすべて停止して、バインドを解除します。
primary
ドメインを再起動します。
ほかにバインドされているドメインは存在しないため、システムを再起動する前に、ファームウェアは自動的にシステムの電源を再投入します。システムの再起動時には、最後に保存された、または明示的に設定された Logical Domains 構成で起動します。
特定の状況では、Logical Domains Manager は、要求されたメモリー割り当てを 8K バイトまたは 4M バイトの倍数のいずれかに切り上げます。次の ldm list-domain -l コマンドの出力例では、制約値が実際に割り当てられるサイズより小さくなっていることがわかります。
Memory: Constraints: 1965 M raddr paddr5 size 0x1000000 0x291000000 1968M |
変数の更新は再起動の場合には保持されますが、電源を再投入した場合には、制御ドメインの OpenBoot ファームウェアから開始されるか、変数の更新後に SC に構成が保存されていないかぎり保持されません。
ここでは、次のような制御ドメインの再起動によって、システムの電源の再投入が開始される可能性があることに注意することが重要です。
バインドされているゲストドメインが存在せず、遅延再構成が進行中でない場合に制御ドメインが再起動すると、SC はシステムの電源を再投入します。
バインドされているゲストドメインまたはアクティブなゲストドメインが存在する場合 (または制御ドメインで遅延再構成が進行中の場合) に制御ドメインが再起動すると、SC はシステムの電源を再投入しません。
ドメインの LDom 変数は、次のいずれかの方法で指定できます。
OpenBoot プロンプトを使用する
Solaris OS の eeprom(1M) コマンドを使用する
Logical Domains Manager CLI (ldm
) を使用する
システムコントローラ (SC) から bootmode コマンドを使用して変更する。これは、限定的な方法で、factory-default 構成の場合のみで、かつ特定の変数しか変更できません。
これらいずれかの方法で更新された変数がドメインを再起動しても必ず保持されるようにすることが目標です。また、更新された変数がこのあと SC に保存されたすべての論理ドメイン構成に必ず反映されるようにします。
LDoms 1.3 ソフトウェアでは、更新された変数が期待どおりに保持されない場合がいくつかあります。
どの方法で変数を更新した場合でも、変数はそのドメインを再起動しても保持されます。ただし、システムの電源を再投入すると、新しい論理ドメイン構成が SC に保存されていないかぎり、更新された変数は保持されません。変数を更新する方法としては、OpenBoot ファームウェア、eeprom コマンド、および ldm コマンドを使用できます。また、制御ドメインでは、OpenBoot ファームウェアを使用した変数の更新は、システムの電源を再投入しても、つまり、あとで新しい論理ドメイン構成を SC に保存しなくても保持されます。
あらゆる場合において、Logical Domains Manager で生成された構成から factory-default 構成に戻すと、すべての LDoms 変数はデフォルト値に戻ります。
Logical Domains 変数の変更について懸念がある場合は、次のいずれかの手順を実行します。
システムで ok プロンプトを表示し、変数を更新します。
Logical Domains Manager を無効にして変数を更新します。
# svcadm disable ldmd update variables # svcadm enable ldmd |
Live Upgrade を実行し、次のコマンドを実行します。
# svcadm disable -t ldmd # luactivate be3 # init 6 |
これらの問題を解決するために、バグ ID 6520041、6540368、6540937、および 6590259 が報告されています。
Sun Simple Management Network Protocol (SNMP) Management Agent は複数ドメインをサポートしません。単一のグローバルドメインのみをサポートします。
CPU の動的再構成 (DR) を使用した仮想 CPU の電源切断は、プロセッサセット、資源プール、またはゾーンの専用 CPU 機能とともに機能しません。
CPU Power Management をエラスティックモードで使用している場合、Solaris OS のゲストは電源が入っているドメインに割り当てられた CPU のみを確認できます。つまり、現在電源が管理されている CPU の数に応じて、psrinfo(1M) コマンドの出力が動的に変わります。これが原因で、プロセッサセットとプールで問題が発生します。プロセッサセットとプールではそれらのセットへの割り当てが可能になるように実際の CPU ID を静的にする必要があります。また、ゾーンの専用 CPU 機能に影響を及ぼす場合もあります。
回避方法: Power Management ポリシーをパフォーマンスモードに設定します。
FMA および CPU の電源管理に関して、いくつかの問題があります。エラスティックモードで動作中の CPU に障害が発生した場合、障害が発生した CPU が回復するまでパフォーマンスモードに切り替えてください。障害が発生したすべての CPU が回復したら、エラスティックモードを再度使用できます。
障害が発生したリソースの詳細は、OpenSolaris の「Fault Management」Web ページ を参照してください。
primary ドメインが遅延再構成状態にある場合、CPU の電源は、primary ドメインが再起動したあとに管理されます。つまり、primary ドメインが再起動して遅延再構成状態がクリアーされるまで、そのドメインが高負荷で使用されている場合は CPU Power Management によって別の CPU が追加でオンラインになることはありません。
エラスティックモードのソースマシンまたはターゲットマシンに対するドメインの移行はサポートされていません。パフォーマンスモードで移行が行われており、Power Management ポリシーがエラスティックモードに設定されている場合、ポリシーの切り替えは移行が完了するまで遅延されます。ソースマシンまたはターゲットマシンのいずれかがエラスティックモードの場合にドメインの移行を試みると、migration コマンドはエラーを返します。
Solaris 10 10/09 OS では、ドメインで暗号化装置を動的に追加したり削除したりする機能が導入されています。この機能は、暗号化装置の動的再構成 (DR) と呼ばれます。Logical Domains Manager は、ドメインで暗号化装置の DR が許可されているかどうかを自動的に検出し、許可されているドメインに対してのみこの機能を有効にします。また、暗号化装置がバインドされ、適切なバージョンの Solaris OS が実行されているドメインでも、CPU DR は有効になります。
ただし、暗号化装置がバインドされたドメインが存在する場合、Power Management (PM) のエラスティックモードの有効化に対する制限は引き続き適用されます。この制限は、Logical Domains Manager によって実施されます。したがって、ドメインにバインドされた暗号化装置が存在する場合は、SP から Power Management のポリシーをエラスティックに変更しようとしても無効になるため、変更しないことをお勧めします。
この節では、このバージョンのソフトウェアを使用するときに発生する可能性があるバグの概要について説明します。バグの説明は、バグ ID の番号の順に記載されてい ます。利用できる回避方法および回復手順がある場合は、これも記載されています。
バグ ID 6447740: Logical Domains Manager がディスクパスとネットワークデバイスの妥当性検査を行いません。
ゲストドメインの構成に含まれているディスクデバイスが存在していないか、その他 の理由により使用できない場合、このディスクは仮想ディスクサーバー (vds) で使用 できません。しかし、Logical Domains Manager は、ドメインのバインド時や起動時に警告またはエラーを生成しません。
ゲストが起動を試みると、次のようなメッセージがゲストのコンソールに出力されます。
WARNING: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0: Timeout connecting to virtual disk server... retrying |
また、net-dev= プロパティーで指定したネットワークインタフェースが存在しないか、その他の理由により使用できない場合、仮想スイッチは物理マシンの外部と通信できなくなります。しかし、Logical Domains Manager は、ドメインのバインド時や起動時に警告またはエラーを生成しません。
エラーが発生したデバイスまたはボリュームにバインドされた仮想ディスクを所有しているドメインを停止します。
ldm rm-vdsdev コマンドを実行して、エラーが発生した仮想ディスクサービスデバイスを削除します。
ldm add-vdsdev コマンドを実行して、ボリュームの物理パスを修正します。
仮想ディスクを所有しているドメインを再起動します。
ゲストドメインの構成に含まれているディスクデバイスが Logical Domains Manager 以外のソフトウェアで使用されている場合 (たとえば、ディスクデバイスがサービスドメインにマウントされている場合)、そのディスクは仮想ディスクサーバー (vds) で使用できません。しかし、Logical Domains Manager は、ドメインのバインド時または起動時に、ディスクが使用中であるという警告を生成しません。
ゲストドメインが起動を試みると、次のようなメッセージがゲストのコンソールに出力されます。
WARNING: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0: Timeout connecting to virtual disk server... retrying |
バグ ID 6497796: まれに、boot-device などの Logical Domains 変数を eeprom(1M) コマンドを使用してゲストドメイン内から更新するのと同時に、Logical Domains Manager を使用して同じドメインに対して仮想 CPU の追加または削除を行うと、ゲストの OS がハングアップする場合があります。
回避方法: これらの 2 つの操作を同時に実行しないようにします。
回復方法: ldm stop-domain および ldm start-domain コマンドを使用して、ゲスト OS を停止してから起動します。
バグ ID 6506494: ldm stop-domain コマンドの動作がわかりにくい場合があります。
# ldm stop-domain -f ldom |
ドメインにカーネルモジュールデバッガの kmdb(1) プロンプトが表示されている場合、ldm stop-domain コマンドは失敗し、次のようなエラーが表示されます。
LDom <domain name> stop notification failed |
バグ ID 6510214: Logical Domains 環境では、ickey(1M) コマンドを使用して、Solaris OS 内から広域ネットワーク (WAN) 起動キーの設定または削除を行うことはできません。ickey
操作はすべて失敗し、次のようなエラーが表示されます。
ickey: setkey: ioctl: I/O error |
また、制御ドメイン以外の論理ドメインで OpenBoot ファームウェアを使用して設定された WAN 起動キーは、ドメインを再起動すると記憶されていません。これらのドメインでは、OpenBoot ファームウェアで設定したキーは 1 回の使用でのみ有効です。
バグ ID 6590259: この問題の概要は、「論理ドメイン変数の持続性」 で説明しています。
バグ ID 6533696: ネットワーク情報サービス (NIS) または NIS+ ネームサービスを使用するように構成されているシステムでは、Solaris Security Toolkit ソフトウェアに server-secure.driver が指定されていると、NIS または NIS+ が外部サーバーに接続できなくなります。NIS または NIS+ サーバーまたはマップマスターの名前を返す ypwhich(1) コマンドが、次のようなメッセージを表示して失敗した場合、この問題が発生していることが考えられます。
Domain atlas some.atlas.name.com not bound on nis-server-1.c |
Logical Domains Manager とともに使用する場合の Solaris Security Toolkit の推奨ドライバは ldm_control-secure.driver です。NIS および NIS+ はこの推奨ドライバで動作します。
ネームサービスとして NIS を使用している場合、Solaris Security Toolkit プロファイル server-secure.driver は使用できません。これは、Solaris OS バグ ID 6557663 によって、ipnat.conf を使用すると IP フィルタでパニックが発生する可能性があるためです。ただし、規定の Solaris Security Toolkit ドライバである ldm_control-secure.driver は、NIS と互換性があります。
ssh コマンドを使用して、システムコントローラにログインします。
システムの電源を切ります。
-> stop /SYS |
システムの電源を入れます。
-> start /SYS |
システムコンソールにログインします。
-> start /SP/console |
システムを起動します。
ok boot -s |
ファイル /etc/shadow を編集します。
shadow ファイルの root エントリを次のように変更します。
root::6445:::::: |
システムにログインして、次のいずれかの処理を実行します。
ファイル /etc/ipf/ipnat.conf を追加します。
次のように、Solaris Security Toolkit を元に戻して、ほかのドライバを指定します。
# /opt/SUNWjass/bin/jass-execute -ui # /opt/SUNWjass/bin/jass-execute -a ldm_control-secure.driver |
バグ ID 6486234: 仮想ネットワークインフラストラクチャーでは、論理ドメインからの通信に対して余分なオーバーヘッドが追加されます。仮想ネットワークデバイスを介して送信されたすべてのパケットは、順に仮想スイッチに渡されます。次に、仮想スイッチはそのパケットを物理デバイス経由で送信します。パフォーマンスの低下は、スタック固有のオーバーヘッドにより発生します。
回避方法: T2 プラットフォームでは、ネットワークインタフェースユニット (NIU) を論理ドメインに割り当てます。
バグ ID 6590259: ntpdate コマンドなどを使用して、論理ドメインの時刻または日付を変更すると、この変更はドメインを再起動しても保持されますが、ホストの電源を再投入した場合は保持されません。
回避方法: 時刻の変更を保持するには、時刻が変更された構成を SC に保存して、この構成から起動します。
バグ ID 6540368: この問題の概要は、「論理ドメイン変数の持続性」 で説明しています。この問題は制御ドメインにのみ影響します。
バグ ID 6591844: CPU またはメモリーに障害が発生すると、影響を受けるドメインでパニックが発生し、再起動が行われる場合があります。ドメインの再起動中に、障害管理アーキテクチャー (FMA) が障害が発生したコンポーネントのリタイアを試みると、Logical Domains Manager はドメインと通信できなくなり、リタイアは失敗します。このような場合、fmadm faulty コマンドでは、このリソースは degraded (縮退) として表示されます。
回復方法: ドメインの再起動が完了するのを待機してから、次のコマンドを使用して制御ドメイン上で障害管理デーモン (fmd) を再起動し、FMA による障害イベントの再現を強制的に行います。
primary# svcadm restart fmd |
バグ ID 6603974: 動的ホスト構成プロトコル (DHCP) を使用している同一ネットワーク上で、ゲストドメインに 5 つ以上の仮想ネットワーク (vnet) を構成すると、ネットワークトラフィックの実行中に、ゲストドメインが最終的に応答しなくなることがあります。
回避方法: ip_ire_min_bucket_cnt および ip_ire_max_bucket_cnt に大きい値を設定します。たとえば、8 つのインタフェースを使用している場合は 32 に設定します。
回復方法: 問題のゲストドメイン (ldom) に対して、ldm stop-domain ldom コマンドを実行したあとで、ldm start-domain ldom コマンドを実行します。
バグ ID 6629230: SC リセットのあとに、Solaris 10 11/06 OS 以降が動作している制御ドメイン上で scadm コマンドがハングアップすることがあります。SC のリセット後、システムは適切に接続を再確立できません。
回避方法: ホストを再起動して、SC との接続を再確立します。
回復方法: ホストを再起動して、SC との接続を再確立します。
バグ ID 6656033: 共通のコンソールグループを持つ Sun SPARC Enterprise T5140 および Sun SPARC Enterprise T5240 システムで、複数のゲストドメインを同時にネットインストールすると失敗します。
回避方法: それぞれ固有のコンソールグループを持つゲストドメインでのみネットインストールを実行してください。この障害は、ネットインストールを行う複数のドメイン間で共有される、共通のコンソールグループを使用するドメインでのみ発生します。
バグ ID 6687634: Sun Volume Manager (SVM) ボリュームがディスクのブロック 0 を含むディスクスライスの先頭に構築されている場合、SVM はボリュームのブロック 0 への書き込みを禁止して、ディスクのラベルが上書きされないようにします。
ディスクのブロック 0 を含むディスクスライスの先頭に構築された SVM ボリュームがフル仮想ディスクとしてエクスポートされると、ゲストドメインはその仮想ディスクにディスクラベルを書き込めなくなります。このため、このようなディスク上には Solaris OS をインストールできなくなります。
回避方法: 仮想ディスクとしてエクスポートされた SVM ボリュームは、ディスクのブロック 0 を含むディスクスライスの先頭に構築しないでください。
さらに一般的なガイドラインとして、物理ディスクの最初のブロック (ブロック 0) で始まるスライスは、直接的にも間接的にも仮想ディスクとしてエクスポートしないでください。『Logical Domains 1.3 管理ガイド』の「ディスクスライスの直接的または間接的なエクスポート」を参照してください。
バグ ID 6705823: Solaris 10 5/08 OS が動作しているサービスドメインによってサービスが提供されている任意のゲストドメインで、Solaris 10 8/07 OS のネットワーク起動を試みると、インストール中にゲストドメインでハングアップが発生することがあります。
回避方法: Solaris 10 8/07 OS ネットインストールイメージのミニルートにパッチ ID 127111-05 を適用します。
バグ ID 6742805: CPU が 1 つのみでメモリーが大容量の構成では、ドメインの停止またはメモリーのスクラブに 15 分以上かかることがあります。停止の際、ドメインの CPU はそのドメインが所有するすべてのメモリーをスクラブするために使用されます。CPU が 1 つのみでメモリーが 512G バイトのドメインのように不均衡な構成では、スクラブの完了までに非常に長い時間がかかる場合があります。スクラブ時間が長くなると、ドメインの停止にかかる時間も長くなります。
回避方法: 100G バイトを超える大容量メモリー構成が、少なくとも 1 つのコアを持つようにします。これにより、停止時間が短縮されます。
バグ ID 6753683: LDoms システムのコマンド行から uadmin 1 0 コマンドを実行すると、それ以降のリセットでシステムが OK プロンプトに戻らない場合があります。この誤った動作は、LDoms 変数 auto-reboot? が true に設定されている場合にのみ発生します。auto-reboot? が false に設定されている場合は、期待どおりに動作します。
回避方法: 代わりに次のコマンドを使用します。
uadmin 2 0 |
または、常に auto-reboot? を false に設定して実行するようにします。
バグ ID 6760933: アクティブな論理ドメインが、起動してから長時間が経過していたり、ドメイン移行の完了後であるにもかかわらず、「通常」の状態ではなく「移行」状態として表示されることがあります。この不具合が問題を引き起こすことはなく、ドメインは正常に動作しています。設定されているフラグを確認するには、ldm list -l -p コマンド出力の flags フィールドか、ldm list コマンドの FLAGS フィールドを確認します。このフィールドには、通常の状態の場合は -n----、移行状態の場合は -t---- と表示されます。
回復方法: 次回の再起動時に、論理ドメインは正しい状態が表示されるはずです。
バグ ID 6764613: マシンにネットワークが構成されていない場合にネットワーク情報サービス (NIS) クライアントが実行されていると、Logical Domains Manager がシステムで起動しません。
回避方法: ネットワークに接続されていないマシンでは NIS クライアントを無効にします。
# svcadm disable nis/client |
バグ ID 6772089: 特定の状況では、移行が失敗し、ソースドメインに必要なメモリーをバインドできなかったことが ldmd で報告される場合があります。これは、ターゲットマシンで使用可能なメモリーの合計容量がソースドメインで使用されているメモリー容量より多い場合でも発生することがあります。
この障害は、ソースドメインで使用されている特定のメモリー範囲を移行するには、ターゲットでもそれに対応するメモリー範囲が使用可能である必要があるために発生します。ソースのメモリー範囲に対応するメモリー範囲が見つからない場合、移行は続行できません。
回復方法: この状況が発生した場合は、ターゲットマシンのメモリー使用量を変更すると、ドメインを移行できるようになることがあります。この操作を行うには、ターゲットでバインドされている、またはアクティブな論理ドメインのバインドを解除します。
使用可能なメモリーとその使用状況を確認するには、ldm list-devices -a mem コマンドを使用してください。また、別のドメインへのメモリーの割り当て量を減らす必要があることもあります。
バグ ID 6772120: ターゲットマシンの仮想ディスクが、ソースマシンで使用されている同じディスクのバックエンドを指していない場合、移行されたドメインではそのディスクのバックエンドを使用して仮想ディスクにアクセスできません。そのドメインの仮想ディスクにアクセスすると、ハングアップする可能性があります。
現在、Logical Domains Manager では、仮想ディスクのボリューム名がソースマシンとターゲットマシンで一致していることのみを確認します。この場合、ディスクのバックエンドが一致していなくてもエラーメッセージは表示されません。
回避方法: 移行されたドメインを受信するようにターゲットドメインを構成する際、ディスクボリューム (vdsdev) がソースドメインで使用されているディスクのバックエンドと一致していることを確認します。
回復方法: ターゲットマシンで仮想ディスクデバイスが誤ったディスクのバックエンドを指していることがわかった場合は、次のいずれかの処理を実行します。
次の手順を実行します。
ドメインを移行してソースマシンに戻します。
ターゲットで vdsdev を修正し、正しいディスクのバックエンドを指すようにします。
ドメインをターゲットマシンに再度移行します。
ターゲットでドメインを停止し、バインドを解除して、vdsdev を修正します。OS で仮想 I/O 動的再構成がサポートされており、誤った仮想ディスクがドメインで使用中でない場合、つまり起動ディスクではなくマウントが解除されている場合は、次の手順を実行します。
ldm rm-vdisk コマンドを使用してディスクを削除します。
vdsdev を修正します。
ldm add-vdisk コマンドを使用して仮想ディスクを再度追加します。
バグ ID 6773569: ldm set-config コマンドを使用してから電源を再投入する方法で、ある構成から別の構成に切り替えを行うと、以前の構成で定義されたドメインが現在の構成にもアクティブでない状態で存在していることがあります。
これは、Logical Domains Manager の制約データベースが、構成の変更と同期がとれていないことが原因です。このようなアクティブでないドメインは、動作している構成に影響しないため、安全に削除できます。
バグ ID 6781589: 移行中、明示的に割り当てられたコンソールグループおよびポートはすべて無視され、デフォルトのプロパティーを持つコンソールがターゲットドメインに作成されます。このコンソールは、コンソールグループとしてターゲットドメイン名を使用し、制御ドメインの最初の仮想コンソール端末集配信装置 (vcc) デバイスの使用可能ポートを使用して作成されます。デフォルトのグループ名と競合する場合、移行は失敗します。
回復方法: 移行後に明示的なコンソールプロパティーを復元するには、ターゲットドメインのバインドを解除し、ldm set-vcons コマンドを使用して目的のプロパティーを手動で設定します。
バグ ID 6703127: 仮想入出力 (VIO) 動的再構成 (DR) 操作で、CLI コマンドの -f (強制) オプションが無視されます。
バグ ID 6736962: Power Management で、制御ドメインの起動後、LDoms の起動時にサービスプロセッサからポリシーを取得できないことがあります。CPU Power Management でサービスプロセッサから Power Management ポリシーを取得できなかった場合、LDoms は期待どおりに起動しますが、「Unable to get the initial PM Policy - timeout」というエラーが LDoms ログに記録され、パフォーマンスモードが保持されます。
/etc/system に「forceload: drv/ds_snmp」を追加してから、制御ドメインを再起動してください。
バグ ID 6759853: ok プロンプトが表示されているドメインで、LDoms ログに次のエラーメッセージが断続的に書き込まれることがあります。
fma_cpu_svc_get_p_status: Can't find fma_cpu_get_p_status routine error |
回避方法: 対象のドメインを起動します。
バグ ID 6848114: ldmconfig は、作成されたドメイン用の仮想ディスクの格納に必要な容量が十分にあるファイルシステムを持たないシステムに対して実行できます。この場合、エラーメッセージが発生します。しかし、ldmconfig によって、構成を配備するために /ldoms/disks 内のディスクを使用し続けることができます。その結果、制御ドメインのルートファイルシステムがいっぱいになってシステムが停止する場合があります。
回避方法: 次の手順を実行します。
q または Ctrl-C を入力して Configuration Assistant を終了します。
適切な容量のファイルシステムを追加します。
ldmconfig コマンドを再実行します。
バグ ID 6839787: Solaris 10 10/08 OS 以降を実行するゲストドメインが、Solaris 10 5/09 OS を実行する制御ドメインに対して適切なドメインサービス接続を行わない場合があります。
ドメインサービス接続により、動的再構成 (DR)、FMA、Power Management (PM) などの機能が有効になります。この問題はゲストドメインの起動時に発生するため、通常はゲストドメインを再起動することで解決します。
回避方法: ゲストドメインを再起動します。
バグ ID 6840800: 他の方法では使用可能な、壊れたか破損した自動保存構成をダウンロードできません。
回避方法: 破損していない別の自動保存構成または別の SP 構成を使用します。
バグ ID 6697096: 特定の状況で ldm rm-io 操作のあとに複数回の ldm set-vcpu 操作を行うと、ldmd が異常終了して SMF によって再起動されることがあります。
回避方法: ドメインで ldm rm-io 操作を実行したあとで ldm set-vcpu 操作を試みる場合は注意してください。1 回目の ldm set-vcpu 操作は成功しますが、特定の状況下で 2 回目の ldm set-vcpu 操作を実行すると、ldmd デーモンがコアダンプを出力する場合があります。代わりに、2 回目の set-vcpu 操作を試みる前にドメインを再起動します。
バグ ID 6836587: 仮想ネットワークまたは仮想ディスクデバイスをドメインに追加したあと、ifconfig でデバイスが存在しないと表示されることがあります。この状態は、/devices エントリが作成されていないために発生することがあります。
この状態は通常操作時には発生しませんが、仮想ネットワークデバイスのインスタンス番号が /etc/path_to_inst ファイルに示されているインスタンス番号と一致しない場合にこのエラーが検出されました。
次に例を示します。
# ifconfig vnet0 plumb ifconfig: plumb: vnet0: no such interface |
仮想デバイスのインスタンス番号は、ldm list の出力内の「DEVICE」列の下に表示されます。
# ldm list -o network primary NAME primary MAC 00:14:4f:86:6a:64 VSW NAME MAC NET-DEV DEVICE DEFAULT-VLAN-ID PVID VID MTU MODE primary-vsw0 00:14:4f:f9:86:f3 nxge0 switch@0 1 1 1500 NETWORK NAME SERVICE DEVICE MAC MODE PVID VID MTU vnet1 primary-vsw0@primary network@0 00:14:4f:f8:76:6d 1 1500 |
このインスタンス番号 (ここに示す vnet および vsw の場合は両方とも 0) と path_to_inst ファイルのインスタンス番号を比較して、両方の番号が確実に一致するようにすることができます。
# egrep '(vnet|vsw)' /etc/path_to_inst "/virtual-devices@100/channel-devices@200/virtual-network-switch@0" 0 "vsw" "/virtual-devices@100/channel-devices@200/network@0" 0 "vnet" |
回避方法: インスタンス番号が一致していない場合、その仮想ネットワークまたは仮想スイッチデバイスを削除します。次に、id プロパティーを設定することで必要なインスタンス番号を明示的に指定し、削除した仮想デバイスをふたたび追加します。
/etc/path_to_inst ファイルを手動で編集することもできます。path_to_inst(4) マニュアルページを参照してください。
マニュアルページに記載されている「changes should not be made to /etc/path_to_inst without careful consideration」という警告に注意してください。
バグ ID 6757486: ドメインの移行後、そのドメインのコンソールに接続できない場合があります。
回避方法: vntsd SMF サービスを再起動し、コンソールに接続できるようにします。
# svcadm restart vntsd |
このコマンドは、アクティブなすべてのコンソール接続を切断します。
バグ ID 6808832: Sun Fire T5240 などのシステムでは、専用 PCI-E ルートコンプレックスで最大 2 つのドメインを構成できます。このようなシステムには、2 つの UltraSPARC T2+ CPU と 2 つの I/O ルートコンプレックスが装備されています。
システムの 2 つのルートコンプレックスは、pci@500 と pci@400 です。primary ドメインには、少なくとも 1 つのルートコンプレックスが必ず含まれます。2 つ目のドメインは、割り当てまたはバインドされていないルートコンプレックスを使用して構成できます。
pci@400 ファブリック (またはリーフ) には、オンボード e1000g ネットワークカードが備わっています。次の状況では、ドメインでパニックが発生する場合があります。
pci@500 を含む primary ドメインと pci@400 を含む 2 つめのドメインでシステムが構成されている
ブレードの種類によっては、primary ドメイン (システムディスク) がデフォルトで pci@400 バスに構成されています。
2 つめのドメインの起動に、pci@400 ファブリック上の e1000g デバイスが使用される
次のネットワークデバイスが primary 以外のドメインに構成されている場合、これらのデバイスを避けてください。
/pci@400/pci@0/pci@c/network@0,1 /pci@400/pci@0/pci@c/network@0 |
これらの条件に該当する場合、PCI-E の致命的エラーが発生し、そのドメインでパニックが発生します。
このような構成を避けるか、またはこのような構成を使用している場合は、示されているデバイスから起動しないでください。
バグ ID 6853273: システムが Power Management のエラスティックモードのときにゲストドメインを再起動しようとすると、次の警告メッセージが発生して正常に起動できない場合があります。
WARNING: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0: Sending packet to LDC, status: -1 WARNING: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0: Can't send vdisk read request! WARNING: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0: Timeout receiving packet from LDC ... retrying |
回避方法: このような警告が表示される場合、次の順序でいずれかの回避方法を実行します。
ゲストドメインで ok> プロンプトが表示され、入力が受け付けられる場合、「reset-all」と入力します。
制御ドメインで ldm stop domain-name コマンドを実行してから、ldm start domain-name コマンドを実行します。
Power Management モードをパフォーマンスモードに変更し、影響を受けたゲストドメインを停止してから起動したあとで、エラスティックモードに戻ります。
バグ ID 6855079: いくつかのドメインが起動中の場合、ldm コマンドの応答が遅くなることがあります。この段階で ldm コマンドを実行すると、コマンドがハングアップしているように見える場合があります。ldm コマンドは、期待どおりのタスクを実行したあとで戻されます。コマンドが戻されたら、システムは通常どおり ldm コマンドに応答するはずです。
回避方法: 多くのドメインを同時に起動することを避けてください。ただし、いくつかのドメインを同時に起動する必要がある場合、システムが通常の状態に戻るまで新しい ldm コマンドを実行しないようにします。たとえば、Sun SPARC Enterprise T5140 および T5240 サーバーでは約 2 分間、Sun SPARC Enterprise T5440 サーバーまたは Netra T5440 サーバーでは約 4 分間待機します。
バグ ID 6846889: 制御ドメインまたはゲストドメインの再起動時に、再起動中の制御ドメインおよびゲストドメインのログに、次の警告メッセージが記録される場合があります。
WARNING: ds@0: ds_ldc_cb: LDC READ event while port not up |
回避方法: このメッセージは無視できます。
バグ ID 6904849: Logical Domains 1.3 では、1 つ以上の暗号化装置がバインドされたドメインでも、移行できます。
次の場合には、マイグレーションの完了後、ターゲットマシンに 1 つの CPU しか含まれません。
ターゲットマシンが Logical Domains 1.2 を実行している
ターゲットマシン上の制御ドメインが実行している Solaris OS のバージョンが、暗号化装置の DR をサポートしていない
暗号化装置が含まれるドメインを移行した
マイグレーションの完了後、ターゲットドメインは正常に再開され運用されますが、CPU が 1 つのみの縮退状態になります。
回避方法: マイグレーション前に、Logical Domains 1.3 を実行しているソースマシンから暗号化装置を削除します。
軽減方法: この問題を防ぐには、次のいずれかまたは両方の手順を実行します。
ターゲットマシンに Logical Domains 1.3 ソフトウェアをインストールします。
ターゲットマシンの制御ドメインにパッチ ID 142245-01 をインストールするか、または Solaris 10 10/09 以降の OS にアップグレードします。
バグ ID 6852143: 遅延再構成の進行中に ldm set-vcc 要求を行うと、要求が拒否されます。通常であれば、この要求は遅延再構成に追加されます。
回避方法: 次のいずれかの手順を実行します。
遅延再構成の変更が有効になるように制御ドメインを再起動してから、ldm set-vcc コマンドを再度実行します。
遅延再構成を取り消して ldm set-vcc コマンドを実行してから、遅延再構成をトリガーした変更を行います。
バグ ID 6904240: 特定の状況では、マイグレーションが失敗して次のエラーメッセージが表示され、ソースドメインに必要なメモリーをバインドできなかったことが ldmd で報告される場合があります。この状況は、ターゲットマシンで使用可能なメモリーの合計容量がソースドメインで使用されているメモリー容量より多い場合でも発生することがあります。メモリー容量は ldm ls-devices -a mem で確認できます。
Unable to bind 29952M memory region at real address 0x8000000 Domain Migration of LDom ldg0 failed |
原因: この障害は、ターゲットマシン上の実アドレス (RA) と物理アドレス (PA) の間の一致要件を満たすことができないために発生します。
回避方法: ドメインを停止し、コールドマイグレーションとしてマイグレーションを実行します。ゲストドメイン上のメモリーのサイズを 128M バイト削減し、ドメインの動作中にマイグレーションが続行されるようにすることもできます。
バグ ID 6908985: 仮想 CPU の数が 99 個を超える大規模なドメインで発生する問題です。仮想 CPU の合計数が 99 個を超える場合に、使用率が低位境界値を下回ると、動的資源管理 (DRM) は仮想 CPU を解放しません。
バグ ID 6880106: Logical Domains Manager (ldm) は、起動すると、制御ドメインに存在している暗号化装置を初期化し、マイグレーション処理で確実に使用できるようにします。ldm の起動後、どの時点で暗号化装置が制御ドメインに追加されても、それらの暗号化装置はマイグレーションで使用されません。この状況は、マイグレーション処理の完了までにかかる時間に悪影響を及ぼすことがあります。
回避方法: ldmd を再起動し、primary ドメインの暗号化装置の使用状況を強制的に再初期化します。次のコマンドを実行します。
# svcadm restart ldmd |
バグ ID 6904238: まれに、ウォームマイグレーション処理が失敗して次のメッセージが表示されることがあります。
Unknown migration failure |
ソースマシン上の ldmd ログファイルには、次のメッセージが表示されます。
warning: Failed to read feasibility response type (9) from target LDoms Manager |
この障害は、ゲストの論理ドメインチャネルの実行時状態のマイグレーションに問題がある場合に、発生することがあります。移行中のドメインに、unplumb された仮想ネットワークインタフェースかスパースメモリー構成があると、この問題が発生します。
回避方法: 移行中のドメインに unplumb された仮想ネットワークインタフェースが 1 つ以上ある場合は、それらのインタフェースを plumb します。問題が解決しない場合は、ドメインを停止してコールドマイグレーションを実行します。
バグ ID 6909998: tod-begin プロパティーおよび tod-end プロパティーの時間、分、秒の値に、08 または 09 は指定できません。08 および 09 は、無効な 8 進数の値と見なされます。
回避方法: 08 の代わりに 8、09 の代わりに 9 と指定します。
たとえば、開始時刻を 08:09:01 に設定するには、tod-begin の値を次のように指定します。
# ldm set-policy tod-begin=8:9:01 name=drm_policy primary |
バグ ID 6829016: システムに Logical Domains が構成されている場合に別の XAUI ネットワークカードを追加すると、マシンの電源を再投入してもそのカードは表示されません。
回復方法: 新しく追加した XAUI が制御ドメインに表示されるようにするには、次の手順を実行します。
制御ドメインにダミー変数を設定し、クリアーします。
次のコマンドでは、fix-xaui というダミー変数を使用します。
# ldm set-var fix-xaui=yes primary # ldm rm-var fix-xaui primary |
変更した構成を SP に保存し、現在の構成を置き換えます。
次のコマンドでは、構成名として config1 を使用します。
# ldm rm-spconfig config1 # ldm add-spconfig config1 |
再構成のために制御ドメインを再起動します。
# reboot -- -r |
この時点で、新しく使用可能になったネットワークを Logical Domains 用に構成できます。
バグ ID 6897743: 動作中のドメインからすべてのハードウェア暗号化装置を動的に削除すると、暗号化フレームワークがソフトウェア暗号化プロバイダへのシームレスな切り替えに失敗し、すべての ssh 接続が強制終了します。
回復方法: ドメインからすべての暗号化装置を削除したあと、ssh 接続を再確立します。
回避方法: サーバー側の /etc/ssh/sshd_config ファイルに UseOpenSSLEngine=no を設定し、svcadm restart ssh コマンドを実行します。
これにより、いずれの ssh 接続もハードウェア暗号化装置を使用しなくなるため、関連するパフォーマンスの向上というメリットはなくなりますが、暗号化装置が削除されても ssh 接続は切断されなくなります。
バグ ID 6888928: プローブベースの IPMP を使用している場合、IPMP グループのインタフェースで急に障害が発生することがあります。これは、プローブベースの障害検出用に IPMP グループのインタフェースでテストアドレスを構成した直後に発生することがあります。この問題は、Logical Domains 仮想ネットワークデバイスを含め、仮想か物理かに関係なく、どのネットワークインタフェースでも発生する可能性があります。
回避方法: プローブベースの障害検出を引き続き使用する場合は、パッチ ID 142900-03 をインストールします。または、テストアドレスを削除してプローブベースの障害検出を無効にし、リンクベースの障害検出を使用することもできます。詳細は、SunSolve の「IPMP Link-Based Only Failure Detection with Solaris 10」を参照してください。
Logical Domains 1.3 から、仮想ネットワークデバイスにリンクベースの IPMP を構成できるようになりました。『Logical Domains 1.3 管理ガイド』の「Logical Domains 仮想ネットワークでのリンクベースの IPMP の使用」を参照してください。
この節では、LDoms 1.3 のリリース後に見つかったドキュメントの誤りを示します。
バグ ID 6843196: 『Logical Domains (LDoms) MIB 1.0.1 管理ガイド』の 31 ページの「I/O バステーブル (IOBusTable)」に、誤ったパラメータ名が記載されています。
IOBusDevName は IOBusName、IOBusDevPath は IOBusPath となるべきです。
ldmp2v prepare -R guest-root コマンドは、-m mountpoint:size、-x no-auto-adjust-fs、および -x remove-unused-slices オプションをサポートしていません。
この節では、前回の LDoms ソフトウェアリリース以降に修正されたバグのリストを示します。
LDoms の次の改善要求 (RFE) およびバグは、Solaris 10 10/09 リリースでは修正されています。
Solaris、OpenSolaris、および LDoms リリースに関連する RFE およびバグは、OpenSolaris Bug Database で追跡できます。
vnet および vsw で、IPMP のリンクベースの障害検出をサポートする必要がある
prom または kmdb の実行時に LDC チャネルをリセットする必要がある
Niagara 暗号化ドライバで、暗号化装置の動的な追加および削除をサポートする必要がある
Elara Copper カードを使用するとサービスドメインが再起動時にハングアップする
ゲストドメインで KEYBOARD_ABORT=alternate と設定すると、コンソールセッションを切断できなくなる
断続的にルーティングされる vsw の接続性の問題
u5 の zvol を単一スライス vdisk として u6 にエクスポートできない
ゲストドメインのコンソールアクセスで認可チェックが行われない
メモリー不足のゲストドメイン上の vnet'vgen_ldc_rcv_worker ルーチンで、正しくない相互排他によってパニックが発生する
vd_setup_vd() による vd_identify_dev() のエラー処理を改善する必要がある
DS モジュールで見せかけの警告「WARNING: ds@2: <unreg_ack: handle 0x1 in use」がコンソールに出力される
メモリー不足のゲスト上の vdds_cleanup_hybrid_res で、正しくない相互排他によってパニックが発生する
LDoms ドメインサービスのレガシー「pri」サービスが、ユーザーランドの DS で正しく動作しない
多数のドメインの作成時、DS の無効な処理についての警告メッセージが表示される
vnet_start_resources() で vnet(7D) のデッドロックが発生する
LDoms ドメインサービスモジュールは、64 を超えるポートをサポートする必要がある
vswitch へのチャネルのリセット中、ハイブリッドモードの vnet によって nxge でパニックが発生する
6813225 の修正をインストールして SC resetsc を実行すると、ldmd の起動に失敗する
ハイブリッド I/O が有効な vnet で ifconfig unplumb がハングアップする
PM マルチドメインの ldoms のロードまたは負荷テスト (PM_13) で BAD TRAP によるパニックが発生する
ドメインサービスを初期化できないとき、ok プロンプトで再起動が停止する
起動コマンドの格納に失敗すると、予期しない再起動動作が起こる場合がある
Batoka でリンク集積体を設定すると、Batoka でパニックが発生する
LDoms 1.3 の次の RFE およびバグは、LDoms 1.3 ソフトウェアリリースでは修正されています。
CPU DR を使用できないときに、暗号化 DR のエラーメッセージが誤って表示される
vnet の MAC アドレスが既存のドメインと競合すると、ターゲットでマイグレーションのクリーンアップが実行されない
マイグレーションの予行演習チェックでは、メモリーが不十分であることが検出されない
アクティブな psr セットが原因でマイグレーションが失敗した場合に、ドメインのバインドを解除すると VCPU 数が増加する
現在の SP 構成を使用できない場合に LDoms Zeus 自動保存で処理を行う必要がある
「ldm --help」の「--dry-run」の説明をユーザー向けにわかりやすくする必要がある
大規模なドメインの停止タイムアウトを予想できるようにする
マイグレーションコマンドに -p <passwd file> オプションが必要
構成の自動回復: 保留中の遅延再構成処理を取り消しても元の自動保存構成が復元されない
VF 上の特定のメモリー構成で、HV によってサポート制限の 31 を超えるメモリーセグメントが作成される
構成の自動回復: 破損した自動保存構成の警告メッセージの改善
構成の自動回復: ldm add-spconfig -r oldcfg newcfg で oldcfg が以前の状態で保持されない
ファームウェアが最新でない場合、XML ファイルからのドメイン作成に失敗する
vdisk/vnet/vsw の id プロパティーが制約として処理されない
マイグレーション中にホスト ID、障害ポリシー、およびマスター情報が失われる
既存のドメインのホスト ID の変更を許可する
set-vdisk および set-vnet によってゲストドメインが遅延再構成モードに設定される
存在しないバックエンドパスでの add-vdisk 呼び出しが失敗したあとに LDC ポートの初期化の問題が発生する
sasl_encode64 出力バッファーが小さすぎるためにマイグレーションがブロックされる
使用可能なすべての CPU を第一ドメインに設定すると、エラスティックモードの Batoka で Batoka システムがハングアップする
ldmp2v 変換に -i または -n のいずれかが必要
いずれかのドメインが移行モードの場合に PM が一時停止する
add-{vnet|vsw|vdisk} コマンドの ID 値が不正であるとエラーメッセージで誤って報告される
LDoms 1.2 デバッグビルドで Power Management デバッグメッセージを無効にできない
暗号化装置を持つドメインを移行するためのサポートが必要
XML List コマンドで更新済み統計情報が取得されない
P2V パッケージが sun4v 固有ではない
複数のネットワーク経由で接続されたシステム間でマイグレーションが失敗することがある
CMP0 が無効な Batoka で ldmd の起動が失敗し、メモリー範囲エラーが発生する
LDOM1.2 ldmp2v が C 以外のロケールで動作しない
暗号化 DR で参照固定ストランドが誤って要求される
/etc/hostname.*:1 ファイルが原因で ldmp2v collect が正常に行われない
ldmp2v prepare -R オプションが機能しない
ldmp2v prepare -R の診断の改善が必要
ldmp2v で「/usr/sbin/ldmp2v[23]: nop2v: not found」というメッセージが返される
i18n LANG の ldmconfig が必要
PM による暗号化装置の孤立化を回避する必要がある
Sun Cluster のスイッチオーバー後にゲストドメイン OS が起動しない
停止したホストに対するマイグレーション試行のタイムアウト時間が長すぎる
LDoms エラーメッセージに文法上の誤りがある
LDOM Manager による無効なホスト ID の処理が不正
タイムアウトした stop 呼び出しのあとに LDMD が応答を返さない
XMPP/XML 呼び出し中、応答の構造体が適切にクリアーされない
HV のバージョンチェックロジックが誤っている
既存の自動保存構成の削除後に新しい構成変更が検出されない
OBP ドメインを移行すると LDom Manager がクラッシュすることがある
SNMP 呼び出しで PM ポリシーをチェックすると ldmd がスタック状態になる
ldmconfig が無効な vdisk サイズで終了する
PCI バスを所有しているバインドされたドメインのマイグレーションが許可される
LDMD でイベントの発生元クライアントにイベントを送信してはならない
ldmconfig のベストプラクティスで VCPU 数が誤ってカウントされるため、cdomVCPUs/maxDoms が最適な状態にならない
イベントによって LDM_interface メッセージが上書きされる
2 つの IP アドレスの処理時にコマンド ldmp2v prepare -d でコアが生成される
Solaris 10 で stat が提供されていない場合に /usr/sbin/ldmconfig スクリプトで stat コマンドが使用される
エラスティックモードで暗号化 DR を実行できない OS 上で、暗号化リソースの変更が失敗する
SUNWjass はもうインストールしないが、すでにインストールされている場合には構成するように install-ldm を変更する