JFP ユーザーズガイド

初期化ファイル利用のヒント

ここではユーザーのホームディレクトリの .login.cshrc.profile といったシェルの初期化ファイルを利用して日本語環境用の設定を行う例を説明します。初期化ファイルの内容は個々のユーザーの必要に応じて変わるものであり、目的の達成方法も一つではありません。ここに挙げる例はあくまで参考であることに注意してください。


注 -

dtlogin からログインした場合、以降に述べる (.cshrc を除く) 初期化ファイルは読み込まれないため、Solaris CDE アプリケーションには反映されません。Solaris CDE アプリケーションの実行環境に反映させたい環境変数などの設定は、第 7 章「GUI 環境の起動」を参照してください。


.login

ユーザーのホームディレクトリの .login ファイルは、ユーザーが C シェル (csh) を使ってシステムに login したときに C シェルの初期化に使われます (詳細は、csh(1) を参照してください)。一般に環境変数の設定などは、このファイルで行います。

#       The initial user defaults for csh.

setenv LANG ja

setterm -x JapanEUC

if ( ! $?MANPATH ) then
      setenv MANPATH /usr/SUNWale/share/man:/usr/share/man
endif

最初の実行文で環境変数 LANG が、日本語ロケール名「ja」に設定されます。

"setterm -x JapanEUC" では、端末は日本語 EUC であると設定しています。

次の if 文は、オンラインマニュアルページの検索パスを条件に応じて設定します。この設定内容は、インストール時のパス設定、ソフトウェア製品の追加などに応じて変更が必要な場合があります。

.cshrc

ユーザーのホームディレクトリの .cshrc ファイルは、ユーザーが C シェル (csh) を起動したときに C シェルの初期化に使われます。C シェルがログインシェルとして起動されたときにも .cshrc ファイルは .login に先立って実行されます (詳細は、csh(1) を参照してください)。

set path=(/usr/xpg4/bin /usr/SUNWale/bin /usr/bin /usr/ucb .) 
if ($?prompt) setterm -x JapanEUC 

この例では、はじめの行でシェル変数 path コマンド検索パスの設定だけを行なっています。この設定内容は、インストール時のパス設定、ソフトウェア製品の追加などに応じて変更が必要な場合があります。

次の行では、ロケールの設定を変えた後に C シェルが起動し直される場合などのため、"setterm -x JapanEUC" を実行しています。行の最初の if 文は、C シェルが端末以外の装置を標準入力として起動された場合に、stty が実行されてエラーメッセージが表示されるのを防ぐためのものですが、完全な解決策ではありません。

.profile

ユーザーのホームディレクトリの .profile ファイルは、ユーザーが Bourne シェル (sh) または Korn シェル (ksh) を使ってシステムにログインしたときに、シェルのユーザー固有の初期化に使われます (詳細は、sh(1) を参照してください)。

#       The initial user defaults for sh.
LANG=ja
export LANG

PATH=/usr/xpg4/bin:/usr/SUNWale/bin:/usr/bin:/usr/ucb:.
export PATH

setterm -x JapanEUC

if [ "$MANPATH" = "" ]
then
     MANPATH=/usr/SUNWale/share/man:/usr/share/man
     export MANPATH
fi
ENV=$HOME/.kshrc
export ENV

この例では、環境変数 LANG でのロケール設定、環境変数 PATH でのコマンド検索パスの設定、tty のオプション設定が順次行われます。

"setterm -x JapanEUC" では、端末は日本語 EUC であると設定しています。

if 文では、それぞれ条件に応じて環境変数 MANPATH が設定されます。この設定内容は、インストール時のパス設定、ソフトウェア製品の追加などに応じて変更が必要な場合があります。

最後のパラメタ ENV は、Korn シェル (ksh) に対して起動時コマンド実行ファイル名を設定します。このパラメタ設定は、Bourne シェル (sh) に対しては特別な意味を持ちません。

Kornシェル起動時コマンド実行ファイル

Korn シェル (ksh) に対して起動時コマンドファイルを用意する場合、そのファイル名をパラメタ ENV に設定します。パラメタ ENV の設定例については、.profileを参照してください。Korn シェルがログインシェルとして起動されたときにも、Korn シェル起動時コマンドファイルは .profile のあとで実行されます (詳細は、ksh(1) のマニュアルページを参照してください)。

export PATH=/usr/xpg4/bin:/usr/SUNWale/bin:/usr/bin:/usr/ucb:.
if expr "$-" : "i" > /dev/null; then
setterm -x JapanEUC
fi

この例では、はじめの行でパラメタ PATH にコマンド検索パスの設定だけを行なっています。この設定内容は、インストール時のパス設定、ソフトウェア製品の追加などに応じて変更が必要な場合があります。

次の 3 行では、ロケールの設定を変えた後に Korn シェルを起動し直す場合などのため、"setterm -x JapanEUC" を実行しています。

if 文は、Korn シェルが端末以外の装置を標準入力として起動された場合に、setterm が実行されてエラーメッセージが表示されるのを防ぐためのものですが、完全な解決策ではありません。