「Solaris 外字ツール」で提供する機能について説明します。
「Solaris 外字ツール」の起動時に表示します。
文字エディタのウィンドウタイトルには、ユーザー定義文字を読み込んだ場合にはその保存ディレクトリ名が、フォントファイルを読み込んだ場合にはファイル名を表示します。
描画ツールが提供する各ツールの機能と操作方法を表 14-2に示します。描画ツールの中から 1 つのツールを選択すると、別のツールが選択されるまでそのツールが選択されています。
ツール名 |
機能 |
操作方法 |
---|---|---|
自由線 |
手書きの線と個別のピクセルを描きます。 |
1. 「描画ツール」メニューから「自由線」を選択します。 2. 描画画面上で左マウスボタンを押しながら描画します。 3. 左マウスボタンを離します。 |
直線 |
直線を描きます。 |
1. 「描画ツール」メニューから「直線」を選択します。 2. 描画画面上で左マウスボタンを押しながら描画します。 3. 左マウスボタンを離します。 |
折れ線 |
連続する複数の線分を描きます。 |
1. 「描画ツール」メニューから「折れ線」を選択します。 2. 描画画面上で、線分の開始地点と終了地点ごとに左マウスボタンをクリックします。 クリックした場所から新たに線分が描画されます。 3. 線分の最終地点で左マウスボタンをダブルクリックします。 |
多角形 |
最初の描画線と最後の描画線の間を閉じた多角形を描きます。 |
1.「描画ツール」メニューから「多角形」を選択します。 2. 描画画面上で、描画線の開始地点と終了地点ごとに左マウスボタンをクリックします。 クリックした場所から新たに線分が描画されます。 3. 線分の最終地点で左マウスボタンをダブルクリックします。 |
四角形 |
四角形を描きます。 |
1. 「描画ツール」メニューから「四角形」を選択します。 2. 描画画面上で左マウスボタンを押しながら描画します。 3. 左マウスボタンを離します。 |
円 |
円を描きます。 |
1. 「描画ツール」メニューから「円」を選択します。 2. 描画画面上で左マウスボタンを押しながら描画します。 3. 左マウスボタンを離します。 |
消しゴム |
指定されたピクセルを消去します。 注: アウトラインモードでは利用できません。「範囲指定」で範囲を指定し、「編集」メニューを利用し消します。 |
1. 「描画ツール」メニューから「消しゴム」を選択します。 2. 描画画面上で左マウスボタンを押しながら消します。 |
範囲指定 |
範囲を指定します。「編集」メニューのコマンドを使う場合は、最初に「範囲指定」で範囲を指定する必要があります。なお、指定領域の移動は、指定領域の中心付近を、左マウスボタンで押しながら移動します。 |
1. 「描画ツール」メニューから「範囲指定」を選択します。 2. 描画画面上で左マウスボタンを押しながら範囲を指定します。 3. 左マウスボタンを離します。 |
文字エディタには次のメニューがあります。
ユーザー定義文字
ユーザー定義文字を読み込みます。環境変数 DTUDCFONTPATH が無効な場合は、$HOME/.Xlocale/ja/fonts/UDC から読み込みます。
開く...
フォントファイルを指定して読み込む場合に使用します。次のファイル形式のフォントファイルを指定できます。
BDF 形式のフォントファイル
PCF 形式のフォントファイル
保存
ユーザー定義文字を読み込んだ場合
ユーザー定義文字を別フォントファイルとして保存し、利用するために必要なファイルを設定します。その後、ユーザー定義文字辞書登録用中間ユーティリティ (sdtudc_register) を起動します。
フォントファイルを直接指定して読み込んだ場合
読み込んだフォントファイルに保存します。
別名保存...
編集した結果を別名のフォントファイルとして保存する場合に利用します。ユーザー定義文字を読み込んだ場合は選択できません。なお、次のいずれかの拡張子を指定する必要があります。
BDF 形式のフォントとして保存する場合 .bdf
PCF 形式のフォントとして保存する場合 .pcf
オプション
グリッドのサイズ
アウトライン編集モード時のグリッドのサイズを指定します。単位はポイントです。
グリッドに合わせる
アウトライン編集モード時に描画位置をグリッド上に合わせる指定をします。
現行セッションのサーバーのフォントパスにユーザー定義文字を保存したディレクトリを追加します。このチェックボックスが選択されていない場合、フォントパスへの追加は行われず、登録したユーザー定義文字を利用できません。
なお、この項目を選択しないで、「Solaris 外字ツール」終了後にサーバーのフォントパスに追加する場合は、次のようにしてください。
ローカルユーザーの場合
1. DTUDCFONTPATH を環境変数として設定している場合
sun% $OPENWINHOME/bin/xset +fp $DTUDCFONTPATH/Bitmaps,¥ $DTUDCFONTPATH/Type1,$DTUDCFONTPATH/CID |
2. DTUDCFONTPATH を環境変数として設定していない場合
sun% $OPENWINHOME/bin/xset fp+ $OPENWINHOME/lib¥ /locale/ja/fonts/UDC/Bitmaps,¥ $OPENWINHOME/lib/locale/ja/fonts/UDC/Type1,¥ $OPENWINHOME/lib/locale/ja/fonts/UDC/CID |
なお、指定したフォントパスが正しく設定されているかの確認は、以下のように xset を実行してください。
sun% xset q |
詳細は、xset(1) のマニュアルページを参照してください。
サーバーのフォント指定ファイルへユーザー定義文字を保存したディレクトリを追加します。これにより、以降サーバーが立ち上がる際、自動的にフォントパスにユーザー定義文字を保存したディレクトリを追加します。フォント指定ファイルは、以下の通りです。選択されていない場合は追加されません。
ローカルユーザーがユーザー定義文字を保存した場合のフォント指定ファイル
$HOME/.OWfontpath |
スーパーユーザーがユーザー定義文字を保存した場合のフォント指定ファイル
$OPENWINHOME/$LANG/OWfontpath |
この項目を選択しないで、「Solaris 外字ツール」終了後にフォント指定ファイルへ追加する場合は、vi などのエディタコマンドを使用して、上記のフォント指定ファイルを以下の様に編集してください。
ローカルユーザーがユーザー定義文字を保存した場合
sun% /usr/bin/vi $HOME/.OWfontpath |
フォント指定ファイルを次のように編集します。
$OPENWINHOME/lib/locale/ja/X11/fonts/UDC/Bitmaps <-- 追加 $OPENWINHOME/lib/locale/ja/X11/fonts/UDC/Type1 <-- 追加 $OPENWINHOME/lib/locale/ja/X11/fonts/UDC/CID <-- 追加 |
スーパーユーザーがユーザー定義文字を保存した場合
sun# /usr/bin/vi $OPENWINHOME/lib/locale/$LANG/OWfontpath |
フォント指定ファイルを次のように編集します。
上記のインタフェースは変更される場合があります。フォント指定ファイルの編集は、ユーザー定義文字を利用する場合にだけ行なってください。
アウトラインから生成するビットマップサイズ
ユーザー定義文字を保存する際、自動生成されるビットマップフォントのサイズを指定します。
終了
「Solaris 外字ツール」を終了します。
モードの切り替えは、ツールバー上に表示されている「アウトライン」と「ビットマップ」ボタンを切り替えて指定します。
次の 2 つのモードがあります。
文字の作成をアウトラインベースで行います。なお、実際のイメージはアウトラインで囲まれた領域が塗り込まれたものとなります。
「表示」->「塗り込み」でイメージを編集画面に表示できます。
文字の作成をビットマップベースで行います。
「編集」メニューには次のボタンがあります。
元に戻す
直前の状態に戻ります。
カット
「範囲指定」で指定した領域を切り取り、バッファに取り込みます。
コピー
「範囲指定」で指定した領域をバッファに取り込みます。次にペーストで、バッファの内容を編集画面に描くことができます。
ペースト
バッファの内容を編集画面に描きます。
削除
「範囲指定」で指定した領域を削除します。
回転
アウトラインモード時に「範囲指定」で指定した領域を回転します。
斜め
アウトラインモード時に「範囲指定」で指定した領域を斜めの領域に変換します。
反転
ビットマップモード時に「範囲指定」で指定した領域の白黒を反転します。
アウトライン表示時の「範囲指定」では、文字を構成するオブジェクトのすべてのコントロールポイントが指定領域に含まれなければなりません。コントロールポイントの表示は「表示」->「コントロール」で行います。
塗りつぶし
アウトライン表示の場合、アウトラインで囲まれた領域を塗りつぶします。 実際にフォントとして表示されるのはこのイメージです。
コントロール
アウトラインを描画する場合の基準点を表示します。アウトラインモードで範囲指定をする場合、すべてのコントロールポイントを指定領域に含んだ場合にだけ範囲指定は有効になります。
ドラッグ
イメージ表示の移動 (「回転」または「斜め」) 途中の表示方法を指定します。
グリッド
編集画面上にグリッドを表示します。
参照
参照画面を開きます。
概要
「Solaris 外字ツール」のオンラインヘルプを表示します。
ヘルプの使い方
AnswerBook を起動します。
バージョン
「Solaris 外字ツール」のバージョン番号を表示します。
一覧表は、ユーザー定義文字を読み込んだ場合はユーザー定義文字を、フォントファイルを読み込んだ場合はファイルに含まれる文字を表示します。一覧表上の文字を選択すると編集画面上に表示され、編集対象になります。
一覧表のウィンドウタイトルには、ユーザー定義文字を読み込んだ場合にはその保存ディレクトリ名が、フォントファイルを読み込んだ場合にはファイル名が表示されます。
ツールバー上には、次のメニューが表示されます。
ページ
スライダーを使って希望のページに移動します。
左矢印
前ページに移動します。
右矢印
次ページに移動します。
メニューバーには、次のメニューが表示されます。
印刷...
印刷ダイアログを開きます。
閉じる
一覧表を閉じます。
元に戻す
一つ前の編集状態に戻ります。
カット
指定されている文字を削除し、バッファに格納します。
コピー
指定されている文字をバッファに格納します。
ペースト
バッファの内容を指定された場所に描画します。
削除
指定されている文字を削除します。
次ページ
次のページがある場合、「次ページ」で 1 ページ進みます。
前ページ
前ページがある場合、「前ページ」で 1 ページ戻ります。
サイズ
表示されているフォントのサイズを変更します。ただし、ビットマップフォントを読み込んでいる場合はサイズを変更できません。
コード
表示されている文字のコード体系を変更します。
参照表は、「ファイル」メニューの内容を除き、一覧表とほとんど同じインタフェースを持っています。
参照表のウィンドウタイトルには、ユーザー定義文字を読み込んだ場合にはその保存ディレクトリ名が、フォントファイルを読み込んだ場合にはファイル名が表示されます。
開く
参照するフォントファイルを指定します。
インストールされているフォントを選択
システムで利用可能なフォントの一覧表を表示します。フォントを選択すると参照表に表示します。
閉じる
参照表を閉じます。
「Solaris 外字ツール」では、一覧表上でのドラッグ&ドロップ、一覧表から編集画面へのドラッグ&ドロップ、参照表から編集画面へのドラッグ&ドロップ、および参照表から一覧表へのドラッグ&ドロップをサポートしています。
ドラッグ&ドロップ機能は、文字のコードポイントの移動や、すでに登録されている文字を利用して文字を作成する場合に便利です。
コードポイントを移動する際の操作例を次に示します。
次のいずれかの操作を実行すると文字をコピーできます。
参照表上のコピーしたい文字をマウスのアジャスト (中央) ボタンを押して選択したまま、一覧表のコピー先のコードポイントへカーソルをドラッグ&ドロップします。
一覧表上でコードポイントを指定した後、参照表上の参照したい文字をマウスのアジャスト (中央) ボタンを押して選択したまま、編集画面上にドラッグ&ドロップします。保存ボタンを選択します。