JFP ユーザーズガイド

パート II JFP - GUI

第 7 章 GUI 環境の起動

Solaris では、GUI 環境として日本語 OpenWindows と、Solaris 共通デスクトップ環境 (Common Desktop Environment) (以降 Solaris CDE とします) を用意しています。

ログインサーバー

「エンドユーザシステムサポート」のクラスタ以上をインストールした場合、システムの起動後に図 7-1 のようなログイン画面が表示され、ユーザーはウィンドウ環境 (Solaris CDE または OpenWindows) やログイン時のロケールなどを簡単に選択できます。

図 7-1 ログイン画面

ログインサーバー (dtlogin) が実行されるロケールは、デフォルトの状態では、インストール時に設定したシステムのデフォルトロケールです。

セッション

「オプション」メニューの「セッション」でウィンドウ環境を選択できます。デフォルト値は、「ユーザが最後に使ったデスクトップ」です。最初のログインでは、次のようなウィンドウが表示されます。

図 7-2 最初のログイン画面

言語

「オプション」メニューの「言語」で、ユーザーがログインする際に使用するロケールを選択できます。日本語環境では、ja、japanese、ja_JP.PCK および ja_JP.UTF-8 の 4 種類のロケールから選択できます。なお、japanese は JLE 1.1.3 以前のシステムとの互換性のためのロケールで ja と同様に日本語 EUC を扱います。日本語 EUC を使用する場合は、ja ロケールを使うようにしてください。

図 7-3 ロケールの選択画面

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第 8 章 Solaris CDE と日本語 OpenWindows 環境に共通の機能

日本語入力システムの切り替え方法

日本語入力システムは、Wnn6、ATOK8、cs00 の 3 種類から選択できます。Solaris CDE および OpenWindows のどちらも、ワークスペースメニューから日本語入力システムを切り替えることができます。なお、新しい日本語入力システムを有効にするには、一度 GUI セッションからログアウトして、再度ログインし直す必要があります。

次に、Solaris CDE と OpenWindows のワークスペースメニューを示します。

図 8-1 Solaris CDE ワークスペースメニュー

図 8-2 日本語 OpenWindows ワークスペースメニュー

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日本語入力サーバー(htt)

Solaris の日本語入力サーバー htt は、 X11R5 XIMP4.0 プロトコルに加えて、X11R6 XIM プロトコルをサポートしています。詳細は、htt(1) のマニュアルページを参照してください。

日本語フォント

Solaris では、ウィンドウ環境で使用される日本語フォントに関して次の機能が提供されます。

日本語フォントに関する技術的な情報については、『JFP 開発ガイド』を参照してください。

日本語 TrueType フォント

Solaris では、X Window System と Adobe Display PostScriptiTM 上で日本語 TrueType フォントを使用できます。これに伴い、株式会社リコーが開発した HG ゴシック体 B、HG 明朝体 L、および平成明朝体 W3H の TrueType フォントを新たに提供します。これらのフォントは、Solaris CDE および OpenWindows 環境上でアウトラインフォントとして使用できます。

また、HG ゴシック体 B と HG 明朝体 L は、それぞれ中ゴシック BBB (GothicBBB-Medium) とリュウミン L-KL (Ryumin-Light) として、X Window System と Adobe Display PostScript 上で利用できます。

日本語ビットマップフォント

次の日本語ビットマップフォントが提供されています。

表 8-1 JFP で提供される日本語ビットマップフォント

字体 

サイズ (単位はポイント) 

gotm (ゴシック体)

12、14、16、20、24 

gotb (ゴシック体ボールド)

12、14、16、20、24 

minm (明朝体)

16、20、24 

minb (明朝体ボールド)

16、20、24 

hg gothic b (HG ゴシック体 B)

10、12、14、16、18、20、24 

hg mincho l (HG 明朝体 L)

16、18、20、24 

heiseimin (平成明朝体 W3H)

10、12、14、16、18、20、24 

これらのフォントに X プログラムからアクセスする際に使用する XLFD 名については、xlsfonts コマンドで調べることができます。

Solaris CDE 環境では、スタイルマネージャを使って、使用するフォントを簡単に切り替えることができます。 詳細は、第 9 章「Solaris CDE の機能概要」「Solaris CDE の機能概要」を参照してください。

JIS X 0208-1990 文字集合

JIS X 0208-1990 年度版文字集合のサポートとして、85 区 5 点 (JIS 0x7425) および 6 点 (JIS 0x7426)の 2 文字を使用できます。なお、X プログラムからアクセスする際に使用する XLFD 名のレジストリフィールドは、既存のアプリケーションとの互換性のため、jisx0208.1983 になっています。

JIS X 0212-1990 補助漢字

JIS X 0212-1990 補助漢字用のフォントとして、株式会社リコーの開発した平成明朝体 W3 を提供しています。このフォントは、Solaris CDE および OpenWindows 環境上で、X Window System と Adobe Display PostScript アプリケーションから使用できます。

IBM 拡張文字と NEC 特殊文字

マイクロソフト標準キャラクタセットで使用されている IBM 拡張文字 (SJIS 0xfa40 - 0xfc4b) とNEC 特殊文字 (13区、SJIS 0x2d20 以降) を Solaris でも使用できます。

ユーザー定義文字フォント

Solaris では、ユーザー定義文字は既存のフォントファイルとは別のユーザー定義文字フォントファイルとして取り扱います。ユーザー定義文字を登録するには「Solaris 外字ツール (sdtudctool)」を使用します。「Solaris 外字ツール」の詳細は、第 14 章「ユーザー定義文字の登録 (Solaris 外字ツール)」を参照してください。

XGL 漢字ストロークフォント

XGL 実行環境で使用できる漢字ストロークフォント Kanji.font が提供されています。フォントは /opt ディレクトリにインストールされます。XGL とストロークフォントの使用方法の詳細は、『XGL Programmer's Guide』を参照してください。

フォントのディレクトリ構造

日本語表示用のフォントは、/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts ディレクトリに存在します。表 8-2 に、このディレクトリの構成について示します。

表 8-2 /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/ の構成

ディレクトリ 

ファイル拡張子 

内容 

75dpi

*.pcf

ビットマップフォント 

TT

*.ttf

TrueType フォント 

TTbitmap

*.pcf

TrueType ビットマップフォント 

EUC コードセット

日本語 Solaris CDE (以降、日本語 SCDE とします) と日本語 OpenWindows では、日本語ロケールの文字集合として、コードセット 0、1、2 に加えて、コードセット 3 (JIS X 0212-1990 補助漢字) をサポートします。

なお、印刷方法については、第 4 章「日本語対応 SunOS のシステム環境設定」「JIS X 0212、ユーザー定義文字、ベンダー定義文字の印刷サポート」を参照してください。

ja_JP.UTF-8 ロケール

日本語 SCDE と CDE/Motif アプリケーションでは、 ja、ja_JP.PCK およびja_JP.UTF-8 の 3 つの日本語ロケールをサポートします。


注 -

日本語 OpenWindows および XViewTM/OLIT ライブラリを使用して書かれたアプリケーションは、ja_JP.PCK、ja_JP.UTF-8 ロケールでは動作しません。


ja と ja_JP.PCK ロケール間の文字変換

ja と ja_JP.PCK ロケールで動作する別のアプリケーション間で、文字列のカット&ペーストなどを実行した場合、付録 A 「文字コード変換規則」「文字コード変換規則」に基づき、自動的にコードが変換されます。

日本語化されているプログラム

インストールツール

インストール用ユーザーインタフェースのラベルとヘルプメッセージが日本語で表示されます。使い方については、インストール関連のマニュアルを参照してください。

システム管理ツール

システム管理ユーザーインタフェース (admintool) のラベルとヘルプメッセージが日本語で表示されます。

グラフィックスライブラリ

XILTM イメージ処理ライブラリと XGL グラフィックスライブラリのメッセージが日本語で表示されます。

Kodak Color Management System (KCMS)

Kodak Color Management SystemTM のライブラリと KCMSTM 調整ツール (kcms_calibrate) グラフィカルユーザーインタフェースのメッセージとヘルプが日本語で表示されます。

AccessX

AccessX は、X11 サーバーを拡張するためのグラフィカルユーザーインタフェースです。X11 が標準でサポートしているキーボードとマウスを使用するのが困難なユーザーを支援 するための機能を提供します。AccessX では、ラベル、ヘルプメッセージ、およびマニュアルページが日本語で表示されます。

Motif

Motif ライブラリのメッセージが日本語で表示されます。

電源管理

電源管理 (dtpower) のラベルとヘルプメッセージが日本語で表示されます。

xserverconfig

xserverconfig のラベルが日本語で表示されます。

ToolTalk

ToolTalkTM ライブラリのメッセージとヘルプが日本語で参照できます。

仮想 LED

仮想 LED (vled) は、キーボードに付いている LED をソフトウェア的にシミュレートするユーティリティです。

日本語キーボードにはローマ字とかなを切り替えるロックキーが付いていますが、実際の LED は付いていません。仮想 LEDを使って、このロックキーの状態を画面上で確認できます。

詳細は、第 13 章「仮想 LED」vled(1) のマニュアルページを参照してください。

第 9 章 Solaris CDE の機能概要

Solaris CDE では、次の機能が提供されています。

日本語化されているアプリケーション

下記に示すアプリケーションでは、日本語の入力や日本語ファイルの表示など日本語を扱うことができます。また、ユーザーインタフェースのラベルやヘルプメッセージなどが日本語で表示されます。


注 -

「時計」は OpenWindows のツールのため、ja_JP.PCK、または ja_JP.UTF-8 ロケールで起動した場合、ラベルやメッセージは英語表記になります。


日本語環境固有のアプリケーション

Solaris CDE に固有のアプリケーションとして、次のプログラムが提供されています。

日本語オンラインヘルプ

次のいずれかの操作により、日本語ヘルプを参照できます。

    F1 キーまたは Help キーを押します。

    各アプリケーションの「ヘルプ」メニューまたはヘルプボタンを選択します。

    フロントパネルからヘルプマネージャを起動します。

    フロントパネルのヘルプサブパネルまたは各アプリケーションの「ヘルプ」メニューから「アイテムヘルプ」を選択します。

詳細は、『Solaris 共通デスクトップ環境 ユーザーズガイド』を参照してください。

日本語 AnswerBook

ワークスペースメニューの「プログラム」またはフロントパネルの「ヘルプ」サブパネルから「AnswerBook2」を選択すると、AnswerBook2TM のビューアが起動し、日本語 AnswerBookTM を参照できます。

日本語入力システム

Solaris CDE では、日本語入力システムとして Wnn6、ATOK8、または cs00 を使用できます。ワークスペースメニューの「日本語入力システム切替」で変更できます。

デスクトップ環境のカスタマイズ

スタイルマネージャを起動して、次の項目をカスタマイズできます。

フォントグループの設定方法

スタイルマネージャを使って、ユーザーが追加したフォントグループをデスクトップアプリケーションで使用できます。

たとえば、HG-Gothic-B を使用するには次の操作を実行します。

  1. スタイルマネージャを起動し、「フォント」メニューを選択します。

    「フォント」ダイアログボックスが表示されます。

  2. 「フォントグループの追加」ボタンを押します。

    図 9-1 のようなウインドウが表示されます。

    図 9-1 「フォントグループの追加」ウインドウ

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  3. 3 種類の文字集合 (JIS X 0201、JIS X 0208、JIS X 0212) について、システムユーザーフォントとして、リストの中から「Hg Gothic B」を選択し、「了解」を押します。

  4. フォントグループ名を入力します。

  5. フォントグループのリストから手順 4 で入力したグループ名を選択します。

  6. 「了解」を押し、アプリケーションを起動します。

プリンタの設定方法

ja_JP.UTF-8 ロケール環境で EUC 対応のプリンタにメールを出力するには、次の操作を実行します。

    $HOME/.dt/typesdtmail.dt という名前で、次の内容のファイルを作成します。

    ACTION Print
            {
                    LABEL           Print
                    ARG_TYPE        DTMAIL_FILE
                    TYPE            COMMAND
                    WINDOW_TYPE     NO_STDIO
                    EXEC_STRING     sh -c ` 促
                            dtmailpr -p -f %(File)Arg_1% | iconv -f UTF-8 -t encJP | dtlp -u ¥
    %(File) Arg_1%;'
            }

Solaris CDE を使用する際の推奨環境

Solaris CDE では、ja、ja_JP.PCK および ja_JP.UTF-8 の 3 つのロケールをサポートしていますが、いずれか 1 つのロケール環境で使用することをお勧めします。1 人のユーザーが ja、ja_JP.PCK および ja_JP.UTF-8 ロケールを混在して使用すると、次の問題が起こります。

第 10 章 日本語 OpenWindows の機能概要

日本語 OpenWindows では、次のような機能が提供されています。

日本語化されているプログラム

日本語 DeskSet プログラム

DeskSetTM 上で、日本語の入力や日本語ファイルの表示などの日本語を取り扱うことができます。DeskSet のボタン、メニュー、およびメッセージが必要に応じて日本語で表示されます。

また、DeskSet から日本語ファイルを日本語 PostScript 対応のプリンタに出力できます。

日本語対応された DeskSet は次のとおりです。

OPENLOOK ウィンドウマネージャ

OPENLOOK ウィンドウマネージャ (OLWM) のメニューとメッセージが日本語化されています。

ワークスペースプロパティとワークステーション情報

ワークスペースメニューから選択できるワークスペースプロパティ (props) とワークステーション情報 (wsinfo) のメッセージとヘルプが日本語で表示されます。

ツールキットのライブラリ

XView ツールキット、OLIT ツールキット、Motif ツールキットのライブラリのメッセージとヘルプが日本語で参照できます。

Motif ツールキットの日本語メッセージを利用する場合には、環境変数 NLSPATH を次のように設定してください。

csh の場合

sun% setenv NLSPATH /usr/dt/lib/nls/msg/%L/%N.cat:/usr/dt/lib/nls/msg/C/%N.cat

sh (または ksh) の場合

sun$ NLSPATH=/usr/dt/lib/nls/msg/%L/%N.cat:/usr/dt/lib/nls/msg/C/%N.cat
sun$ export NLSPATH

ボリューム管理ユーザーインタフェース

ボリューム管理用ユーザーインタフェース eject_popup および volmissing_popup のラベルとメッセージが日本語で表示されます。

日本語環境固有のアプリケーション

日本語環境をより使いやすくするために、次のプログラムが提供されています。

cs00 ユーザー辞書ツール

cs00 ユーザー辞書ツール (udicmtool) は cs00 を使用する際、ユーザー辞書に対して、登録されていない単語を登録したり、不要な単語を削除したりするためのツールです。また、辞書形式ファイルを編集してユーザー専用の辞書も作成できます。辞書登録ツールの「利用中の辞書」モードで変更された内容は、その時点で動作しているアプリケーションに、すぐに反映できます。

使用方法などについては、『cs00 ユーザーズガイド』と udicmtool(1) のマニュアルページを参照してください。

ワークスペースプロパティを使った環境の切り替え

日本語 OpenWindows のワークスペースプロパティの機能を使用して、動作環境を日本語から英語、または英語から日本語に切り替えることができます。

詳細は、第 12 章「日本語 OpenWindows のカスタマイズ」を参照してください。

日本語オンラインヘルプ

日本語 Magnify Help

ポインタを適当な場所に置いてキーボードの左側の Help キーを押すと、その時にポインタが置かれている場所に応じて、図 10-1 のようなヘルプメッセージを表示するウィンドウが表示されます。このウィンドウ内には日本語でメッセージが表示されます。

ワークスペースプロパティで、カテゴリの「ロケール」と「表示ロケール」を切り替えると、表示されるメッセージが日本語と英語で切り替わります。

図 10-1 日本語 Magnify Help フォントグループの追加」ウインドウ

日本語ヘルプハンドブック

Magnify HelpTM ウィンドウの「詳細」ボタンをクリックするか、ワークスペースメニューから「ヘルプ」を選択すると、日本語ヘルプハンドブックがヘルプビューワに表示されます。

日本語ヘルプハンドブックとヘルプビューワの詳細は、『OpenWindows ユーザーズガイド』を参照してください。

日本語オンラインマニュアル

環境変数 LANG または LC_MESSAGES が ja に設定されている場合、man コマンドで日本語のオンラインマニュアルを参照できます。

また、オンラインマニュアルには日本語と英語の両方があり、OpenWindows の各 DeskSet と日本語環境用プログラムの他、OpenWindows が提供する各種のコマンドについての説明を man コマンドで表示できます。

日本語フォントの使い方

XView アプリケーション

DeskSet などの XView のアプリケーションから、いろいろな種類の日本語フォントを指定して使用できます。たとえば、大きさ 24 のゴシック体ボールドのフォントを使用するには、次のように指定します。

sun% shelltool -Wt gotb-24

got はゴシック、b はボールド、数字は大きさをそれぞれ表します。また、明朝は min、ミディアムは m を表わすので、組み合わせて使用できます。特に指定がない場合には、デフォルトのフォントとして gotm-14 が使用されます。

次に、XView アプリケーション起動時にコマンドオプションとして指定できるフォントをまとめます。

表 10-1 XView のコマンドオプションフォント

gotb-12、14、16、20、24 

gotm-12、14、16、20、24 

minb-12、14、16、20、24 

minm-12、14、16、20、24 

minm-12、14、16、20、24 

OLIT アプリケーション

OLIT ツールキットを使用したアプリケーションを起動すると、デフォルトフォントとして各 EUC コードセットに対して次のフォントが使用されます。

表 10-2 OLIT のデフォルトフォント 1

コードセット 0 

-sun-gothic-medium-r-normal--16-140-75-75-c-70-jisx0201.1976-0 

コードセット 1 

-sun-gothic-medium-r-normal--16-140-75-75-c-140-jisx0208.1983-0 

コードセット 2 

-sun-gothic-medium-r-normal--16-140-75-75-c-70-jisx0201.1976-0 

デフォルトフォントを変更するには、olDefaultFont や他の適切なフォントリソースに対して XLFD フォント名を直接指定してください。次に、リソースファイル内で、olDefaultFont にフォント名を設定する例を示します。

*olDefaultFont: -sun-gothic-bold-r-normal--26-240-75-75-c-120-jisx0201.1976-0,¥
-sun-gothic-bold-r-normal--26-240-75-75-c-240-jisx0208.1983-0,¥
-sun-gothic-bold-r-normal--26-240-75-75-c-120-jisx0201.1976-0

この設定により、各 EUC コードセットに対して次のフォントが使用されます。

表 10-3 OLIT のデフォルトフォント 2

コードセット 0 

-sun-gothic-bold-r-normal--26-240-75-75-c-120-jisx0201.1976-0 

コードセット 1 

-sun-gothic-bold-r-normal--26-240-75-75-c-240-jisx0208.1983-0 

コードセット 2 

-sun-gothic-bold-r-normal--26-240-75-75-c-120-jisx0201.1976-0 

OLIT のアプリケーション起動時にフォントを指定する場合は、フォント名として XLFD 名を使用します。次の例を参考にしてください。

sun% olitsampler -fn ¥
"-misc-fixed-medium-r-normal--14-130-75-75-c-70-iso8859-1, ¥
-misc-fixed-medium-r-normal--14-130-75-75-c-140-jisx0208.1983-0, ¥
-misc-fixed-medium-r-normal--14-130-75-75-c-70-jisx0201.1976-0"

日本語対応ツールキットによる日本語プログラムの開発環境

XView

国際化された XView ライブラリを使用して、日本語のウィンドウアプリケーションを開発できます。こうして開発したアプリケーションを日本語 OpenWindows 環境で使用することによって、日本語の入力表示など日本語を取り扱うことが可能になります。

国際化された XView ライブラリを使用してコンパイルする場合には、「-DOW_I18N」を明示的に指定します。

また、アプリケーション実行時に使用されるライブラリを指定するために、次のように「-R/usr/openwin/lib」も明示的に指定してください。

sun% cc -DOW_I18N -I/usr/openwin/include -L/usr/openwin/lib ¥
-R/usr/openwin/lib -lxview -lX11 ...

国際化された XView の詳細は、『XView Developer's Notes』を参照してください。

OLIT

国際化された OLIT ライブラリを使用して、日本語のウィンドウアプリケーションを開発できます。こうして開発したアプリケーションを日本語 OpenWindows 環境で使用することによって、日本語の入力や表示などを取り扱うことが可能になります。

国際化された OLIT ライブラリを使用してコンパイルするには、次のように行います。

sun% cc -I/usr/openwin/include -R/usr/openwin/lib -L/usr/openwin/lib ¥
   -lXol -lXt -lX11 ...

日本語入力をともなうアプリケーション

TextEdit、TextField、ScrollingList、TextLine の各ウィジェットを使用した日本語入力をともなうアプリケーションを起動する際は、次の点に注意してください。

国際化された OLIT の詳細は、『OLIT リファレンスマニュアル』を参照してください。

第 11 章 日本語 OpenWindows の環境設定

この章では、JFP 上で日本語環境を使用するための初期設定の方法、日本語 OpenWindows の起動方法、さらに日本語 OpenWindows 2.0.1 環境からの移行方法と、日本語 OpenWindows 3.2 以前の環境からの移行方法について説明します。

初期設定と起動

ユーザーが JFP の日本語環境を使用する場合は、サーバーを起動する前に次の作業を行う必要があります。

  1. 次のように環境変数 LANG を「ja」 に設定します。

    sun% setenv LANG ja
    


    注 -

    Solaris では、通常、システム起動時にログインサーバー (dtlogin) が起動します。環境変数 LANG を変更するには、ログインサーバーの「オプション」メニューからロケールを設定します。詳細は、第 7 章「GUI 環境の起動」を参照してください。


  2. JLE 1.1.2 以前のシステムと共存するネットワーク上では、次のように環境変数 LANG を 「japanese」 に設定します。

    sun% setenv LANG japanese
    

  3. 日本語 OpenWindows を起動します。


    注 -

    Solaris では、通常、システム起動時にログインサーバー (dtlogin) が起動します。日本語 OpenWindows を起動する場合は、ログインサーバーの「オプション」メニューの「セッション」から「OpenWindows デスクトップ」を選択してログインします。詳細は、第 7 章「GUI 環境の起動」を参照してください。


    一般的な設定に関しては、openwin シェルスクリプトがデフォルトのサーバー構成に関するすべてを処理します。openwin シェルスクリプトは、次のように実行します。

    sun% /usr/openwin/bin/openwin
    


    注 -

    LANG を「C」に設定した場合または何も設定していない場合は、日本語 OpenWindows が英語環境で起動されます。日本語 OpenWindows を終了せずに、ワークスペースプロパティを使用して英語環境を日本語環境に切り替える方法は、現時点ではサポートされていません。


日本語 OpenWindows 2.0.1 環境からの移行

カスタマイズしている日本語 OpenWindows 2.0.1 システム環境を日本語 OpenWindows 3.x システムに移行する場合、またはネットワーク上でホームディレクトリが JLE システムと共有されていて、日本語 OpenWindows 2.0.1 がそのホームディレクトリ上で起動されていた場合には、$HOME/.xinitrc$HOME/.Xdefault$HOME/.openwin-menu などを設定し直す必要があります。各ファイルの設定方法については、『OpenWindows ユーザーズガイド (上級編)』を参照してください。

キーの機能定義

日本語 OpenWindows 3.x システムではマウスレスオペレーション機能を実現するため、日本語 OpenWindows 2.0.1 のキーのいくつかの機能が他のキーに定義されています。日本語 OpenWindows 3.x で、これらのキーファンクションを日本語 OpenWindows 2.0.1 の定義に戻すには、.Xdefaults に次の記述を追加します。

OpenWindows.SunViewKeys:  true
OpenWindows.Mouseless:     false
OpenWindows.KeyboadCommand.DataStart:   Return+Shift+Ctrl,R7+Ctrl
OpenWindows.KeyboadCommand.DataEnd:      Return+Ctrl,End+Ctrl,R13+Ctrl
OpenWindows.KeyboadCommand.Translate:   R2+Meta

日本語 OpenWindows 3.2 以前の環境からの移行

デフォルトのワークスペースメニューのファイル名とパス名が、次のように変更されています。

変更前

/usr/openwin/lib/openwin-menu.locale
/usr/openwin/lib/openwin-menu-programs.locale
/usr/openwin/lib/openwin-menu-utilities.locale
/usr/openwin/lib/openwin-menu-demo.locale
/usr/openwin/lib/openwin-menu-demo-fulldemo.locale
/usr/openwin/lib/openwin-menu-demo-nodemo.locale

変更後

/usr/openwin/share/locale/locale/olwm/openwin-menu
/usr/openwin/share/locale/locale/olwm/openwin-menu-programs
/usr/openwin/share/locale/locale/olwm/openwin-menu-utilities
/usr/openwin/share/locale/locale/olwm/openwin-menu-demo
/usr/openwin/share/locale/locale/olwm/openwin-menu-demo-fulldemo
/usr/openwin/share/locale/locale/olwm/openwin-menu-demo-nodemo

ホームディレクトリの .openwin-menu ファイルなどで変更前のファイル名やパス名を使用している場合は、変更する必要があります。特に、INCLUDEMENU などのキーワードを使用して、次の例のように変更前のファイル名を指定している場合は、そのメニューが表示されなくなります。

"プログラム"    INCLUDE  openwin-menu-programs


注 -

システムは次の優先順位でファイルを参照します。

  1. $HOME/.openwin-menu-programs

  2. /usr/openwin/share/locale/$LANG/olwm/openwin-menu-programs


その他、各環境設定ファイルの詳細は、『OpenWindows ユーザーズガイド (上級編)』を参照してください。

第 12 章 日本語 OpenWindows のカスタマイズ

この章では、日本語 OpenWindows の日本語環境をカスタマイズする方法について説明します。OpenWindows 全般に対する環境のカスタマイズについては、『OpenWindows ユーザーズガイド』を参照してください。

ワークスペース

日本語 OpenWindows のワークスペースプロパティ機能を使用して、動作環境を日本語と英語とで切り替えることができます。

ワークスペースメニューから「プロパティ」を選択すると、図 12-1に示すような「ワークスペース・プロパティ」ポップアップウィンドウが表示されます。

図 12-1 起動時の「ワークスペース・プロパティ」ウィンドウ

次に、「カテゴリ」から「ロケール」を選択すると、図 12-2 に示す項目が表示されます。

図 12-2 ロケールメニュー (ワークスペース・プロパティ)

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基本ロケール

基本ロケールは、全体的な動作環境を日本語または英語のどちらにするかを選択します。「日本」または「(日本)」にすると、日本語表示や日本語入力ができます。「米国」にすると日本語の入出力はできません。

基本ロケールで 「日本」を選択すると、自動的にその他の設定も日本語用になります。「米国」を選択すると、自動的にその他の設定も英語用になります。

ネットワーク上の JLE 1.1.2 以前のシステムとの互換性を持たせるために、ロケールを「japanese」に設定したい場合は、基本ロケールで「(日本)」を選択します。


注 -

基本ロケールを「日本」にして、次に述べるその他の設定を日本語または英語にすることはできますが、基本ロケールを「米国」にして、その他の設定を日本語にすることはできません。基本ロケールを「(日本)」にすると、その他の設定は自動的に「japanese」になります。その他の設定を英語にすることもできますが、「ja」にすることはできません。


その他の設定

表示ロケール

その他の設定の表示ロケールは、メニュー、ボタン、ヘルプメッセージなどを日本語または英語のどちらで表示するかを選択します。

たとえば、設定を「日本語」から「英語」に切り替えた後、「適用」をクリックすると、ワークスペースメニューは英語で表示されるようになり、次から起動するアプリケーションのメニューやボタンなどは英語になります。

入力ロケール

入力ロケールは、アプリケーションで日本語入力をできるようにするかどうかを選択します。

設定を「日本語」にすると、アプリケーションを起動したときに日本語入力ができるようになります。設定を「英語」にすると、日本語入力はできません。

時刻形式

時刻形式は、アプリケーションが時刻を表示するときに、日本式に「 ??年??月??日??時??分??秒」で表示するか、米国式に「??/??/?? ??:??:??」で表示するかを選択します。

数値

数値形式は、数字をどのような形式で表示するかを選択します。

ロケールの再定義

JFP は、動作環境を切り替えるためのロケールとして、英語用に「C」、日本語用に「ja」、互換性のために「japanese」を提供しています。

現時点では、ユーザーはロケール名を新しく定義できません。

EUC コードセット 3 (JIS X 0212)

日本語 OpenWindows では、日本語ロケールの文字集合として、コードセット 0、1、2 に加えて、コードセット 3 (JIS X 0212-1990 補助漢字) をサポートします。

日本語 OpenWindows では、日本語ロケール (ja、japanese) の EUC コードセット 0、1、2、3 に以下の文字集合をサポートしています。

第 13 章 仮想 LED

仮想 LED は、キーボードのロックキーの状態を画面上で確認するためのツールです。

日本語 (タイプ 4、タイプ 5) キーボードにはアルファベットとかなの入力を切り替えるロックキーが用意されていますが、キーボード本体にはその状態を示す LED は用意されていません。

仮想 LED は、「かなロック」の状態を画面上で確認できます。

起動方法

仮想 LED を起動するには、ワークスペースメニューから仮想 LED を選択するか、次のようにシェルツールまたはコマンドツールからコマンドを入力します。

sun% /usr/openwin/bin/vled

デフォルトの場合、仮想 LED は日本語キーボードを使用しているシステムでだけ起動されるように設定されています。

日本語キーボードを使用していないシステムで仮想 LED を使用する場合は、次のように -unconditional オプションを指定してください。

sun% /usr/openwin/bin/vled -unconditional

デフォルトでは「かなロック」、「Caps ロック」、「Num ロック」を示す状態で起動します。

図 13-1 vled 起動時の表示

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オプション

仮想 LED には次のオプションがあります。

-unconditional

キーボードが日本語キーボードであるかどうかに関わらず、仮想 LED を起動できます。


注 -

このオプションを使用して、日本語キーボード以外を使用するシステムで仮想 LED を起動した場合、Alt-Graph キーを押すと「かなロック」の LED が光りますが、実際にはかな入力はできません。


-kanaonly

「かなロック」の仮想 LED だけが表示されます。

図 13-2 vled -kanaonly の表示

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-Wi (iconic)

仮想 LED がアイコンの状態で起動されます。

図 13-3 仮想 LED のアイコン

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-display host:x.x

ディスプレイを指定できます。

-Ws width height

仮想 LED の起動時の大きさを指定できます。

-Wp x y

仮想 LED の起動時の表示位置を指定できます。

-WP x y

仮想 LED のアイコンの表示位置を指定できます。

-geometry (WxH)({+|-}X{+|-}Y)

仮想 LED の起動時の大きさと表示位置を指定できます。

-icon_geometry (WxH)({+|-}X{+|-}Y)

仮想 LED のアイコンの大きさと表示位置を指定できます。

-fg (-fourground) #rrggbb | color_name

仮想 LED で使用される文字と枠線の色を指定できます。

-bg (-background) #rrggbb | color_name

仮想 LED 内のバックグラウンドの色を指定できます。

-brightcolor #rrggbb | color_name

各キーのオン状態の色を指定できます。

-darkcolor #rrggbb | color_name

各キーのオフ状態の色を指定できます。

-intervaltime usec

キーのオン・オフの状態を検索する時間の間隔を指定できます。

第 14 章 ユーザー定義文字の登録 (Solaris 外字ツール)

Solaris 2.6 から、ユーザー定義文字は既存のフォントファイルに追加せずに、別フォントファイルとして編集し、既存のフォントと組み合わせて利用するようになりました。ユーザー定義文字を登録できる領域は次のとおりです。

表 14-1 ユーザー定義文字の登録可能領域

文字 

登録可能な領域 

文字セットの区域 

日本語 EUC 

0xf5a1 - 0xfefe 

JIS X 0208 85 区 - 94 区 

 

0x8ff5a1 - 0x8ffefe 

JIS X 0212 85 区 - 94 区 

PCK 

0xf040 - 0xf9fc 

JIS X 0208 95 区 - 114 区 

UTF-8 

0xee8080 - 0xefa3bf (U+E000 - U+F8FF) 

 

このため、これまでのビットマップ用の「フォントエディタ」(fontedit)、アウトライン用の「タイプ3クリエータ」(type3creator) と「フォントマネージャ」(fontmanager) に代わり、Solaris 2.6 オペレーティング環境およびその互換バージョンの Solaris CDE 上で新たにユーザー定義文字を作成するツールとして、「Solaris 外字ツール」(sdtudctool) が提供されます。

「Solaris 外字ツール」は、日本語 EUC、PCK および UTF-8 に共通したユーザー定義文字を作成します。そのため、ユーザー定義文字を作成する場合、いずれかのロケールで作成するといずれのロケールでも利用できるようになります。

なお、フォントエディタ、タイプ3クリエータ、およびフォントマネージャを使って作成したユーザー定義文字を再利用する場合は、はじめに移行作業が必要です。詳細は、第 15 章「フォントの移行」を参照してください。

機能概要

「Solaris 外字ツール」には次の機能があります。

なお、作成されたユーザー定義文字フォントファイルは、日本語 OpenWindows 上でも共通して利用できます。


注 -

「Solaris 外字ツール」は Solaris CDE 上でのみサポートされます。日本語 OpenWindows 上でユーザー定義文字を利用する場合でも、Solaris CDE 環境上でユーザー定義文字を登録してください。


「Solaris 外字ツール」は、次の 3 つのウィンドウで構成されています。各ウィンドウ上のメニューの詳細は、「各機能の説明」を参照してください。

文字エディタ

図 14-1 文字エディタウィンドウ (Solaris 外字ツール)

編集画面

ユーザー定義文字を編集する画面です。

参照画面

ユーザー定義文字を作成するときに参考にする文字を表示する画面です。「表示」メニューから「参照」、またはツールバーの右端にあるボタンを選択すると、編集画面の右に表示します。

確認画面

左側にアウトラインでの文字、右側にビットマップでの文字を表示します。

一覧表

図 14-2 一覧表ウィンドウ (Solaris 外字ツール)

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「一覧表...」ボタンを選択するとこのウィンドウを表示し、現在登録しているユーザー定義文字を表示します。

参照表

図 14-3 参照表ウィンドウ (Solaris 外字ツール)

参照画面を表示したあと、「参照表...」ボタンを選択すると、このウィンドウを表示します。ユーザー定義文字を編集する場合に参考にしたい文字があるときに使用します。

起動方法

「Solaris 外字ツール」を起動するには、アプリケーションマネージャの「デスクトップアプリケーション」を開いて「Solaris 外字ツール」を選択するか、端末エミュレータで次のコマンドを入力します。

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sun% /usr/dt/bin/sdtudctool

環境変数 DTUDCFONTPATH でユーザー定義文字を保存するディレクトリを指定していない場合は、以下のディレクトリに保存します。

ローカルユーザーの場合: $HOME/.Xlocale/ja/fonts/UDC
スーパーユーザーの場合: $OPENWINHOME/lib/locale/ja/X11/fonts/UDC

環境の設定にもよりますが、ローカルユーザーがユーザー定義文字を登録した場合は、登録者の環境でユーザー定義文字の利用が可能となります。また、スーパーユーザーがユーザー定義文字を登録した場合、登録したマシンおよび $OPENWINHOME を共有するマシンでユーザー定義文字の利用が可能となります。また、各ユーザー間で環境変数 DTUDCFONTPATH に共有のディレクトリを指定することで、共有のユーザー定義文字を利用することもできます。

ユーザー定義文字を保存するディレクトリが存在しない場合は、起動時に次のダイアログが表示されます。

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各機能の説明

「Solaris 外字ツール」で提供する機能について説明します。

文字エディタ

「Solaris 外字ツール」の起動時に表示します。

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文字エディタのウィンドウタイトルには、ユーザー定義文字を読み込んだ場合にはその保存ディレクトリ名が、フォントファイルを読み込んだ場合にはファイル名を表示します。

描画ツール

描画ツールが提供する各ツールの機能と操作方法を表 14-2に示します。描画ツールの中から 1 つのツールを選択すると、別のツールが選択されるまでそのツールが選択されています。

図 14-4 描画ツール (Solaris 外字ツール)

表 14-2 描画ツールの機能と操作方法

ツール名 

機能 

操作方法 

自由線 

手書きの線と個別のピクセルを描きます。 

1. 「描画ツール」メニューから「自由線」を選択します。 

2. 描画画面上で左マウスボタンを押しながら描画します。 

3. 左マウスボタンを離します。 

直線 

直線を描きます。 

1. 「描画ツール」メニューから「直線」を選択します。 

2. 描画画面上で左マウスボタンを押しながら描画します。 

3. 左マウスボタンを離します。 

折れ線 

連続する複数の線分を描きます。 

1. 「描画ツール」メニューから「折れ線」を選択します。 

2. 描画画面上で、線分の開始地点と終了地点ごとに左マウスボタンをクリックします。 

クリックした場所から新たに線分が描画されます。 

3. 線分の最終地点で左マウスボタンをダブルクリックします。 

多角形 

最初の描画線と最後の描画線の間を閉じた多角形を描きます。 

1.「描画ツール」メニューから「多角形」を選択します。 

2. 描画画面上で、描画線の開始地点と終了地点ごとに左マウスボタンをクリックします。 

クリックした場所から新たに線分が描画されます。 

3. 線分の最終地点で左マウスボタンをダブルクリックします。 

四角形 

四角形を描きます。 

1. 「描画ツール」メニューから「四角形」を選択します。 

2. 描画画面上で左マウスボタンを押しながら描画します。 

3. 左マウスボタンを離します。 

円 

円を描きます。 

1. 「描画ツール」メニューから「円」を選択します。 

2. 描画画面上で左マウスボタンを押しながら描画します。 

3. 左マウスボタンを離します。 

消しゴム 

指定されたピクセルを消去します。 

注: アウトラインモードでは利用できません。「範囲指定」で範囲を指定し、「編集」メニューを利用し消します。 

1. 「描画ツール」メニューから「消しゴム」を選択します。 

2. 描画画面上で左マウスボタンを押しながら消します。 

範囲指定 

範囲を指定します。「編集」メニューのコマンドを使う場合は、最初に「範囲指定」で範囲を指定する必要があります。なお、指定領域の移動は、指定領域の中心付近を、左マウスボタンで押しながら移動します。 

1. 「描画ツール」メニューから「範囲指定」を選択します。 

2. 描画画面上で左マウスボタンを押しながら範囲を指定します。 

3. 左マウスボタンを離します。 

メニュー

文字エディタには次のメニューがあります。

ファイル

編集

モードの切り替えは、ツールバー上に表示されている「アウトライン」と「ビットマップ」ボタンを切り替えて指定します。

次の 2 つのモードがあります。

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注 -

アウトライン表示時の「範囲指定」では、文字を構成するオブジェクトのすべてのコントロールポイントが指定領域に含まれなければなりません。コントロールポイントの表示は「表示」->「コントロール」で行います。


表示

ヘルプ

一覧表

一覧表は、ユーザー定義文字を読み込んだ場合はユーザー定義文字を、フォントファイルを読み込んだ場合はファイルに含まれる文字を表示します。一覧表上の文字を選択すると編集画面上に表示され、編集対象になります。

一覧表のウィンドウタイトルには、ユーザー定義文字を読み込んだ場合にはその保存ディレクトリ名が、フォントファイルを読み込んだ場合にはファイル名が表示されます。

ツールバー上には、次のメニューが表示されます。

メニューバーには、次のメニューが表示されます。

ファイル

編集

表示

参照表

参照表は、「ファイル」メニューの内容を除き、一覧表とほとんど同じインタフェースを持っています。

参照表のウィンドウタイトルには、ユーザー定義文字を読み込んだ場合にはその保存ディレクトリ名が、フォントファイルを読み込んだ場合にはファイル名が表示されます。

ファイル

その他の機能

「Solaris 外字ツール」では、一覧表上でのドラッグ&ドロップ、一覧表から編集画面へのドラッグ&ドロップ、参照表から編集画面へのドラッグ&ドロップ、および参照表から一覧表へのドラッグ&ドロップをサポートしています。

ドラッグ&ドロップ機能は、文字のコードポイントの移動や、すでに登録されている文字を利用して文字を作成する場合に便利です。

コードポイントの移動例

コードポイントを移動する際の操作例を次に示します。

  1. 移動したいコードポイントの文字をマウスのアジャスト (中央) ボタンを押して選択したまま、移動先のコードポイントへカーソルをドラッグ&ドロップします。

参照表からの文字のコピー例

次のいずれかの操作を実行すると文字をコピーできます。

    参照表上のコピーしたい文字をマウスのアジャスト (中央) ボタンを押して選択したまま、一覧表のコピー先のコードポイントへカーソルをドラッグ&ドロップします。

    Graphic

    一覧表上でコードポイントを指定した後、参照表上の参照したい文字をマウスのアジャスト (中央) ボタンを押して選択したまま、編集画面上にドラッグ&ドロップします。保存ボタンを選択します。

ユーザー定義文字の日本語入力システムへの登録方法

ユーザー定義文字を単語として日本語入力システムの辞書ファイルへ登録 することにより、ユーザー定義文字の入力が容易になります。登録を行なわない場合でも JIS 区点コード入力または、16 進コード入力によりユーザー定義文字を入力することが出来ます。ここでは、「Solaris 外字ツール」を利用して各日本語入力システムの辞書ファイル登録までの手順を説明します。単語登録に関しての詳細は、「Wnn6 ユーザーズガイド」、「ATOK8 ユーザーズガイド」または「cs00 ユーザーズガイド」を参照して下さい。

  1. 「Solaris 外字ツール」を起動します。詳細は、「起動方法」を参照してください。

  2. 「描画モード」を選択し、編集画面上に文字を描画します (起動時には「自由線」が設定されています)。

  3. 文字の描画が終了したら、編集画面下の「保存」ボタンを押します。

  4. 「次」ボタンを押し、次のコードポイントに移動します。

  5. すべてのユーザー定義文字の登録が終了したら、「ファイル」メニューから「保存」を選択します。

    なお、「一覧表...」ボタンを押すと、登録したユーザー定義文字の一覧表が表示されます。この一覧表から直接、編集するユーザー定義文字を選択したり、登録するコードポイントを指定したりできます。詳細は、「一覧表」を参照してください。

    「Solaris 外字ツール」は、ユーザー定義文字を保存したディレクトリを自動的に現行セッションのフォントパスに組み込みます。詳細は、「文字エディタ」「ファイル」の「オプション」、および 「オプション」を参照してください。

  6. ユーザー定義文字の保存が終了すると、ユーザー定義文字の読みを辞書に登録するためのユーザー定義文字辞書登録用中間ユーティリティが自動的に起動されます。

  7. 単語登録対象の日本語入力システムを選択し(Wnn6、ATOK8 または cs00)、単語登録したいユーザー定義文字の「読み」および「コメント」を入力し、「了解」ボタンまたは「適用」ボタンを押します。「コメント」は、Wnn6 のみ辞書ファイルに登録されます。

  8. 7. で選択した日本語入力システム別にウィンドウが表示されます。ウィンドウの説明に従って処理を続けてください。

    • Wnn6 テスト形式辞書への保存

      Graphic
    • atok8wordlist 形式ファイルへの保存

    • cs00 単語リストファイル形式への保存

      Graphic

    なお、ユーザー定義文字の「読み」を辞書ファイルに登録しない場合、アプリケーションでの指定方法はコード入力となります。

ユーザー定義文字のアプリケーションでの利用方法

ユーザー定義文字の利用は、登録後に起動したアプリケーションから有効になります。

表 14-3 日本語入力システムで利用可能なユーザー定義文字のコード範囲

日本語入力システム 

図形文字集合 

 

コード範囲 

Wnn6、cs00 

日本語 EUC コードセット 1 

日本語 EUC コードセット 2 

PC 漢字(PCK) 

UTF-8 

 

0xf5a1 から 940 文字 

0x8ff5a1 から 940 文字 

0xF040 から 1880 文字 

0xee8080 から 1880 文字 

ATOK8 

日本語 EUC コードセット 1 

日本語 EUC コードセット 2 

PC 漢字(PCK) 

UTF-8 

 

0xf5a1 から 940 文字 

利用できません 

0xf040 から 940 文字 

0xee8080 から 940 文字 

日本語入力システム Wnn6 を利用している場合

  1. 区点入力ウィンドウを表示します。

  2. ユーザー定義文字を登録したコードポイントを区点コードで指定します。

    たとえば、85 区 1 点から一覧を表示して選択する場合は、区点入力ウィンドウで 85 を入力し、候補一覧を表示します。

    一覧から選択します。

    Graphic

日本語入力システム ATOK8 を利用している場合

  1. JIS 入力モードにします。

  2. ユーザー定義文字を登録したコードポイントを JIS コードで指定します。

    たとえば、85 区 1 点 が JIS 0x7521 なので、75 を入力し候補一覧を表示します。

    Graphic

日本語入力システム cs00 を利用している場合

  1. 区点入力モードにします。

  2. ユーザー定義文字を登録したコードポイントを区点コードで指定します。

    たとえば、85 区 1 点から一覧を表示して選択する場合は、85 を入力し候補一覧を表示します。

    Graphic

詳細は、『Wnn6 ユーザーズガイド』、『ATOK8 ユーザーズガイド』、または『cs00 ユーザーズガイド』を参照してください。

ユーザー定義文字の DPS 上での利用方法

「Solaris 外字ツール」で作成されたユーザー定義文字は、以下のフォントに組み込まれます。

JIS エンコーディングのフォント

GothicBBB-Medium-H            Ryumin-Light-H
GothicBBB-Medium-V            Ryumin-Light-V
GothicBBB-Medium-Hojo-H       Ryumin-Light-Hojo-H
GothicBBB-Medium-Hojo-V       Ryumin-Light-Hojo-V

EUC エンコーディングのフォント

GothicBBB-Medium-EUC-H        Ryumin-Light-EUC-H
GothicBBB-Medium-EUC-V        Ryumin-Light-EUC-V
GothicBBB-Medium-Hojo-EUC-H   Ryumin-Light-Hojo-EUC-H
GothicBBB-Medium-Hojo-EUC-V   Ryumin-Light-Hojo-EUC-V

SJIS エンコーディングのフォント

GothicBBB-Medium-RKSJ-H       Ryumin-Light-RKSJ-H
GothicBBB-Medium-RKSJ-V       Ryumin-Light-RKSJ-V

83pv-RKSJ エンコーディングのフォント

GothicBBB-Medium-83pv-RKSJ-H  Ryumin-Light-83pv-RKSJ-H
GothicBBB-Medium-83pv-RKSJ-V  Ryumin-Light-83pv-RKSJ-V

組み込まれたフォント名は、各フォント名に New を付けたフォント名になります。たとえば、GothicBBB-Medium-EUC-H にユーザー定義文字を追加したフォントのフォント名は、NewGothicBBB-Medium-EUC-H になります。

ユーザー定義文字の印刷方法

「Solaris 外字ツール」を使って登録したユーザー定義文字を印刷するには、jpostprint(1) を使って、いったん PostScript ファイルを生成してから、次のスクリプトで印刷します (jpostprint はデフォルトでは、$HOME/.Xlocale/$LANG/fonts/UDC ディレクトリに保存されているユーザー定義文字を使用します)。

sun% /usr/lib/lp/postscript/jpostprint <テキストファイル名> | lpr

環境変数 DTUDCFONTPATH で保存ディレクトリを設定した場合は、次のように指定します。

sun% /usr/lib/lp/postscript/jpostprint -u "$DTUDCFONTPATH/UDC%d.pfa" | lpr

詳細は、jpostprint(1) のマニュアルページを参照してください。

オプション

次のオプションを使用できます。

sun% /usr/dt/bin/sdtudctool -f fontfile

「Solaris 外字ツール」は起動時に指定したフォントファイルを読み込みます。現時点では、BDF/PCF 形式のフォントを読み込むことができます。

環境設定

環境変数

DTUDCFONTPATH

ユーザー定義文字を保存するディレクトリを指定します。指定しない場合、以下のディレクトリがユーザー定義文字の保存ディレクトリとして利用されます。

ローカルユーザーの場合

$HOME/.Xlocale/$LANG/fonts/UDC

スーパーユーザーの場合

$OPENWINHOME/lib/locale/$LANG/X11/fonts/UDC

リソース

以下のリソースをサポートしています。

utUDCPrefix

ユーザー定義文字を保存するビットマップフォントファイルの接頭辞を指定します。デフォルトは UDC です。

utUDCBDFSize

ユーザー定義文字のビットマップフォントのサイズを指定します。デフォルトは 12、14、16、20、24 です。

utRefXFont

参照一覧を開いた時の表示文字を XLFD 名で指定します。デフォルトは -sun-gothic-medium-r-normal--16-140-75-75-c-140-jisx0208.1983-0 です。

utUDCCIDPrefix

ユーザー定義文字を組み込んだ際のフォントの名の接頭辞です。デフォルトは New です。

utUDCCIDBase

ユーザー定義文字を組み込むフォント名からエンコード名以降を除いた文字です。デフォルトは GothicBBB-MediumRyumin-Light です。

第 15 章 フォントの移行

この章では、すでに利用しているフォントの移行方法について説明します。

Solaris1.x SunView で使用していた evfont の再利用

JLE SunView システムで使用していた evfont フォントは、次の変換作業を順番に行うことにより、日本語 OpenWindows 3.6 上で使用可能になります。

  1. evfont から Adobe/MIT BDF 2.1 への変換

  2. Adobe/MIT BDF 2.1 から PCF フォントファイルへの変換

  3. フォントエイリアスの追加

  4. フォントセットの定義

evfont から Adobe/MIT BDF 2.1 への変換

まず、evftobdf(1) コマンドを使用して、いったん evfont を Adobe/MIT BDF 2.1 フォントファイル (拡張子 .bdf) に変換します。

sun% evftobdf jpn.gotm.12
jpn.gotm.12->jpn.gotm.12.j201.bdf
jpn.gotm.12->jpn.gotm.12.j208.bdf

1 つの evfont フォントファイルから 2 つの Adobe/MIT BDF 2.1 フォントファイルが出力されます。.j201.bdf の拡張子の付いたファイルは、 JIS X 0201 の文字集合のフォントを表し、.j208.bdf の拡張子の付いたファイルは、 JIS X 0208 の文字集合のフォントを表します。

Adobe/MIT BDF 2.1 から PCF フォントファイルへの変換

次に、OpenWindows 標準コマンドの bdftopcf(1) を使用して、Adobe/MIT BDF 2.1 フォントファイルをサーバーがアクセス可能な PCF フォントファイルへ変換します。

sun% /usr/openwin/bin/bdftopcf jpn.gotm.12.j208.bdf -o jpn.gotm.12.j208.pcf

sun% /usr/openwin/bin/bdftopcf jpn.gotm.12.j201.bdf -o jpn.gotm.12.j201.pcf

フォントエイリアスの追加

フォントファイルの変換が終了したあと、X11 ウィンドウシステムからアクセスするために、変換したフォントに対する XLFD フォント名のエイリアスを追加します。

フォントエイリアスの追加は、mkfontdir(1) コマンドを実行することにより、自動的に行うことができますが、そのためには前述の .bdf ファイルの FONT フィールドの XLFD の記述が適切である必要があります。XLFD 記述規約や設定値の詳細は、『X プロトコルリファレンス・マニュアル 0 巻』を参照してください。

sun% mkfontdir fontdir1

1. fontdir には、フォントが置かれているディレクトリを指定します。

なお、フォントディレクトリに font.alias ファイルを置くことにより、フォントのエイリアスとフォント名パターンの定義が可能となります。

gotm-12 -sun-gothic-medium-r-normal--12-120-75-75-c-120-japanese-0

フォントセットの定義

変換したフォントを、さらに日本語フォントセットとして DeskSet などの日本語 OpenWindows のアプリケーションから使用するには、日本語 OpenWindows のフォントセット定義ファイルに、エイリアスとして追加した XLFD フォント名の登録が必要です。フォントセット定義方法の詳細は、『XView Developer's Notes』を参照してください。

ここでは、例として、/usr/openwin/lib/locale/ja/OW_FONT_SETS/OpenWindows.fs に以下の行を追加します。なお、この作業終了後、OpenWindows を立ち上げ直す必要があります。

! sample definition
!
    gotm-12:alias,¥
       -sun-gothic-medium-r-normal--12-120-75-75-c-120-japanese-0

       -sun-gothic-medium-r-normal--12-120-75-75-c-120-japanese-0:definition,¥
       -sun-gothic-medium-r-normal--12-120-75-75-c-60-jisx0201.1976-0,¥
       -sun-gothic-medium-r-normal--12-120-75-75-c-120-jisx0208.1983-0

evfont から変換したフォントファイルは、上記の例の場合、次の方法で確認できます。

sun% xfd -fn gotm-12

Solaris 2.5.1 以前のシステムで作成したユーザー定義文字の移行

Solaris 2.5.1 以前の環境ですでにユーザー定義文字を登録している場合は、次の方法でその文字を移行し、既存のユーザー定義文字を再利用できます。

ここでは、ユーザー定義文字を含む既存のフォントファイルから $HOME/.Xlocale/$LANG/fonts/UDC ディレクトリにユーザー定義文字を抜き出し、Solaris 7 でサポートする環境へ移行する方法について説明します。

なお、環境変数 DTUDCFONTPATH が設定されている場合は、そのディレクトリを利用してください。

フォントエディタで作成したビットマップフォントを移行する場合

  1. sdtudc_extract を使用して、登録済みのユーザー定義文字を別フォントファイルに抜き出します。

    sdtudc_extract/usr/dt/config/locale/sdtudc_map にある変換テーブルを参照し、ユーザー定義文字のコードポイントを Solaris 7 のユーザー定義文字の領域内に移動しながら、別フォントファイルに抜き出します。

    sdtudc_map の形式は「変換前の領域」と「変換後の領域の先頭」で表現され、デフォルトでは次のように記述されます。

    a9a1,a9ff                    f5a1
    aaa1,aaff                    f6a1
    aba1,abff                    f7a1
    aca1,acff                    f8a1
    ada1,adff                    f9a1
    aea1,aeff                    faa1
    afa1,afff                    fba1

    上記の 1 行目では、指定したフォントファイル中の 0xa9a1 から 0xa9ff に登録されているユーザー定義文字を 0xf5a1 から始まるコードポイントに順番に割り付けながら抜き出すことを表しています。

    sun% sdtudc_extract gotm14.pcf > UDC14.bdf
    

    14 ドットのビットマップフォントの場合は、作成するフォントファイル名を UDC14.pcf にしてください。

  2. 抜き出したフォントファイルをユーザー定義文字の保存ディレクトリに移動してから、「Solaris 外字ツール」を起動し、新たにユーザー定義文字を登録します。

    sun% bdftopcf -o UDC14.pcf UDC14.bdf
    sun% mkdir -p $HOME/.Xlocale/$LANG/fonts/UDC/Bitmaps
    sun% mv UDC14.pcf $HOME/.Xlocale/$LANG/fonts/UDC/Bitmaps
    sun% /usr/dt/bin/sdtudctool
    

    また、ユーザー定義文字を使用して作成したテキストファイルがある場合は、次のように sdtudc_convert を使ってユーザー定義文字のコードポイントを移動します。

    sun% sdtudc_convert <テキストファイル> > <新しいテキストファイル>

    sdtudc_convert のソースファイルは、ディレクトリ$OPENWINHOME/share/src/locale/ja/fonts/sdtudc_convert.c にあります。

    詳細は、sdtudc_convert(1) のマニュアルページを参照してください。

フォントマネージャで作成したフォントを移行する場合

  1. sdtudc_extract_ps を使って、登録済みのユーザー定義文字を別フォントファイルに抜き出します。

    たとえば、フォントマネージャを使って作成した font.ps というフォントファイルからユーザー定義文字を移行するには、次のコマンドを実行します。

    sun% sdtudc_extract_ps font.ps
    UDC1.pfa
    UDC2.pfa
    UDC3.pfa
    :
    UDC10.pfa

  2. 抜き出したフォントファイルをユーザー定義文字の保存ディレクトリに移動してから、sdtudctool を起動し、新たなユーザー定義文字を登録します。

    sun% mkdir -p $HOME/.Xlocale/$LANG/fonts/UDC/Type1
    sun% mv UDC*.pfa $HOME/.Xlocale/$LANG/fonts/UDC/Type1
    sun% /usr/dt/bin/sdtudctool
    

フォントエディタで作成したビットマップフォントとフォントマネージャで作成したフォントをマージする場合

  1. フォントエディタで作成したビットマップフォントファイルとフォントマネージャで作成したフォントファイルからユーザー定義文字を抜き出します。

    sun% sdtudc_extract gotm14.pcf > UDC14.bdf
    sun% sdtudc_extract_ps font.ps
    UDC1.pfa
    UDC2.pfa
    UDC3.pfa
    :
    UDC10.pfa

  2. 「Solaris 外字ツール」を起動したときに参照するディレクトリに移動します。

    フォントエディタで作成したフォントファイルを優先する場合

    sun% mkdir -p $HOME/.Xlocale/$LANG/fonts/UDC/Bitmaps
    sun% mv UDC14.bdf $HOME/.Xlocale/$LANG/fonts/UDC/Bitmaps
    

    フォントマネージャで作成したフォントを優先する場合

    sun% mkdir -p $HOME/.Xlocale/$LANG/fonts/UDC/Type1
    sun% mv UDC*.pfa $HOME/.Xlocale/$LANG/fonts/UDC/Type1
    

  3. 「Solaris 外字ツール」を起動します。

  4. 参照表を開き、もう一方のフォントファイルを読み込みます。

    sun% /usr/dt/bin/sdtudctool
    

  5. 参照表から、必要なユーザー定義文字を一覧表にドラッグ&ドロップします。

  6. 「ファイル」->「保存」を選択し、ユーザー定義文字フォントファイルを作成します。

  7. 「ファイル」->「ユーザー定義文字」を選択し、ユーザー定義文字を読み込んでから新たに登録を開始します。