Solaris 7 ご使用にあたって (Intel 版)

第 5 章 実行時の注意事項とバグ情報

この章では、Solaris 7 Software CD に含まれている 『Solaris 7 オンラインリリース情報』の runtime_bugs ファイルを作成後に明らかになった、実行時のバグ情報と注意事項について説明します。オンラインリリース情報については、「オンラインリリース情報」を参照してください。

Solaris 全般に関する情報と、日本語環境に固有の情報とを分けて説明しています。「Solaris 7 実行時の注意事項とバグ情報」には、Solaris 7 全般に関する情報が記載されています。「Solaris 7 実行時の注意事項とバグ情報 (日本語環境固有)」には、日本語環境に固有の情報のみが記載されています。


注 -

この章に記載されている情報は、Solaris 7 Software CD に含まれている『Solaris 7 オンラインリリース情報』の runtime_bugs ファイルの内容を補足するものです。


Solaris 7 実行時の注意事項とバグ情報

この節では、Solaris 7 実行時の注意事項およびバグ情報について説明します。

Solaris CDE に関する注意事項とバグ情報

西暦 2000 年以降への日時変更

Solaris 7 および CDE は、西暦 2000 年に対応しています。システムの日時を変更するには、date コマンドを使用します。テストなどの目的で、システムの日時を 2000 年以降に変更する場合は、システムをいったん停止するかまたはシングルユーザーモードにシャットダウンした後、シングルユーザーモードで date コマンドを使用してください。日時の変更後は、システムをブートしてマルチユーザーモードで使用することができます。

IMAP サーバー側のメールボックスがファイルリストに表示されない (バグ ID:4140578)

メールボックス選択ダイアログで、ラジオボタンを「IMAP サーバ」に切り替えて「更新」ボタンをクリックしても、ファイルリスト中に IMAP サーバー側のメールボックス名が表示されずに、ローカルのメールボックス名が表示されます。

回避方法 : ファイルリストには表示されませんが、メールボックス名を入力すれば、IMAP サーバー側のメールボックスにアクセスできます。

メールボックス名の変更、メールボックスの削除ができない (バグ ID:4172448)

「メールボックス」メニューから「メールボックス名の変更」および「メールボックスの削除」を実行しても、次のようなエラーメッセーが表示されて処理が正しく行われません。


メールプログラムはメールボックス **** の名前を変更できません。

メールプログラムはメールボックス **** を削除できません。

回避方法 : 以下のようにして、コマンド行から直接メールボックスの削除またはメールボックス名の変更を行なってください。

セキュリティに関するバグ情報

ufsdump および ufsrestore におけるセキュリティが不完全 (バグ ID:4132365)

ufsdump(1M) および ufsrestore(1M) コマンドにおけるセキュリティが十分でないことがあります。このセキュリティ上の不備によって、すでにアクセスしたことがある Solaris システムには root としてアクセスすることができます。この問題を修正するために、次のパッチが提供されています。

上記のパッチを適用していない場合は、次の方法でも上記のセキュリティ上の問題を回避することができます。

回避方法 : chmod コマンドを使用して ufsdump および ufsrestore プログラムの set-uid ビットを削除すると、これらのプログラムのセキュリティ機能が修正されます。root になって次のようにコマンドを実行してください。


# chmod 0555  /usr/lib/fs/ufs/ufsdump /usr/lib/fs/ufs/ufsrestore
ufsdump および ufsrestore のいくつかの機能 (rmt(1M) プロトコルを使用しているネットワーク上のバックアップデバイスにアクセスするなど) について、 root ユーザーだけが使用できるようになります。

AnswerBook2 に関するバグ情報

root になっている場合、CDE のフロントパネルから AnswerBook2 を選択しても Netscape Communicator が起動されない (バグ ID:4176729)

Netscape Communicator 4.05 をインストールしたシステムに root でログインしている場合、CDE のフロントパネルで AnswerBook2 を選択しても Netscape Communicator が起動されません。

回避方法 : コマンド行で以下のように入力してから、AnswerBook2 を起動してください。


# xhost +

C 以外のロケールに関するバグ情報

C ロケール以外のロケールに関するバグ情報と注意事項について説明します。

アラビア語またはヘブライ語のロケールにおいて、admintool を使用してユーザーを追加または変更できない (バグ ID:4159527)

root としてアラビア語またはヘブライ語のロケールでログインした場合、admintool を使ってユーザーを追加または変更することができません。空白の「Add User」ウィンドウが表示されます。ユーザー情報を追加または変更するためのすべてのサブウィンドウでも、同様の問題が発生します。

回避方法 : 他のロケールでログインして、ユーザー情報を追加または変更してください。

Custom Arabic TrueType フォントを使用すると Intel XServer がクラッシュする (バグ ID:4161002)

アプリケーションがシステムフォントではなくカスタムフォントを使用している場合、x86 プラットフォームでは XServer がクラッシュすることがあります。この問題は、いくつかの文字において、そのフォントで可能な文字の高さを超えているために発生します。

回避方法 : そのカスタムフォントの文字の高さを低く設定してください。

アラビア語の 16 ビットプロポーショナルフォントの一部が切れてしまう (バグ ID:4167851)

Solaris 7 オペレーティング環境でアラビア語の 16 ビットプロポーショナルフォントを使用すると、スクリーン上で文字の一部が切れて表示されます。

回避方法 : モノスペースフォントを使用してください。

複雑なテキストレイアウト (CTL) の言語でデスクトップ上の静的なテキストが正しく表示されない (バグ ID:4170194)

静的なテキスト (アイコンのテキストやワークスペースパネルのテキストなど) が、複雑なテキストレイアウト (CTL、Complex Layout Text) の言語では正しく表示されません。このため、英語の静的なテキストをアラビア語やヘブライ語に翻訳した場合、それらのテキストが正しく表示されません。

デスクトップとして OpenWindows を利用できないロケールがある

以下のロケールでは、デスクトップオプションとして OpenWindows を利用できません。

表 5-1 OpenWindows がサポートされていないロケール

ロケール 

使用国名 

en_GB.ISO8859-15

イギリス 

de.ISO8859-15

ドイツ 

fr.ISO8859-15

フランス 

it.ISO8859-15

イタリア 

es.ISO8859-15

スペイン 

sv.ISO8859-15

スウェーデン 

da.ISO8859-15

デンマーク 

de_AT.ISO8859-15

オーストリア 

en_IE.ISO8859-15

アイルランド 

pt.ISO8859-15

ポルトガル 

nl_BE.ISO8859-15

ベルギー 

nl.ISO8859-15

オランダ 

fr_BE.ISO8859-15

ベルギー 

fi.ISO8859-15

フィンランド 

el_EURO

ギリシャ 

th

タイ 

th_TH

タイ 

he

イスラエル 

ar

エジプト 

de.UTF-8

ドイツ 

fr.UTF-8

フランス 

it.UTF-8

イタリア 

es.UTF-8

スペイン 

sv.UTF-8

スウェーデン 

en_EU.UTF-8

ヨーロッパ 

ja_JP.UTF-8

日本 

ja_JP.PCK

日本 

ko.UTF-8

韓国 

zh.GBK

中国 

zh_TW.BIG5

台湾 

ハードウェアに関するバグ情報

ncr: Intel N440BX のマザーボードにおいて、SCSI 処理が Wide と Narrow とで適合しない (バグ ID:4165916)

Wide SCSI (Small Computer System Interface) ターゲットが Symbios アダプタに接続されている場合に、ブートデバイスがそれらの Wide SCSI ターゲットのうちのいずれでもない場合、Solaris ドライバは Wide SCSI データ転送とうまくネゴシエーションを行うことができないので、デバイスが正常に動作しません。

回避方法 : Symbios BIOS 構成ユーティリティを使用して、アダプタのファームウェアを 8 ビットの Narrow モードに設定してください。

Solaris 7 実行時の注意事項とバグ情報 (日本語環境固有)

この節では、Solaris 7 Software CD に含まれている 『Solaris 7 オンラインリリース情報』の runtime_bugs ファイルを作成後に明らかになった、日本語環境における実行時の注意事項とバグ情報について説明します。

Solaris CDE に関するバグ情報

ja_JP.UTF-8 ロケールで、メールプログラムを使用中にオプションダイアログを開くと、 メールプログラムがコアダンプする (バグ ID: 4162284)

ja_JP.UTF-8 ロケールでメールプログラムを使用する場合、オプションダイアログを開こうとすると、メールプログラムがコアダンプすることがあります。

日本語 OpenWindows に関するバグ情報

メールツール : dtmail から送られた日本語テキストのアタッチメントを表示できない (バグ ID:4071688)

dtmail から通常の形式 (Internet MIME 形式) で送られたメールに日本語文字列を含むアタッチメントが含まれる場合、そのアタッチメントをメールツール上で表示させることができません。

回避方法 : 次のいずれかの手順にしたがってください。

日本語 OpenWindows 上でメニューから AnswerBook2 を起動できない (バグ ID:4177882)

日本語 OpenWindows 上で「ワークスペース」メニューから AnswerBook2 を選択しても、ブラウザが起動しません。

回避方法 : 次のいずれかの手順にしたがってください。

日本語ロケール・日本語入力に関する注意事項とバグ情報

PCK/UTF-8 ロケールに関する注意事項

ja_JP.PCK および ja_JP.UTF-8 ロケールは、ja (EUC) ロケールとほぼ同等な機能をサポートしていますが、OpenWindows 環境 (XView、OLIT) をサポートしていないなどのいくつかの制限事項があります。

Wnn6 の同時接続クライアント数

今回のリリースで提供される Wnn6 は、最大 3 つまでのクライアント (httuum など、Wnn6 のかな漢字変換サーバーである jserver に直接接続するプログラム) の同時接続をサポートします。

追加のクライアントライセンスは、別途購入することができます。詳細は、本製品のご購入先にお問い合わせください。

ATOK8 を Solaris CDE 上で使う際、カーソルキーを使用すると入力が反映されないことがある

ATOK8 を Solaris CDE 上で使う際、独立したカーソルキー (->、<-、↑、↓) を使用すると、カーソルキー入力の一部が脱落して ATOK8 の変換操作に反映されないことがあります。

回避方法 1 : テンキー上のカーソルキーを使用してください。

回避方法 2 : テキストエディタなどで、dtwmrc ($HOME/.dt/dtwmrc) の 198 行目以下に記述されている Key Bindings Description の Root のカーソルキーに関する エントリを、次のように "#" でコメントアウトして、ワークスペースマネージャ (dtwm) を再起動するか、ログインし直してください。


#    Down     root      f.circle_down
#    Up       root      f.circle_up
#    Right    root      f.next_workspace
#    Left     root      f.prev_workspace

注 -

この設定をした場合、独立したカーソルキーで上記の dtwm の機能は利用できなくなります。


Wnn6/Htt で学習をしないように設定している場合、Wnn6/Htt が正常に起動しないことがある (バグ ID: 4175003)

ユーザーが Wnn6/Htt で学習をしないように設定し、その後ユーザーの学習辞書などが削除された場合 (たとえばシステムの再インストールを行なった場合)、Wnn6/Htt が正常に起動せず、日本語入力を行えなくなることがあります。

回避方法 : Wnn6 設定ユーティリティで学習に関する設定を初期状態に戻してログインし直すか、Wnn6/Htt を再起動してください。その後、必要であれば学習に関する設定を行なってください。

Solaris 外字ツール (sdtudctool) に関するバグ情報

ja_JP.PCK および ja_JP.UTF-8 ロケールで jpostprint を利用してユーザー定義文字を印刷すると、印刷未登録文字を表す □ が印刷されてしまう (バグ ID:4177471)

回避方法 : 次のいずれかの手順にしたがってください。

ユーザー定義文字を読み込み、その一覧表を印刷した後に別のフォントファイルを読み込むと、コアダンプすることがある (バグ ID:4176705)

回避方法 : ユーザー定義文字の一覧表を印刷後に他のフォントファイルを読み込む場合は、sdtudctool を再起動してください。

インストールされているフォントを指定しても、参照表に表示できないフォントがある (バグ ID:4162315)

回避方法 : いったんフォントサイズを 14 に変更して表示してから、希望のサイズに変更してください。

アウトラインモードの編集で参照画面からコピーなどを行うと、ビットマップイメージが太くなる (バグ ID:4176763)

回避方法 : ありません。

24 ビットカラーを利用している環境では、参照画面上にイメージが正しく表示されない (バグ ID:4171690)

回避方法 : 8 ビットカラーを使用してください。

Solaris 2.6 で作成したユーザー定義文字ファイルが存在する場合、Solaris 7 で Solaris 外字ツールを起動できない (バグ ID:4178971)

Solaris 2.6 で作成したユーザー定義文字ファイルが存在する場合、Solaris 7 で Solaris 外字ツール sdtudctool を起動すると次のメッセージが表示され、「了解」ボタンをクリックすると外字ツールが終了してしまいます。


Can't migrate, because the number of bitmap or outline font files are invalid.

回避方法 : 以下の手順を実行してください。

  1. 既存のユーザー定義文字保存ディレクトリを、別ディレクトリに待避します。


    % cd ‾/.Xlocale/ja/fonts
    % mv UDC UDC-
    
  2. ログアウトし、再びログインします。

  3. Solaris 外字ツールを起動します。


    % sdtudctool
    
  4. ダミーのユーザー定義文字を 1 文字登録して保存し、外字ツールを終了します。

  5. 待避したディレクトリにある既存のユーザー定義文字フォントファイルを、新たにできたユーザー定義文字フォントファイルのディレクトリへコピーします。


    % cd ‾/.Xlocale/ja/fonts/UDC/Bitmaps
    % cp ../../UDC-/Bitmaps/*.pcf .
    % cd ‾/.Xlocale/ja/fonts/UDC/Type1
    % cp ../../UDC-/Type1/*.pfa .
    

ja 以外の日本語ロケールでユーザー定義文字を辞書に登録できない (バグ ID:4178952)

本来は sdtudctool の「ファイル」メニューから「辞書登録ツール...」を選択すると、sdtudc_register(1) が起動されてユーザー定義文字を辞書に登録することができますが、ja 以外の日本語ロケールではこの操作を行なっても辞書登録が正しく行われません。

回避方法 : ja ロケールで sdtudctool を起動して、辞書登録を行なってください。

コード体系が PCK の場合、一覧表の 11 ページ以降のコードポイントが正しくない (バグ ID:4178964)

一覧表の「表示」メニューの「コード」を PCK に切り換えた場合、11 ページ以降のコードポイントが正しく表示されません。

  一覧表での表示 正しいコードポイント
 11 ページの最初のコードポイント0xf0400xf540
 20 ページの最後のコードポイント0xf4fc0xf9fc

AnswerBook2 使用時の注意事項

HotJava は、処理によってはパフォーマンスが若干遅い場合があります。このため、結果が多く出ることが予想される検索を AnswerBook2 で行う場合は、HotJava よりも Netscape を利用して AnswerBook2 を参照することをお勧めします。

Netscape Communicator 4.05 に関する注意事項とバグ情報

Netscape Communicator のウィンドウタイトルが表示されないまたは文字化けする (バグ ID:4177944)

Netscape Communicator 4.05 は、どの日本語ロケールでログインしても、ja ロケールで起動され実行されます。LANG 環境変数を切り替えて起動する必要はありません。

ただし、ja ロケール以外の日本語ロケール (ja_JP.PCK または ja_JP.UTF-8) でログインして Netscape Communicator 4.05 を使用した場合、ウィンドウのタイトルが文字化けを起こしたり、表示されないことがあります。