『電源管理システムユーザーマニュアル』では、デスクトップコンピュータの消費電力を節約するための設定と操作の方法を説明します。電源管理システムは、Solaris のリリースで提供されます。システムの電源管理ソフトウェアは、サーバーコンピュータに対して使用することを目的としていません。ただし、本書で説明する手法は、サーバーコンピュータに接続されたディスプレイの電源管理には役立ちます。
本書では、Sun Microsystems(TM), Inc によって製造されたワークステーションで、電源管理機能を利用する方法を説明します。他の製造元によって提供されるハードウェアで Solaris を使用している場合は、それらの製品に関する情報を調べ、この電源管理システムソフトウェアがそれらのハードウェアに対して使用できるかどうかを確認してください。また、使用しているハードウェアの文書を調べ、本書のどの部分が使用しているハードウェアに当てはまるのかを確認してください (sun4m アーキテクチャーを使用しているマシンと sun4u アーキテクチャーを使用してるマシンの違いなどがあります) 。
Solaris 2.6 は、電源管理システムソフトウェアが Solaris オペレーティング環境の一部として提供された最初のリリースです。
本書は、SPARC ワークステーションの消費電力を節約するユーザーおよび管理者を対象としています。
本書で説明する機能は、Solaris が稼働している SPARC ワークステーションでのみ使用することができます。
このマニュアルは、以下の章と付録で構成されています。
この章では、消費電力を節約することの重要性と、電源管理システムの機能を使用して消費電力を節約する方法の概要を説明します。
モニターが使用されていないときに、ソフトウェア機能を使用してモニターの電源を切る方法を説明します。
デスクトップシステムが使用されていないときに、自動的に電源を切り、使用する際に自動的に電源を入れるように設定する方法を説明します。この機能は、dtpower によって実現されます。この章では、保存停止・復元再開機能の追加的な使用方法を説明します。保存停止・復元再開機能は、電源を切断した時点でのシステムの状態を記録し、再び電源を投入したときに元の状態を復元する機能です。
この付録では、pmconfig コマンドと power.confファイルを使用して、電源管理システムの機能を設定する方法を説明します。また、power.conf ファイルを編集してアイドル状態の定義を変更する方法も説明します。
この付録では、電源管理システムソフトウェアのさまざまな問題や、エラーメッセージに対処する方法を説明します。
サンの特定のハードウェア製品に対する電源管理機能については、この Solaris リリースの『SPARC ハードウェアマニュアル』を参照してください。
SPARCstation(TM) Voyager(TM)システムを使用している場合は、そのハードウェア用の特別な電源管理機能が使用できます。それらの機能の詳細は、『Platform Notes: SPARCstation Voyager Software Guide』を参照してください。
電源管理機能を使用する製品の開発者は、『Writing Device Drivers』を参照してください。
このマニュアルで使用する書体と記号について説明します。
表 P-1 このマニュアルで使用している書体と記号
字体または記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コーディング例。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% You have mail. |
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して表します。 |
system% su password: |
AaBbCc123 |
コマン行の可変部分。実際の名前または実際の値と置き換えてください。 |
rm filename と入力します。 |
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『SPARCstorage Array ユーザーマニュアル』 |
「 」 |
参照する章、節、または強調する単語を示します。 |
第 6 章「データの管理」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
% |
UNIX の C シェルのプロント。 |
system% |
$ |
UNIX の Bourne シェルとKorn シェルのプロンプト。 |
system$ |
# |
スーパーユーザーのプロンプト ( シェルの種類を問わな問わない)。 |
system# |
¥ |
枠で囲まれたコーディング例で、テキストがページ行幅をこえる場合、バックスラッシュは継続を示します。 |
grep `^#define ¥ XV_VERSION_STRING' |