電源管理システムソフトウェアは、システムの省電力化に役立ちます。
電源管理システムは、システムの消費電力を削減します。消費電力の削減は次の 2 つのレベルによって実現されます。
ディスプレイモニターの消費電力を削減します。
保存停止・復元再開機能によって、システムの電源を完全に切断し、電源が再投入されると直ちに元の状態に復元します。
ワークステーションによっては、米国環境保護局 (EPA) の省電力 (Energy Star) ガイドラインを満たすためにこのソフトウェアが必要な場合もあります。
Energy Star パートナーであるサンは、梱包箱または製品自身に Energy Star の記号が表示してある自社のハードウェア製品は Energy Star の省電力ガイドラインに準拠したものと定めています。
ユーザーが指定した時間、キーボードまたはマウスが使用されないとディスプレイの電源が切断され、ディスプレイを再び見る際に電源が投入されるように設定することができます。詳細は、第 2 章「ディスプレイの電源管理」を参照してください。
Energy Star のロゴが表示してあるモニターは、電源管理システムソフトウェアによって、より効果的に制御することができます。
システムを使用していないときにシステム全体の電源を切断し、再び電源を投入したときに元の作業状態に戻すことができます。停止と起動は自動的に行うか、操作によって行うことができます。設定する方法については、第 3 章「システムの電源管理」を参照してください。
ハードウェアの種類、またはシステムが省電力機能による中断を許さない用途で使用されている場合は、システムの電源管理を行わないでください。電源管理システムを使用するかどうかについては、第 3 章「システムの電源管理」を参照してください。
dtpower は、電源管理システムのグラフィカルユーザーインタフェースです。dtpower を使用することによって、システムを停止するまでのアイドル時間を指定することができます。また、1 日の時間の中で自動停止機能が有効になる時刻を設定することもできます。たとえば、通常の勤務時間後のみこの自動停止機能を有効にすることができます。
sun4u アーキテクチャーのワークステーションでは、自動停止を行った後で、dtpower の自動立ち上がり機能を使用して、1 日の中の特定の時刻にシステムの電源を投入することもできます。
保存停止・復元再開機能は、電源管理システムソフトウェアの作業時間を短縮するための機能で、現在の作業の状態を失わずにシステムの電源の切断・投入を行うことができます。システムの電源を切断する時にワークスペースやファイルが保存され、電源を再投入した時に同じ状態が復元されます。
たとえば、文書の編集中に作業を中断する際に、保存停止機能を使用してシステムの電源を切断すると、作業状態が自動的に保存されます。その後で、システムの電源を再び投入すると、復元再開機能によって、元の作業状態が復元されます。
電源管理システムソフトウェアは、ワークステーションの自動停止機能または自動立ち上がり機能を実行する際に、保存停止・復元再開機能を自動的に使用します。また、キーボードからの操作によって、停止や再開を即時に実行することができます。
ほとんどすべての SPARC ハードウェアで、電源管理システムソフトウェアの機能を使用することができます。ただし、いくつかの機能は特定の種類のハードウェアのみで機能します。電源の状態のデフォルト設定のいくつかは、システムによって異なります。
ここでは、使用しているハードウェアが対応している電源管理機能と、このリリースの Solaris をそのハードウェアで最初に使用する際に適用されるデフォルト設定を調べる方法を説明します。
本書で解説する電源管理機能は、SPARC プラットフォーム用 Solaris のこのリリースでのみ提供されます。
表 1-1 で示すように、ワークステーションで提供される電源管理機能は、SPARC アーキテクチャーによって異なります。
表 1-1 SPARC アーキテクチャーSPARC アーキテクチャー | ディスプレイの電源管理 | 保存停止・復元再開 | ソフトウェアによる停止 | 自動立ち上がり |
---|---|---|---|---|
sun4c | 可 | 不可 | 不可 | 不可 |
sun4d | 可 | 不可 | 不可 | 不可 |
sun4m | 可 | 可 | 可 | 不可 |
sun4u | 可 | 可 | 可 | 可 |
SPARCstation Voyager は、sun4m アーキテクチャーのシステムですが、『Platform Notes: SPARCstation Voyager Software Guide』で説明する特別な電源管理機能を持っています。
モニターの一部のモデルは、画面を消す機能を備えていますが、他の一部のモデルでは、電源管理ソフトウェアによる省電力モードにすることができます。
電源管理機能のデフォルトの動作は、この節で説明するようにシステムによって異なります。
自動停止 - sun4m アーキテクチャーのシステムではデフォルトでオフになっています。sun4u アーキテクチャーのシステムではデフォルトでオンになっています。
ディスプレイの電源管理 - OpenWindows(TM) デスクトップではデフォルトでオフになっています。CDE デスクトップではデフォルトでオンになっています。
使用している サンのハードウェアが本書で説明されていない場合は、このリリースの Solaris の『SPARC ハードウェアマニュアル』を参照してください。使用しているハードウェアでの電源管理機能に関する追加情報が含まれている場合があります。