Solaris 7 インストールライブラリ (Intel 版)

第 1 章 インストールの手順

この章では、Solaris オペレーティング環境のインストール計画とインストール方法について説明します。


注 -

Solaris は、システムにすでにインストールされている場合があります。 詳細は、ご使用のハードウェアマニュアルを参照してください。


インストールの計画
  1. これから説明する手順がインストールするシステムに該当するかどうかを確認します。

    Solaris のインストールに使用する装置 

    参照先 

    使用するシステムに接続されたローカル CD-ROM ドライブ 

    手順 2 

    ネットワーク上のリモート CD-ROM ドライブ 

    Solaris のインストール (上級編)

  2. 前のバージョンの Solaris がシステムにインストールされているかどうかを確認します。

  3. 使用するハードウェアがサポートされているかどうかを確認します。

    Solaris 7 (Intel Platform Edition) Hardware Compatibility List』を参照してください。

  4. システムの既存のオペレーティングシステムのデータを保存するかどうかを確認します。

    x86 ベースの多くのシステムには、ディスク全体を使用するオペレーティングシステムがあらかじめインストールされています。既存のオペレーティングシステムが Solaris オペレーティング環境と同じディスク上で共存するには、次のことを行う必要があります。

    • 既存のオペレーティングシステムとユーザーデータのバックアップを取ります。

    • Solaris オペレーティング環境をインストールする場合は、両方のオペレーティング環境用の fdisk パーティションを作成します。

    • Solaris オペレーティング環境のインストールを終えたら、Solaris 以外の fdisk パーティションにファイルを復元します。

    詳しい手順については、第 5 章「既存のオペレーティングシステムとユーザーデータの保存」を参照してください。

  5. 使用するシステムがネットワークに接続されている場合は、システム情報を収集します。

    次の表を参考にして、インストール中に入力が求められる可能性のあるシステム情報を収集してください。ここでシステム情報を収集しておくと、後で行うインストールの時間が節約できます。

    • 前のバージョンの Solaris がシステムにインストールされている場合は、表に示すコマンドを使用してシステム情報を収集することができます。

    • 今回初めて Solaris をインストールする場合は、システム管理者またはネットワークの担当者におたずねください。

    必要なネットワーク情報 

    例  

    情報収集に使用するコマンド 

    システムの名前 (ホスト名) 

    crater

    uname -u

    プライマリネットワークインタフェース 

    le0

    /usr/sbin/ifconfig -a

    IP アドレス 

    129.221.2.1

    ypmatch system_name host または

    nismatch system_name hosts.org_dir

    ドメイン名 

    chandy.West.Arp.COM

    /usr/bin/domainname

    サブネットの一部かどうか 

    Yes

    /etc/netmasks に既存のサブネットが設定されているかどうかを確認

    ネットマスク 

    255.255.255.0

    more /etc/netmasks

  6. ディスク容量を検討します。

    Solaris をインストールする前に、必要なディスク容量を決定します。次の点を考慮してください。

    • Solaris ソフトウェアグループ

      ソフトウェアグループに必要な容量の推奨値については、次の表を参照してください。

    • 同梱のソフトウェア

      必要なディスク容量の見積りについては、同梱のソフトウェアのマニュアルを参照してください。また、Admintool を実行して Solaris システムにソフトウェアを追加する場合、「ソフトウェアの追加」画面にパッケージサイズの見積りが表示されます。Admintool を使用してシステムにソフトウェアを追加する方法については、第 8 章「インストール後のソフトウェアの追加と削除」を参照してください。

    • ベンダーまたは Sun 以外のソフトウェア

      ベンダーまたは Sun 以外のソフトウェアのマニュアルを参照してください。

    • ホームディレクトリのディスク容量

      ホームディレクトリには、メール、テキストファイルやデータファイル、またはアプリケーションファイルなどのユーザーファイルを保存できます。

    表 1-1 にソフトウェアグループと合計サイズを示します (単位: M バイト)。

    表 1-1 ソフトウェアグループと合計サイズ
     ソフトウェアグループ ja PCK UTF-8 すべて
     全体ディストリビューション 781 778 786 823
     開発者システムサポート 723 720 728 765
     エンドユーザーシステムサポート 417 415 421 442


    注 -

    スワップ空間は、ディスク容量の推奨値に含まれていません。通常、実メモリーと同じ容量が確保されますが、実メモリーとの合計が 128M バイト以上になるように確保してください。

    上記の表の値は、ファイルシステムを //usr にパーティション分割した場合 (自動配置によるデフォルト) に必要となる推奨値を、ja (EUC)、ja_JP.PCK、ja_JP.UTF-8、それら 3 ロケールすべて、の順でインストールする日本語ロケール別に示しています。


    Solaris のインストール
    1. インストール方法を決定します。

      インストール方法 

      できること 

      できないこと 

      Solaris Web Start 

      • 1 つのブラウザツールを使用して、製品に含まれるすべてのソフトウェア (Solaris オペレーティング環境と同梱ソフトウェア) を一度にインストールすることができる

      • デフォルトオプションを使用して全ソフトウェアをインストールすることも、カスタマイズオプションを使用して一部のソフトウェアだけをインストールすることもできる

      • Solaris の以前のバージョンからのアップグレードはできない

      • インストールするソフトウェアパッケージの選択/選択解除など、最低レベルでのカスタマイズはできない

      • システムメモリーが 64M バイトより少ないシステムでは使用できない [英語表示で実行する場合には、48M バイト以上で実行可能です。]

      • ブートディスクが 2G バイトより少ないシステムでは使用できない [これは、Solaris Web Start の実行に必要なサイズです。選択された製品をインストールするのに必要なディスク容量があるかどうかは、Solaris Web Start が判断します。]

      olaris 対話式インストールプログラムと他の製品のインストールプログラム 

      • Solaris をインストールしてから、同梱のソフトウェアを別途インストールすることができる

      • Solaris の以前のバージョンからアップグレードすることができる

      • インストールするソフトウェアパッケージの選択/選択解除など、最低レベルのカスタマイズを行うことができる

      • Solaris オペレーティング環境用に指定された最小限のハードウェア要件を満たすシステム上にインストールすることができる

      • 1 つのツールを使用して、製品に含まれるすべてのソフトウェア (Solaris オペレーティング環境と同梱ソフトウェア) を一度にインストールすることはできない

       

    2. システムのフロッピーディスクドライブ (A:) に Configuration Assistant (構成用補助) フロッピーディスクを挿入します。

    3. システムの CD-ROM ドライブに Solaris CD を挿入します。

    4. システムをブートする準備をします。

      • 電源が入っていない場合、システムコンポーネントの電源を入れます。

      • 電源が入っている場合、Solaris オペレーティング環境が実行されている場合は、次のコマンドを入力します。

        $ su root

        # init 0

        プロンプトが表示されたら、任意のキーを押してシステムをリブートしてください。システムがシャットダウンしている場合は、リセットボタンを押して再起動します。

      システムの電源を入れると、診断プログラム (Configuration Assistant (構成用補助) とする) が実行されます。システムに追加されているハードウェアの間でデバイスの衝突がないかどうかが調べられ、衝突がある場合は、解決するよう求められます

    5. ローカル CD-ROM ドライブの CD からシステムをブートします。


      Boot Solaris
       
      Select one of the identified devices to boot Solaris.
       
      > To make a selection, use the arrow keys, then press Enter to mark it [X]. 
       
       
        Boot Solaris               
        --------------------------------------------------------------------          
        [ ]  NET : Xircom Pocket Ethernet parallel port card
                   Port: 3BC-3BF; IRQ: 7
        [ ]  CD  : IDE(ATA) IBM-H2344-A4
                   Target: 0; Port 1F0-1F7, 3F6-3F7; IRQ: 14  
    6. インストール方法として「Solaris Interactive」 (対話式) または「Solaris Web Start」を選択します。

      「Custom JumpStart」は選択しないでください。これは、前もってインストールを自動化するための設定が必要となる高度なインストール方法です。このインストール方法については、『Solaris のインストール (上級編)』を参照してください。


      Select the type of installation you want to perform:
       
               1 Solaris Interactive
               2 Custom JumpStart
               3 Solaris Web Start
       
      Enter the number of your choice followed by the <ENTER> key.
       
      If you enter anything else, or if you wait for 30 seconds,
      an interactive installation will be started.

      以降の作業で問題が発生した場合は、第 7 章「インストール時の問題解決」を参照してください。

    7. 画面に表示される指示に従って作業し、Solaris オペレーティング環境をインストールします。

      ここで、Solaris インストールプログラムを使用することになります。Solaris インストールプログラムは、Solaris オペレーティング環境のインストール手順を案内する対話式プログラムです。疑問点に答えるオンラインヘルプも用意されています。

    8. 他のソフトウェアをインストールするかどうかを決めます。