Solaris 7 インストールライブラリ (Intel 版)

第 5 章 既存のオペレーティングシステムとユーザーデータの保存

x86 ベースのシステムには、MS-DOS、Microsoft Windows、Windows NT、OS/2 などの UNIX 以外のオペレーティングシステムや、他のベンダーの UNIX がすでにインストールされている場合がほとんどです。すでにインストールされているオペレーティングシステムは通常、システムのディスク全体 (1 つの fdisk パーティション) を使用していて、その中には、失いたくないデータも含まれています。その fdisk パーティションに Solaris オペレーティング環境をインストールすると、既存のオペレーティングシステムとそれに関連するユーザーデータを上書きしてしまいます。既存のオペレーティングシステムをシステムに残し、Solaris オペレーティング環境と共存させたい場合は、複数の fdisk パーティションをディスクに作成する必要があります。

この章では、1 台のディスクシステム上にある既存のデータを保存して、既存のオペレーティングシステム (MS-DOS など) を Solaris オペレーティングシステムと共存させる手順を説明します。

既存のオペレーティングシステムとユーザーデータを保存するには
  1. 既存のオペレーティングシステムが Solaris オペレーティング環境と共存できることを確認します。

    共存により発生する可能性がある問題について通知されていないか、かならず既存のオペレーティングシステムのマニュアルを確認してください。

    Linux オペレーティングシステムの場合には、すでに知られている問題が 1 つあります。Solaris の fdisk パーティションは Linux のスワップパーティションと同じであるため、 Solaris ソフトウェアをインストールする前に、Linux のスワップパーティションを削除する必要があります。手順については、Linux のマニュアルを参照してください。

  2. 既存のオペレーティングシステムが入っている媒体 (CD-ROM やフロッピーディスク) があることを確認します。

    インストール済みのシステムの中には、オペレーティングシステムを再インストールするための媒体が標準で付属していないものもあります。ベンダーが提供するツールを使用して、オペレーティングシステムのコピーを媒体に作成してください。

  3. バックアッププログラムを使用して、既存のオペレーティングシステムのカスタマイズデータとユーザーデータをバックアップします。

  4. 第 1 章「インストールの手順」に説明されている手順を使用して、Solaris インストールプログラムを起動します。

  5. プロンプトが表示されたら、「Solaris Interactive Installation」オプションを選択します。

    「Solaris Web Start」オプションは選択しないでください。このオプションでは、fdisk パーティションを作成できません。

  6. Solaris 用の fdisk パーティションと、既存のオペレーティングシステム用の fdisk パーティションを作成します。

    既存のオペレーティングシステムがディスク全体を使用しているため、Solaris fdisk パーティションを手作業で作成するか、あるいは自動で作成するかを選択します。

  7. インストール時にプロンプトが表示されたら、「Manual Reboot (手動リブート)」を選択します。

  8. Solaris がインストールされたあと、コマンド行からシステムを停止します。

  9. 上記の既存のオペレーティングシステムの媒体を使用して、システムをリブートします。

  10. Solaris 以外の fdisk パーティションが「Other」の場合、そのオペレーティングシステムの fdisk ユーティリティを使用して、fdisk パーティションに新しい名前を付けます。

  11. 当該オペレーティングシステムのインストールソフトウェアを使用して、Solaris 以外の fdisk パーティションにそのオペレーティングシステムを再インストールします。


    注 -

    MS-DOS ユーザーのみ - MS-DOS セットアッププログラムは、MS-DOS パーティションがフォーマットされていないことを認識して、フォーマットするかどうかを尋ねるプロンプトを表示します。セットアッププログラムがディスク全体をフォーマットするようなメッセージが表示されますが、実際には MS-DOS の fdisk パーティションだけをフォーマットして、Solaris の fdisk パーティションには何もしません。


  12. バックアップしたデータを Solaris 以外の fdisk パーティションに復元します。

    オペレーティングシステムの復元プログラムを使用して、バックアップしたファイルを復元します。

  13. システムをリブートして、Solaris オペレーティング環境をアクティブなパーティションに変更します。

    以降、システムをリブートするたびに Solaris オペレーティング環境を自動的に起動させるようにするには、Solaris の fdisk パーティションをアクティブなパーティションにする必要があります。このためには、リブート後に「Boot Solaris」画面の指示に従ってください。