Solaris 7 インストールライブラリ (SPARC 版)

第 1 章 インストールの手順

この章では、Solaris オペレーティング環境のインストール計画とインストール方法について説明します。


注 -

Solaris は、システムにすでにインストールされている場合があります。 詳細は、ご使用のハードウェアマニュアルを参照してください。


インストールの計画
  1. これから説明する手順がインストールするシステムに該当するかどうかを確認します。

    Solaris のインストールに使用する装置 

    参照先 

    使用するシステムに接続されたローカル CD-ROM ドライブ 

    手順 2 

    ネットワーク上のリモート CD-ROM ドライブ 

    Solaris のインストール (上級編)

  2. 前のバージョンの Solaris がシステムにインストールされているかどうかを確認します。

  3. 使用するハードウェアがサポートされているかどうかを確認します。

    SPARC ハードウェアマニュアル』を参照してください。

  4. 使用するシステムがネットワークに接続されている場合は、システム情報を収集します。

    次の表を参考にして、インストール中に入力が求められる可能性のあるシステム情報を収集してください。ここでシステム情報を収集しておくと、後で行うインストールの時間が節約できます。

    • 前のバージョンの Solaris がシステムにインストールされている場合は、表に示すコマンドを使用してシステム情報を収集することができます。

    • 今回初めて Solaris をインストールする場合は、システム管理者またはネットワークの担当者におたずねください。

    必要なネットワーク情報 

    例  

    情報収集に使用するコマンド 

    システムの名前 (ホスト名) 

    crater

    uname -u

    プライマリネットワークインタフェース 

    le0

    /usr/sbin/ifconfig -a

    IP アドレス 

    129.221.2.1

    ypmatch system_name host または

    nismatch system_name hosts.org_dir

    ドメイン名 

    chandy.West.Arp.COM

    /usr/bin/domainname

    サブネットの一部かどうか 

    Yes

    /etc/netmasks に既存のサブネットが設定されているかどうかを確認

    ネットマスク 

    255.255.255.0

    more /etc/netmasks

  5. ディスク容量を検討します。

    Solaris をインストールする前に、必要なディスク容量を決定します。次の点を考慮してください。

    • Solaris ソフトウェアグループ

      ソフトウェアグループに必要な容量の推奨値については、次の表を参照してください。

    • 同梱のソフトウェア

      必要なディスク容量の見積りについては、同梱のソフトウェアのマニュアルを参照してください。また、Admintool を実行して Solaris システムにソフトウェアを追加する場合、「ソフトウェアの追加」画面にパッケージサイズの見積りが表示されます。Admintool を使用してシステムにソフトウェアを追加する方法については、第 7 章「インストール後のソフトウェアの追加と削除」を参照してください。

    • ベンダーまたは Sun 以外のソフトウェア

      ベンダーまたは Sun 以外のソフトウェアのマニュアルを参照してください。

    • ホームディレクトリのディスク容量

      ホームディレクトリには、メール、テキストファイルやデータファイル、またはアプリケーションファイルなどのユーザーファイルを保存できます。

    表 1-1 にソフトウェアグループと合計サイズを示します (単位: M バイト)。

    表 1-1 ソフトウェアグループと合計サイズ
       32 ビット (sun4m)       64 ビット (sun4u)
     ソフトウェアグループ ja PCK UTF-8 すべて ja PCK UTF-8 すべて
     全体ディストリビューションと OEM サポート 928 920 928 972 991 983 990 1034
     全体ディストリビューション 886 877 885 928 973 964 972 1016
     開発者システムサポート 817 809 817 859 903 894 902 945
     エンドユーザシステムサポート 405 398 404 430 574 567 574 600


    注 -

    スワップ空間は、ディスク容量の推奨値に含まれていません。通常、実メモリーと同じ容量が確保されますが、実メモリーとの合計が 128M バイト以上になるように確保してください。

    上記の表の値は、ファイルシステムを //usr にパーティション分割した場合 (自動配置によるデフォルト) に必要となる推奨値を、ja (EUC)、ja_JP.PCK、ja_JP.UTF-8、それら 3 ロケールすべて、の順でインストールする日本語ロケール別に示しています。


Solaris のインストール
  1. インストール方法を決定します。

    インストール方法 

    できること 

    できないこと 

    Solaris Web StartTM

    • 1 つのブラウザツールを使用して、製品に含まれるすべてのソフトウェア (Solaris オペレーティング環境と同梱ソフトウェア) を一度にインストールすることができる

    • デフォルトオプションを使用して全ソフトウェアをインストールすることも、カスタマイズオプションを使用して一部のソフトウェアだけをインストールすることもできる

    • グラフィックカードが搭載されていないシステム (ヘッドレスシステム) にインストールすることができる。ブラウザを使用して、ヘッドレスシステムに別のシステムからネットワーク上でアクセスできる必要がある

    • Solaris の以前のバージョンからのアップグレードはできない

    • インストールするソフトウェアパッケージの選択/選択解除など、最低レベルでのカスタマイズはできない

    • システムメモリーが 64M バイトより少ないシステムでは使用できない [英語表示で実行する場合には、48M バイト以上で実行可能です。]

    • ブートディスクが 2G バイトより少ないシステムでは使用できない [これは、Solaris Web Start の実行に必要なサイズです。選択された製品をインストールするのに必要なディスク容量があるかどうかは、Solaris Web Start が判断します。]

    Solaris 対話式インストールプログラムと他の製品のインストールプログラム 

    • Solaris をインストールしてから、同梱ソフトウェアを別途インストールすることができる

    • Solaris の以前のバージョンからアップグレードすることができる

    • インストールするソフトウェアパッケージの選択/選択解除など、最低レベルのカスタマイズを行うことができる

    • グラフィックカードが搭載されていないシステム (ヘッドレスシステム) にインストールすることができる

    • Solaris オペレーティング環境用に指定された最小限のハードウェア要件を満たすシステム上にインストールすることができる

    • 1 つのツールを使用して、製品に含まれるすべてのソフトウェア (Solaris オペレーティング環境と同梱ソフトウェア) を一度にインストールすることはできない

  2. システムの CD-ROM ドライブに Solaris CD を挿入します。

    トレイ式 CD-ROM ドライブの場合 

    キャディ式 CD-ROM ドライブの場合 

    1. ドライブの正面パネルの取り出しボタンを押します。トレイが出てきます。

      Graphic
    2. ロゴ面を上にして、Solaris CD をトレイ上に置きます。

    3. トレイを押して、CD-ROM ドライブに戻します。

    1. キャディの角をつかみながら中央の蓋を持ち上げて、キャディを開きます。

      Graphic
    2. ロゴ面を上にして、Solaris CD をキャディに挿入して、閉じます。

      Graphic
    3. キャディの矢印が CD-ROM ドライブ方向に向くようにして、CD-ROM ドライブにキャディを挿入します。

      Graphic

  3. Solaris CD からシステムをブートします。

    既存システムの有無 

    インストール方法 

    必要な操作 

    なし (新規インストール) 

    Solaris Web Start または Solaris 対話式インストールプログラム 

    システムの電源を入れて、画面に表示される指示に従って作業します。 

    あり 

    Solaris Web Start 

    ok プロンプトを表示させて、次を入力します。

    boot cdrom - browser


    注 -

    ハイフンの前後に必ず空白文字を挿入してください。


     

    Solaris 対話式インストールプログラム 

    ok プロンプトを表示させて、次を入力します。

    boot cdrom


    注 -

    古い SPARCTM システムでは、次のブートコマンドを使用してください。 boot sd(0,6,2)


    以降の作業で問題が発生した場合は、「インストール時の問題解決」の章を参照してください。

  4. ブート作業が終了するのを待ちます。

    boot コマンドを入力すると、システムがブート作業に入り、ハードウェアとシステムコンポーネントが検査されます。このブート作業には数分かかり、その間、画面に次のようなメッセージが表示されます。

    Type b (boot), c (continue), or n (new command mode)
    >n
    Type help for more information
    ok boot cdrom
    Booting from: sd(0,6,5)
    SunOS Release x.x Version [UNIX(R) System V Release]
    Copyright (c), Sun Microsystems, Inc.
    Configuring devices
    Starting the desktop...

  5. 画面に表示される指示に従って作業し、Solaris をインストールします。

    ここで、Solaris インストールプログラムを使用することになります。Solaris インストールプログラムは、Solaris のインストール手順を案内する対話式プログラムです。疑問点に答えるオンラインヘルプも用意されています。

  6. 他のソフトウェアをインストールするかどうかを決めます。