ユーザーが URL を知らなくても文書サーバーを見つけられるようにするには、FNS を使って文書サーバー名を登録します。
FNS コマンドの理解度
fnbind などの標準 FNS コマンドに詳しい場合は、これらのコマンドを使用して文書サーバーを登録できます。ただし、登録プロセスを簡略化するために、/usr/lib/ab2/bin/ab2regsvr コマンドで各文書サーバーの登録を自動的に実行できます。詳細については、「ab2regsvr コマンドによる文書サーバーの登録」と 「標準的な FNS コマンドによる文書サーバーの登録」を参照してください。
使用しているネームサービス
NIS+ (ネットワーク情報サービスプラス) は、Solaris 2.6 オペレーティング環境およびその互換バージョンで使用される基本のネームサービスです。各システムが NIS+ を使用していて、管理特権を持っている場合は、NIS+ マスターシステムまたは NIS+ クライアントシステムのどちらかにログインしているときに、文書サーバーを登録できます。
NIS (ネットワーク情報サービス) は、SunOS 4.x (Solaris 1.x) 環境の標準ネームサービスです。各システムが NIS を使用している場合は、NIS マスターシステムにスーパーユーザーとしてログインすると、文書サーバーを登録できます。
AnswerBook2 製品は、ファイルシステム定義のネーミングシステム (ファイル) でも動作します。これらのファイルは、ディレクトリ /var/fn/ に保存されます。この場合、文書サーバーを登録するには、システムへスーパーユーザーとしてログインする必要があり、文書サーバーの登録されたマシン上でのみ登録内容が適用されます。他のマシンは、ファイルシステム機構で登録された文書サーバーを表示することはできません。
文書サーバーを登録するには、ab2regsvr コマンドを使います。ab2regsvr コマンドを実行すると、システムの構成が検査され、使用中のネーミングサービスに応じて適切な文書サーバー用のネームスペースが設定されます。
文書サーバーを登録するには、次のコマンドを使います。
# /usr/lib/ab2/bin/ab2regsvr server_url |
この場合、server_url は、この文書サーバーにアクセスするための完全修飾 URL です (たとえば、http://imaserver.eng.sun.com:8888/)。
ab2regsvr コマンドでは、次のオプションも使用できます。
登録された AnswerBook2 サーバーの URL を表示する場合
% /usr/lib/ab2/bin/ab2regsvr -1 |
登録されたサーバーをリストから削除する場合
# /usr/lib/ab2/bin/ab2regsvr -d |
現在登録されている AnswerBook2 サーバーの URL を変更する場合
# /usr/lib/ab2/bin/ab2regsvr -r server_url |
ここで、server_url は、この文書サーバーにアクセスするための新しい URL を示します (たとえば、http://aserver.eng.sun.com:8888/)。これは、指定された URL で既存の URL を置換します。
ab2regsvr コマンドの詳細は、ab2regsvr(1M) のマニュアルページを参照してください。
FNS コマンドを使用して文書サーバーを登録するとき、すでに FNS が各場所にインストールされている場合は、次のコマンドを使用して、指定の URL を各組織 (ドメイン) の文書サーバーとして登録します。
# fnbind -r thisorgunit/server/answerbook2 onc_answerbook2 ¥ onc_addr_answerbook2 server_url |
ここで、server_url は、このサーバーにアクセスするための完全指定 URL を示します (たとえば、http://imaserver.eng.sun.com:8888/)。
インストール方法を含む FNS の詳細は、FNS のマニュアルを参照してください。
% fnlookup -v thisorgunit/service/answerbook2 |
次のように登録されている文書サーバーリストが表示されます。
Reference type: onc_answerbook2 Address type: onc_addr_answerbook2 length: 19 data: 0x68 0x74 0x74 0x70 0x3a 0x2f 0x2f 0x61 0x6e 0x73 http://ans 0x77 0x65 0x72 0x73 0x3a 0x38 0x38 0x38 0x38 wers:8888 |
この例で、登録されている文書サーバーは http://answers:8888/ です。
次のような応答が表示される場合は、FNS で登録されている文書サーバーはありません。
Lookup of 'thisorgunit/service/answerbook2' failed: ¥ Name Not Found: 'answerbook2' |
インストール方法を含む FNS の詳細は、FNS のマニュアルを参照してください。
上記のネームサービスを使って文書サーバーを検索する代わりに、環境変数 AB2_DEFAULTSERVER を使ってデフォルトの文書サーバーを定義できます。たとえば、.cshrc ファイルに次の行を挿入できます。
setenv AB2_DEFAULTSERVER http://imaserver.eng.sun.com:8888 |
環境変数を定義していない場合は、デスクトップから AnswerBook2 を起動すると、システム上で文書サーバーが動作しているかどうかが確認されます。動作している場合は、http://localhost:port を使用して AnswerBook2 ブラウザが起動します。port のデフォルト値は 8888 です。
環境変数を定義しておらず、現在のシステムが文書サーバーではない場合は、デスクトップから AnswerBook2 製品を起動すると、fnlookup thisorgunit/service/answerbook2 コマンドが実行されて、使用可能な文書サーバーが検索されます。次に、検出されたサーバーのうちいずれかが選択され、URL にその文書サーバー名を使用して AnswerBook2 ブラウザが起動します。