本書『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』は、Solaris システム管理に関する情報を提供する、2 巻構成のマニュアルの 第 1 巻です。本書は、SPARCTM および x86 の両プラットフォームにおけるシステム管理について解説しています。また、SolsticeTM AdminSuiteTM ツールを使用してシステム管理作業を行う方法についても説明してます。
このマニュアルでは、システム管理者である読者が SunOS 5.7 オペレーティングシステムと Solstice AdminSuite をすでにインストールしていて、ネットワークソフトウェアの設定を終了していることを想定しています。SunOS 5.7オペレーティングシステムは、多くのユーティリティと OpenWindowsTM バージョン 3 を含む Solaris 7 製品の一部です。また、SunOS 5.7 は、AT&T System V リリース 4 オペレーティングシステムに準拠しています。
システム管理に関する Solaris 7 の新機能については、各章の新機能に関する節を参照してください。
このマニュアルは、Solaris 7 システムの管理者を対象にしています。このマニュアルを読むには、UNIX のシステム管理について 1 〜 2 年の経験が必要です。また、コンピュータサイエンスの学位またはそれに相当する知識があれば役立ちます。
このマニュアルは、システム管理作業の内容ごとに分類されたパートに分かれています。各パートでは概要と作業手順を説明しています。
概要は各パートのはじめの章で紹介され、その後の章で各作業手順を説明しています。また、各手順の説明の後には、その作業が正しく実行されたか確認する方法と、その作業を行う具体的な例が含まれています。
このマニュアルを AnswerBook2TM ビューアで表示している場合、本文中の下線部分 (クロスリファレンス) をクリックすると、AnswerBook2 コレクションの参照情報をすぐに表示できます。元の表示に戻るには、ブラウザの「Back」ボタンをクリックします。
SunDocsTM プログラムでは、米国 Sun MicrosystemsTM, Inc. (以降、SunTM とします) の 250 冊以上のマニュアルを扱っています。このプログラムを利用して、マニュアルのセットまたは個々のマニュアルをご注文いただけます。
マニュアルのリストと注文方法については、米国 SunExpressTM, Inc. のインターネットホームページ http://www.sun.com/sunexpress にあるカタログセクションを参照してください。
このマニュアルでは、SPARC システムと x86 システムの両方についてシステム管理情報を記載しています。特に断りがなければ、このマニュアルの説明はすべて両システムに適用されます。表 P-1 に SPARC と x86 のシステム管理作業の違いを要約します。
表 P-1 SPARC と x86 のシステム管理作業の違い
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P-2 表記上の規則|
字体または記号 |
意味 |
例 |
|---|---|---|
|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、またはコード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
|
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力とは区別して示します。 |
system% su password: |
|
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
|
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
|
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、または強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
|
¥ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を越える場合、バックスラッシュは継続を示します。 |
sun% grep `^#define ¥ XV_VERSION_STRING' |
ただし AnswerBook2TM では、ユーザーが入力する文字と画面上のコンピュータ出力は区別して表示されません。
コード例は次のように表示されます。
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の場合、filename は省略してもよいことを示します。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。
このマニュアルでは、英語環境での画面イメージを使っています。このため、実際に日本語環境で表示される画面イメージとこのマニュアルで使っている画面イメージが異なる場合があります。本文中で画面イメージを説明する場合には、日本語のメニュー、ボタン名などの項目名と英語の項目名が適宜、併記されています。
「x86」という用語は、一般に Intel 8086 ファミリに属するマイクロプロセッサを意味します。これには、Pentium、Pentium Pro の各プロセッサ、および AMD と Cyrix が提供する互換マイクロプロセッサチップが含まれます。このマニュアルでは、このプラットフォームのアーキテクチャ全体を指すときに「x86」という用語を使用し、製品名では「Intel 版」という表記で統一しています。
このマニュアル中の手順を実行したり、例 (コマンド入力、コードなど) を使用する場合には、二重引用符 (")、左一重引用符 (`)、右一重引用符 (') をそれぞれ間違えないように注意してください。
このマニュアル中で「Return キー」と表記しているキーは、キーボードによっては「Enter キー」という名前になっていることがあります。
/sbin、/usr/sbin、/usr/bin、/etc ディレクトリにあるコマンドについては、このマニュアルでは絶対パス名で表記していない場合があります。
このマニュアル中の例は、SunOS 5.7 ソフトウェアが標準的にインストールされていることを前提としています。つまり、バイナリ互換パッケージがインストールされていることや /usr/ucb が検索パスに設定されていることは、前提としていません。
/usr/ucb を検索パスに設定する場合は、パスの一番最後に追加してください。ps コマンドや df コマンドなどは、SunOS 5.7 コマンドと /usr/ucb コマンドとで形式やオプションがそれぞれ異なります。