Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

パッケージをサーバーに追加する方法

  1. サーバーにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. サーバーに、そのディスクレスクライアントと AutoClient システムに必要な OS サービスがあることを確認します。

    ホストマネージャを使用して、サーバーで使用可能な OS サービスを確認します。OS サービスを追加したい場合は、ホストマネージャの「サービス追加」機能を使用して追加を行うことができます。詳細については、第 4 章「サーバーとクライアントサポートの管理の手順」を参照してください。

  3. サーバーと、ディスクレスまたは AutoClient システムが同じバージョンの Solaris であるか、ハードウェアプラットフォームが同じかどうかによって、次の手順を決定します。

    ディスクレスまたは AutoClient システムと、サーバーの状態 

    手順 

    同じ Solaris のリリースと同じハードウェアアーキテクチャ 

    この手順は使用しないこと。代わりに、「スタンドアロンシステムにパッケージを追加する方法」の手順を使用する。

     

    Solaris のリリースが異なるか、またはハードウェアプラットフォームが異なる (たとえば、Solaris 7 ディスクレスクライアントの Solaris 2.5 サーバー、または SPARC ディスクレスクライアントの x86 サーバー) 

    手順 4 に進む。

  4. デフォルト管理ファイルのコピーを作成します。


    # cp /var/sadm/install/admin/default /var/sadm/install/admin/admin-file
    
  5. 新しい管理ファイルを編集して、basedir キーワードを設定します。

    テキストエディタを使用して新しい管理ファイルを編集し、basedir キーワードを、クライアントをサポートする OS サービスへの正しいパスに設定します。

       basedir=/export/exec/Solaris_2.7_platform.all/usr

    Solaris_2.7

    Solaris バージョン番号を示す。たとえば、Solaris_2.7 など。

    platform

    クライアントのハードウェアアーキテクチャーを示す。たとえば、Solaris_2.7_i386.allSolaris_2.7_sparc.all などにおける i386sparc など。

  6. ソフトウェアパッケージをサーバーに追加します。

    管理ファイルは、パッケージを、クライアントに適した /usr ファイルシステムにインストールするように指定します。


    # pkgadd -a admin-file -d device-name pkgid... 

    -a admin-file

    (省略可能) pkgadd がインストール時に参照する管理ファイルを指定する。デフォルトにより、pkgadd は、/var/sadm/install/admin ディレクトリを調べて、指定の管理管理ファイルを探す。絶対パスを管理ファイルに指定することもできる。

    -d device-name

    ソフトウェアパッケージの絶対パスを指定する。device-name は、デバイス、ディレクトリ、またはスプールディレクトリのいずれかへのパスにすることができる。パッケージのあるパスを指定しないと、pkgadd はデフォルトのスプールディレクトリ (/var/spool/pkg) をチェックする。パッケージがそこにない場合、パッケージのインストールは失敗する。

    pkgid

    (省略可能) インストールされる 1 つまたは複数のパッケージの名前を空白で区切って示す。この引数を省略すると、pkgadd は、使用可能なすべてのパッケージを表示する。

    パッケージのインストール中に pkgadd コマンドに問題が起こると、その問題に関連するメッセージに続いて、次のプロンプトが表示されます。


    Do you want to continue with this installation?

    このプロンプトには、yesno、または quit のいずれかで応答します。複数のパッケージが指定されている場合は、no と入力して、インストール中のパッケージのインストールを中止してください。pkgadd は、他のパッケージのインストールを続けます。インストールを中止するには、quit と入力してください。

  7. パッケージが正常にインストールされたことを確認するには、pkginfo コマンドを使用します。


    # pkginfo pkgid*
    

    pkginfo コマンドは、インストールされているパッケージのすべてについて表示します。通常、pkgadd は、すでにインストールされたパッケージと重複するバージョンを、pkgid.1pkgid.2 としてインストールします。

  8. pkgchk コマンドを使用して、パッケージが正常にインストールされていることを確認します。


    # pkgchk -v pkgid
    

    pkgchk は、指定されたパッケージにエラーがないと判断した場合は、インストールされたファイルのリストを返します。そうでない場合は、エラーについて報告します。

例 - マウントされた CD からソフトウェアをインストールする

次の例では、/usr ファイルシステムにファイルをインストールする架空のパッケージである SUNWtoolu をインストールするコマンドを示しています。このパッケージは、デフォルトにより /cdrom/cdrom0 にマウントされた、マウント済み製品 CD にあるものと想定してください。pkgadd コマンドは、new-basedir という名前の管理ファイルを使用して、パッケージの新しいインストール用ディレクトリを指定します。この例は、pkgchk を使用して、パッケージファイルが正しくインストールされたかどうかを確認する方法も示しています。


# pkgadd -a new-basedir /cdrom/cdrom0 SUNWtoolu
	.
	.
	.
Installation of <SUNWtoolu> complete.
# pkgchk -v SUNWtoolu
/usr
/usr/bin
/usr/bin/toolconvert
/usr/bin/toolplay
/usr/bin/toolrecord