インストール全般に関する、日本語環境に固有の注意事項について説明します。
Solaris 2.5.1 オペレーティング環境のシステム上に Solaris Web Stasrt 2.0 インストールプログラム (installer) を使用して、Netscape Communicator 4.5 をインストールする場合には、必ず /cdrom/ja_netscape/Patches/i386/Sol_2.5.1 に含まれる 3 つのパッチをインストールしてから、Solaris Web Start 2.0 を実行してください。
また、Solaris 2.5.1 システム上にインストールしたパッケージを削除するには、 pkgrm コマンドを使用してください。
Wnn6、ATOK8、cs00 が日本語入力システムとして利用できます。これらは Solaris 7 Software CD に含まれており、「エンドユーザシステムサポート」以上のソフトウェアグループでデフォルトでインストールされます。
環境ファイルを特に設定していない場合のデフォルトの日本語入力システムは、Wnn6 です。Wnn6 がインストールされていない場合は、ATOK8 がデフォルトとなります。
現在使用している日本語入力システムを他の入力システムに切り替える場合は、ワークスペースメニュー (OpenWindows 環境の場合は「ワークスペース」=>「ユーティリティ」) の「日本語入力システムの切替」から利用したい日本語入力システムを選択し、ウィンドウシステムを再起動してください。また、直接コマンド行から wnn6setup、atok8setup、または cs00setup と入力して、設定を切り替えることもできます。この場合もウィンドウシステムを再起動してください。
使用しない入力システムは、インストール時に「ソフトウェアのカスタマイズ」画面でそのクラスタ (またはパッケージ) の選択を解除することによって、インストールしないようにできます。たとえば、cs00 を使用しない場合は「Japanese Input System - cs00」の選択を解除します。
ただし、アップグレードインストールの場合に、これまで使用していた ATOK8 または cs00 の選択を解除すると、システム上からその入力システムをサポートするシステムファイルも削除されてしまいます。このため、単語を追加登録したシステム辞書などの保存しておきたいファイルがある場合は、アップグレード前にファイルを保存するか、あるいはアップグレードインストール時に、使用しない日本語入力システムを含めてインストールし、アップグレードインストール後に必要なファイルを保存した後に、pkgrm コマンドでそのパッケージを削除してください。
Solaris 2.6 から、cs00 は「コアシステムサポート」ソフトウェアグループには含まれなくなりました。Solaris 2.5.1 以前の「コアシステムサポート」でインストールされたシステムをアップグレードすると、システム上から cs00 をサポートするシステムファイルが削除されますので注意してください。
cs00 を利用する場合は、「エンドユーザシステムサポート」以上のソフトウェアグループを選択するか、インストール時に「Japanese Input System - cs00」クラスタを追加選択するか、インストール後に pkgadd コマンドにより次のパッケージをインストールしてください。
SUNWjc0r : Japanese Kana-Kanji Conversion Server cs00 Root File
SUNWjc0u : Japanese Kana-Kanji Conversion Server cs00 User Files
SUNWjc0w : Japanese cs00 user dictionary maintenance tool for OPEN LOOK
SUNWjc0d : Japanese cs00 user dictionary maintenance tool for CDE Motif
なお、かな漢字入力機能を持たない漢字表示可能な端末および端末エミュレータ上で日本語を入力するためのフロントエンドプロセッサ mle を利用する際にも、cs00 が必要になります。
Solaris 7 のデフォルトのキーボードは、US-English タイプになっているため、構成用補助ブートフロッピーディスクの「Identified Devices」画面で以下のように表示されます。
ISA: System keyboard (US-English) |
日本語 106/109 キーボードを使用している場合は、F4-Device Tasks を選択し、「Set Keyboard Configuration」で「Japanese (106)」を選んでください。このとき、次のような指示が表示されます。F2-Continue を押して「101 形式」を選んでください。
To select the Windows 104-key keyboard format, choose Continue. To select the default 101-key keyboard format, choose Cancel. |
設定後は、「Identified Device」画面で、次のように表示されます。
ISA: System keyboard (Japanese(106)) |
日本語 109 キーボードで追加された Windows キーは Solaris 7 では使用できません。日本語 109 キーボード上では日本語 106 キーボードと同じ機能が利用可能です。
日本語 106/109 キーボードを使用しているシステムの場合、Configuration Assistant で Japanese (106) を選択しないでインストールを行うと、Solaris のブート時に、周辺デバイスの設定不備の可能性を示唆する次のメッセージが表示されます。
The peripheral device configuration may be incomplete or incorrect... |
この場合、Japanese (106) として再度設定し直してください。次回のブート以降はこのメッセージは表示されなくなります。
日本語タイプ 5 キーボードは OpenBootTM PROM のバージョンによっては、モニタレベルで、タイプ 4 キーボードとして動作します。そのため、モニタレベルでは、一部キーボード上の印字と実際の入力が異なります。次の表を参照してください。また、その他の注意事項は、U.S.タイプ 5 キーボードと同じです。『Sun タイプ 5 キーボードプロダクトノート』を参照してください。
表 1-5 日本語キーボード上の印字と実際の入力文字 (SPARC)
日本語タイプ 5 キーボード上の印字 |
実際の入力文字 |
---|---|
" |
@ |
& |
^ |
` |
& |
( |
* |
) |
( |
Shift-0 |
) |
= |
_ |
‾ |
+ |
^ |
= |
¥ |
¥ |
@ |
[ |
` |
{ |
[ |
] |
{ |
} |
+ |
: |
: |
` |
* |
" |
] |
` |
} |
‾ |
_ |
LF |
¥ |
LF |
Solaris 7 をインストールする前に日本語 106 キーボードを利用すると、一部キーボード上の印字と実際の入力が異なります。次の表を参照してください。
表 1-6 日本語キーボード上の印字と実際の入力文字 (x86)
OADG 規格の日本語キーボード上の印字 |
実際の入力文字 |
---|---|
" |
@ |
& |
^ |
` |
& |
( |
* |
) |
( |
Shift-0 |
) |
= |
_ |
‾ |
+ |
^ |
= |
¥ |
割り当てなし |
| |
割り当てなし |
@ |
[ |
` |
{ |
[ |
] |
{ |
} |
+ |
: |
: |
` |
* |
" |
] |
¥ |
} |
| |
_ |
割り当てなし |
¥ |
割り当てなし |
半角 / 全角 |
‾ |
Shift-半角 / 全角 |
` |
同梱されている CD をその CD に含まれている Solaris Web Start 2.0 (installer) を使用して日本語ロケール (日本語表示) でインストールしている時に、スワップ容量が不足したためにインストールが失敗することがあります。この場合、コンソールにエラーメッセージが表示されますが、そのエラーメッセージが次のように文字化けします。
RunCmd Error:java.io.IOException: ???????????????????? |
回避方法: 同梱されている CD に含まれている Solaris Web Start 2.0 は、実行時におよそ 50M バイトのメモリーを消費します。Solaris Web Start 2.0 を使用してインストールする場合は、swap -s コマンドなどで空きスワップ容量を確認し、不足している場合は、メモリーの消費量が多いアプリケーションを終了するか、あるいはスワップファイルを作成してスワップ領域を追加してください。詳細は swap(1M) のマニュアルページを参照してください。
選択したデフォルトロケールに関係なく、install_log、upgrade_log などの Solaris のインストールログファイルは、EUC (ja ロケール) テキストとして生成されてしまいます。なお、同梱のソフトウェアを Solaris Web Start でインストールした場合に生成されるログファイル bundled_install_log は、デフォルトロケールで選択した文字エンコーディングのテキストで生成されます。
回避方法: コードコンバータで変換して参照するか、たとえばテキストエディタなどの GUI ツールを ja ロケールで起動して参照してください。