Solaris 7 のシステム管理 (追補)

改良されたシステムブートとエラーメッセージ形式

この機能は、Solaris 7 - 3/99 ソフトウェアリリースで追加されたものです。

この情報は、『Solaris のシステム管理 (第 2 巻)』の「システムのメッセージの表示」と、『Solaris 移行ガイド』にあるシステムブートとエラーメッセージに関する追加説明です。

Solaris 7 - 3/99 リリースではシステムブートとエラーメッセージ形式が改良され、syslog ロギング機能が生成するメッセージに、数値による識別子、モジュール名、およびタイムスタンプが追加されるようになりました。さらに、システムのパニックやリブートの後に以前は失われていたメッセージが、保存されるようになりました。

新しいメッセージ形式を有効または無効にするには、log.conf ファイルで msgid プロパティを設定します。新しいメッセージ形式はデフォルトでは有効になっていません。新しいメッセージ形式の詳細は、log(7D) のマニュアルページと次の手順を参照してください。

システムエラーロギングの一般情報については、『Solaris のシステム管理 (第 2 巻)』を参照してください。

システムブートとエラーメッセージ形式の変更

log.conf ファイルで msgid が 0 に設定されている場合は、メッセージ形式に変更はありません。msgid が 1 に設定されている場合は、メッセージ形式に次の 2 つの変更があります。

  1. メッセージテキストの前に、次のようなメッセージ ID が付きます。


    [ID  msgid facility.priority]

    たとえば、次のようになります。


    [ID 123456 kern.notice]

    msgid 識別子については、msgid(1M) のマニュアルページを参照してください。facility 識別子と priority 識別子については、syslog.conf(4) のマニュアルページを参照してください。

  2. メッセージの原因がカーネルにある場合は、「unix」だけではなく、カーネルモジュール名が表示されます。

    以前のメッセージ形式は、次のようになっていました。


    Oct 1 14:07:24 mars unix: alloc: /: file system full

    新しいメッセージ形式では、次のようになります。


    Oct 1 14:07:24 mars ufs: [ID 845546 kern.notice] alloc: /: file system full

システムメッセージ ID を有効にするには

  1. スーパーユーザーになります。

  2. システムメッセージ ID を有効にするには、/platform/`uname -i`/kernel/drv/log.conf ファイルに次の行を追加します。このファイルがない場合は、/kernel/drv/log.conf ファイルに msgid プロパティを追加します。


    msgid=1
  3. ファイルを保存して閉じます。

  4. 次のコマンドでシステムをリブートします。


    # init 6
    

    注 -

    システムをリブートせずにシステムメッセージ ID を有効にするには、次の adb コマンドを使用します。


    # echo log_msgid/W1 | adb -kw
    

システムメッセージ ID を無効にするには

  1. スーパーユーザーになります。

  2. システムメッセージ ID を無効にするには、/platform/`uname -i`/kernel/drv/log.conf ファイルの msgid 行を次のように変更します。このファイルがない場合は、/kernel/drv/log.conf ファイルの msgid プロパティを変更します。


    msgid=0
  3. ファイルを保存して閉じます。

  4. 次のコマンドでシステムをリブートします。


    # init 6
    

    注 -

    システムをリブートせずにシステムメッセージ ID を無効にするには、次の adb コマンドを使用します。


    # echo log_msgid/W0 | adb -kw