Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.1 2005Q2 管理ガイド

Sun Java System Application Server について

Application Server とは

Application Server は、エンタープライズアプリケーションの開発、配備、および管理のための堅牢な J2EE プラットフォームを提供します。主な機能に、トランザクション管理、パフォーマンス、スケーラビリティー、セキュリティー、および統合があります。Application Server は、Web パブリッシングから企業規模のトランザクション処理までを幅広くサポートします。一方、開発者は Application Server を利用して、JavaServer Pages (JSPTM)、Java サーブレット、および Enterprise JavaBeansTM (EJBTM) テクノロジをベースにしたアプリケーションを構築できます。

Application Server Enterprise Edition は、高度なクラスタリング技術とフェイルオーバー技術を提供します。これらの機能により、スケーラブルで高い可用性を備えた J2EE アプリケーションを実行できます。

Application Server のアーキテクチャー

ここでは、図 1–1 に示す Application Server のハイレベルアーキテクチャーについて説明します。

図 1–1 Application Server のアーキテクチャー

図は、コンテナ、サービス、ツール、およびデータベースなどの外部システムとの通信を含むハイレベルアーキテクチャーを示している。

外部システムへのアクセス

J2EE プラットフォームでは、アプリケーションが Application Server の外部にあるシステムにアクセスできます。アプリケーションは、リソースと呼ばれるオブジェクトを介してこれらのシステムにアクセスします。管理者はリソース設定を行う必要があります。J2EE プラットフォームでは、次の API およびコンポーネントを介して外部システムにアクセスできます。

管理用ツール

管理コンソール

管理コンソールは、ナビゲートしやすいインタフェースとオンラインヘルプを装備したブラウザベースのツールです。このマニュアルでは、管理コンソールの使用手順を順を追って説明します。管理コンソールを使用するには、管理サーバーが稼動している必要があります。

Application Server をインストールするときに、サーバーのポート番号を選択します。選択しなかった場合は、デフォルトポートの 4849 が使用されます。また、ユーザー名とマスターパスワードも指定します。

管理コンソールを起動するには、Web ブラウザで次のように入力します。


https://hostname:port

次に例を示します。


https://kindness.sun.com:4849

管理コンソールを Application Server がインストールされたマシンで実行する場合は、ホスト名として localhost を指定します。

Windows で、「スタート」メニューから「Application Server 管理コンソール」を起動します。

インストールプログラムにより、domain1 という名前のデフォルト管理ドメインがデフォルトポート番号 4849 で生成されます。また、ドメイン管理サーバー (DAS) とは分離したインスタンスも作成されます。インストール後は、管理ドメインを作成して追加できます。各ドメインは、一意のポート番号を持ったドメイン管理サーバーをそれぞれ持っています。管理コンソールの URL を指定する場合は、管理するドメインのポート番号を使用してください。

設定にリモートサーバーインスタンスが含まれる場合は、ノードエージェントを作成してリモートサーバーインスタンスを容易に管理できるようにします。サーバーインスタンスの作成、起動、停止、および削除は、ノードエージェントの役割です。ノードエージェントを設定するには、コマンド行インタフェース (CLI) のコマンドを使用します。

asadmin ユーティリティー

asadmin ユーティリティーは、コマンド行ツールです。asadmin ユーティリティーと、このユーティリティーに関連するコマンドを使用して、管理コンソールで実行可能な一連の同じタスクを実行します。たとえば、ドメインの起動と停止、サーバーの設定、アプリケーションの配備などを実行します。

シェルのコマンドプロンプトからこれらのコマンドを使用するか、または別のスクリプトやプログラムからこれらのコマンドを呼び出します。これらのコマンドを使用して、定型管理タスクを自動化します。

asadmin ユーティリティーを起動するには、次のように入力します。


$ asadmin

asadmin 内で使用可能なコマンドを一覧表示するには、次のように入力します。


asadmin> help

シェルのコマンドプロンプトで、asadmin コマンドを次のように実行することもできます。


$ asadmin help

コマンドの構文と例を表示するには、help のあとにコマンド名を入力します。次に例を示します。


asadmin> help create-jdbc-resource

指定したコマンドの asadmin help 情報が、コマンドの UNIX マニュアルページに表示されます。これらのマニュアルページは HTML 形式でも利用できます。

Application Server Management Extension (AMX)

Application Server Management Extension は、すべての Application Server 設定を表示する API であり、AMX インタフェースを実装する、使いやすいクライアント側の動的なプロキシとして JMX 管理対象 Beans を監視しています。

Application Server Management Extension の使用についての詳細は、『Application Server 開発者ガイド』の JMX に関する章を参照してください。