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Sun ONE Application Server 7, Enterprise Edition インストールガイド

第 6 章
トラブルシューティング

この章では、Sun ONE Application Server 7, Enterprise Edition ソフトウェアのインストール時に発生する可能性がある一般的な問題の解決方法について説明します。

ここでは次の項目について説明します。


ログとメッセージについて

インストールプログラムとアンインストールプログラムは、両方ともログファイルを作成し、これらのファイルにインストールとアンインストールのすべてのイベントを記録します。これらのログファイルの主な目的は、トラブルシューティングの情報を提供することです。

インストールプログラムのメッセージおよびログファイルに加え、Solaris の pkginfoshowrev を使用してシステム情報を収集することができます。

ログファイルのエントリには、試行されたアクション、アクションの結果、および可能な場合は失敗の原因に関する情報が含まれています。ログファイルには、次のようなメッセージのエントリが含まれています。

Sun ONE Application Server のエラーメッセージすべてのリストは、『Sun ONE Application Server エラーメッセージリファレンス』の Enterprise Edition を参照してください。

トラブルシューティングには、次の Application Server のログが役立ちます。


J2SE インストールとアップグレードの問題

インストールプログラムは、次の要件が満たされているときのみ、J2SE インストールをアップグレードします。

  1. 次の Solaris J2SE パッケージは、インストールを実行するマシン上にある
    • SUNWj3rt
    • SUNWj3dev
    • SUNWj3man
    • SUNWj3dmo
    • これは、これらのパッケージで pkginfo -i -l コマンドを実行することによって確認します。


      インストールプログラムは、パッケージベースの J2SE インストールのみをアップグレードし、ファイルベースの J2SE インストールはアップグレードしません。


  2. Solaris J2SE パッケージのバージョンが、バージョン 1.3 以上、バージョン 1.4.1_03 未満である
  3. /usr/j2se (デフォルト) インストールを実行するユーザーがディレクトリに書き込むことができる

次のようなエラーが、インストール中に J2SE をアップグレートしようとしたときに発生する可能性があります。

J2SE バージョンの互換性がない --- アップグレードできない

この種のエラーが表示される場合は、上記の 1 番目か 2 番目の要件が満たされていません。

解決法

J2SE パッケージまたはバージョンの問題を解決するには、Solaris パッケージを修復するか、pkgrm コマンドを使用して Solaris パッケージを完全に削除 (ほかのアプリケーションプログラムによって使用されていない場合のみ) します。

パッケージを削除する場合は、そのあと、「Java Configuration」パネルで「Install Java 2 SDK (1.4.1_03)」オプションを選択して、インストールプログラムを使用する J2SE コンポーネントをインストールできます。

インストールログファイルによって報告される J2SE のインストールの失敗

この種のエラーが表示される場合は、上記の 3 番目の要件が満たされていません。

解決法

/usr/j2se ディレクトリが読み取り専用ではないことを確認します。


ユーザー名またはパスワードを忘れた

インストール時に指定した管理ユーザー名を思い出せない場合は、次の順序で解決を試みてください。

  1. ユーザー名 admin を入力します。これは、インストール時のサーバー設定ダイアログボックスで指定されるデフォルトのユーザー名です。
  2. うまくいかない場合は、次のファイルを調べます。
  3. domain_config_dir/domain1/admin-server/config/admpw

    このファイルには、管理者のユーザー名と暗号化された管理パスワードが含まれています。ユーザー名を見て思い出すこともあります。

  4. うまくいかない場合は、管理ドメインを削除し、新しいパスワードで管理ドメインを作成し直します。
  5. 最後の手段として、Sun ONE Application Server をアンインストールしてから再インストールします。


管理サーバーのポート番号を忘れた

管理サーバーの HTTP サーバーポート番号を思い出せない場合は、管理サーバーの設定ファイルを確認します。

  1. domain_config_dir/domain1/admin-server/config/ に移動し、テキストエディタで server.xml ファイルを開きます。
  2. 次の項目を確認します。
  3. http-listener id="http-listener-1" address="0.0.0.0" port="4848"...

    この例では、ポート 4848 が使用されている HTTP ポート番号です。


管理インタフェースへの接続が拒否される

グラフィカル管理インタフェースを呼び出そうとして接続が拒否される場合は、管理サーバーが稼動中でない可能性があります。管理サーバーが稼動していない理由を調べるには、管理サーバーのログファイルが役立ちます。

管理サーバーをコマンド行から起動します。手順については、「サーバーの起動と停止」を参照してください。


サーバーが起動せず、CGI エラーが発生する

Sun ONE Application Server が起動しない場合、次のようなエラーメッセージが表示されることがあります。

システムのリソースを追加する必要があります。解決方法については、次の節で説明します。

ファイル記述子の制限を設定する

ulimit コマンドを使って、使用可能なファイル記述子の数を決定できます。システムの使用可能なファイル記述子の数に制限を課すこともできます。ulimit コマンドを実行すると、現在のシェルとその子孫で使用可能な数の制限が表示されます。

sh シェルの場合、ulimit -a コマンドで現在のリソース制限を一覧表示できます。ulimit -n コマンドでは、最大ファイル記述子数に 1 を加えた値が表示されます。

Solaris の場合カーネルパラメータを変更する

Solaris では、/etc/system ファイルに次のエントリを追加することにより、システムリソースを増設できます。

新しいカーネルパラメータを有効にするには、システムを再起動する必要があります。

シェルリソースの設定が完了したあと、Sun ONE Application Server を起動します。


アンインストール失敗後のクリーンアップ

アンインストールが失敗した場合は、新しくインストールを行う前に、残ったファイルやプロセスをクリーンアップする必要があります。

  1. root としてログインします。
  2. インストールディレクトリに移動し、/var/sadm/install/productregistry ファイルの内容を調べてインストール済みのパッケージを確認します。つまり、SUNW という文字列を持つファイルです。
  3. cat /var/sadm/install/productregistry | grep SUNW

  4. 製品のレジストリファイル内で見つかった SUNW パッケージに対して、pkgrm を実行します。次に例を示します。
  5. pkgrm SUNWasaco

  6. 次のファイルがあれば削除します。
  7. /tmp/setupSDKNative

    /tmp/SolarisNativeToolkit_3.0_1

  8. パッケージの削除が完了したら、Sun ONE Application Server 固有の製品のレジストリファイルから手動で削除します。
  9. rm /var/sadm/install/productregistry

  10. コマンド行に次のコマンドを入力して、稼動中の appservd プロセスをすべて見つけて強制終了します。
  11. ps -ef | grep appservd
    kill -9
    PID

  12. Sun ONE Application Server インストールディレクトリに格納されているすべてのファイルを削除します。
  13. 次のログファイルが存在する場合は、削除します。
  14. /var/sadm/install/logs/Sun_ONE_Application_Server_install.log

    このファイルが存在すると、インストールを繰り返すたびにログ情報がこのファイルに追加されるため、削除しておく必要があります。



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