Capacity on Demand システムで使用する各プロセッサーには、ライセンス (または使用権) が必要となります。Sun Enterprise 10000 用 Capacity on Demand システムは、注文時に指定したライセンス (使用権) 数に応じたライセンスキーを含む 1 つ、または複数のライセンス証明書付きで出荷されます。また、ライセンスキーはサンからの電子メールに添付ファイルとして配布されることもあります。なお、導入時のライセンスキーは、出荷前に Capacity on Demand システムのライセンスファイル中に登録してあります。
Capacity on Demand システムとともに出荷されたライセンス認証には、システムにインストール済みのシリアル番号とライセンスキーが記載されています。万が一、ディスクの障害やその他の理由で Capacity on Demand ライセンスファイルを再作成する必要が生じたにもかかわらず、ライセンスファイルを含む SSP 環境のバックアップファイルがない場合 (SSP 環境のバックアップについては、 ssp_backup(1M) のマニュアルページを参照してください)、ライセンスキーを含む電子メールの添付ファイルが必要となります。また、ライセンス証明書の下段にリストされたライセンスキーをテキストエディタなどで入力すれば、ライセンスファイルを作成することも可能です。
現在ライセンスのないプロセッサーも使用したい場合は、購入先を通じてライセンスキーを追加できます。詳細は次の「ライセンスキーの入手」を参照してください。ライセンスキーを購入後にライセンスを追加する際は (ライセンスのインストール方法については、「ライセンスキーのインストール」を参照してください)、追加する各ライセンスキーに応じて、ライセンスファイルに 1 行追加してください。
Capacity on Demand システムは、各ボード毎にライセンスを積み重ねていく階層式になっています。ある階層のライセンスを購入してインストールする前に、その前の階層の全ライセンスを購入する必要があります。
Capacity on Demand システムのプロセッサーのライセンスキーの入手については、購入先にお問い合わせください。注文の際には、Sun Enterprise 10000 システムの一次ドメインのホスト ID が必要になります。
ssp% cd /var/opt/SUNWssp/.ssp_private/eeprom_save
ssp% sys_id -x -f eeprom.image.domain_name a65f04
ドメイン名には、ご使用の Sun Enterprise 10000 システムの一次ドメイン名が入ります。sys_id(1M) コマンドによって表示される一次ホスト ID は、a65 で始まる 16 進数です。どのドメインが一次ドメインかわからない場合は、各 eeprom.image ファイルを a65 で始まるホスト ID が見つかるまで調べる必要があります。
このホスト ID を購入先の担当者に告知すると、8 進数のホスト ID を作成するため、 sys_id(1M) コマンドによって示される 16 進数のホスト ID に接頭辞 80 が追加されます。上記の sys_id(1M) コマンドの出力例では、16 進数のホスト ID は a65f04 であり、この例でサン (または代理店) から付与された 8 進数は 80a65f04 となります。
ライセンスキーを注文すると、使用権ライセンスに応じたライセンスキーの書かれたライセンス証明書を受け取ります。またライセンスキーの書かれたファイル (複数の場合もあります) の添付された電子メールも受け取ることになります。添付ファイルは保存しておいてください。ライセンスキーをインストールするときに必要となります。詳細は次の「ライセンスキーのインストール」を参照してください。
複数プロセッサー用に複数のライセンスキーを入手する場合は、複数プロセッサー用の使用権を付与した 1 つのライセンスキーをご注文いただくこともできます。
ライセンスキーの添付された電子メールを受け取り、ライセンスキーをファイルに保存したら (複数のファイルになることもあります) 、これらのライセンスキーファイルを SSP にコピーして、追加プロセッサーが使用できるようにライセンスキーをインストールしてください。
SERVER E10k 80a65352 1726 DAEMON sunwlicd /etc/opt/licenses/sunwlicd INCREMENT StarfireProc1_1_0 sunwlicd 1.000 01-jan-0 20 ¥ 6B5AD001B156D5D9DA39 "0" 80a65352
この手順は、現在のドメインにあるシステムボード上のプロセッサーに追加してライセンスキーをインストールするものです。
ユーザー ssp で SSP にログインして、次のように入力します
ssp% codlit ファイル名 codlit: x license key(s) installed from file, ファイル名
ファイル名は、ライセンスキーを含む 1 つ、または複数のファイル名のリストです (複数の場合はスペースで区切られる) 。codlit は、コマンド行で指定したファイルを 1 行で出力します。この行には、指定したファイルからインストールされたライセンスキーの数が表示されます。
blacklist(4) ファイルを編集してください。
ライセンスを追加するプロセッサーを blacklist(4) ファイルから削除します。
blacklist(4) ファイルはテキストエディタ、または Hostview で編集できます。詳細については、「blacklist ファイルへのプロセッサーの追加」を参照してください。
追加したプロセッサーを起動します。
プロセッサーを起動するには、該当するシステムボードに体して DR 切り離しを行い、それから DR 接続を実行してください (DR の詳細については、『Sun Enterprise 10000 Dynamic Reconfiguration ユーザーマニュアル』を参照してください)。ドメイン構成が DR をサポートしていない場合は、ドメインを再起動する必要があります。
ssp_backup(1M) コマンドを使用して、メイン SSP をバックアップしてください。
スペア SSP がある場合は、ライセンスファイルやセキュアログファイルなど、Capacity on Demand に必要な SSP ファイルを保存する ssp_restore(1M) コマンドと ssp_backup(1M) コマンドを使用して、スペア SSP 上のバックアップファイルを復元してください。メイン SSP とスペア SSP は、同じ環境になるように設定してください。このバックアップファイルはライセンスファイルやライセンスキーを含んでおり、ディスク障害などが発生した場合に、SSP 環境の復元に使用することもできます。
ssp% codlit ファイル名 codlit: x license key(s) installed from file, ファイル名
ファイル名は、ライセンスキーを含む 1 つ、または複数のファイル名です (複数の場合はスペースで区切られる) 。をライセンスキーを含んだファイル名が入ります。codlit コマンド行で指定したファイルを 1 行で出力します。この行には、指定したファイルからインストールされたライセンスキーの数が表示されます。
プロセッサーのライセンスキーを新規のシステムボードにインストールする場合、ボードをインストールして電源を投入してください。
必要であれば、blacklist(4) ファイルを編集します。
新規のシステムボード上にプロセッサーを追加する場合は、ライセンスを所有していないプロセッサーを blacklist(4) ファイルに追加してください。
すでに所有しているシステムボードにプロセッサーを追加する場合は、追加するプロセッサーを blacklist(4) ファイルから削除してください。
blacklist(4) ファイルは、テキストエディターまたは Hostview を使用して編集できます。詳細については、「blacklist ファイルへのプロセッサーの追加」を参照してください。
ボードを既存のドメインに追加するか、ボードを含む新規ドメインを作成します。
DR をサポートする既存のドメインにボードを追加する場合は、DR 接続を実行してドメインにボードを接続してください。
DR をサポートしない既存のドメインにボードを追加する場合は、次の手順でドメインにボードを接続してください。
ドメインを停止してください。
ボードを追加するドメイン上で、domain_remove(1M) を実行します。それから、同じドメイン上で domain_create(1M) を実行してください。
ドメインを起動します。
新規にドメインを作成する場合は、domain_create(1M) を使用します。それからドメインを起動してください。
ssp_backup(1M) を使用して、メイン SSP のバックアップを作成します。
スペア SSP を使用している場合は、ssp_restore(1M) を使用してスペア SSP 上にバックアップファイルを復元します。 ssp_backup(1M) は、ライセンスファイルやセキュアログファイルなど Capacity on Demand に必要なファイルを含む、SSP 環境を保存します。メイン SSP とスペア SSP は、同じ環境になるように設定してください。このバックアップファイルはライセンスファイルやライセンスキーを含んでおり、ディスク障害などが発生した場合に、SSP 環境の復元に使用することもできます。