Sun Enterprise 10000 Capacity on Demand 1.0 管理者マニュアル

第 1 章 Sun Enterprise 10000 用 Capacity on Demand 1.0

Capacity on Demand (COD) ソフトウェアは、Sun Enterprise 10000 サーバーのプロセッサーにライセンスを付与するものです。Capacity on Demand 1.0 インストール済みの Sun Enterprise 10000 システムは、次の状態で出荷されて います。

現在の Sun Enterprise 10000 システムの構成を Capacity on Demand のシステムに置き換えることもできます。詳細については、購入先にお問い合わせください。

Capacity on Demand ソフトウェアは、次のような構成になっています。

現在使用されていない残りのプロセッサーについても、必要に応じてライセンスを追加できます。また、新規にシステムボードとそのボード上のプロセッサーのライセンスを追加することもできます (最大 16 枚のボード、64 個のプロセッサーまで可能)。

必要条件

Capacity on Demand 1.0 の実行には次のソフトウェアが必要です。

スペア SSP での Capacity on Demand の使用

Capacity on Demand を使用するシステムでスペア SSP を使用している場合、メイン SSP、スペア SSP とも、Solaris オペレーティング環境、SSP ソフトウェア、COD ソフトウェアはいずれも同一のバージョンである必要があります。

また、Capacity on Demand のライセンスキーをメイン SSP および スペア SSP の両方にインストールする必要があります (あるいは、ライセンスファイルをメイン SSP からスペア SSP にコピーしてください)。さらに /var/opt/SUNWssp/.ssp_private ディレクトリにある cod_resource ファイルと blacklist(4) ファイルを、メイン SSP からスペア SSP にコピーしてください。これらのファイルは、ssp_backup(1M) コマンドでメイン SSP のバックアップを行ったり、ssp_restore(1M) でスペア SSP 上のバックアップファイルを復元するときにもコピーされます。ssp_backup(1M) コマンドは、Capacity on Demand ソフトウェアで必要なファイルも含めて、SSP 環境を保存します。

新規のライセンスキーをライセンスファイルに追加する場合や、メイン SSP 上のcod_resource ファイルや blacklist(4) ファイルを変更する場合、メイン SSP のバックアップや、スペア SSP にあるバックアップファイルからの復元、または変更したファイルのスペア SSP へのコピーなどの操作は、確実に行ってください。

メイン SSP からスペア SSP への切り替え

メイン SSP からスペア SSP に切り替える手順については、『Sun Enterprise 10000 SSP 3.1.1 User Guide』で説明しています。このマニュアルで説明されている手順に加えて、スペア SSP に切り替える前に、メイン SSP 上のファイルをスペア SSP にバックアップして、次のファイルをスペア SSP にコピーしておく必要があります。

Capacity on Demand リソースの構成

cod_resource ファイルは、/var/opt/SUNWssp/.ssp_private ディレクトリにあり、Capacity on Demand のリソース情報が含まれています。cod_resource ファイル中のリソースは、次のような書式になっています。


リソース名:リソース値

それぞれの意味を示します。

リソース名は、リソースの名称です。リソース名は大文字・小文字は区別され、また cod_resource ファイル中で 1 回だけ使用できます。

リソース値は、各リソースで使われる値です。

LicenseNotifyList リソースは、ライセンス違反が発生した場合、電子メールで警告を送るユーザー名の一覧です。LicenseNotifyList の値は、スペースで区切られた電子メールアドレスになります。cod_resource ファイルのデフォルト設定では、 LicenseNotifyList には ssp ユーザーが含まれます。SunAddr リソースは、セキュアログファイルを月毎に自動送付する、サンの保守スタッフの電子メールアドレスが入ります。ご使用のシステムのメールシステムに対応できるように、SunAddr リソースはユーザー側で変更することができます。

cod_resource ファイル中のリソースは、テキストエディタを使用して変更できます。デフォルトでは cod_resource ファイルは次のような設定になっています。


LicenseNotifyList:ssp
SunAddr:COD_lic@sun.com

ライセンスキー

Capacity on Demand システムで使用する各プロセッサーには、ライセンス (または使用権) が必要となります。Sun Enterprise 10000 用 Capacity on Demand システムは、注文時に指定したライセンス (使用権) 数に応じたライセンスキーを含む 1 つ、または複数のライセンス証明書付きで出荷されます。また、ライセンスキーはサンからの電子メールに添付ファイルとして配布されることもあります。なお、導入時のライセンスキーは、出荷前に Capacity on Demand システムのライセンスファイル中に登録してあります。


注 -

Capacity on Demand システムとともに出荷されたライセンス認証には、システムにインストール済みのシリアル番号とライセンスキーが記載されています。万が一、ディスクの障害やその他の理由で Capacity on Demand ライセンスファイルを再作成する必要が生じたにもかかわらず、ライセンスファイルを含む SSP 環境のバックアップファイルがない場合 (SSP 環境のバックアップについては、 ssp_backup(1M) のマニュアルページを参照してください)、ライセンスキーを含む電子メールの添付ファイルが必要となります。また、ライセンス証明書の下段にリストされたライセンスキーをテキストエディタなどで入力すれば、ライセンスファイルを作成することも可能です。


現在ライセンスのないプロセッサーも使用したい場合は、購入先を通じてライセンスキーを追加できます。詳細は次の「ライセンスキーの入手」を参照してください。ライセンスキーを購入後にライセンスを追加する際は (ライセンスのインストール方法については、「ライセンスキーのインストール」を参照してください)、追加する各ライセンスキーに応じて、ライセンスファイルに 1 行追加してください。

階層ライセンス

Capacity on Demand システムは、各ボード毎にライセンスを積み重ねていく階層式になっています。ある階層のライセンスを購入してインストールする前に、その前の階層の全ライセンスを購入する必要があります。

ライセンスキーの入手

Capacity on Demand システムのプロセッサーのライセンスキーの入手については、購入先にお問い合わせください。注文の際には、Sun Enterprise 10000 システムの一次ドメインのホスト ID が必要になります。

ご使用の Sun Enterprise 10000 システムの最初のホスト ID を入手する。
  1. ユーザ ssp としてログインして、次のように入力します。


    ssp% cd /var/opt/SUNWssp/.ssp_private/eeprom_save
    

  2. 引き続き、次のように入力します。


    ssp% sys_id -x -f eeprom.image.domain_name
    a65f04

    ドメイン名には、ご使用の Sun Enterprise 10000 システムの一次ドメイン名が入ります。sys_id(1M) コマンドによって表示される一次ホスト ID は、a65 で始まる 16 進数です。どのドメインが一次ドメインかわからない場合は、各 eeprom.image ファイルを a65 で始まるホスト ID が見つかるまで調べる必要があります。

    このホスト ID を購入先の担当者に告知すると、8 進数のホスト ID を作成するため、 sys_id(1M) コマンドによって示される 16 進数のホスト ID に接頭辞 80 が追加されます。上記の sys_id(1M) コマンドの出力例では、16 進数のホスト ID は a65f04 であり、この例でサン (または代理店) から付与された 8 進数は 80a65f04 となります。

ライセンス証明書

ライセンスキーを注文すると、使用権ライセンスに応じたライセンスキーの書かれたライセンス証明書を受け取ります。またライセンスキーの書かれたファイル (複数の場合もあります) の添付された電子メールも受け取ることになります。添付ファイルは保存しておいてください。ライセンスキーをインストールするときに必要となります。詳細は次の「ライセンスキーのインストール」を参照してください。

複数プロセッサー用に複数のライセンスキーを入手する場合は、複数プロセッサー用の使用権を付与した 1 つのライセンスキーをご注文いただくこともできます。

ライセンスキーのインストール

ライセンスキーの添付された電子メールを受け取り、ライセンスキーをファイルに保存したら (複数のファイルになることもあります) 、これらのライセンスキーファイルを SSP にコピーして、追加プロセッサーが使用できるようにライセンスキーをインストールしてください。

ライセンスキーの例を次に示します。


SERVER E10k 80a65352 1726
DAEMON sunwlicd /etc/opt/licenses/sunwlicd
INCREMENT StarfireProc1_1_0 sunwlicd 1.000 01-jan-0 20 ¥
6B5AD001B156D5D9DA39 "0" 80a65352

すでにドメインにあるボード上のプロセッサーにライセンスキーをインストールする

この手順は、現在のドメインにあるシステムボード上のプロセッサーに追加してライセンスキーをインストールするものです。

  1. ユーザー ssp で SSP にログインして、次のように入力します


    ssp% codlit ファイル名
    codlit: x license key(s) installed from file, ファイル名

    ファイル名は、ライセンスキーを含む 1 つ、または複数のファイル名のリストです (複数の場合はスペースで区切られる) 。codlit は、コマンド行で指定したファイルを 1 行で出力します。この行には、指定したファイルからインストールされたライセンスキーの数が表示されます。

  2. blacklist(4) ファイルを編集してください。

    ライセンスを追加するプロセッサーを blacklist(4) ファイルから削除します。

    blacklist(4) ファイルはテキストエディタ、または Hostview で編集できます。詳細については、「blacklist ファイルへのプロセッサーの追加」を参照してください。

  3. 追加したプロセッサーを起動します。

    プロセッサーを起動するには、該当するシステムボードに体して DR 切り離しを行い、それから DR 接続を実行してください (DR の詳細については、『Sun Enterprise 10000 Dynamic Reconfiguration ユーザーマニュアル』を参照してください)。ドメイン構成が DR をサポートしていない場合は、ドメインを再起動する必要があります。

  4. ssp_backup(1M) コマンドを使用して、メイン SSP をバックアップしてください。

    スペア SSP がある場合は、ライセンスファイルやセキュアログファイルなど、Capacity on Demand に必要な SSP ファイルを保存する ssp_restore(1M) コマンドと ssp_backup(1M) コマンドを使用して、スペア SSP 上のバックアップファイルを復元してください。メイン SSP とスペア SSP は、同じ環境になるように設定してください。このバックアップファイルはライセンスファイルやライセンスキーを含んでおり、ディスク障害などが発生した場合に、SSP 環境の復元に使用することもできます。

ライセンスキーをドメインにないボード、または新規ボード上のプロセッサーにインストールする
  1. ユーザ ssp としてログインして、次のように入力します。


    ssp% codlit ファイル名
    codlit: x license key(s) installed from file, ファイル名

    ファイル名は、ライセンスキーを含む 1 つ、または複数のファイル名です (複数の場合はスペースで区切られる) 。をライセンスキーを含んだファイル名が入ります。codlit コマンド行で指定したファイルを 1 行で出力します。この行には、指定したファイルからインストールされたライセンスキーの数が表示されます。

  2. プロセッサーのライセンスキーを新規のシステムボードにインストールする場合、ボードをインストールして電源を投入してください。

  3. 必要であれば、blacklist(4) ファイルを編集します。

    • 新規のシステムボード上にプロセッサーを追加する場合は、ライセンスを所有していないプロセッサーを blacklist(4) ファイルに追加してください。

    • すでに所有しているシステムボードにプロセッサーを追加する場合は、追加するプロセッサーを blacklist(4) ファイルから削除してください。

    blacklist(4) ファイルは、テキストエディターまたは Hostview を使用して編集できます。詳細については、「blacklist ファイルへのプロセッサーの追加」を参照してください。

  4. ボードを既存のドメインに追加するか、ボードを含む新規ドメインを作成します。

    • DR をサポートする既存のドメインにボードを追加する場合は、DR 接続を実行してドメインにボードを接続してください。

    • DR をサポートしない既存のドメインにボードを追加する場合は、次の手順でドメインにボードを接続してください。

    1. ドメインを停止してください。

    2. ボードを追加するドメイン上で、domain_remove(1M) を実行します。それから、同じドメイン上で domain_create(1M) を実行してください。

    3. ドメインを起動します。

    • 新規にドメインを作成する場合は、domain_create(1M) を使用します。それからドメインを起動してください。

  5. ssp_backup(1M) を使用して、メイン SSP のバックアップを作成します。

    スペア SSP を使用している場合は、ssp_restore(1M) を使用してスペア SSP 上にバックアップファイルを復元します。 ssp_backup(1M) は、ライセンスファイルやセキュアログファイルなど Capacity on Demand に必要なファイルを含む、SSP 環境を保存します。メイン SSP とスペア SSP は、同じ環境になるように設定してください。このバックアップファイルはライセンスファイルやライセンスキーを含んでおり、ディスク障害などが発生した場合に、SSP 環境の復元に使用することもできます。

blacklist ファイルへのプロセッサーの追加

Capacity on Demand システムでライセンスキーのないプロセッサーは、blacklist(4) ファイルに追加しておく必要があります。このファイルに記載されたリソースは、起動されません (詳細は、blacklist(4) のマニュアルページを参照してください)。使用しないプロセッサーが blacklist(4) ファイルへ記載されていないと、codd(1M) デーモンはライセンス違反の警告メッセージを出力します。

使用しないプロセッサーを追加するには、blacklist(4) ファイルをテキストエディタや Hostview で編集してください。ドメインが POST を実行している場合は、 hpost(1M) コマンドが blacklist(4) ファイルを読み込み、自動的にファイルで指定しているプロセッサーを除去してくれます。ただし、 blacklist(4) ファイルに対する変更を有効にするは、ドメインを再起動するか、DR 操作を実行する必要があります。

プロセッサーを blacklist(4) ファイルに記載する場合、パフォーマンスの向上のためにプロセッサーのライセンスをあるボードから別のボードに移動したいと思うかもしれません。各システムボードのプロセッサー 3 を blacklist(4) ファイルに追加し、それからプロセッサー 2、というように、正しい番号のプロセッサーがファイルに追加されるまで、各プロセッサーを追加していきます。もし blacklist(4) に記載されている未使用の 2 つのプロセッサーがボード上にあれば、プロセッサー 3 と 1 がファイルに追加されます。

たとえば、5 枚のシステムボードに 8 プロセッサーという最小構成の場合、ボード 0、2、4 のプロセッサー 1 と 3 を blacklist(4) ファイルに追加し、ボード 1、3 のプロセッサー 1、2、3 を使用します。このイメージを 図 1-1 に示します。網のかかった部分が、blacklist(4) ファイルに追加されたプロセッサーです。

図 1-1 プロセッサーを blacklist(4) ファイルに追加する例

Graphic

Capacity on Demand デーモン

codd(1M) は、Capacity on Demand のリソース監視デーモンであり、SSP の起動スクリプトで起動します。起動時に、codd(1M) デーモンは、プラットフォームのメッセージファイルやセキュアログファイルなどにメッセージを残します。

起動時には、Capacity on Demand デーモンは次のようなライセンス違反があるかどうか確認します。

これらの妥当性検査が失敗すると、次の「ライセンス違反の処理」のセクションにあるように、ライセンス違反に対する処理が実行されます。

codd(1M) デーモンの起動された後は、SSP が停止されるまで、一定の間隔をおいて次のような処理をします。

ドメインの起動や DR 操作の実行時にも、ライセンス違反が確認されます。

ライセンス違反の処理

Capacity on Demand デーモンがライセンス違反を検出した場合、警告メッセージを出力し、その内容を次のものに送信します。

Capacity on Demand デーモンは、使用中のプロセッサー数がライセンスされているプロセッサー数と同じかそれ以下になるまで、定期的に警告メッセージを発し続けます。

プラットフォームログのライセンス違反メッセージ例

次の種類のメッセージは、codd(1M) デーモンにより SSP プラットフォームメッセージログに記録されます。

電子メールによるライセンス違反メッセージ例

ライセンス違反についての電子メールが ssp ユーザーに送付される場合、次の例のように、メールの サブジェクトには一次ドメインのホスト ID が記述されます。また、メールの本文には、検出されたライセンス違反の内容が記述されます。


Date: Sat, 17 Jul 1999 22:27:20 -0700 (PDT)
From: SSP User <ssp@xf8-ssp.West.Sun.COM>
Subject: COD License Problem for host: 80a65123
Mime-Version: 1.0
To: undisclosed-recipients:;

1005: STARFIRE COD LICENSE_VIOLATION: 64 of 64 processors in use, 21 licensed

/etc/motd ファイルへのライセンス違反メッセージ例

Capacity on Demand デーモンは、次のようなライセンス違反メッセージを SSP 日次メッセージファイル (/etc/motd) の末尾に追加します。


1001: Thu Aug 19 14:43:10 1999 STARFIRE COD LICENSE VIOLATION: 
Modified key encountered: Line void: INCREMENT StarfireProc1_1_0 
sunwlicd 1.000 01-jan-0 21 9BDAB0F1A675DF98CB3F 0 HOSTID=80a65f04

ブロードキャストライセンス違反のメッセージ例

ライセンス違反を検出すると、Capacity on Demand デーモンは wall(1M) コマンドを使用して、SSP にログインしている全ユーザーに次のようなメッセージを送ります。

 1001: STARFIRE COD LICENSE VIOLATION: Modified key encountered: Line void: INCREMENT StarfireProc1_1_0 sunwlicd 1.000 01-jan-0 21 9BDAB0F1A675DF98CB3F 0 HOSTID=80a65f04

ライセンス違反のメッセージ

次の表は、発生する可能性のあるライセンス違反と、そのとき出力される警告を示しています。これ以前の例でも示したように、メッセージ発信の機構上、メッセージの内容は若干異なる場合があります。

表 1-1 コマンド行プロンプトの規約
 違反内容 警告メッセージ
 ライセンスファイル中のライセンスキーが不正である。1001: STARFIRE COD LICENSE VIOLATION: Modified license key encountered: line void: 無効な行の文字列
 ライセンスキーのホスト ID が不正である。1002: STARFIRE COD LICENSE VIOLATION: Encountered invalid hostid [x - expected hostid y]: Line void: 無効な行の文字列
1003: STARFIRE COD LICENSE VIOLATION: Encountered invalid INCREMENT line in license file - hostid must be specified: Line void: 無効な行の文字列
1004: STARFIRE COD LICENSE VIOLATION: Encountered invalid hostid representation: Line void: 無効な行の文字列
 使用中のプロセッサー数がライセンス数を超えている。1005: STARFIRE COD LICENSE VIOLATION: x of y processors in use; z licensed.
 ライセンスが期限切れである。1006: STARFIRE COD LICENSE VIOLATION: StarfireProc license key has expired: Line void: 無効な行の文字列
 ライセンスファイルのエントリに重複がある。1007: STARFIRE COD LICENSE VIOLATION: Duplicate entry in license file is void: text_of_duplicate_line
 ライセンスファイルに不正に蓄積されたライセンスキーがある。1008: STARFIRE COD LICENSE VIOLATION: Encountered invalid tier information [class out of range | tier out of range |requirements out of range]: Line void: 無効な行の文字列
 1009: STARFIRE COD LICENSE VIOLATION: Invalid tier class encountered: Line void: 無効な行の文字列
 1010: STARFIRE COD LICENSE VIOLATION: Invalid license file: x tier n RTUs not counted - insufficient lower tier RTUs
  1022: STARFIRE COD LICENSE VIOLATION: Encountered invalid tier field.
  1023: STARFIRE COD LICENSE VIOLATION: Encountered invalid tier requirements field.
 その他の妥当性検査が失敗した。1011: STARFIRE COD LICENSE VIOLATION: License key structure invalid: Line void: 無効な行の文字列
 1012: STARFIRE COD LICENSE VIOLATION: Encountered invalid license key: Line void: 無効な行の文字列
 1013: STARFIRE COD LICENSE VIOLATION: Encountered invalid feature in license file: Line void: 無効な行の文字列

Capacity on Demand のログ機能

Capacity on Demand のログ機能は、セキュアログファイル (/var/opt/SUNWssp/adm の cod.log ファイル) にライセンス違反メッセージを記録する機能を提供します。このログファイルはセキュリティー保護されており、変更することはできません。次のような場合に、このログファイルにメッセージが記録されます。

Capacity on Demand 1.0 ソフトウェアは、cron(1M) によって実行されるスクリプトも提供します。このスクリプトは、セキュアログファイルを添付した電子メールを月毎にサンに送信します。このとき現在のログは新しいファイルに保存され、古いログは消去されます。セキュアログファイルは、過去 12 ヶ月分が上書きされずに保持されます。この電子メールの送付先アドレスは、cod_resource(4) ファイルの SunAddr リソースで指定されます。各システムの電子メールシステムに対応させるため、SunAddr に指定するメールアドレスは書き換えが可能です。

Capacity on Demand 1.0 ソフトウェアには、サンの保守スタッフがセキュアログファイルの有効性を確認する codcheck(1M) ユーティリティーも用意されています。

複数ドメインの使用

Capacity on Demand システムで複数のドメインを使用しているときに、全ドメインで使用しているプロセッサーの合計数がライセンスされているプロセッサーの数を上回ってしまった場合、同時にすべてのドメインを使用することはできません。

たとえば、システムに 2 つのドメインがあり、ライセンスキーが 8 プロセッサー分ある場合、それぞれのドメインが 8 プロセッサーを使用しようとすると、同時に両方のドメインを使用することはできなくなります。ドメインの実行に使われるプロセッサーの合計数は、ライセンスされた数を超えることはできません。

一方のドメインを停止し、同一のシステムボードの一部または全部を使用しているもう一方のドメインを起動する場合、起動するドメインのシステムボードの電源は切らないように注意して、停止するドメインのシステムボードの電源だけを切る必要があります。

1 つのドメインを停止し、別のドメインを起動する
  1. スーパーユーザとしてドメインにログインします。

  2. ドメイン上で shutdown(1M) コマンドを実行して、システムを停止します。

  3. 手順 2 で停止したドメイン (起動したいドメインはここには含まれない) のすべてのシステムボードの電源を落とします。

  4. 現在停止状態にある、これから起動したいドメインのシステムボードの電源を入れてください。

  5. ユーザ ssp として SSP にログインして、次のように入力します。


    ssp% domain_switch ドメイン名
    

    ドメイン名には、これから起動するドメインの名前を指定してください。

  6. bringup(1M) コマンドでドメインを起動してください。

SSP ソフトウェアや Solaris オペレーティング環境のアップグレード

SSP ソフトウェアや Solaris オペレーティング環境をアップグレードする前に、ssp_backup(1M) コマンドを使用して SSP 環境をバックアップしてください。ssp_backup(1M) コマンドによって生成されたバックアップファイルには、Capacity on Demand ソフトウェアが使用する次のファイルも含まれます。

Solaris オペレーティング環境をアップグレードする
  1. Solaris オペレーティング環境をアップグレードします。

    詳細については、Solaris 7 Installation Collection の『Solaris のインストール (上級編)』を参照してください。

  2. 『Sun Enterprise 10000 SSP 3.1.1 Installation Guide and Release Notes』、または『Sun Enterprise 10000 SSP 3.2 Installation Guide and Release Notes』で説明しているように、同じバージョンの SSP ソフトウェアを再インストールしてください。

    SSP 3.1.1 を使用する場合は、パッチ 108135-01 の適用も必要です。

  3. 次のように入力して、SSP 環境を復元します。


    ssp# ./ssp_restore バックアップ先ディレクトリ/ssp_backup.cpio
    

    バックアップディレクトリには、ssp_backup(1M) コマンドで作成した ssp_backup.cpio ファイルのあるディレクトリを指定してください。

  4. 『Sun Enterprise 10000 Capacity on Demand 1.0 インストールマニュアルおよびご使用の手引き』で説明しているように、Capacity on Demand 1.0 ソフトウェアを再インストールしてください。

SSP ソフトウェアをアップグレードする
  1. Capacity on Demand 1.0 ソフトウェアのパッケージ (SUNWcod) を削除します。パッケージの削除については、pkgrm(1M) コマンドのマニュアルページなどを参照してください。

  2. 『Sun Enterprise 10000 SSP 3.2 Installation Guide and Release Notes』で説明しているように、SSP ソフトウェアをアップグレードしてください。

  3. 『Sun Enterprise 10000 Capacity on Demand 1.0 インストールマニュアルおよびご使用の手引き』で説明しているように、Capacity on Demand 1.0 ソフトウェアを再インストールしてください。