Solaris Java Plug-in ユーザーズガイド

第 5 章 プロキシ構成

この章の内容は、次のとおりです。

はじめに

企業カスタマにとって重要なことは、企業内に安全なコンピュータ環境を構築することであり、その上でプロキシ構成は欠かすことはできません。プロキシ構成は、セキュリティバリアとして機能し、プロキシサーバがインターネットとイントラネット間のすべてのトラフィックを確実に監視するようにします。これは通常、イントラネット内の企業ファイアウォールでセキュリティを強化する上で不可欠な要素です。Java Plug-in を使用してイントラネット Web ページ上にアプレットを配備する企業カスタマは、プロキシサポートを設定することもできます。イントラネット環境で Java Plug-in を実行する場合、このサポートが必要になります。これは、Java Plug-in コントロールパネルで設定できます。

コントロールパネルでは、次の 3 つのプロキシオプションの指定が可能です。

「ブラウザの設定を使用 (Use browser settings)」を選択すると、プロキシ情報がブラウザ全体を通じて設定されます。Internet Explorer の場合、「ツール」->「インターネット オプション」を選択してから、「接続」タブの「ローカル エリア ネットワーク (LAN) の設定」を選択します。Netscape の場合、「編集」->「設定」を選択してから、「カテゴリ」の「詳細」を選択し、「プロキシ」を選択します。この動作方法およびブラウザから設定可能な 3 つの接続タイプ (「直接」、「手動」、および「自動」) については、次の節で説明します。

コントロールパネルで手動構成を選択した場合、プロトコルごとにプロキシサーバのアドレスおよびポートをテーブルに入力する必要があります。「プロキシホストなし (No proxy host)」というラベルのフィールドにホスト名を記述することにより、プロキシサーバを必要とするホストからそのホストを除外できます。

「自動プロキシ構成 URL (Automatic proxy configuration URL)」を選択した場合、URL で使用されるプロキシサーバを返す、FindProxyForURL(URL url) という JavaScript の位置を示す URL を入力する必要があります。このスクリプトは、「自動プロキシ設定」で説明するのと同じ方法でサポートされます。

Java Plug-in がプロキシ情報を取得する方法

プラットフォームが異なると、ブラウザがプロキシ情報を格納する方法も異なるため、プロキシ情報を取得する汎用機構は存在しません。以下に、3 つの異なるブラウザとプラットフォームの組み合わせで、Java Plug-in がプロキシ情報を取得する方法を示します。

Win32 で稼働する Internet Explorer: Internet Explorer は、Windows レジストリの同じキーセット内にプロキシ情報を格納します。Java Plug-in は、この情報を直接取得します。

Win32 で稼働する Netscape Navigator ブラウザ: Navigator 4 は、ローカルマシンのユーザ設定ファイルにプロキシ情報を格納します。Java Plug-in は、ユーザ設定ファイルの読み取りおよび構文解析を実行して、Navigator 4 のプロキシ情報を取得します。Netscape 6 は、プロキシ情報の取得用 API を保持します。findProxyForURL(URL) は、指定した URL のプロキシ構成情報を返します。

Solaris オペレーティング環境および Linux で稼働する Netscape Navigator ブラウザ: Navigator は、プロキシ情報をローカルマシンの 1 つのファイル内に格納します。Java Plug-in はファイルの読み取りおよび構文解析を実行して、プロキシ情報を取得します。Netscape 6 は、前の節で説明したのと同じ方法で処理を実行します。

Java Plug-in は、起動時にプロキシ情報を取得します。Java Plug-in の起動後にプロキシ設定を変更する場合、Java コンソールで p オプションを使用して、Java Plug-in がブラウザからプロキシ情報を強制的に再ロードするように設定する必要があります。

直接接続

直接接続では、プロキシは使用されません。モバイルユーザがモデム経由で会社に接続するような特定の状況では、イントラネット環境への直接接続が必要であり、この場合は、プロキシを使用しないでください。

手動プロキシ設定

Internet Explorer と Netscape Navigator は、どちらも手動プロキシ設定をサポートします。ユーザは、プロトコルごとに、プロキシサーバおよびポートを指定できます。ユーザは、すべてのプロトコルに対し、1 つのプロキシサーバおよびポートを指定することもできます。プロキシサーバの負荷を最小限に抑えるため、あるサイトでは、マシンがイントラネット環境内の別のマシンに接続している場合、プロキシサーバを完全にバイパスする場合があります。そのためには、ネットワーク管理者およびユーザは、ブラウザ設定でプロキシサーバのバイパスリストを指定します。

Internet Explorer: Java Plug-in は、プロトコルに関連付けられたプロキシサーバおよびポート設定を認識およびサポートします。Internet Explorer は、次に示すプロキシサーババイパスリストのさまざまな構文をサポートします。

たとえば、プロキシサーババイパスリストで「121.141.23.5;*.eng;http://*.com 」を指定すると、次のいずれかが発生した場合、ブラウザは常にプロキシをバイパスします。

現在のところ、Java Plug-in は、Internet Explorer のプロキシサーババイパスリスト内で、最初の 2 つの構文をサポートします。Internet Explorer では、ローカル (イントラネット) アドレスの場合、プロキシサーババイパスリストを使用しなくてもプロキシサーバをバイパスします。プレーンな URL ホスト名の場合、Java Plug-in は、プロキシサーバをバイパスすることによりこのオプションをサポートします(例えば、ホスト名にドット(.)が含まれない場合) 。

Netscape Navigator: Java Plug-in は、プロトコルに関連付けられたプロキシサーバおよびポート設定を認識およびサポートします。たとえば、Netscape Navigator ブラウザのプロキシサーババイパスリストで「.eng,.sun.com」を指定した場合、URL ホスト名の末尾が「.eng」または「 .sun.com」の場合は常にプロキシがバイパスされます。Java Plug-in は、Navigator のプロキシサーババイパスリストで、この構文を完全にサポートします。

ブラウザごとの手動プロキシ設定の詳細は、ブラウザのユーザーズガイドを参照してください。

自動プロキシ設定

Internet Explorer と Netscape Navigator は、どちらも自動プロキシ設定をサポートします。ブラウザの自動プロキシ設定は、拡張子 .pac または .js の JavaScript ファイルを含む特定の URL に設定されます。このファイルには、関数 FindProxyForURL() が含まれており、この関数には、ブラウザが接続要求を受信した場合に、使用するプロキシサーバを決定するロジックが格納されています。システム管理者は、特定のイントラネット環境に合わせてこの関数を記述します。ブラウザは、起動時に JavaScript ファイルの URL を認識し、直接接続を使用してローカルマシンにファイルをダウンロードします。新規接続が必要になるたびに、ブラウザはファイル内の JavaScript 関数 FindProxyForURL() を実行してプロキシ情報を取得し、接続を確立します。

Internet Explorer: Java Plug-in は、起動時に直接接続を使用して JavaScript ファイルをローカルマシンにダウンロードします。次に、新規接続が必要になるたびに FindProxyForURL() 関数を実行し、Internet Explorer の JavaScript エンジンを使用してプロキシ情報を取得します。

Netscape Navigator ブラウザ: Java Plug-in は、起動時に直接接続を使用して JavaScript ファイルをローカルマシンにダウンロードします。次に、新規接続が必要になるたびに FindProxyForURL() 関数を実行し、Netscape Navigator ブラウザの JavaScript エンジンを使用してプロキシ情報を取得します。

JavaScript 関数 FindProxyForURL() から呼び出し可能な、定義済みの JavaScript 関数が多数存在します。 Java Plug-in は、これらの関数を独自に実装することにより、自動プロキシ設定を完全にエミュレートします。この実装に関する注意点を次に示します。

関数 FindProxyForURL() を実行すると、プロキシ情報は常に文字列として返されることに注意してください。Java Plug-in は、次の方法で設定を抽出します。

ブラウザごとの自動プロキシ構成の詳細は、ブラウザのユーザーズガイドを参照してください。