手順 |
説明 |
参照先 |
---|---|---|
1. ファイルシステムの割り当て制限の構成 |
/etc/vfstab を編集して、ファイルシステムがマウントされるたびに割り当て制限が有効になるようにする。また、quotas ファイルを作成する | |
2. 1 ユーザー用の割り当て制限の設定 |
edquota を使用して 1 ユーザーアカウント用にディスクと i ノードの割り当て制限を行う | |
3. (省略可能) 複数ユーザーの割り当て制限の設定 |
edquota コマンドを使用して、その他のユーザーアカウント用にプロトタイプの割り当て制限を適用する | |
4. 整合性のチェック |
quotacheck を使用して、1 つまたは複数のファイルシステムの整合性について、現在の使用状況とディスクの割り当て制限を比較する | |
5. 割り当て制限を有効にする |
quotaon を使用して、1 つまたは複数のファイルシステムの割り当て制限を有効にする |
/etc/vfstab ファイルを編集します。割り当て制限を設定しようとする各 UFS ファイルシステムの「mount options」フィールドに rq を追加します。
割り当て制限を格納しようとするファイルシステムのルートディレクトリに移動します。
次のように入力して、quotas というファイルを作成します。
# touch quotas |
root にのみ、読み取り権/書き込み権を与えます。
# chmod 600 quotas |
次の /etc/vfstab の例は、システム pluto の /export/home ディレクトリが、ローカルシステムの NFS ファイルシステムとしてマウントされていることを示しています。割り当て制限が使用可能であるかは、mount options 列の下の rq エントリによってわかります。
#device device mount FS fsck mount mount #to mount to fsck point type pass at boot options # pluto:/export/home - /export/home nfs - yes rq |
次の例は /etc/vfstab の内容で、割り当て制限が有効 (mount options 列の rq エントリで示される) なローカル UFSファイルシステムが /work ディレクトリにマウントされていることを示しています。
#device device mount FS fsck mount mount #to mount to fsck point type pass at boot options # /dev/dsk/c0t4d0s0 /dev/rdsk/c0t4d0s0 /work ufs 3 yes rq |
次のように入力して割り当て制限エディタを使用して、quotas ファイルがファイルシステムのルートディレクトリにある各マウント済み UFS ファイルシステムに対して、1 行の割り当て制限情報を含む一時ファイルを作成します。
# edquota username |
username は、割り当て制限を設定するユーザーです。
1K バイトディスクブロック数 (弱い制限値と強い制限値)、および i ノード数 (弱い制限値と強い制限値) を、それぞれ 0 (デフォルト) から各ファイルシステム用に指定されている割り当て制限値に変更します。
ユーザーの割り当て制限を確認します。
# quota -v username |
-v |
ディスク割り当て制限がある、マウント済みのファイルシステム上の、ユーザーのディスク割り当て制限情報を表示する |
username |
ディスク割り当て制限を表示するユーザー名を指定する |
次の例は、edquota コマンドで開いた一時ファイルの内容を示しています。このシステムでは、ルートディレクトリに quotas ファイルが含まれているマウント済みファイルシステムは、/files だけです。
fs /files blocks (soft = 0, hard = 0) inodes (soft = 0, hard = 0) |
次の例は、割り当て制限設定後の一時ファイルの上と同じ行を示しています。
fs /files blocks (soft = 50, hard = 60) inodes (soft = 90, hard = 100) |
次のように割り当て制限エディタを使用して、すでにプロトタイプユーザー用に設定した割り当て制限を指定するその他のユーザーに適用します。
# edquota -p prototype-user username ... |
prototype-user |
すでに割り当て制限を設定してあるアカウントのユーザー名 |
username .. |
1 人以上の追加アカウントのユーザー名を指定する |
次の例は、ユーザー bob に設定された割り当て制限をユーザー mary と john に適用する方法を示しています。
# edquota -p bob mary john |
ディスクのデータの正確さを保つには、quotacheck コマンドを実行するとき、チェックするファイルシステムが他のユーザーによって使用できないようにしてください。システムをリブートするとき、quotacheck コマンドが自動的に実行されます。
次のように UFS ファイルシステム上の整合性チェックを実行します。
# quotacheck [-va] filesystem |
-v |
(省略可能) 特定のファイルシステム上の各ユーザーのディスク割り当て制限を示す |
-a |
/etc/vfstab ファイルに rq エントリがある全ファイルシステムをチェックする |
filesystem |
チェックするファイルシステムを指定する |
詳細は、quotacheck(1M) のマニュアルページを参照してください。
次の例は、スライス /dev/rdsk/c0t0d0s7 上の /export/home ファイルシステムのディスク割り当て制限をチェックする方法を示しています。/export/home ファイルシステムは、/etc/vfstab ファイルに rq エントリを持つ、唯一のファイルシステムです。
# quotacheck -va *** Checking quotas for /dev/rdsk/c0t0d0s7 (/export/home) |
ファイルシステム割り当て制限を有効にします。
# quotaon [-v] -a filesystem ... |
-v |
割り当て制限が無効にされた場合、各ファイルシステムからメッセージを表示する |
-a |
/etc/vfstab ファイル内に rq エントリがある全ファイルシステムの割り当て制限を有効にする |
filesystem ... |
指定する 1 つ以上のファイルシステムの割り当て制限を有効にするスペースでファイル名を区切って、複数のファイルシステムを指定する |
次の例は、スライス /dev/dsk/c0t4d0s7 と /dev/dsk/c0t3d0s7 上のファイルシステムのディスク割り当て制限を有効にする方法を示しています。
# quotaon -v /dev/dsk/c0t4d0s7 /dev/dsk/c0t3d0s7 /dev/dsk/c0t4d0s7: quotas turned on /dev/dsk/c0t3d0s7: quotas turned on |