『Solaris WBEM Services の管理』では、CIM (Common Information Model) の概念、および SolarisTM オペレーティング環境での WBEM (Web-Based Enterprise Management) サービスの管理方法について説明します。
Solaris WBEM Services ソフトウェアを使用することにより、ソフトウェア開発者は Solaris 上で稼働する管理アプリケーションをより簡単に作成できるようになり、また、Solaris オペレーティング環境をより簡単に管理できるようになります。
このマニュアルは、既存の WBEM アプリケーションを使用したり、新しいアプリケーションを作成したりして、WBEM 対応のネットワークやシステムを管理する、システム管理者を対象にしています。
このマニュアルは、読者に次の知識があることを前提としています。
オブジェクト指向プログラミングの概念
JavaTM プログラミング
WBEM CIM (Common Information Model) の概念
ネットワーク管理の概念
SNMP (Simple Network Management Protocol) の概念 (WBEM の SNMP アダプタを構成し、使用する場合)
知識が不十分な場合には、次の書籍を参考にすることをお勧めします。
『Java How to Program』 H. M. Deitel、P. J. Deitel 共著、Prentice Hall、ISBN 0–13–263401–5
『The Java Class Libraries, Second Edition, Volume 1』Patrick Chan、Rosanna Lee、Douglas Kramer 共著、Addison-Wesley、ISBN 0–201–31002–3
Distributed Management Task Force の「CIM Tutorial」(http://www.dmtf.org/education/cimtutorial.php )
次に、WBEM 技術に携わる場合に有用な Web サイトを示します。
「CIM Tutorial Glossary」– www.dmtf.org/education/cimtutorial/reference/glossary.php
「Distributed Management Task Force (DMTF)」– www.dmtf.org
このサイトには、CIM の最新情報、各種の作業グループについての情報、および CIM スキーマの拡張についての情報が掲載されています。
「Rational Software」– www.rational.com/uml
このサイトでは、Unified Modeling Language (UML) および Rose CASE ツールの関連文書を入手できます。
第 1 章「WBEM と Solaris WBEM Services (概要)」では、WBEM (Web-Based Enterprise Management) および Solaris WBEM Services の概要を説明しています。
第 2 章「CIM Object Manager の使用 (手順)」では、CIM とは何かを説明しています。CIM Object Manager の起動と停止方法、および CIM Object Manager Repository のアップグレードの方法について説明しています。
第 3 章「WBEM 用 SNMP サービスの使用方法 (手順)」では、WBEM 用 SNMP サービスについて説明します (WBEM および SNMP Provider 用 SNMP アダプタを含む)。WBEM 用 SNMP アダプタは、システム管理者による使用を前提としているため、SNMP (Simple Network Management Protocol) 管理アプリケーションで Solaris WBEM Service のシステム管理情報にアクセスすることを可能にします。SNMP プロバイダは、CIM Object Manager へ管理要素についての情報 (SNMP デバイスの構成情報など) を提供するソフトウェアコンポーネントです。
第 4 章「セキュリティの管理 (手順)」では、WBEM セキュリティ機構、セキュリティ機能、およびネームスペースやユーザーへのアクセス権の設定方法を説明します。
第 5 章「システムログデータの表示 (手順)」では、ログ情報の表示方法を説明します。
docs.sun.com では、Sun が提供しているオンラインマニュアルを参照することができます。マニュアルのタイトルや特定の主題などをキーワードとして、検索を行うこともできます。URL は、http://docs.sun.com です。
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P-1 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 |
system% su password: |
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
\ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 |
sun% grep `^#define \ XV_VERSION_STRING' |
コード例は次のように表示されます。
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。
このマニュアルでは、英語環境での画面イメージを使っています。このため、実際に日本語環境で表示される画面イメージとこのマニュアルで使っている画面イメージが異なる場合があります。本文中で画面イメージを説明する場合には、日本語のメニュー、ボタン名などの項目名と英語の項目名が、適宜併記されています。
このマニュアルでは、「IA」という用語は、Intel 32 ビットのプロセッサアーキテクチャを意味します。これには、Pentium、Pentium Pro、Pentium II、Pentium II Xeon、Celeron、Pentium III、Pentium III Xeon の各プロセッサ、および AMD、Cyrix が提供する互換マイクロプロセッサチップが含まれます。