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Sun[tm] ONE Application Server 7
製品のインストール
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すでに Sun ONE Application Server をインストールしている場合は、次の「環境設定」に進んでください。

Solaris 9[tm] オペレーティング環境で、Solaris 9 のインストール時にアプリケーションサーバーを同時にインストールした場合は、「Solaris インストール後の作業手順」に従ってアプリケーションサーバーの環境を設定してください。

製品を初めてインストールする場合は、この項の説明に従って操作します。この項では、評価 (Evaluation) バージョンの製品を対話モードでインストールする方法について説明します。評価バージョン以外の製品のインストール方法とサイレントモードでのインストール方法については、『Sun ONE Application Server 7 インストールガイド』を参照してください。

Sun ONE Application Server 7 のインストールは、ユーザーロールや使用する方法 (コマンド行、GUI、サイレントモード) によって異なります。この項では、インストールの種類と、評価バージョンを GUI モードでインストールする方法について説明します。 運用または開発用に実際の製品をインストールする準備ができたら、『インストールガイド』のインストール手順を参照してください。

この項では次の項目について説明します。

  » インストールについて
  » 評価用インストール
  » アンインストール
  » Solaris 9 インストール後の設定


インストールについて

『Sun ONE Application Server 7 インストールガイド』に従ってセットアッププログラムを実行する前に、この項でインストールの種類と方法を確認してください。ユーザーロールに基づいてインストールの種類を選択し、インストール環境に最適のインストール方法を選択します。

製品の種類

Sun ONE Application Server には、評価バージョンと、それ以外のバージョンがあります。評価バージョンのインストールでは、ユーザーの入力は最小限ですみます。

評価用以外のバージョンでは、実際の運用または開発用に製品をインストールできます。また、コンポーネントを指定してインストールできます。

ここでは、評価バージョンのインストールについて説明します。

評価バージョンのインストールでは、次のコンポーネントがインストールされます。

  » Sun ONE Application Server 7 Core Server およびユーティリティ
  » Sun ONE Message Queue 3.0.1
  » 入門ガイド
  » サンプルアプリケーション
  » Java[tm] 2 Software Development Kit, Standard Edition 1.4.0_02
  » PointBase データベースサーバーおよび Type 4 JDBC[tm] ドライバ
  » Sun ONE Studio 4, Enterprise Edition for Java (試用ライセンス)

Sun ONE Studio 4, Enterprise Edition for Java を含む評価バージョンをインストールした場合は、このコンポーネントもインストールされます。

インストール方法

評価バージョンでは、次のいずれかの方法でアプリケーションサーバーをインストールできます。

インストールの種類 説明
グラフィカルインタフェース

グラフィカルな対話型のダイアログを使用できます。

コマンド行による対話型 グラフィカルインタフェースを使用する場合と同じ手順でインストールを行いますが、グラフィック対応のディスプレイは必要はありません。たとえば、telnet からリモートサーバーにアクセスしている状況でも、対話モードで製品をインストールできます。コマンド行による対話型のインストールを行いたい場合は、インストール時に -console オプションを指定します。
サイレント (パラメータ駆動型) パラメータファイルに基づいてスクリプトインストールを実行できます。この方法で製品をインストールする場合は、途中の操作は必要ありません。

このマニュアルではグラフィカルインタフェースによるインストールについて説明しますが、コマンド行による対話モードのインストールも簡単に実行できます。

サイレントモードによるインストールの詳細については、『インストールガイド』を参照してください。

評価バージョンのインストール

この項には次の項目があります。

  » インストールの準備
  » Solaris 環境で必要なパッチ
  » セットアッププログラムの実行

評価バージョンの標準的な Sun ONE Application Server か、Sun ONE Studio 4, Enterprise Edition for Java が付属したバージョンのいずれかを選択してダウンロードできます。

インストールの準備

システム要件は次の表のとおりです。 表の左端から順に、サポートされているオペレーティングシステム、サポートされているアーキテクチャ、各オペレーティングシステムの最小メモリー要件、推奨メモリー容量、最小ディスク容量、推奨ディスク容量を記載しています。

オペレーティングシステム アーキテクチャ 最小メモリー容量 推奨メモリー容量 最小ディスク容量 推奨ディスク容量
Sun Solaris 8 SPARC 版 、
Sun Solaris 9 SPARC 版

32 ビット / 64 ビット

Sun ONE Studio なしの場合、128M バイト

Sun ONE Studio ありの場合、512M バイト

512M バイト 250M バイト 500M バイト

Microsoft Windows

2000 Advanced Server、SP2 以上

2000 Server、SP2 以上

2000 Professional、SP2 以上

XP Professional

Intel 32 ビット

Sun ONE Studio なしの場合、128M バイト

Sun ONE Studio ありの場合、512M バイト

512M バイト 250M バイト 500M バイト

Solaris 環境で必要なパッチ

ご使用の Solaris システムに、必要なパッチをインストールしてください。Solaris 8 を使用する場合は、Sun 推奨パッチクラスタをインストールする必要があります。このパッチクラスタは、http://sunsolve.sun.com/ の「Product Patches」から入手できます。

Solaris 8 システムには、さらに次の Solaris パッチもインストールする必要があります。

109326-06

このパッチは、次の SunSolve のパッチ検索ページから入手できます。

http://sunsolve.sun.com

システム要件が揃っていることが確認できたら、アプリケーションサーバーのインストール準備は完了です。

セットアッププログラムの実行

次に説明する手順では、Sun ONE Application Server 7 をグラフィカルインタフェースモードでインストールします。コマンド行インタフェースのインストールでも、操作手順は同じです。GUI ベースのインストール画面の代わりにテキストベースの情報がコンソールに表示されます。

次の手順は、すべてのプラットフォームで実行できます。

警告アイコンWindows を使用する場合 : Sun ONE Application Server 7 をインストールするには、Windows マシンの管理権限が必要です。また、1 台の Windows マシンに同じバージョンの Sun ONE Application Server を複数インストールすることはできません。

1. インストール用の圧縮ファイルを一時ディレクトリに展開 (解凍) します。

2. ファイルの展開先ディレクトリに移動します。

3. コマンドプロンプトに次のコマンドを入力します。

#./setup

コマンド行インストールを行う場合は次のコマンドを入力します。

#./setup -console

Windows では、エクスプローラを使ってファイルの展開先フォルダを開き、setup.exe ファイルをダブルクリックするという方法もあります。

インストールインタフェースが表示されます。

4. 「Welcome」画面の内容を確認し、「Next」をクリックします。

5. ライセンス契約の内容を確認し、契約内容に同意するラジオボタンを選択して、「Next」をクリックします。

インストールを続行するには、ライセンス契約に同意する必要があります。

6. インストールディレクトリのパスを入力します。(...) をクリックしてディレクトリをブラウズすることもできます。

ディレクトリが存在しない場合は、「Create New Directory?」ダイアログが表示されます。「Create Directory」をクリックします。「Choose New」をクリックして別のディレクトリを選択することもできます。

7. 「Server Configuration Information」ダイアログに次の情報を入力します。

フィールド
「Admin User」

サーバーの管理者の名前です (admin など)。

「Admin User's Password」 管理サーバーにアクセスするためのパスワードです。8 文字以上の文字列を入力します。確認のため、その下のテキストボックスにも同じパスワードを入力します。
「Admin Server Port」 管理サーバーにアクセスするポート番号です。 デフォルトのポート番号が表示されます (現在のマシン上で使用されていないポート番号。たとえば 4848 など)。必要に応じてデフォルトのポート番号を変更します。 「Next」をクリックすると、インストールプログラムにより、指定のポート番号が有効かつ使用可能であるかどうかがチェックされます。
「HTTP Server Port」 デフォルトサーバーインスタンスにアクセスするポート番号です。 デフォルトのポート番号が表示されます (現在のマシン上で使用されていないポート番号。たとえば 1024 など)。必要に応じてデフォルトのポート番号を変更します。 「Next」をクリックすると、インストールプログラムにより、指定のポート番号が有効かつ使用可能であるかどうかがチェックされます。

情報アイコンポートの自動選択 : インストールプログラムにより使用中のポートが自動的に検出され、現在未使用のポートがデフォルトポートとして提示されます。デフォルトの設定では、UNIX 環境または Windows 環境のルートとして実行している場合、HTTP サーバーと管理サーバーのデフォルトポート番号は、それぞれ 80 と 4848 です。 UNIX 上でルート以外のユーザーとして実行している場合、HTTP サーバーのデフォルトポートは 1024 になります。これらの初期デフォルトポートがすでに使用中の場合、インストールプログラムによりその他のポート番号が提示されます

8. 「Checking Disk Space」ダイアログが表示されます。

9.「Install Now」をクリックしてインストールを完了します。

インストールの進捗インジケータバーが表示されます。

インストールが完了すると、「Installation Complete」画面が表示されます。画面の内容を確認したら、「Finish」をクリックしてインストーラを終了します。

インストール時の問題の解決策については、『インストールガイド』のトラブルシューティングの説明を参照してください。

これでインストールは完了です。「環境設定」に進んでください。

アンインストール

Sun ONE Application Server の評価バージョンをアンインストールすると、すべてのコンポーネントが自動的にアンインストールされます。アンインストールするコンポーネントを個別に指定することはできません。

アンインストールが実行される前に、アンインストールプログラムは実行中のプロセスをすべて検出し、停止します。

UNIX、Windows のどちらのプラットフォームを使用している場合も、次の手順に従ってください。

1. Sun ONE Application Server のインストールディレクトリに移動します。

2. コマンドプロンプトに次のいずれかのコマンドを入力します。

GUI モード:

./uninstall

コマンド行モード:

./uninstall -console

Windows では、次のように選択しても同じことができます。

「スタート」->「プログラム」->「Sun ONE Application Server 7」->「Uninstall」

3. 「Welcome」画面の内容を確認し、「Next」をクリックするか Enter キーを押して、アンインストールを続行します。

4. 「Ready to Uninstall」画面に、アンインストール可能なコンポーネントのリストが表示されます。 確認後、「Next」をクリックするか Enter キーを押して続行します。

評価バージョンの Sun ONE Application Server では、アンインストールするコンポーネントを個別に指定することはできません。

5. 「Uninstall Now」をクリックするか、Enter キーを押します。

アンインストールの進捗状況が表示されます。

6. 「Uninstall Summary」画面が表示されます。

内容を確認し、「Exit」をクリックするか Enter キーを押してアンインストールプログラムを終了します。

7. インストールディレクトリに移動し、残ったファイルやディレクトリを手作業で削除します。

Solaris 9 インストール後の設定

Solaris 9 のインストール時に同時にインストールした Sun ONE Application Server 7 には、必要なライブラリ、実行可能ファイル、およびアプリケーションサーバーが必要とするその他のファイルだけが含まれています。インストール時にアプリケーションサーバーの設定は行われません。 初期設定を行うには、アプリケーションサーバーの asadmin コマンド行インタフェース (CLI) を使う必要があります。asadmin コマンド行インタフェースのサブコマンド create-domain を実行すると、指定したディレクトリに管理ドメインが作成されます。管理ドメインは、管理サーバーの設定とアプリケーションサーバーインスタンスの設定から構成されます。最初の管理ドメインを作成するときは、そのドメインの管理サーバーと関連づける管理ユーザー名、パスワード、およびポート番号を指定します。

管理ドメインを作成すると、そのドメインに 1 つまたは複数のアプリケーションサーバーインスタンスを作成できるようになります。アプリケーションサーバーの各インスタンスには、HTTP サーバー、J2EE の Web コンテナと EJB コンテナ、およびアプリケーションサーバーのその他のファイルが保存されます。

管理ドメインとアプリケーションサーバーインスタンスについては、次の項でさらに詳しく説明します。

管理ドメインの作成

デフォルトの設定では、サブコマンド create-domain を実行して作成した新しい管理ドメインの設定は、/var/appserver/domains/ ディレクトリに保存されます。この領域への書き込み権が割り当てられていないユーザーとしてログインした場合は、管理ドメインの作成時に別のディレクトリを指定する必要があります。 ドメイン設定の保存場所を指定するには、サブコマンド create-domain--path オプションを指定して実行します。

管理ドメインを作成する手順は次のとおりです。

1. ルートユーザー以外のユーザー ID を使用する場合は、システム管理者に管理ドメインの作成を依頼します。または、現在のユーザー ID を、管理ドメインの作成を許可された UNIX グループに追加してもらいます。ルートユーザーのアクセス権がない場合は、次の注を参照してください。

警告アイコンUNIX プラットフォームでのユーザーのアクセス権 : ルートユーザー以外のユーザーが管理ドメインを作成、削除するには、ドメインの設定ファイルに対して書き込み権を持つ UNIX グループにそのユーザーの ID を追加する必要があります。システム管理者は、次の手順を実行する必要があります。

1. インストール全体のドメイン設定ファイルを適用する UNIX グループを作成します。たとえば、asadmin という名前の UNIX グループを作成します。

2. インストール全体のドメイン設定ファイルを /etc/appserver に配置し、その所有権を新しく作成した UNIX グループに割り当てます。なお、インストール全体のドメイン設定ファイルの名前は、domains.bin および domains.lck です。たとえば、これらのファイルに割り当てられたグループを変更すると、次のようになります。

-rw-r--r-- 1 root asadmin 0 Sep 18 14:34 domains.bin
-rw-r--r-- 1 root asadmin 0 Sep 18 14:34 domains.lck

3. 新しく作成した UNIX グループに、これらのファイルへの書き込み権を付与します。書き込み権を付与したときは、次のようになります。

-rw-rw-r-- 1 root asadmin 0 Sep 18 14:34 domains.bin
-rw-rw-r-- 1 root asadmin 0 Sep 18 14:34 domains.lck

4. この UNIX グループにユーザー ID を追加します。

ルートユーザー以外のユーザーにインストール全体の設定ファイルへの書き込み権を付与したくない場合は、管理者自身が、ユーザーに代わってルートユーザーの ID を使用し、管理ドメインを作成します。管理者は、新しい管理ドメインの作成時に --sysuser オプションと --path オプションを指定できます。これらを使って、ドメインのディレクトリおよびファイルを所有する UNIX ユーザー ID と、管理ドメインの作成場所を指定します。

ユーザー ID が特定された管理ドメインでは、その ID を使うユーザーは asadmin のサブコマンドを実行して新しいアプリケーションサーバーインスタンスを作成したり、そのインスタンスに対して様々な管理タスクを実行したりできます。この場合、管理ドメインの設定ファイルに対して書き込み権を持つ UNIX グループにユーザー ID を追加する必要はありません。この UNIX グループへの登録が必要なのは、管理ドメインを作成、削除するユーザーだけです。

2. パスに /usr/sbin ディレクトリが含まれていることを確認します。

3. コマンド行から次のコマンドを実行し、「domain1」という新しい管理ドメインを作成します。

asadmin create-domain --path <domain_config_dir> --adminport 4848 --adminuser admin --adminpassword password domain1

<domain_config_dir> には、管理ドメインの設定を保存するディレクトリを指定します。--adminport--adminuser--adminpassword の各オプションは、ドメインに定義された新しい管理サーバーの初期設定を指定します。

サブコマンド create-domain の実行をルートユーザーに代行してもらう場合は、--sysuser オプションを使って管理ドメインのファイルとディレクトリの保存先にユーザー ID に設定してもらいます。次に例を示します。

asadmin create-domain --sysuser ckamps --path <domain_config_dir> --adminport 4848 --adminuser admin --adminpassword password domain1

サブコマンド create-domain を実行すると、次のようなメッセージが表示されます。

ドメイン domain1 を作成しました

ドメイン名「domain1」がすでに使用中の場合は、別のドメイン名を指定して create-domain サブコマンドを再実行します。ドメイン名にはピリオドなどの文字も使用できます。ドメイン名が重複しないように、ログインユーザー名を含めることも可能です。次に例を示します。 ckamps.domain1.

サブコマンド create-domain を実行したときに次のようなエラーメッセージが表示される場合は、ドメイン設定ファイルに対するアクセス権がユーザー ID に割り当てられていないことを意味します。前述の手順に従って、システム管理者に連絡してユーザー ID を適切な UNIX グループに追加してもらうか、管理ドメインを作成してもらいます。

ドメインを作成できません : domain1
problem locking store /etc/appserver/domains.lck (アクセス権がありません)

4. サブコマンド list-domains を実行し、アプリケーションサーバーのインストールに設定されているすべてのドメインをリスト表示します。これは読み取り専用のコマンドなので、ドメイン設定ファイルに対して書き込み権を持つ UNIX グループにユーザー ID が登録されていなくても実行できます。

asadmin list-domains
domain1 [<domain_config_dir>/domain1]

<domain_config_dir> の値は新しく作成された管理ドメインのデフォルトのディレクトリ、またはサブコマンド create-domain の実行時に --path オプションで指定したディレクトリとなります。

アプリケーションサーバーインスタンスの作成

システム管理者が管理ドメインを作成すると、または自身で管理ドメインを作成すると、新しい管理ドメインにアプリケーションサーバーのインスタンスを作成できるようになります。専用の管理ドメインにアプリケーションを作成するには、ドメイン設定ファイルに対して書き込み権を持つ UNIX グループにユーザー ID が登録されている必要はありません。

サブコマンド create-instance を実行して、アプリケーションサーバーインスタンスを作成します。

asadmin create-instance --domain domain1 --instanceport 80 server1

domain1」はドメイン作成時に指定したドメイン名、「80 」はアプリケーションサーバーインスタンスの HTTP サーバーのポート番号、「server1」はインスタンスの名前です。作業環境に応じて任意の値をオプションに指定します。番号が 1024 未満のポートにアクセスできるのはルートユーザーだけなので、ルートユーザー以外のユーザーは 1024 以上の値を指定する必要があります。

システムに定義したドメインが 1 つだけであれば、インスタンスの作成時にターゲットドメインを指定する必要はありません。

Solaris 9 と同時にアプリケーションサーバーをインストールしたあとアプリケーションサーバー環境を準備する方法については、『Sun ONE Application Server 7 管理者ガイド』を参照してください。

アプリケーションサーバーの最初の管理ドメインとアプリケーションサーバーインスタンスを作成したら、「アプリケーションサーバーの起動と停止」に進みます。

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