Solaris ボリュームマネージャの管理

Solaris ボリュームマネージャで行う作業の概要

Solaris ボリュームマネージャのロードマップ — 新機能

表 1–1 Solaris ボリュームマネージャのロードマップ — 新機能

作業 

説明 

参照先 

1 つまたは複数のコンポーネントが 1T バイトを超えるストレージの管理 

1T バイトを超えるサイズの物理 LUN を使用するか、1T バイトを超える論理ボリュームを作成します。 

Solaris ボリュームマネージャの大容量ボリュームのサポートについての概要

Solaris ボリュームマネージャのロードマップ — 記憶容量

表 1–2 Solaris ボリュームマネージャのロードマップ — 記憶容量

作業 

説明 

参照先 

記憶領域の設定 

RAID 0 または RAID 5 ボリュームを作成することによって、複数のスライスにまたがる記憶領域を作成します。この RAID 0 または RAID 5 ボリュームは、ファイルシステムやアプリケーション (raw デバイスにアクセスするデータベースなど) のために使用できます。 

RAID 0 (ストライプ方式) ボリュームを作成するには

RAID 0 (連結方式) ボリュームを作成するには

未使用のスライスから RAID 1 ボリュームを作成するには

ファイルシステムから RAID 1 ボリュームを作成するには

RAID 5 ボリュームを作成するには

既存のファイルシステムの拡張 

RAID 0 (連結方式) ボリュームを作成してからスライスを追加することによって、既存のファイルシステムの容量を拡張します。 

既存のデータの領域を拡張するには

既存の RAID 0 (連結方式またはストライプ方式) ボリュームの拡張 

既存の RAID 0 ボリュームにスライスを連結することによって、RAID 0 ボリュームを拡張します。 

既存の RAID 0 ボリュームを拡張するには

RAID 5 ボリュームの拡張 

既存の RAID 5 ボリュームにスライスを連結することによって、RAID 5 ボリュームの容量を拡張します。 

RAID 5 ボリュームを拡張するには

拡張されたボリューム上の UFS ファイルシステムの拡張 

growfs コマンドを使って UFS のサイズを拡張することによって、ファイルシステムを拡張します。この作業は、UFS ファイルシステムをマウントしたまま実行できるので、データへのアクセスを中断する必要はありません。

ファイルシステムを拡張するには

スライスまたは論理ボリュームをより小さいパーティションに分割し、8 スライスというハードパーティション制限を取り除く 

ソフトパーティションを使用して論理ボリュームまたはスライスをさらに分割します。 

ソフトパーティションを作成するには

ファイルシステムの作成 

ファイルシステムを RAID 0 (ストライプ方式または連結方式)、RAID 1 (ミラー)、RAID 5、トランザクションのいずれかのボリューム上に作成します。あるいは、ソフトパーティション上に作成します。 

Solaris のシステム管理 (基本編)』の「ファイルシステムの作成 (手順)」

Solaris ボリュームマネージャのロードマップ — 可用性

表 1–3 Solaris ボリュームマネージャのロードマップ — 可用性

作業 

説明 

参照先 

データの可用性を最大限強化 

Solaris ボリュームマネージャのミラー化機能を使ってデータの複数のコピーを保持します。データの作成に先立って未使用のスライスから RAID 1 ボリュームを作成できます。あるいは、root (/) や /usr など、既存のファイルシステムをミラー化できます。

未使用のスライスから RAID 1 ボリュームを作成するには

ファイルシステムから RAID 1 ボリュームを作成するには

最少限のハードウェアコストでデータの可用性を強化 

Solaris ボリュームマネージャの RAID 5 ボリュームを使用することによって、最小限のハードウェアでデータの可用性を高めます。 

RAID 5 ボリュームを作成するには

既存の RAID 1 または RAID 5 ボリュームのデータ可用性の向上 

ホットスペア集合を作成し、それをミラーのサブミラーまたは RAID 5 ボリュームと対応付けることによって、RAID 1 または RAID 5 ボリュームのデータ可用性を向上させます。 

ホットスペア集合の作成

ホットスペア集合とボリュームの対応付け

再起動後のファイルシステムの可用性を高める 

UFS ロギング (トランザクションボリューム) をシステムに追加することによって、再起動後のファイルシステムの全体的な可用性を高めます。ファイルシステムをロギングすると、システム再起動時の fsck コマンドの実行時間を短くできます。

ファイルシステムロギングについて

Solaris ボリュームマネージャのロードマップ — 入出力性能

表 1–4 Solaris ボリュームマネージャのロードマップ — 入出力性能

作業 

説明 

参照先 

RAID 1 ボリュームの読み書きポリシーの調整 

RAID 1 ボリュームの読み書きポリシーを指定して、特定の構成における性能を改善します。 

RAID 1 ボリュームの読み取りおよび書き込みポリシー

RAID 1 ボリュームオプションを変更するには

デバイス性能の最適化 

RAID 0 (ストライプ方式) ボリュームを作成すると、そのストライプを構成する各デバイスの性能が最適化されます。飛び越し値を設定することで、ランダムアクセスや順次アクセスを最適化できます。 

RAID 0 (ストライプ方式) ボリュームの作成

RAID 0 (ストライプ方式) ボリュームにおけるデバイス性能の維持 

領域が足りなくなったストライプや連結に新しいコンポーネントを連結することによって、ストライプや連結を拡張します。性能に関しては、スライスの連結よりもストライプの連結の方が優れています。 

記憶領域の拡張

Solaris ボリュームマネージャのロードマップ — 管理

表 1–5 Solaris ボリュームマネージャのロードマップ — 管理

作業 

説明 

参照先 

ボリューム管理構成のグラフィカル管理 

Solaris 管理コンソールを使ってボリューム管理構成を管理します。 

Solaris 管理コンソールアプリケーションの Solaris ボリュームマネージャ (拡張ディスク) ノード内から使用するオンラインヘルプ 

スライスやファイルシステムのグラフィカル管理 

Solaris 管理コンソールのグラフィカルユーザーインタフェースを使って、ディスクやファイルシステムを管理します。ここでは、ディスクのパーティション分割や UFS ファイルシステムの構築といった作業を行います。 

Solaris 管理コンソールアプリケーション内から使用するオンラインヘルプ 

Solaris ボリュームマネージャの最適化 

Solaris ボリュームマネージャの性能は、構成が適切に設定されているかどうかによって決まります。構成を作成したら、その構成を監視および調整する必要があります。 

Solaris ボリュームマネージャ構成の指針

構成ファイルの使用

将来の拡張に対する備え 

ファイルシステムの領域を使い切ってしまうことがあるため、ファイルシステムを連結で構成することによって将来の拡張に備えることができます。 

RAID 0 (連結方式) ボリューム

記憶領域の拡張

Solaris ボリュームマネージャのロードマップ — 障害追跡

表 1–6 Solaris ボリュームマネージャのロードマップ — 障害追跡

作業 

説明 

参照先 

不良スライスの交換 

ディスクに障害が発生したときは、Solaris ボリュームマネージャ構成で使用されているスライスを交換する必要があります。RAID 0 ボリュームの場合は、ボリュームを削除し、新しいスライスにボリュームを作成し直した後で、バックアップからデータを復元する必要があります。RAID 1 と RAID 5 ボリュームの場合は、スライスの交換と再同期を行なってもデータが失われることはありません。 

RAID 1 ボリュームのコンポーネント障害に対する処置

RAID 5 ボリューム内のコンポーネントを置き換えるには

起動障害からの回復 

ハードウェア障害やオペレータの操作ミスによって、システムの起動時に特殊な問題が起ることがあります。 

/etc/vfstab 内の不適切なエントリを修正するには

状態データベースの複製数の不足から回復するには

起動デバイスの障害から回復するには

トランザクションボリュームの障害に関する作業 

トランザクションボリュームの障害は、マスターデバイスやロギングデバイスで発生する可能性があり、その原因としてデータやデバイスの障害が挙げられます。同じロギングデバイスを共有しているすべてのトランザクションボリュームを修復しないと、ボリュームを使用可能な状態に戻すことはできません。 

パニックした場合のトランザクションボリュームを回復するには

ハードウェアエラー状態のトランザクションボリュームを回復するには