Solaris 9 の最新リリースは、Solaris 9 9/04 リリースです。
この章では、以下の Solaris リリースで新しく追加または拡張された機能について説明します。
2002 年 5 月に配布が開始された Solaris 9 リリースで利用可能となった機能拡張の概要については、第2章「Solaris 9 リリースの機能」を参照してください。
この章には 2 つの重要な発表が含まれています。Sun Microsystems は、AMD Opteron 用のサーバーとワークステーションを新しく発表しています。「AMD Opteron を搭載した新しいサーバーとワークステーション」を参照してください。「Sun Java Enterprise System の Solaris への統合」も参照してください。Sun Java Enterprise System には、Sun Open Net Environment (Sun ONE) 製品が含まれています。
Solaris 9 9/04 リリースに含まれているすべての機能は、特に明記されない限り、UltraSPARC システムと x86 システムの両方に適用されます。本書では、「x86」という用語は Intel 32 ビット系列のマイクロプロセッサチップ、および AMD が提供する 64 ビットと 32 ビットの互換マイクロプロセッサチップを意味します。「Solaris Hardware Compatibility List」で示すように、現在ではますます多くの x86 システムで Solaris ソフトウェアが動作しています。詳細は、http://www.sun.com/bigadmin/hcl を参照してください。本書では、異なるプラットフォーム間の実装の違いについても言及します。
ここでは、この章で説明するすべての新機能のリストを示します。このリストは、参照しやすいようにリリース別に分類されています。各機能の説明は、この章の残りの節に記載されています。
次の機能は、Solaris 9 9/04 リリースで追加されました。
「USB 2.0 デバイスの機能と互換性の問題」の説明は、Solaris 9 9/04 リリースで更新されました。また、「Solaris 9 9/04 リリースの新規マニュアルおよび改訂マニュアル」も参照してください。
次の機能は、Solaris 9 4/04 リリースで追加されました。
次の USB 機能の説明は、Solaris 9 4/04 リリースで追加または更新されました。
次の機能は、Solaris 9 12/03 リリースで追加されました。
「Sun ONE Application Server の統合」は、このリリースで機能拡張されました。
次の機能は、Solaris 9 8/03 リリースで追加されました。
次の機能は、Solaris 9 8/03 リリースで機能拡張されました。
次の機能は、Solaris 9 4/03 リリースで追加されました。
次の機能は、Solaris 9 4/03 リリースで機能拡張されました。
次の機能は、Solaris 9 12/02 リリースで追加されました。
次の機能は、Solaris 9 9/02 リリースで追加されました。
Sun Microsystems は、 AMD Opteron を搭載した、以下のサーバーとワークステーションを新しく導入しています。
Sun FireTM V20z サーバーは、AMD Opteron プロセッサを最大 2 個まで搭載可能 (2P) な、エンタープライズクラスの 1U ラックマウント型サーバーです。Sun Fire V40z サーバーも AMD Opteron プロセッサベースですが、3U ラックマウント型で、最大 4 個のプロセッサを搭載可能 (4P) なサーバーです。
AMD Opteron プロセッサは、x86 の 64 ビットアーキテクチャを実装し、優れたメモリー容量と帯域幅を提供します。
これらのサーバーには、組み込み型サービスプロセッサ (SP)、フラッシュメモリー、RAM、専用の Ethernet インタフェース、およびサーバー管理ソフトウェアが含まれています。これらのサーバーには各種のサーバー管理ツールが付属し、最小の総所有コスト (TCO) でより良い制御を実現します。SP を搭載したプラットフォームでは、コマンドラインインタフェース (CLI)、SNMP サードパーティフレームワーク統合、または IPMI を使用して、構成や管理を行うことができます。専用の SP によって、オペレーティングシステムの独立性と、サーバー管理の最大限の可用性が得られます。
詳細は、以下の Web サイトを参照してください。http://www.sun.com/v20z/ および http://www.sun.com/v40z/
これらの Web サイトには、これらの新製品に関する詳細な文書へのリンクも含まれています。
Sun Java Workstation W1100z と Sun Java Workstation W2100z は、AMD Opteron プロセッサベースのシステムです。これらのワークステーションには、1 個または 2 個の AMD 64 Opteron プロセッサが、オンボードの AMD socket 940 ソケットにあらかじめインストールされています。.2 プロセッサシステム (1 プロセッサあたり 4 個の DIMM を持つ) では、デュアルチャネルで最大 16G バイトのレジスタ付き ECC 400 DDR SDRAM を利用可能です。ハードディスクドライブ容量に関しては、1 台または 2 台の内蔵 PATA-100 80G バイトのハードディスクドライブ、または最大 5 台の 73G バイト Ultra 320 SCSI ハードディスクドライブを搭載可能です。
これらのワークステーションは、AGP-8x/Pro スロット 1 個 (高性能グラフィックカード用)、133 MHz スロット 1 個、および 100 MHz PCI-X スロット 4 個を備えています。これらのワークステーションはまた、Gigabit Ethernet インタフェース 1 個、IEEE 1394 インタフェース 2 個、USB 2.0 インタフェース 5 個、および業界標準のオーディオインタフェース各種を備えています。
詳細は、以下の Web サイトを参照してください。http://www.sun.com/desktop/workstation/w2100z/index.xml および http://www.sun.com/desktop/workstation/w1100z/index.xml
これらの Web サイトには、新製品に関する詳細な文書へのリンクも含まれています。
Solaris 9 9/04 リリースでは、デフォルトで UFS が有効になっています。以前の Solaris 9 リリースに含まれていたファイルシステムの機能拡張は、次のとおりです。
この機能は、Solaris 9 9/04 リリースで追加されました。
すべての UFS ファイルシステムで、ロギングがデフォルトで有効になります。ただし、次の場合は例外です。
ロギング機能が明示的に無効とされている場合
ロギングを行うために必要なファイルシステムの容量が不足している場合
Solaris の以前のリリースでは、UFS ロギングを手動で有効にする必要がありました。
UFS ロギングでは、完全な UFS 操作を構成する複数のメタデータの変更が、1 つのトランザクションにまとめられます。一連のトランザクションは、ディスク上のログに記録されたあとで、実際の UFS ファイルシステムのメタデータに適用されます。
UFS ロギングには 2 つの長所があります。
トランザクションログによりファイルシステムの整合性がすでに保持されていると、システムがクラッシュしたとき、またはクリーンでないシステム停止が発生したときに、fsck コマンドを実行する必要がないことがあります。
Solaris 9 12/02 リリース以降、UFS ロギングのパフォーマンスが向上し、その結果、ロギングが有効なファイルシステムが、ロギングが無効なファイルシステムよりすぐれたパフォーマンスを発揮できるようになりました。ロギングが有効なファイルシステムでは、同じデータに対する複数の更新が 1 回の更新に変換されるため、これがパフォーマンスの向上につながっています。この機能により、必要なオーバーヘッドディスク操作の実行回数が削減されます。
詳細は、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の「デフォルトで有効な UFS ロギング」を参照してください。mount_ufs(1M) のマニュアルページも参照してください。
この機能は、Solaris 9 12/03 リリースで追加されました。
次の機能拡張により、NFS クライアントのパフォーマンスが向上しています。
ネットワーク転送サイズに関する制限が緩和されました。具体的には、使用する転送プロトコルに基づいて転送サイズが決定されるようになりました。たとえば、UDP 使用時の NFS 転送の上限は、以前と同じく 32K バイトです。これに対し、TCP は UDP のようなデータグラム制限を持たないストリーミングプロトコルであるため、TCP 使用時の最大転送サイズは、1M バイトまで拡張されています。
これまで、書き込み要求はすべて、NFS クライアントと NFS サーバーの両方で直列化されていました。今回の NFS クライアントの変更により、単一ファイルに対する同時書き込み、同時読み取り / 書き込みを、アプリケーションから実行できるようになりました。この機能をクライアント上で有効にするには、forcedirectio mount オプションを使用します。このオプションを使用した場合、マウントされたファイルシステム内のすべてのファイルに対して、この機能が有効になります。この機能をクライアントの単一のファイルに対してのみ有効にするには、directio() インタフェースを使用します。なお、この新しい機能を有効にしない限り、ファイルへの書き込みは直列化されることに注意してください。また、同時書き込みや同時読み取り / 書き込みが実行されると、そのファイルに関しては、POSIX のセマンティクスはサポートされなくなります。
NFS クライアントで余分な数の UDP ポートが使用されなくなりました。これまで、UDP 経由の NFS 転送では、未処理の要求ごとに別々の UDP ポートが使用されていました。これからはデフォルトで、予約済みの UDP ポートが 1 つだけ使用されるようになりました。ただし、このサポートは設定可能です。複数のポートを同時に使用したほうがスケーラビリティが高まり、結果的にシステムのパフォーマンスが向上するような場合には、複数のポートを使用するようにシステムを設定できます。なお、この機能は、TCP 経由の NFS に最初から備わっていた同種の設定可能なサポートを UDP に移植したものです。
マルチテラバイト UFS ファイルシステムのサポートは、64 ビットのカーネルを実行するシステムでのみ利用できます。この機能は、Solaris 9 8/03 リリースで追加されました。
今回の Solaris リリースでは、64 ビット Solaris カーネルを実行するシステム上で、マルチテラバイト UFS ファイルシステムがサポートされます。これまで、UFS ファイルシステムの容量は、64 ビットシステムでも 32 ビットシステムでもおよそ 1 テラバイト (T バイト) に制限されていました。今回、マルチテラバイト UFS ファイルシステムをサポートするため、すべての UFS ファイルシステムコマンドとユーティリティが更新されました。
newfs -T コマンドを使用していれば、1T バイト未満の UFS ファイルシステムを作成したあとでも、ファイルシステムを 1T バイト以上に拡張できます。このコマンドにより、マルチテラバイトファイルシステムに適切な i ノードとフラグメントの密度が設定されます。
マルチテラバイト UFS ファイルシステムのサポートは、マルチテラバイト LUN が利用可能であることを前提にしています。これらの LUN は、Solaris ボリュームマネージャまたは Veritas VxVM のボリュームとして提供されるか、1T バイトを超える物理ディスクとして提供されます。
以下に、マルチテラバイト UFS ファイルシステムの機能の一部を紹介します。
最大 16T バイトの UFS ファイルシステムを作成できます。
最初に 16T バイト未満のファイルシステムを作成し、あとで最大 16T バイトまで拡張できます。
マルチテラバイトファイルシステムは、物理ディスク、Solaris ボリュームマネージャの論理ボリューム、および Veritas の VxVM 論理ボリュームに作成できます。
1T バイトを超えるファイルシステムで、UFS ロギングがデフォルトで有効になります。マルチテラバイトのファイルシステムでは、UFS ロギングが有効になっているとパフォーマンスが向上するというメリットがあります。また、ロギングが有効なときは fsck コマンドを実行しなくてもよい場合があるというロギングのメリットもあります。
以下は、マルチテラバイト UFS ファイルシステムのいくつかの制限事項です。
32 ビット Solaris カーネルを実行しているシステム上に、1T バイトを超えるファイルシステムをマウントすることはできません。
64 ビット Solaris カーネルを実行しているシステム上の 1T バイトを超えるファイルシステムからブートすることはできません。つまり、マルチテラバイトファイルシステム上にルート (/) ファイルシステムを配置することはできません。
個々のファイルを 1T バイトよりも大きくすることはできません。
UFS ファイルシステムの 1T バイトあたりの最大ファイル数は 100 万です。100 万に制限されているのは、 fsck コマンドでファイルシステムを検査するのに要する時間を減らすためです。
マルチテラバイト UFS ファイルシステムの割り当ては、1024 バイトブロックの最大 2T バイトに制限されています。
現時点では、fssnap コマンドを使ってマルチテラバイトの UFS ファイルシステムのスナップショットを作成することはできません。
詳細は、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の「Solaris 9 Update リリースの新しいファイルシステム機能」を参照してください。
このマルチテラバイトディスクのサポートは、64 ビットのカーネルを実行するシステムでのみ利用できます。この機能は、Solaris 9 4/03 リリースで追加されました。
今回の Solaris リリースでは、64 ビット Solaris カーネルを実行するシステム上で 1T バイト以上の大容量ディスクを使用できます。
EFI (Extensible Firmware Interface) ラベルは、物理ディスクボリュームと仮想ディスクボリュームをサポートします。UFS ファイルシステムには EFI ディスクラベルとの互換性があり、1T バイトを超えるサイズの UFS ファイルシステムを作成できます。今回のリリースに付属している更新されたディスクユーティリティでは、1T バイト以上の大容量ディスクを管理できます。
EFI ディスクラベルには、VTOC ディスクラベルにはない次の特徴があります。
1T バイト以上の大容量ディスクをサポートします。
スライス 0 〜 6 (スライス 2 は従来どおり) を提供します。
パーティション (スライス) を、主ラベルやバックアップラベルまたはその他のパーティションと重複させることはできません。通常、EFI ラベルのサイズは 34 セクターなので、パーティションの開始位置はセクター 34 になります。したがって、開始位置がセクター 0 のパーティションは存在しません。
ラベルには、シリンダ、ヘッド、およびセクターの情報は一切格納されません。サイズはブロック単位で報告されます。
これまで代替シリンダ領域 (ディスクの末尾から 2 シリンダ分) に格納されていた情報は、スライス 8 に格納されます。
EFI ディスクラベルの詳しい使用方法については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。このマニュアルには、既存のソフトウェア製品に EFI ディスクラベルを使用する場合の注意事項および制限事項が記載されています。
今回の Solaris リリースでは、Solaris ボリュームマネージャでも 1T バイト以上のディスク管理が可能です。これについては、「Solaris ボリュームマネージャによるマルチテラバイトボリュームのサポート」を参照してください。
Solaris 9 9/04 リリースでは、Solaris ボリュームマネージャの機能が拡張されています。以前のリリースから提供されているシステム管理機能は、次のとおりです。
この機能は、Solaris 9 9/04 リリースで追加されました。
Solaris Volume Manager for Sun Cluster には、特に Sun Cluster と Oracle9i Real Application Clusters などのアプリケーションで動作するボリューム管理機能が導入されています。Solaris Volume Manager for Sun Cluster では、マルチオーナーディスクセットにグループ化されたストレージを作成し、管理できます。マルチオーナーディスクセットを使用することにより、複数のノードでディスクセットの所有権を共有できます。また、アプリケーションのインスタンスがクラスタ内の各ノードで実行されるため、スケーラビリティが向上します。さらに、各アプリケーションのインスタンスが共有ストレージに直接アクセスするため、マルチオーナーディスクセットによりアプリケーションのパフォーマンスも向上します。
詳細は、『Solaris ボリュームマネージャの管理』を参照してください。Sun Cluster については、http://www.sun.com/software/cluster/ を参照してください。
この機能は、Solaris 9 9/04 リリースで追加されました。
Solaris ボリュームマネージャでは、デバイス ID の機能が拡張されています。ローカルセット内のディスクの移動だけでなく、指定のディスクセット内のディスクの移動も自動的に追跡できます。また、デバイス ID サポートにより、2 台のホストでディスクセットへのアクセスを共有することができます。なお、ディスクセットへの同時アクセスは許可されませんが、アクセス可能な raw ストレージのビューが異なっていてもかまいません。
Solaris ボリュームマネージャでは、metaimport コマンドの機能も拡張されています。このコマンドでは、拡張されたデバイス ID サポートを使用して、ディスクセットをインポートできます。別のシステムで作成されたディスクセットのインポートも可能です。
詳細は、metaimport(1M) のマニュアルページを参照してください。
この機能は、Solaris 9 4/04 リリースで追加されました。
システム管理者は、この機能の新しいコマンドを使用して、サービスベースの Solaris ボリュームマネージャ構成の品質をすばやく簡単に実現できます。新しいコマンド metassist では、詳細情報を管理し、機能的な論理ボリュームを作成でき、ディスク分割、ストライプの作成、ミラーのアセンブルを手動で行う必要はありません。ボリュームは、コマンド行に指定された基準または参照先の構成ファイルに指定された基準に基づいて作成されます。
詳細は、『Solaris ボリュームマネージャの管理』を参照してください。
この機能は、Solaris 9 12/03 リリースで追加されました。
この Solaris リリースで更新された pkgadd コマンドおよび patchadd コマンドを使用すると、デジタル署名を含む Solaris パッケージおよびパッチを安全にダウンロードできます。特定のパッケージまたはパッチに含まれるデジタル署名が有効であった場合、署名後にそのパッケージまたはパッチが改変されていないことが保証されます。
以前の Solaris リリースでは、署名付きパッチをシステムに追加するには、Solaris パッチ管理ツールと PatchPro 2.1 を使用する必要がありました。
この Solaris リリースで追加されたその他のソフトウェア管理機能は、次のとおりです。
更新された pkgtrans コマンドを使用してパッケージにデジタル署名を追加できるようになりました。署名付きパッケージの作成方法については、『Application Packaging Developers Guide』を参照してください。
HTTP サーバーまたは HTTPS サーバーからパッケージまたはパッチをダウンロードできるようになりました。
署名付きパッケージは、署名が付いている点以外は、署名なしパッケージとまったく同一です。このパッケージのインストール、照会、または削除は、既存の Solaris パッケージツールを使って行うことができます。また、署名付きパッケージと署名なしパッケージは、バイナリレベルで互換性があります。
デジタル署名を含むパッケージまたはパッチをシステムに追加するには、信頼された証明書をキーストアに前もって格納しておく必要があります。これらの証明書は、パッケージまたはパッチ上のデジタル署名が有効かどうかを確認する際に使用されます。
パッケージキーストアの設定方法および署名付きパッケージまたはパッチのシステムへの追加方法については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「署名付きパッケージの追加と削除 (作業マップ)」を参照してください。
Solaris インストールイメージを HTTP サーバーまたは HTTPS サーバーから起動および取得する方法については、「WAN ブートによるインストール方式」を参照してください。
この機能は、Solaris 9 12/03 リリースで追加されました。
NIS から LDAP への移行サービスを利用すると、ネットワークの主要ネーミングサービスを NIS から LDAP へ切り替えることができます。この移行サービスを使うことで、管理者は、LDAP ネーミングサービスクライアントと連携動作する、バンドルされた Sun ONE Directory Server を活用できるようになります。
詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』を参照してください。
この機能は、Solaris 9 8/03 リリースで追加されました。
この Solaris リリースに含まれる BIND のバージョンは 8.3.3 です。このバージョンでは、DNS クライアントは、IPv6 転送を使用して IPv6 DNS サーバーに接続できます。
マルチテラバイトボリュームのサポートは、64 ビットのカーネルを実行するシステムでのみ利用できます。この機能は、Solaris 9 4/03 リリースで追加されました。
Solaris ボリュームマネージャの機能が拡張され、マルチテラバイトボリュームを使用できるようになりました。この機能では、1T バイトを超える大容量の RAID-0 (ストライプ) ボリューム、RAID-1 (ミラー) ボリューム、RAID-5 ボリューム、およびソフトウェアパーティションボリュームを作成、管理、または削除できます。EFI ラベル付きの大容量ボリュームを構成し、LUN (論理ユニット番号) を割り当てることもできます。
Solaris ボリュームマネージャによる大容量ボリュームサポートは、32 ビットの Solaris カーネルを実行するシステムでは使用できません。たとえば、x86 プラットフォーム版の Solaris ソフトウェアや SPARC 32 ビットカーネルを搭載した Solaris ソフトウェアが稼働するシステムでは、大容量ボリュームサポートを使用することはできません。
詳細は、『Solaris ボリュームマネージャの管理』を参照してください。
「EFI ディスクラベルによるマルチテラバイトボリュームのサポート」も参照してください。
この機能は、Solaris 9 4/03 リリースで追加されました。
Solaris ボリュームマネージャは、RCM (Reconfiguration Coordination Manager) をサポートします。この機能により、DR (動的再構成) 要求に適切に応答できます。また、Solaris ボリュームマネージャの制御下にある使用中のデバイスを削除しようとすると、警告メッセージが表示されて削除できません。これは、デバイスの使用を停止するまで続きます。このようにして、システム管理者が DR 構成のシステムからアクティブなボリュームを誤って削除することを防ぎます。
詳細は、『Solaris ボリュームマネージャの管理』を参照してください。
この機能は、Solaris 9 4/03 リリースで追加されました。
Solaris 管理コンソールのパッチツールの Update オプションを使って、 SunSolve OnlineSM Web サイトの推奨パッチを分析、ダウンロード、およびインストールできます。また、smpatch update コマンドを使っても同じことができます。
これまで、この更新機能は、Solaris 2.6、Solaris 7、または Solaris 8 のいずれかのリリースを実行するシステムでしかサポートされていませんでした。
更新機能を使用するには、システムに PatchPro 2.1 ソフトウェアをインストールする必要があります。まず、http://www.sun.com/patchpro から PatchPro 2.1 パッケージをダウンロードします。次に、所定の手順に従ってシステムにソフトウェアをインストールします。
詳細は、smpatch(1M) のマニュアルページを参照してください。
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースで追加されました。
単一アダプタの IP ネットワークマルチパスグループ上で障害が検出された場合に、テスト専用 IP アドレスを使う必要はもうありません。IP ネットワークマルチパスグループ上に 1 つしか NIC (Network Interface Card、ネットワークインタフェースカード) がないためにフェイルオーバーを実行できないことがあります。この場合は、テストアドレスとデータアドレスを連結できます。テストアドレスが定義されていないときは、in.mpathd デーモンがデータアドレスを使って障害を検出します。
Solaris IP マルチパスの詳細は、『IP ネットワークマルチパスの管理』を参照してください。
Solaris 9 9/04 リリースでは、拡張されたプリンタサポート、新しいマウス機能、および USB 1.1 デバイスとの互換性の改善が追加されています。以前のリリースから提供されているデバイス管理機能は、次のとおりです。
この機能は、Solaris 9 9/04 リリースで追加されました。
このリリースでは、さまざまなプリンタのサポートを組み込むために変更が加えられています。これは、追加の変換ソフトウェア、ラスターイメージプロセッサ (RIP)、PostScriptTM Printer Description (PPD) ファイルの使用で実現されています。
これらの追加により、PPD ファイルを使用して Lexmark Optra E312、Epson Stylus Photo 1280 などのプリンタに出力できます。
この機能は、プリンタに常駐 PostScript 処理機能がない環境で役立ちます。
また、既存の Solaris 印刷ツールにも変更が加えられ、lpadmin コマンドに -n オプションが追加されました。このオプションでは、新しい印刷待ち行列を作成したり、既存の印刷待ち行列を変更したりするときに、使用する PPD ファイルを指定できます。
Solaris Print Manager の画面も更新され、メーカー、モデル、ドライバを選択することにより、印刷待ち行列の PPD ファイルを選択できるようになりました。この新しい機能は、以前の Solaris ソフトウェアリリースとは大幅に異なります。以前のリリースでは、プリンタの種類のリストと、そのプリンタが PostScript や ASCII テキストに対応しているかどうかに関する情報が制限されていました。
詳細は、lpadmin(1M) のマニュアルページと、『Solaris のシステム管理 (上級編)』を参照してください。
次のマウス機能は、Solaris 9 9/04 リリースでサポートされるようになりました。
USB または PS/2 マウスデバイスのホイール付きマウススクロール機能
USB または PS/2 マウスのホイールを回すと、アプリケーションまたはウィンドウがマウスフォーカスの位置から「スクロール」されます。
StarSuiteTM、MozillaTM、および GNOME アプリケーションは、ホイールマウススクロール機能をサポートします。その他のアプリケーションの中には、この機能をサポートしないものもあります。
USB または PS/2 マウスデバイスの 4 つ以上のボタンのサポート
Solaris 9 9/04 リリースに限っては、USB 2.0 ポートに接続された USB 2.0 ハブでも、USB 1.1 デバイスが動作します。[以前のリリースでは、この構成は利用不可]
以下は、Solaris 9 4/04 リリースからの新しい情報であり、x86 プラットフォームおよび SPARC プラットフォームに適用されます。
USB 2.0 デバイスは、USB 2.0 仕様に準拠した高速デバイスです。USB 2.0 仕様は、http://www.usb.org で確認できます。
以下に、今回の Solaris リリースの SPARC システムおよび x86 システムでサポートされる USB デバイスの例を示します。
大容量ストレージデバイス CD-RW、ハードディスク、DVD、デジタルカメラ、Zip ドライブ、フロッピーディスク、およびテープドライブ
キーボード、マウスデバイス、スピーカー、およびマイク
オーディオデバイス
今回の Solaris リリースで検証済みの USB デバイスの一覧は、次のサイトで確認できます。
http://www.sun.com/io_technologies/usb.html
その他のストレージデバイスを使用する場合は、scsa2usb.conf ファイルを変更する必要があります。詳細は、scsa2usb(7D) のマニュアルページを参照してください。
Solaris USB 2.0 デバイスのサポートとして、次の機能が用意されています。
USB バス速度が 12Mbps から 480Mbps へ向上しました。USB 2.0 仕様をサポートするデバイスを USB 2.0 ポートに接続した場合、USB 1.1 デバイスよりもかなり高速で実行できます。
USB 2.0 ポートは次のように定義されています。
USB 2.0 PCI カード上のポート
USB 2.0 ポートに接続された USB 2.0 ハブ上のポート
USB 2.0 は PCI ベースのすべての Sun プラットフォームで Solaris Ready 認定済みです。USB 2.0 ポートを SPARC プラットフォームに提供するには、NEC のチップを使用した USB 2.0 PCI カードが必要です。また、x86 プラットフォームの場合にも、このカードの使用を推奨します。今回の Solaris リリースで検証済みの USB 2.0 PCI カードの一覧は、http://www.sun.com/io_technologies/usb.html で確認できます。
同じシステム上に USB 1.1 デバイスと USB 2.0 デバイスが共存する場合でも、USB 1.1 デバイスは以前と同様に機能します。
USB 2.0 デバイスは USB 1.x ポート上でも機能しますが、USB 2.0 ポートに接続するとパフォーマンスが大幅に向上します。
USB 2.0 デバイスのサポートの詳細は、ehci(7D) および usba(7D) のマニュアルページを参照してください。
USB ケーブルおよびバスによる電源供給型デバイスの詳細は、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の「Solaris 環境における USB について」を参照してください。
以下は、Solaris 9 4/04 リリースからの新しい情報です。この機能は x86 プラットフォームおよび SPARC プラットフォームで使用できます。
Solaris 9 12/03 リリースの USBA フレームワークは、そもそも USB 1.1 デバイス向けに開発されたものでした。その後、より多くを要求する USB 2.0 デバイス向けに、新しいフレームワーク USBA 1.0 が開発されました。このフレームワークは USB 1.1 デバイスにも対応しています。今回の Solaris リリースでは、「二重フレームワーク」として、以前の USBA フレームワークと新しい USBA 1.0 フレームワークの両方が提供されます。二重フレームワークには、以前のフレームワークから新しいフレームワークへの移行作業を円滑にする働きがあります。以前の USBA フレームワークは、システムの USB 1.1 ポートに接続されたデバイスに対応しています。一方、新しい USBA 1.0 フレームワークは、システムの USB 2.0 ポートに接続されたデバイスに対応しています。
Sun のすべてのマザーボードポートは USB 1.1 ポートですが、ほとんどの PCI カードポートは USB 2.0 をサポートします。
USB 二重フレームワークの機能の詳細は、http://www.sun.com/desktop/whitepapers.html を参照してください。
USB 二重フレームワークの互換性に関する問題については、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の「USB デバイスの新機能」を参照してください。
Solaris 9 4/04 リリースの USB 2.0 は、x86 プラットフォームおよび SPARC プラットフォームに次の機能を提供します。
より高度なパフォーマンス USB 2.0 コントローラに接続されたデバイスのデータスループットが改良され、USB 1.1 デバイスに比べて最大 40 倍速のスループットが得られるようになりました。
高速 USB プロトコルの利点は、DVD やハードディスクドライブといった高速大容量ストレージデバイスにアクセスする場合に強く実感できます。
互換性 1.0 と 1.1 のデバイスおよびドライバ間で下位互換性が実現されています。このため、どちらのバージョンでも同じケーブル、コネクタ、およびソフトウェアインタフェースを使用できます。
USB デバイスの概要と用語の解説については、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の「USB デバイスの概要」を参照してください。
以下は、Solaris 9 4/04 リリースからの新しい情報であり、x86 プラットフォームおよび SPARC プラットフォームに適用されます。
以下の表では、USB 1.1 デバイスと USB 2.0 デバイスの Solaris サポートについて説明します。
|
Solaris 8 HW* リリース |
Solaris 9 リリース |
Solaris 9 4/04 リリース |
---|---|---|---|
USB 1.1 |
SPARC および x86 |
SPARC および x86 |
SPARC および x86 |
USB 2.0 |
SPARC |
なし |
SPARC および x86 |
Solaris 8 HW は Solaris 8 リリースではなく、Solaris 8 HW 5/03 リリースから開始された Solaris 8 Hardware (HW) リリースを表します。Solaris 8 HW 5/03 リリースの USB 二重フレームワークのパッチ番号は、109896 です。
Sun のハードウェアの USB サポートについては、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の第 7 章「USB デバイスの使用 (概要)」を参照してください。
以下は、Solaris 9 4/04 リリースで改訂された情報です。これらの機能は x86 プラットフォームおよび SPARC プラットフォームで使用できるようになりました。
リムーバブルメディアデバイスと同様にして、ボリュームマネージャからすべての USB ストレージデバイスにアクセスできるようになりました。この変更により、次の利点が得られます。
標準 MS-DOS または Windows (FAT) ファイルシステムで、USB ストレージデバイスがサポートされます。
format コマンドの代わりに、使いやすい rmformat コマンドを使って、すべての USB ストレージデバイスのフォーマットおよびパーティション分割が可能です。format コマンドの機能が必要な場合は、format -e コマンドを使用します。
fdisk のパーティション分割機能が必要な場合は、fdisk コマンドを使用できます。
スーパーユーザー (root) の特権コマンド mount が不要になったため、スーパーユーザー以外のユーザーも USB ストレージデバイスにアクセスできるようになりました。デバイスは vold によって自動的にマウントされ、/rmdisk ディレクトリの下に置かれます。システムの停止中に新しいデバイスが接続された場合は、boot -r コマンドで再構成ブートを実行して、vold にデバイスを認識させます。vold は、ホットプラグ対応デバイスを自動認識しません。システムの動作中に新しいデバイスが接続された場合は、vold を再起動します。詳細は、vold(1M) および scsa2usb(7D) のマニュアルページを参照してください。
FAT ファイルシステムを持つディスクをマウントし、アクセスできるようになりました。次に例を示します。
mount -F pcfs /dev/dsk/c2t0d0s0:c /mnt |
LOG SENSE ページをサポートするデバイスを除き、すべての USB ストレージデバイスの電源管理が行われます。LOG SENSE ページを持つデバイスは通常、USB-to-SCSI ブリッジデバイスを介して接続された SCSI ドライブです。以前の Solaris リリースでは、リムーバブルメディアとして認識されない一部の USB ストレージデバイスは電源管理の対象外でした。
USB 大容量ストレージデバイスでは、アプリケーションの動作が異なる場合があります。USB ストレージデバイスでアプリケーションを使用する場合は、次の点に注意してください。
以前は、フロッピーディスクや Zip ドライブのようなサイズが小さめのデバイスだけが着脱式だったため、アプリケーションで、メディアのサイズが正確に見積もられない可能性があります。
ハードディスクドライブなど、この着脱を適用できない場合は、デバイス上のメディアの取り出しを求めるアプリケーション要求が成功したあと、何も行われません。
以前の Solaris リリースの動作 (すべての USB 大容量ストレージをリムーバブルメディアデバイスと見なすとは限らない) に戻すには、/kernel/drv/scsa2usb.conf ファイルを更新します。
USB 大容量ストレージデバイスの詳しい使用方法については、scsa2usb(7D) のマニュアルページを参照してください。
USB 大容量ストレージデバイスの問題の障害追跡については、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の「USB デバイスの新機能」を参照してください。
この節では、Solaris 9 4/04 リリースの USB ドライバの拡張機能について説明します。これらの機能拡張は x86 プラットフォームおよび SPARC プラットフォームで使用できます。
新しい汎用 USB ドライバ USB 1.0 デバイスのアクセスや操作を、標準 UNIX® のシステムコール read(2) および write(2) を使用するアプリケーションから実行できるようになり、特別なカーネルドライバの書き込みは不要になりました。これ以外に次のような特徴があります。
アプリケーションから raw デバイスデータやデバイスの状態情報にアクセスできます。
このドライバは、制御転送、バルク転送、および割り込み転送 (in および out) をサポートします。
詳細は、ugen(7D) のマニュアルページと http://developers.sun.com にある USB DDK を参照してください。
Digi Edgeport USB サポート 一部の Digi Edgeport USB-to-serial-port 変換デバイスをサポートします。
新しいデバイスは、/dev/term/[0-9]* および /dev/cua/[0-9]* としてアクセスします。
USB シリアルポートをその他のシリアルポートと同じように使用できます。ただし、ローカルシリアルコンソールの機能はありません。ユーザーから見て、USB ポート経由でデータが実行されていることは明らかです。
詳細は、usbser_edge(7D) のマニュアルページを参照してください。または、http://www.digi.com および http://www.sun.com/io を参照してください。
ユーザーが作成したカーネルおよびユーザー独自のドライバの文書サポートとバイナリサポート Solaris USB Driver Development Kit (DDK) を使用できます。この DDK にはマニュアルも付属しています。DDK 関連の情報、ならびに USB ドライバ開発に関する最新情報については、http://developers.sun.com を参照してください。
以下は、Solaris 9 4/04 リリースからの新しい情報です。
EHCI ドライバには、次の機能があります。
USB 2.0 をサポートする拡張ホストコントローラインタフェースに準拠しています。
高速の制御転送、バルク転送、および割り込み転送をサポートします。
現在、高速のアイソクロナス (isochronous) トランザクションや分割トランザクションはサポートされません。たとえば、USB 1.x デバイスを USB 2.0 ポートに接続された USB 2.0 ハブには接続できません。
USB 2.0 と USB 1.0 または USB 1.1 を同じシステム上で共存させる場合は、システムに接続されているデバイスの種類によって、EHCI ドライバまたは OHCI ドライバにデバイスの制御が渡されます。
USB 2.0 PCI カードには、EHCI コントローラと 1 個以上の OHCI コントローラがあります。
USB 1.1 デバイスは、接続時に OHCI コントローラに動的に割り当てられます。
USB 2.0 デバイスは、接続時に EHCI コントローラに動的に割り当てられます。
Solaris 9 9/04 リリースでは、ロケール管理機能と新しい Solaris Unicode ロケールを導入しています。以前のリリースから提供されている言語サポート機能は、次のとおりです。
この機能は、Solaris 9 9/04 リリースで追加されました。
ロケール管理では、ユーザーはコマンド行インタフェースを介して Solaris OS のロケールを照会および設定できます。ユーザーは、 localeadm ツールを使って、システムにインストールされているロケールパッケージや、特定のデバイスまたはディレクトリに常駐しているロケールパッケージに関する情報を表示できます。地域単位で、現在のシステムにロケールを追加したり、ロケールを削除したりできます。たとえば、東ヨーロッパ地域のすべてのロケールを現在のシステムに追加できます。localeadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
この機能が導入される以前は、システムのインストール後にマシンのロケールを変更したい場合、パッケージを個別に追加または削除する必要がありました。しかし、この方法では、パッケージが見つからなかったり、見過ごしたりして、エラーが発生しやすくなります。このツールは、Solaris インストールプログラムのロケール選択ロジックを補完するものです。Solaris のロケールを正しくインストールするための主要アプリケーションは、これまでどおりインストールプログラムです。
この機能は、Solaris 9 9/04 リリースで追加されました。
以下の新しい Unicode ロケールが Solaris に追加されました。
nl_BE.UTF-8 (ベルギーのフラマン地域)
nl_NL.UTF-8 (オランダ)
ar_SA.UTF-8 (サウジアラビア)
el_GR.UTF-8 (ギリシャ)
pt_PT.UTF-8 (ポルトガル)
新しいロケールは、システムログインで使用できます。
この機能は、Solaris 9 4/04 リリースで追加されました。
国際化ドメイン名 (IDN、Internationalized Domain Name) では、英語以外の言語のホスト名やドメイン名を使用できます。このように英語以外の言語のホスト名やドメイン名を使用する場合、アプリケーション開発者はこれらの名前を、RFC 3490 に指定されているようにアプリケーション内で ASCII 互換エンコーディング (ACE、ASCII Compatible Encoding) 名に変換する必要があります。システム管理用アプリケーションが国際化ドメイン名をサポートしない場合、システム管理者はシステムファイルやアプリケーションで ASCII 互換エンコーディングを使用することも必要です。
この機能は、サポートされているさまざまなオプション引数を指定して API 変換を行うことにより、変換処理を支援します。詳細は、次のマニュアルページを参照してください。
libidnkit(3LIB)
idn_decodename(3EXT)
idn_decodename2(3EXT)
idn_encodename(3EXT)
iconv_en_US.UTF8(5)
この機能は、Solaris 9 4/04 リリースで追加されました。
Standard Type Services Framework (STSF) は、多言語組版のテキストレイアウトおよび描画処理を可能にするオブジェクト指向のプラグイン可能なアーキテクチャです。プラグインが可能であるというフレームワークの特質上、多種多様なフォントラスター化エンジンおよびテキストレイアウトプロセッサを使用できます。こうすることで、望みどおりの見た目を実現できます。このプラグイン可能なアーキテクチャでは、フォントの管理やアプリケーション固有フォントの作成も可能です。STSF には、スタンドアロン API と、サーバー側で描画処理を効率的に行う X サーバー拡張の両方が付属しています。STSF は、Sun Microsystems が後援しているオープンソースプロジェクトの 1 つです。
プロジェクトの詳細と API の使用方法については、http://stsf.sourceforge.net を参照してください。
この機能は、Solaris 9 12/03 リリースで追加されました。
Solaris ソフトウェアの任意の Unicode (UTF-8) ロケール内で作業するユーザーは、インド地域の諸言語で使われる文字を、簡単かつ直感的に入力できるようになりました。CDE アプリケーション、StarSuite、または Mozilla のいずれかを使用するユーザーは、インド系言語スクリプトの処理をより簡単に行えるようになりました。音訳ベースの入力方式 (IM) を選択すると、ユーザーは、インド系言語スクリプトと音声的に等価な文字列を英語で入力できます。入力された等価な文字列は、選択されたスクリプトで表示されるとともに、基盤となるレイアウトモジュールおよび整形モジュールの助けを借りて描画処理および整形処理が正しく実行されます。音訳は、インド系言語の入力用としてもっとも一般的に使用される入力方式であるため、このサポートにより、Solaris ソフトウェアに付属する 8 種類のインド系言語スクリプトの有用性が格段に高まります。
この機能は、Solaris 9 8/03 リリースで追加されました。
Solaris Unicode ロケールで、Unicode バージョン 3.2 がサポートされるようになりました。Unicode バージョン 3.2 には、新たに 1016 文字が追加されています。バージョン 3.2 には標準化する変更および有益な変更が追加されています。その変更点の詳細については、次の Web サイトにある『Unicode Standard Annex #28: UNICODE 3.2』を参照してください。
http://www.unicode.org/unicode/reports/tr28/
Unicode バージョン3.2 の条件に合わせて、UTF-8 文字表現の安全性も向上しました。Unicode バージョン3.2 は、UTF-8 の iconv コード変換において、より安全性の高い UTF-8 文字表現、形式、およびバイトシーケンスを実現します。あらゆる OS レベルのマルチバイト機能とワイド文字機能が実装されています。
mbtowc()
wctomb()
mbstowcs()
wcstombs()
mbrtowc()
wcrtomb()
mbsrtowcs()
fgetwc()
mblen()
この機能は、Solaris 9 4/03 リリースで追加されました。
Solaris 9 4/03 リリースでは、エストニア語キーボード (Type 6)、カナダ (フランス語) キーボード (Type 6)、およびポーランド語プログラマ向けキーボード (Type 5) のソフトウェアサポートが追加されました。カナダ、エストニア、ポーランドのユーザーは、このソフトウェアを使って、標準の米国キーボードのキー配列をそれぞれの言語の必要性に合わせて変更できます。これにより、キーボード入力の柔軟性が向上します。
キー配列の変更手順については、『Solaris 9 4/04 ご使用にあたって』を参照してください。
この機能は、Solaris 9 4/03 リリースで追加されました。
Wubi は、中国で広く使用されている IM (入力方式) です。Wubi IM のエンコーディング規則は、中国語文字の「字根」に基づいています。この方式では、標準キーボードで、「字音」による入力方式よりも速く中国語文字列を入力できます。
この機能は、Solaris 9 4/03 リリースで追加されました。
Solaris ソフトウェアでは、インド系言語のキーボード入力がサポートされます。インド系言語のユーザーは、Solaris ソフトウェアで好みのキーボード配列を使用して、インド系言語の文字列を入力できます。
この機能は、Solaris 9 4/03 リリースで追加されました。
今回の Solaris リリースでは、以前からサポートされていたヒンディー語スクリプトのほかに、次のインド系言語のスクリプトがサポートされます。
ベンガル語
グルムキー語
グジャラート語
タミル語
マラヤーラム語
テルグ語
カンナダ語
これらのインド系言語ユーザーは、Solaris でサポートされている任意の Unicode ロケール環境の Solaris ソフトウェアで言語サポートを得ることができます。
Solaris 9 9/04 リリースでは、makecontext() 関数にいくつかの改良が加えられました。以前の Solaris 9 リリースに含まれていた開発ツールの機能拡張は、次のとおりです。
この機能は、Solaris 9 9/04 リリースで追加されました。
ucontext_t 構造の uc_stack メンバーのセマンティクスが変更されました。新しい uc_stack メンバーは、makecontext() libc ライブラリ関数への入力に適用されます。以前のバージョンの Solaris と Solaris 10 のバイナリ互換性は保持されています。
このインタフェースを使用するアプリケーションは、再コンパイル前に更新する必要があります。詳細は、makecontext(3C) のマニュアルページを参照してください。
この機能は、Solaris 9 12/03 リリースで追加されました。
『プログラミングインタフェース』に、ローカリティグループ (lgroups) とやり取りするインタフェースについて説明した章が追加されました。これらのインタフェースを使用すると、アプリケーションが CPU 資源とメモリー資源の割り当てを効率的に行えるようになります。この機能を使うと、システムによってはパフォーマンスが向上する可能性があります。
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースで追加されました。
最新情報については、『リンカーとライブラリ』の付録 D「リンカーとライブラリの新機能および更新された機能」を参照してください。このマニュアルでは、文字列テーブルの圧縮、参照されていないセクションの削除、参照されていない依存関係の検出など、Solaris 9 システムの新しいリンカー/エディタ機能について説明しています。
この機能は、Solaris 9 8/03 リリースで追加されました。
Solaris スマートカードインタフェースは、スマートカード端末用の公開インタフェースです。カード端末ベンダーは、これらのインタフェースをユーザーレベルの共有ライブラリに実装し、Solaris 環境のスマートカード端末にデバイスレベルのサポートを提供できます。Solaris スマートカード端末インタフェースは、Linux Smartcard フレームワークの一部として提供されるカード端末インタフェースに基づいています。Linux のカード端末サポートライブラリは、Solaris に簡単に移植できます。
この機能は、Solaris 9 4/03 リリースで追加されました。
スタック検査 API は、スタック検査コンパイラとの高度なやりとりのために用意されたものです。スタック検査コンパイラは、ForteTM 7.0 に付属しています。スタック検査 API は、スタック検査対応のコンパイル済みアプリケーションで使用します。このようなアプリケーションには、固有のスタックを管理したり、そのオーバーフローを検出したりする機能があります。
固有のスレッドライブラリを管理する開発者は、setustack インタフェースを使って、ライブラリの消費者がスタック検査対応のコンパイルを実行できるようにする必要があります。
stack_getbounds(3C)、stack_setbounds(3C)、stack_inbounds(3C)、および stack_violation(3C) のマニュアルページを参照してください。
この機能は、Solaris 9 4/03 リリースで追加されました。
libumem は、ユーザーモード (非カーネルモード) のメモリー割り当てライブラリです。libumem では、メモリーリークやメモリーの使用に関するその他の問題をデバッグできます。
この機能は、malloc() などの標準アプリケーションバイナリインタフェース (ABI) アロケータと同様の方法で使用します。ユーザーモードのアプリケーションが、メモリーに対して任意のバイト数を要求すると、割り当てられたメモリーのアドレスのポインタが返されます。
詳細は、libumem(3LIB) のマニュアルページを参照してください。
「Solaris Memory Placement Optimization and Sun Fire Servers」についてのテクニカルホワイトペーパーは、次の Web サイトから入手できます。
http://www.sun.com/servers/wp/docs/mpo_v7_customer.pdf
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースでは SPARC プラットフォーム向けの新機能です。Solaris 9 12/03 リリースでは、x86 プラットフォーム上でも利用可能になりました。詳細は、「Sun ONE Application Server の統合」を参照してください。
Sun ONE Message Queue は、Solaris 9 12/02 リリースでは SPARC プラットフォーム向けの新機能です。Solaris 9 8/03 リリースでは x86 プラットフォームでも利用できるようになりました。
Solaris 9 12/02 リリースでは、JMS メッセージングアプリケーションをサポートしています。これらのアプリケーションは、JMS プロバイダである Sun ONE Message Queue をベースにしています。詳細は、「Sun ONE Message Queue」を参照してください。
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースで追加されました。
この Solaris リリースには、crypt() 関数の新しい拡張と、新しい crypt_gensalt() 関数が含まれています。これらの拡張により、管理者はユーザーの UNIX ログインパスワードをわからなくするためのアルゴリズムを変更できます。
モジュールには、MD5 向けと Blowfish 向けがあります。MD5 のモジュールは、crypt_sunmd5 と crypt_bsdmd5 に入っています。Blowfish のモジュールは crypt_bsdbf に入っています。
開発者は、パスワードをあいまいにするどちらのアルゴリズムに対しても、新しいモジュールを作成することができます。アプリケーション開発者は、crypt() 関数に渡す salt 文字列を手動で生成する代わりに、crypt_gensalt() 関数を使う必要があります。
どちらのアルゴリズム用のモジュールも crypt.conf(4) ファイルに記述します。module_path フィールドには、以下の必要な関数を実行するための共有ライブラリオブジェクトへのパスを指定します。
crypt_gensalt_impl() salt 文字列を生成します。
crypt_genhash_impl() 暗号化されたパスワードを生成します。
詳細は、crypt(3C) および policy.conf(4) のマニュアルページを参照してください。
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースで追加されました。
madvise() 関数を使うことにより、ユーザーが定義したメモリー領域へのカーネルのアクセスを最適化します。この Solaris リリースでは、madvise() 関数用に 3 つの新しいフラグが用意されています。
MADV_ACCESS_LWP 指定した軽量プロセス (LWP) に資源割り当ての優先度を設定します。
MADV_ACCESS_MANY マシン全体で集中的に使用するアドレス範囲を指定します。
MADV_ACCESS_DEFAULT アドレス範囲のアクセスパターンをシステムのデフォルト値にリセットします。
madvise() 関数の詳細は、madvise(3C) のマニュアルページを参照してください。
この機能は、Solaris 9 9/02 リリースで追加されました。
Solaris Smartcard フレームワークでは、低レベルのミドルウェア API を提供しています。これらの API により、スマートカードリーダーを使用してスマートカードとの間でデータを交換することが可能になります。この API は、Sun BladeTM や Sun RayTM システムなどのプラットフォームで使用できます。Java 言語または C 言語で記述されたアプリケーションで、これらのインタフェースを使用できます。
詳細は、libsmartcard(3LIB) のマニュアルページおよび /usr/share/javadoc/smartcard の JavaDocs を参照してください。
Solaris ソフトウェアに含まれるマニュアル変更は、次のとおりです。
Solaris 9 9/04 リリースでは、『Solaris ボリュームマネージャの管理』が改訂されました。「Solaris Volume Manager for Sun Cluster によるマルチオーナーディスクセットのサポート」を参照してください。
Solaris 9 9/04 リリースでは、Solaris 9 のシステム管理ガイドが再編成されました。
『Solaris のシステム管理 (基本編)』の内容が削減され、次のトピックのみになりました。
Solaris 管理コンソールツール
ユーザーアカウントとグループの管理
サーバーとクライアントサポートの管理
システムのシャットダウンとブート
ソフトウェアの管理
Solaris パッチの管理
デバイスおよびファイルシステム関連の複雑なトピックは、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』に移動しました。この新しいマニュアルには、デバイスとファイルシステムの管理に関する次のトピックが含まれます。
リムーバブルメディアの管理
デバイスの管理
ディスクの管理
ファイルシステムの管理
ファイルシステムのバックアップと復元
『Solaris のシステム管理 (上級編)』で扱うトピックは、以前のリリースと変わりません。
Solaris 9 4/04 リリースにおける新規マニュアルと改訂マニュアルは、次のとおりです。
『Solaris ボリュームマネージャの管理』 「Solaris ボリュームマネージャによるトップダウン方式のボリューム作成」を参照してください。
『Solaris のシステム管理 (基本編)』 および 『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』 「デバイスの管理」にて、新規 USB および更新された USB の説明を確認してください。
『リンカーとライブラリ』 最新情報については、『リンカーとライブラリ』の付録 D「リンカーとライブラリの新機能および更新された機能」を参照してください。
『Solaris 9 9/04 インストールガイド』 「カスタム JumpStart での RAID-1 ボリューム (ミラー) の作成」を参照してください。
Solaris 9 12/03 リリースにおける新規マニュアルと改訂マニュアルは、次のとおりです。
『Application Packaging Developers Guide』 「署名付きのパッケージおよびパッチ」を参照してください。
『IPsec と IKE の管理』 「Sun Crypto Accelerator 4000 ボードでのインターネット鍵交換 (IKE) による鍵の格納」を参照してください。
『リンカーとライブラリ』 最新情報については、『リンカーとライブラリ』の付録 D「リンカーとライブラリの新機能および更新された機能」を参照してください。
『プログラミングインタフェース』 「SPARC: ローカリティグループ」を参照してください。
Solaris 9 12/03 Installation Guide 「WAN ブートによるインストール方式」を参照してください。
『Solaris のシステム管理 (基本編)』 「署名付きのパッケージおよびパッチ」を参照してください。
『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』 「NIS から LDAP への移行サービス」を参照してください。
『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』 「資源上限デーモンによる物理メモリーの制御」を参照してください。
Solaris 9 8/03 リリースで改訂されたマニュアルは次のとおりです。
System Administration Guide: Security Services 「監査機能の拡張」を参照してください。
System Administration Guide: Basic Administration 「マルチテラバイト UFS ファイルシステム」を参照してください。
Solaris 9 Installation Guide 「Solaris Live Upgrade 2.1」を参照してください。
『リンカーとライブラリ』 「リンカーとライブラリの更新」を参照してください。
Solaris 9 8/03 リリースで新しく追加されたコレクションおよびマニュアルは次のとおりです。
Sun ONE Application Server 7 Update 1 Collection および Sun ONE Application Server 7 Update 1 Collection (Solaris Edition) - Japanese このコレクションは、http://docs.sun.com から入手できます。Sun ONE Application Server については、「Sun ONE Application Server の統合」を参照してください。
このコレクションには、システム管理者およびシステム開発者向けの広範囲にわたる Sun ONE Application Server のマニュアルが含まれています。このコレクションに含まれるマニュアルのいくつかは以前から利用できたものですが、参照しやすいように Sun ONE Application Server 7 Update 1 Collection に集められました。
GNOME 2.0 Desktop 9/04 Collection および GNOME 2.0 Desktop 9/04 Collection - Japanese このコレクションは、http://docs.sun.com から入手できます。GNOME 2.0 デスクトップについては、「GNOME 2.0 デスクトップ」を参照してください。
このコレクションには次のマニュアルが含まれています。
『GNOME 2.0 ユーザーズガイド (Solaris 版)』 デスクトップコンポーネントとそのカスタマイズ方法について説明します。
『GNOME 2.0 システム管理 (Solaris 版)』 Solaris 8 リリースと Solaris 9 リリースにおける GNOME 2.0 デスクトップの管理方法について説明します。
『GNOME 2.0 Desktop for the Solaris Operating Environment Accessibility Guide』(英語版) GNOME 2.0 デスクトップの構成およびカスタマイズ方法と、GNOME 2.0 デスクトップ用アクセス機能の使用方法について説明します。Solaris 8 リリースおよび Solaris 9 リリースを対象とした情報です。
『GNOME 2.0 問題の解決方法 (Solaris 版)』 GNOME 2.0 デスクトップ環境の既知の問題とその解決方法について説明します。このマニュアルは、Solaris 8 リリースおよび Solaris 9 リリースを対象としています。デスクトップのパフォーマンスを向上させるためのヒントも記載しています。
Solaris 9 4/03 リリースで改訂されたマニュアルは次のとおりです。
『リンカーとライブラリ』 「リンカーとライブラリの更新」を参照してください。
『Solaris のシステム管理 (基本編)』 「EFI ディスクラベルによるマルチテラバイトボリュームのサポート」および 「Solaris パッチ更新機能」を参照してください。このマニュアルには、署名付きパッチの詳しい管理方法も記載されています。「Solaris Product Registry のコマンド行インタフェースの拡張」も参照してください。
『IPv6 の管理』 「インターネットプロトコルバージョン 6 (IPv6、Internet Protocol Version 6) 6to4 ルーター」を参照してください。
『Solaris 9 インストールガイド』 「フラッシュアーカイブ」を参照してください。
『Solaris ボリュームマネージャの管理』 「Solaris ボリュームマネージャによるマルチテラバイトボリュームのサポート」および「Solaris ボリュームマネージャの RCM サポート」を参照してください。
『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』 「拡張アカウンティングサブシステム」を参照してください。
Solaris 9 4/03 リリースで追加された新しいマニュアルは次のとおりです。
この機能は、Solaris 9 4/03 リリースで追加されました。
新しい 『Solaris WBEM 開発ガイド』 は、『Solaris WBEM SDK 開発ガイド』および『Solaris WBEM Services の管理』の 2 冊を統合した内容です。この変更により、WBEM の開発および配置に関わるタスクを順番に参照できるようになりました。その他の変更点は次のとおりです。
SNMP に関する章が削除されました。
「CIM オブジェクトマネージャの使用 (手順)」の章で、以前の Solaris リリースからのアップグレード手順が変更されました。具体的には、「以前の WBEM リリースで使用されていた古い書式の CIM Object Manager のデータを変換する」という記述が削除され、代わりに、「mofcomp コマンドを使ってすべての MOF ファイルを再コンパイルする」という記述が追加されています。
また、『Solaris WBEM 開発ガイド』 では、『Solaris WBEM SDK 開発ガイド』および『Solaris WBEM Services の管理』の 2 冊の「はじめに」の章が 1 つにまとめられました。
Solaris 9 12/02 リリースで改訂されたマニュアルは次のとおりです。
『リンカーとライブラリ』 「リンカーとライブラリの更新」を参照してください。
『Solaris 9 インストールガイド』 「フラッシュアーカイブ」 および 「LDAP バージョン 2 プロファイルのサポート」を参照してください。
『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』 「crypt() 関数の拡張」を参照してください。
『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』 「PAM (Pluggable Authentication Module) の拡張」を参照してください。
Solaris 9 12/02 リリースで追加された新しいマニュアルは次のとおりです。
『Sun ONE Application Server 7 入門ガイド』 「Sun ONE Application Server の統合」を参照してください。
『Sun ONE Message Queue 3.0.1 管理者ガイド』 「Sun ONE Message Queue」を参照してください。
『IP ネットワークマルチパスの管理』 「単一 IP ネットワークマルチパスグループのためのデータアドレスとテストアドレスの連結」を参照してください。
この機能は、Solaris 9 9/02 リリースで追加されました。
『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)』の「NIS+から LDAP への移行」の章が『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』に移されました。また、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』 の LDAP に関連する章に、さまざまなコンポーネントの説明と例が追加されました。ただし、新しい機能については説明されていません。
Solaris 9 9/02 リリースで追加された新しいマニュアルは次のとおりです。
『IPQoS の管理』 IPQoS 機能については、「IP サービス品質 (IPQoS)」および 「拡張アカウンティングサブシステム」を参照してください。
『IPv6 の管理』 「IPv6 経由のパケットトンネリング」を参照してください。
Solaris 9 9/02 リリースで改訂されたマニュアルは次のとおりです。
『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』 「拡張アカウンティングサブシステム」を参照してください。
『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』 「NIS から LDAP への移行サービス」を参照してください。
Solaris 9 リリースに導入されているインストール機能は、次のとおりです。
この機能は、Solaris 9 4/04 リリースで追加されました。
カスタム JumpStartTM によるインストール方式を選択した場合は、Solaris オペレーティングシステムのインストール時に RAID-1 ボリューム (ミラー) を作成できます。ファイルシステムをミラー化し、2 つの物理ディスクにデータを複製することによってシステムを保護します。ミラーディスクの一方に障害が発生しても、もう一方のミラーディスクからシステムデータにアクセスできます。
JumpStart では、ミラーファイルシステムの作成用として、次のような新しいカスタムプロファイルキーワードとキーワード値が用意されています。
新しいキーワード値 filesys でミラーを作成します。そのあと、特定のスライスを単一スライスの連結としてミラーに接続できます。
新しいプロファイルキーワード metadb で、必要な状態データベースの複製を作成できます。
詳細は、『Solaris 9 9/04 インストールガイド』を参照してください。
この機能は、Solaris 9 4/04 リリースで追加されました。
add_install_client コマンドで、PXE ネットワークブート中に Solaris x86 クライアントのブートプロパティを設定できるようになりました。add_install_client コマンドに -b オプションを使用すると、次の作業を実行できます。
ネットワークインストール時に使用する代替コンソールの指定
インストール時にネットワークブートデバイスとして使用するデバイスの指定
完全に自動化されたカスタム JumpStart インストールを実行するようにクライアントに指示
詳細は、install_scripts(1M) および eeprom(1M) のマニュアルページを参照してください。また、『Solaris 9 9/04 インストールガイド』 も合わせて参照してください。
この機能は、Solaris 9 12/03 リリースで追加されました。
この Solaris ソフトウェアでは、HTTP による WAN (広域ネットワーク) 経由でのソフトウェアの起動およびインストールが可能となりました。WAN ブートによるインストール方式を使用すると、ネットワーク基盤の信頼性が低い (と思われる) 大規模な広域ネットワーク内のシステム上に、Solaris ソフトウェアをインストールすることができます。また、WAN ブートでは、データの機密性とインストールイメージの完全性を確保するための新しいセキュリティ機能が使えるようになりました。
WAN ブートによるインストール方式を使用すると、暗号化されたフラッシュアーカイブを広域ネットワーク経由で特定のリモートクライアントに送信できます。次に、WAN ブートプログラムは、カスタム JumpStart インストールを実行してクライアントシステムをインストールします。非公開鍵を使ってデータの認証や暗号化を行うことで、インストールの完全性を確保することができます。また、デジタル証明書を使うようにシステムを設定することで、インストール用のデータやファイルをセキュリティ保護された HTTP 接続経由で送信することもできます。
この機能の詳細は、『Solaris 9 9/04 インストールガイド』を参照してください。
この機能は、Solaris 9 8/03 リリースで追加されました。
Solaris Live Upgrade を使用すると、稼働中のシステムを停止することなくシステムをアップグレードできます。現在のブート環境を動作させたまま、ブート環境のコピーを作成し、それをアップグレードできます。アップグレードする代わりに、フラッシュアーカイブをブート環境にインストールすることもできます。環境をアップグレードしても、アーカイブをインストールしても、元のシステム構成は影響を受けずに支障なく機能します。準備ができたところでシステムをリブートすると、新しいブート環境がアクティブになります。万一障害が発生しても心配はありません。リブートするだけで元のブート環境に戻ることができます。このように、テストや評価処理のためにサービスを停止する必要がなくなります。
Solaris Live Upgrade 2.1 の新機能には、次のものがあります。
Solaris Live Upgrade では、Solaris ボリュームマネージャのテクノロジにより、ファイルシステムと RAID-1 ボリューム (ミラー) を持つ複製ブート環境を作成します。ミラーは、ルート (/) ファイルシステムをはじめとするすべてのファイルシステムでデータの冗長性を提供します。lucreate コマンドを使って、最大 3 つのサブミラーを持つミラーファイルシステムを作成できます。
lucreate コマンドで、通常ならば元のブート環境からコピーされる特定のファイルやディレクトリを除外できます。特定のディレクトリを除外した場合、その中の特定のファイルまたはサブディレクトリだけを作成対象に指定することもできます。
詳細は、『Solaris 9 9/04 インストールガイド』を参照してください。
この機能は、Solaris 9 8/03 リリースで追加されました。
Solaris ソフトウェアのインストール時に、空のブート環境を作成するために JumpStart インストールを使用できます。空のブート環境には、必要なときに備えてフラッシュアーカイブを格納しておくことができます。
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースで追加され、Solaris 9 4/03 リリースで機能拡張されました。
フラッシュインストール機能を使用すると、システム上に Solaris ソフトウェアの単一のリファレンスインストールが作成されます。このシステムはマスターシステムと呼ばれます。その後、そのインストールをクローンシステムと呼ばれる多数のシステムに複製できます。このインストールは、クローンシステム上のすべてのファイルを上書きする初期インストールです。
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースで追加され、Solaris 9 4/03 リリースで機能拡張されました。
フラッシュインストール機能に関して、次の機能強化が図られています。
フラッシュインストールでは、マイナーチェンジに合わせてクローンシステムを更新できます。クローンシステムを更新するときは、元のマスターイメージと更新されたマスターイメージの差分だけを含む差分アーカイブを作成できます。この差分アーカイブを使用してクローンシステムを更新すると、差分アーカイブ内に指定されているファイルだけが変更されます。このようなインストールは、元のマスターイメージに含まれていたソフトウェアを含むクローンシステムでしか実行できません。クローンシステムに差分アーカイブをインストールするには、カスタム JumpStart インストールまたは Solaris Live Upgrade を使用します。
マスターシステムまたはクローンシステムの構成用スクリプト、およびアーカイブの検査用スクリプトを実行できます。これらのスクリプトを使用して、次のタスクを実行できます。
クローンシステム上のアプリケーションを構成します。構成内容が単純な場合は、カスタム JumpStart スクリプトを使用します。構成内容が複雑な場合は、マスターシステム上で特別な構成ファイル処理を行うか、インストール前もしくはインストール後にクローンシステム上で同様の処理を行う必要があります。また、ローカルのプリインストールスクリプトおよびポストインストールスクリプトをクローン上に配置できます。これにより、カスタマイズ済みのローカルなクローンシステムがフラッシュソフトウェアによって上書きされるのを防ぐことができます。
複製不可のホスト依存データを識別して、フラッシュアーカイブをホスト非依存にできます。ホスト非依存にするには、この種のデータを変更するか、アーカイブから除外します。ホストに依存するデータの例として、ログファイルがあります。
アーカイブの作成時に、アーカイブ内でソフトウェアの整合性を確認します。
クローンシステム上のインストールを検査します。
詳細は、『Solaris 9 9/04 インストールガイド』を参照してください。このマニュアルには、Solaris Live Upgrade を使って差分アーカイブをインストールする方法も記載されています。
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースで追加され、Solaris 9 4/03 リリースで機能拡張されました。
flarcreate コマンドは、フラッシュアーカイブを作成するコマンドです。この Solaris リリースでは、このコマンドに新しいオプションが追加され、アーカイブ作成時にアーカイブ内容をより柔軟に定義することが可能になりました。複数のファイルやディレクトリを除外できます。除外したディレクトリからでも、そのサブディレクトリやファイルをアーカイブ内容に追加することが可能です。この機能は、複製の必要がない、サイズの大きなデータファイルを除外するのに便利です。
このオプションの使用方法については、『Solaris 9 9/04 インストールガイド』を参照してください。
この機能は、Solaris 9 4/03 リリースで追加されました。
prodreg コマンドに、Solaris Product Registry のグラフィカルユーザーインタフェースと同様の機能が追加されました。コマンド行または管理スクリプト内で、次の prodreg サブコマンドを使って、さまざまなタスクを実行できます。
browse 登録済みソフトウェアを端末ウィンドウに表示します。browse サブコマンドを繰り返し実行することにより、階層的に登録されているソフトウェアの各層の情報を順に表示できます。
info 登録済みソフトウェアに関する情報を表示します。info サブコマンドで表示できる情報は次のとおりです。
ソフトウェアがインストールされている場所
指定したソフトウェアに必要なその他のソフトウェア
指定したソフトウェアに依存するその他のソフトウェア
必要なパッケージが削除されたために影響を受けたソフトウェア
unregister Solaris Product Registry からソフトウェアのインストール情報を削除します。正常なアンインストール手順を行わずにソフトウェアを Registry から削除した場合は、prodreg unregister コマンドを実行して、Solaris Product Registry から不要なエントリを消去します。
uninstall 登録済みソフトウェアのアンインストールプログラムを起動して、このソフトウェアをシステムから削除します。
詳細は、prodreg(1M) のマニュアルページおよび『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースで追加されました。
Solaris インストールプログラムは、LDAP バージョン 2 プロファイルをサポートします。このプロファイルにより、システムを資格レベルのプロキシに設定することが可能になります。Solaris Web Start や suninstall などのプログラムの実行時に、LDAP プロキシバインド識別名とプロキシバインドパスワードを指定できます。どちらのインストール方法でも、sysidcfg ファイルに proxy_dn キーワードおよび proxy_password キーワードを記述することで、インストール前に LDAP をあらかじめ設定しておくことができます。
詳細は、『Solaris 9 9/04 インストールガイド』を参照してください。
Solaris 9 4/04 リリースの Extra Value CD には、新しいソフトウェア SRS Net Connect 3.1 が含まれています。
この機能は、Solaris 9 4/04 リリースで追加されました。
SunSM Remote Services (SRS) Net Connect 3.1 は、Solaris 9 Update 6 の Extra Value CD に含まれるようになりました。SRS Net Connect 3.1 を使用すると、システムの自己監視、パフォーマンスレポートやトレンドレポートの作成、および自動通知の受信が可能です。これらの機能を活用すれば、システムの可用性と信頼性を最大限に向上させたり、潜在的問題を管理したりできます。
SRS Net Connect のインストールについては、『SunSM Remote Services Net Connect Solaris 9 Update 6 CD Installation and Activation Guide』(英語版) を参照してください。このマニュアルは、Solaris Software 2 of 2 CD の以下の場所にあります。Solaris_9/ExtraValue/CoBundled/NetConnect_3.1/docs/InstallActivate.pdf
Sun Java Enterprise System は、Solaris 9 12/03 リリースで追加されました。
Solaris ソフトウェアに、Sun Java Enterprise System の製品群が追加されました。Sun Java Enterprise System は、Solaris ソフトウェアのインストール時に一緒にインストールできます。Sun Java Enterprise System には、インフラストラクチャやクラスタ用の Sun ONE ソフトウェアが、単一のオープンネットワークコンピューティングパッケージとして含まれています。Sun Java Enterprise System は、Web アプリケーション、Web サービス、および従来型アプリケーションを統合する完全なサービスセットを、企業に対して提供します。Sun Java Enterprise System ソフトウェアは、一貫性のあるユーザー操作を実現します。このソフトウェアには、共通の言語サポート、一貫性のあるマニュアル、標準化されたコンポーネント、共通のインストールプログラムなどといった、機能の統合に役立つさまざまな特徴が含まれています。Sun Java Enterprise System に含まれるコンポーネント製品は、次のとおりです。
通信および共同作業に関するサービス
Sun ONE Messaging Server 6.0
Sun ONE Calendar Server 6.0
Sun ONE Instant Messaging Server 6.0.1
Sun ONE Portal Server 6.2 および Secure Remote Access 6.2
Web およびアプリケーションに関するサービス
Sun ONE Application Server 7.0 PE*
Sun ONE Application Server 7.0 SE*
Sun ONE Web Server 6.1
Sun ONE Message Queue 3.0.1 SP2*
ディレクトリおよび認証に関するサービス
Sun ONE Identity Server 6.1
Sun ONE Directory Server 5.2 Multi-Platform Edition
Sun ONE Directory Proxy Server 5.2
可用性に関するサービス
Sun Cluster 3.1
選択した Sun ONE コンポーネント製品用の Sun Cluster Agents 3.1
Sun Java Enterprise System の詳細は、http://docs.sun.com の Sun Java Enterprise System 2003Q4 を参照してください。
* これらの製品は、Solaris オペレーティングシステム内で利用可能です。詳細は次の説明を参照してください。
Sun ONE Directory Server 5.2 は、Sun Java Enterprise System のコンポーネント製品として利用可能です。Sun ONE Directory Server 5.1 は、Solaris オペレーティングシステム内で利用可能です。Sun ONE Directory Server 5.1 の詳細は、「Sun ONE Directory Server」を参照してください。
Solaris 9 ソフトウェアに含まれるネットワークの機能拡張は、次のとおりです。
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースでは SPARC プラットフォーム向けの新機能です。Solaris 9 12/03 リリースでは、x86 プラットフォーム上でも利用可能になりました。
Sun ONE Application Server 7, Platform Edition (旧名称は iPlanetTM Application Server) は、Solaris オペレーティングシステムに統合されました。Application Server の Platform Edition は、エンタープライズクラスのアプリケーションサービスおよび Web サービスの基盤になります。このサーバーは、高性能、省メモリーの Java 2 Platform, Enterprise Edition (J2EETM) を提供します。J2EE を使用して、エンタープライズアプリケーションや Web サービスの開発、配備、および管理が、広範なサーバー、クライアント、およびデバイス上で実現可能となります。
Sun ONE Application Server を使用することにより、新しい Java アプリケーションや XML (Extensible Markup Language) アプリケーションの移植性が高まり、開発期間の短縮を図ることができます。これらの新しいアプリケーションは、J2EE 1.3 プラットフォームと互換性があります。Sun ONE Application Server を使用して、開発者は、JavaServer PagesTM (JSPTM)、Java サーブレット、および Enterprise JavaBeansTM (EJBTM) の各テクノロジをベースにするアプリケーションを構築できます。これらのテクノロジは、小規模の部門内アプリケーションからエンタープライズ規模の基幹サービスに至るまで、広範なビジネス要件をサポートします。
主な特徴は、次のとおりです。
Sun ONE Message Queue と Sun ONE Web Server の HTTP (Hypertext Transfer Protocol) サーバーの統合
パフォーマンスの改善に伴うスケーラビリティの向上
Web サービスの包括的なサポート Java Web サービス、SOAP (Simple Object Access Protocol)、WSDL (Web サービス記述言語)
Sun ONE Portal Server 6.0 および Sun ONE Directory Server との相互運用性
J2EE リファレンス実装の利用
次の名称が変更されています。
Sun ONE Message Queue (旧名称は iPlanet Message Queue for Java)
Sun ONE Web Server (旧名称は iPlanet Web Server)
Sun ONE Portal Server (旧名称は iPlanet Portal Server)
Sun ONE Directory Server (旧名称は iPlanet Directory Server)
詳細は、Sun ONE Application Server 7 Update 1 Collection (Solaris Edition) - Japaneseを参照してください。このコレクションの詳細は、「Solaris 9 8/03 リリースの新規マニュアルおよび改訂マニュアル」を参照してください。http://wwws.sun.com/software/products/appsrvr/home_appsrvr.html も参照してください。
それぞれの使用許諾権については、バイナリコードライセンスを参照してください。
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースでは SPARC プラットフォーム向けの新機能です。Solaris 9 8/03 リリースでは x86 プラットフォーム上でも利用可能になりました。
Solaris ソフトウェアでは、Java Messaging Service (JMS) アプリケーションをサポートしています。今回の Solaris リリースでは、JMS プロバイダとして Sun ONE Message Queue (旧名称は iPlanet Message Queue for Java) を使用します。
JMS のメッセージングにより、アプリケーションおよびアプリケーションコンポーネントの非同期メッセージ交換および信頼性を実現しています。異なるプラットフォーム上および異なるオペレーティングシステム上で実行されるプロセスが共通のメッセージサービスに接続して、情報の交換ができます。
Sun ONE Message Queue, Platform Edition は、JMS 仕様の完全な実装を提供します。Message Queue では、次のような機能を提供しています。
一元管理
調整可能なパフォーマンス
Java Naming and Directory InterfaceTM (JNDI) のサポート
SOAP (Simple Object Access Protocol) メッセージングのサポート
詳細は、『Sun ONE Message Queue 3.0.1管理者ガイド』および『Sun ONE Message Queue 3.0.1 開発者ガイド』を参照してください。Sun ONE Message Queue のバージョンと機能については、次の Web サイトも参照してください。
http://www.sun.com/software/products/message_queue/
マルチデータ転送 (MDT) は、64 ビットのカーネルを実行するシステムでのみ利用できます。この機能は、Solaris 9 8/03 リリースで追加されました。
MDT では、ネットワークスタックから同時に複数のパケットをネットワークデバイスドライバに送信できます。この機能を使用すると、ホストの CPU 使用率やネットワークのスループットが改善され、パケットあたりの処理コストが削減されます。
マルチデータ転送機能を利用できるのは、この機能をサポートするデバイスドライバのみです。
MDT パラメータを使用するには、/etc/system ファイルを編集して、次のパラメータを有効にする必要があります。
set ip:ip_use_dl_cap = 0x1
デフォルトの設定では、MDT は無効になっています。次のコマンドを実行すると、TCP/IP スタックにより、MDT が有効になります。
# ndd -set /dev/ip ip_multidata_outbound 1
MDT を有効にする前に、次の点を確認してください。
この機能を使用すると、IP レイヤと DLPI プロバイダ間でパケットの外観が変化することがあります。たとえば、ifconfig modinsert コマンドを使用すると、他社製の STREAMS モジュールが IP レイヤと DLPI プロバイダ間に動的に挿入されます。ただし、このモジュールは動作しないことがあります。ifconfig modinsert コマンドは、MDT STREAMS データ型を認識しません。
autopush(1M) コマンド機構によって IP レイヤと DLPI プロバイダ間にモジュールが挿入されます。この場合、これらのモジュールも動作しないことがあります。
MDT に対応しない STREAMS モジュールを使用する場合は、この機能を有効にしないでください。たとえば、ipfilter や CheckPoint Firewall-1 などの共有ドメインユーティリティは MDT に対応しません。
詳細は、『Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル』および ip(7P) のマニュアルページを参照してください。
この機能は、Solaris 9 4/03 リリースで追加されました。
6to4 トンネルをサポートするルーターを 1 個以上構成することにより、IPv6 ネットワークからインターネットプロトコルバージョン 4 (IPv4) ネットワーク経由でパケットを転送できるようになりました。システム管理者は、6to4 トンネルを使って、IPv4 ネットワークから IPv6 ネットワークへ移行できます。この機能は、RFC 3056 および 3068 を実装しています。
IPv6 の詳細は、『IPv6 の管理』を参照してください。
この機能は、Solaris 9 9/02 リリースで追加されました。
この機能により、IPv6 経由の IPv4 トンネリング、および IPv6 経由の IPv6 トンネリングという IPv6 経由のパケットトンネリングが可能になります。IPv4 パケットまたは IPv6 パケットは IPv6 パケットでカプセル化できます。
詳細は、『IPv6 の管理』を参照してください。
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースで追加されました。
Solaris Network Cache and Accelerator (NCA) カーネルモジュールは、Web サーバーのマルチインスタンスをサポートします。これにより、Solaris マシン上で IP アドレスベースの仮想 Web ホスティングを行うことができます。Solaris は、/etc/nca/ncaport.conf という名前の単一の構成ファイルを使って、NCA ソケットを IP アドレスに割り当てます。
詳細は、ncaport.conf(4) のマニュアルページを参照してください。
この機能は、Solaris 9 9/02 リリースで追加されました。
システム管理者は IP サービス品質 (IPQoS) により、顧客や重要なアプリケーションに対して異なるレベルのネットワークサービスを提供できます。IPQoS を使用することによって、管理者はサービスレベルに関する条項を設定できます。これらの条項により、ISP (インターネットサービスプロバイダ) のクライアントに対して、価格に基づいて異なるレベルのサービスを提供できます。企業も IPQoS を使用することによって、アプリケーション間で優先順位をつけることができます。これにより、アプリケーションの重要度に応じて、より高い品質のサービスを提供できます。
詳細は、『IPQoS の管理』を参照してください。
この機能は、Solaris 9 8/03 リリースで追加されました。
Solaris IPQoS 機能に、これまでの uid セレクタを補うユーザーセレクタが追加されました。このユーザーセレクタでは、ipqosconf ファイルの filter 節に、条件としてユーザー名またはユーザー ID を指定できます。これまでの uid セレクタでは、ユーザー ID しか指定できませんでした。以下は、ユーザーセレクタを使用する場合の ipqosconf ファイルの filter 節の抜粋です。
filter { name myhost; user root; } |
フィルタとセレクタの詳細は、『IPQoS の管理』および ipqosconf(1M) のマニュアルページを参照してください。
この機能は、Solaris 9 9/02 リリースで追加されました。
Solaris システムソフトウェアは、Routing Information Protocol のバージョン 2 (RIPv2) をサポートします。
RIPv2 では、クラスレスドメイン間ルーティング (CIDR) および 可変長サブネットマスク (VLSM) 拡張機能が RIPv1 プロトコルに追加されています。MD5 (Message Digest 5) 拡張機能により、悪意のあるユーザーによって故意に引き起こされる誤った転送からルーターを保護します。新しい in.routed 実装には、組み込みの Internet Control Message Protocol (ICMP) ルーター発見 (RFC 1256) 機構も含まれています。
RIPv2 は、ポイントツーポイントのリンクがマルチキャストで有効になる場合には、マルチキャストをサポートします。RIPv2 では、ユニキャストもサポートします。 /etc/gateways ファイルを使用してブロードキャストアドレスを構成した場合は、RIPv2 でブロードキャストをサポートします。
RIPv2 の構成方法については、in.rdisc(1M)、 in.routed(1M)、および gateways(4) のマニュアルページを参照してください。
以前の Solaris 9 リリースから、次のセキュリティ拡張機能が追加されています。
sadmind コマンドのセキュリティ向上のため、デフォルトのセキュリティレベルが 2 (DES) に上がりました。sadmind が不要な場合は、inetd.conf ファイルでエントリをコメントアウトします。
詳細は、sadmind(1M) のマニュアルページを参照してください。
この機能は、Solaris 9 12/03 リリースで追加されました。
Solaris の Kerberos 鍵配布センター (KDC) が、MIT の Kerberos バージョン 1.2.1 ベースに基づいて変更されました。KDC では、現在のハッシュベースのデータベースよりも高い信頼性を備えた btree ベースのデータベースがデフォルトで使用されるようになりました。
詳細は、kdc.conf(4) のマニュアルページを参照してください。
この機能は、Solaris 9 12/03 リリースで追加されました。
IKE が、IPv4 ネットワークに加え、IPv6 ネットワーク上でも動作するようになりました。IPv6 実装に固有のキーワードについては、ifconfig(1M) および ike.config(4) のマニュアルページを参照してください。
Sun Crypto Accelerator 4000 ボードがマシンに搭載されている場合、IKE は大量の計算を必要とする処理をそのボードを使って負荷分散できるため、オペレーティングシステムはほかのタスクに資源を振り向けることができます。また、IKE は、公開鍵、非公開鍵、および公開証明書をそのボード上に格納することもできます。独立したハードウェア上に鍵を格納すれば、さらにセキュリティが向上します。
詳細は、『IPsec と IKE の管理』および ikecert(1M) のマニュアルページを参照してください。
この機能は、Solaris 9 4/03 リリースで追加されました。
Sun Crypto Accelerator 1000 カードを使って、IKE の公開鍵処理時間を短縮できます。実行する処理がカードにオフロードされます。このため、暗号化処理が高速化され、オペレーティング環境の消費リソースも少なくて済みます。
詳細は、『IPsec と IKE の管理』を参照してください。
この機能は、Solaris 9 8/03 リリースで追加されました。
今回の Solaris リリースでは、監査機能の拡張により、監査トレール内のノイズが削減されます。また、管理者は監査トレールの解析時に XML スクリプトを使用できます。具体的な拡張内容は次のとおりです。
公開ファイルの読み取り専用イベントは監査の対象から除外されます。auditconfig コマンドに public ポリシーフラグを指定して、公開ファイルの監査を行うかどうかを制御できます。公開オブジェクトを監査対象から除外することで、監査トレールの量が大幅に削減されます。このため、読み取り可能なファイルの監査が簡単になります。
praudit コマンドの出力形式として、新たに XML が追加されました。XML 形式の出力は、ブラウザで表示できます。また、レポート作成時に使用する XML スクリプトのソースとしても利用できます。praudit(1M) のマニュアルページを参照してください。
監査クラスのデフォルトセットが変更されました。監査メタクラスにより、監査クラスをより細かく設定できます。audit_class(4) のマニュアルページを参照してください。
bsmconv コマンドを実行しても、Stop + A キーが無効になりません。セキュリティ管理のため、Stop + A イベントも監査対象になりました。
詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』を参照してください。
この機能は、Solaris 9 8/03 リリースで追加されました。
Solaris スマートカードインタフェースは、スマートカード端末用の公開インタフェースです。「スマートカードインタフェース」を参照してください。
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースで追加されました。
パスワードの暗号化により、侵入者が不正にパスワードを解読することを防ぎます。このソフトウェアでは、次の 3 つのパスワード暗号化強化モジュールが利用可能です。
BSD (Berkeley Software Distribution) システムと互換性のある Blowfish のバージョン
BSD、Linux システムと互換性のある MD5 (Message Digest 5) のバージョン
ほかの Solaris システムと互換性のある MD5 の強化バージョン
新しい暗号化モジュールを使ったユーザーパスワードの保護方法については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』を参照してください。モジュールの強化については、crypt_bsdbf(5)、 crypt_bsdmd5(5)、および crypt_sunmd5(5) のマニュアルページを参照してください。
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースで追加されました。
pam_ldap パスワード管理機能により、Sun ONE Directory Server (旧名称は iPlanet Directory Server) と連動して使われる LDAP ネームサービスのセキュリティ全体が強化されます。特に、パスワード管理機能により以下のようなことが行われます。
古いパスワードや、期限切れのパスワードをトラックします。
ありふれたパスワードや、以前使ったことのあるパスワードをユーザーが選択できないようにします。
パスワードの期限が切れそうなユーザーに警告を出します。
続けてログインに失敗したユーザーをロックします。
許可されたシステム管理者以外のユーザーが、初期化されたアカウントを無効にできないようにします。
Solaris ネーミングとディレクトリサービスについては、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』を参照してください。Solaris セキュリティ機能については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』を参照してください。
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースで追加されました。
PAM フレームワークの機能が拡張されて、新しい制御フラグが追加されました。新しい制御フラグにより、追加のスタック処理をスキップできます。このスキップは、現在のサービスモジュールが成功し、それ以前の必須モジュールで障害が発生していない場合に利用可能です。
この機能変更については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』を参照してください。
以前の Solaris 9 リリースから、次のシステムリソース拡張機能が追加されています。
この機能は、Solaris 9 12/03 リリースで追加されました。
資源上限デーモン rcapd は、資源上限が定義されたプロジェクト内で動作するプロセスが消費する物理メモリーを制御します。また、このデーモンを管理したり、関連する統計情報を報告したりするメカニズムを持つ関連ユーティリティが用意されています。
詳細は、『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』のパートII「Solaris 9 リソースマネージャ (トピック)」を参照してください。また、rcapstat(1)、rcapadm(1M)、project(4)、および rcapd(1M) のマニュアルページも参照してください。
この機能は、Solaris 9 9/02 リリースで追加され、Solaris 9 4/03 リリースで機能拡張されました。
拡張アカウンティングプロセスを IP サービス品質 (IPQoS) のフローアカウンティングモジュールと併用できるようになりました。IPQoS については、『IPQoS の管理』を参照してください。
拡張されたアカウンティング機能については、『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』の「拡張アカウンティング」を参照してください。
Solaris 9 4/03 リリースには、libexacct の Perl インタフェースが用意されています。このインタフェースを使って、exacct フレームワークによって生成されたアカウンティングファイルを読み取る Perl スクリプトを作成できます。exacct ファイルを作成する Perl スクリプトも作成できます。
この新しい Perl インタフェースは、基盤となる C API と機能的に同等です。
この Perl インタフェースでは、タスク単位、プロセス単位、または、IPQoS の flowacct モジュールによって提供されたセレクタ単位で、システムのリソース消費量を記録することができます。
libexacct の Perl インタフェースについては、『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』の第 6 章「拡張アカウンティング」を参照してください。
以下のマニュアルページも参照してください。
Exacct(3PERL)
Exacct::Catalog(3PERL)
Exacct::File(3PERL)
Exacct::Object(3PERL)
Exacct::Object::Group(3PERL)
Exacct::Object::Item(3PERL)
Kstat(3PERL)
Project(3PERL)
Task(3PERL)
以前の Solaris 9 リリースから、次のパフォーマンス拡張機能が追加されています。
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースで追加されました。
UFS ロギングにより、システムのリブートをより迅速に行うことが可能です。ファイルシステムのトランザクションはすでに保存されているので、ファイルシステムに整合性があれば、ファイルシステム検査が不要となるためです。
さらに、UFS ロギングのパフォーマンスは、Solaris リリースのロギングのないファイルシステムのパフォーマンスレベルを向上させることができます。SPECsfs (Standard Performance Evaluation Corporation システムファイルサーバー) のベンチマークの結果から、NFS マウントされたロギングの有効なファイルシステムのパフォーマンスは、UFS ロギングの有効でないファイルシステムパフォーマンスと同等のレベルであることがわかっています。入出力境界の構成によっては、UFS ロギングされたファイルシステムのほうが、ロギングされていないファイルシステムより、パフォーマンスが約 25 パーセント高くなります。また、あるテスト結果では、ロギングされた UFS ファイルシステムは、ロギングされていないファイルシステムの 12 倍のパフォーマンスが得られています。
UFS ファイルシステム上でロギングを有効にする方法については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』 または mount_ufs(1M) のマニュアルページを参照してください。
この機能は、Solaris 9 9/02 リリースで追加されました。
Solaris ディスパッチャおよび仮想メモリーサブシステムは、アプリケーションのメモリーへのアクセス時間を最適化するように拡張されました。この拡張機能により、多くのアプリケーションのパフォーマンスを自動的に向上させることができます。現在、この機能は、Sun Fire 38006800、Sun Fire 12K、および Sun Fire 15K などの特定のプラットフォームをサポートするよう実装されています。
「Solaris Memory Placement Optimization and Sun Fire Servers」についてのテクニカルホワイトペーパーは、次の Web サイトから入手できます。
http://www.sun.com/servers/wp/docs/mpo_v7_customer.pdf
この機能は、Solaris 9 9/02 リリースで追加されました。
Dynamic Intimate Shared Memory (DISM) の大規模ページがサポートされるようになりました。大規模ページをサポートすることにより、共有メモリーサイズの動的な調整が可能なアプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。
DISM の詳細は、「システムパフォーマンスの向上」を参照してください。
Solaris 9 ソフトウェアには、Netscape 7.0 ブラウザが含まれています。
この機能は、Solaris 9 4/03 リリースで追加されました。
NetscapeTM 7.0 は、Web サイトの閲覧、仲間とのコミュニケーション、グループディスカッションへの参加、および動的な Web ページの作成機能を統合したクロスプラットフォームブラウザです。Netscape 7.0 には次の機能があります。
高速で効率のよいブラウズ機能
拡張された電子メール機能とインスタントメッセージング機能
より高速で合理的な検索機能
強化されたプライバシー保護機能
エンタープライズ機能
Netscape 7.0 の注目すべき特長は次のとおりです。
次のアプリケーションにより、インターネットをサポートします。
Netscape NavigatorTM
Netscape Mail
Netscape Instant Messenger
Netscape Composer
Netscape Address Book
その他のユーティリティおよびプラグイン
Java テクノロジ、IPv6、P3P (Platform for Privacy Preferences Project)、XML、CSS1 (Cascading Style Sheets)、DOM (Data Output Messaging) など、最新の業界標準機能をサポートします。これらの機能を使って、Web アプリケーションの新しいクラスを作成できます。
My Sidebar から、最新ニュース、株式資産、メンバーリスト、オークションなどの重要な情報にアクセスできます。
完全にカスタマイズされた統合型検索機能により、情報へのアクセス時間、検索ページの読み込み時間、フレームが表示されるまでの時間が短縮されます。
ブラウズ機能とメール機能にインスタントメッセージング機能が統合されました。これは、生産性の向上および仲間とのコミュニケーションの円滑化につながります。
テーマ機能では、各ユーザーが好みに合わせてブラウザの外観をカスタマイズできます。ユーザー単位ではなく、企業単位で、顧客から指定されたとおりのブラウザを作成することもできます。
柔軟性の高いモジュール型設計により、豊かな Web 経験と高い生産性を実現できます。
英語、ヨーロッパ言語、およびアジア言語をグローバルにサポートします。
統合 Java テクノロジにより、ブラウザベースのアプリケーションに、さまざまなプラットフォームからシームレスにアクセスできます。
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースで追加されました。Solaris 9 4/03 Update リリースには、Netscape 7.0 が組み込まれています。「Netscape 7.0」を参照してください。
Solaris 9 ソフトウェアには、GNOME 2.0 デスクトップが含まれています。
この機能は、Solaris 9 8/03 リリースで追加されました。
GNOME 2.0 デスクトップは、Solaris ソフトウェアを対象とする、直感的で高度なデスクトップです。GNOME 2.0 デスクトップは、これまでの Solaris リリースに付属していた共通デスクトップ環境 (CDE) に代わるものです (注: CDE も引き続き使用可能)。
GNOME 2.0 デスクトップでは、慣れ親しんだ環境でデスクトップ上のアプリケーションや文書を簡単に操作できます。GNOME 2.0 デスクトップの機能は次のとおりです。
高機能ファイルマネージャ
総合的なオンライン ヘルプシステム
ソフトウェアユーティリティおよびアクセサリ
アプリケーションの起動、アプリケーションウィンドウや複数のワークスペースの管理に使用するパネル群
GNOME 2.0 デスクトップを構成する重要なコンポーネントとして、次のものがあります。
Nautilus は、アプリケーションや文書の配置および検索に使用する高度なファイルマネージャです。Nautilus は、ファイルマネージャ内のテキストファイルや画像ファイルの内容を直接表示することもできます。
デスクトップ上のパネルバーには、次のものが表示されます。
アプリケーションランチャー
システムメニュー
パネル引き出し (サブパネル)
アプレット
パネルからすばやくアプリケーションを起動でき、また、システムの状態を一目で確認できます。パネルは、必要な数だけいくつでも作成できます。
アプリケーションは、日常的に実行するさまざまな作業をサポートします。GNOME 2.0 デスクトップには、次のアプリケーションが付属しています。
テキストエディタ
電卓
文字選択
画像ビューア
PostScript / PDF ビューア
Media Player
サウンドレコーダ
パフォーマンスメータ
印刷マネージャ
端末
アプレットは、パネルで動作するユーティリティ群です。GNOME 2.0 デスクトップには、次のアプレットが付属しています。
時計
Inbox モニタ
CD プレーヤー
ボリュームコントロール
文字パレット
コマンドライン
キーボード配列切り替え
ウィンドウリスト
ワークスペーススイッチ
GNOME 2.0 デスクトップの詳細は、GNOME 2.0 Desktop 9/04 Collection - Japanese を参照してください。このコレクションの詳細は、「Solaris 9 8/03 リリースの新規マニュアルおよび改訂マニュアル」を参照してください。
以前の Solaris 9 リリースから、次の X11 ウィンドウ拡張機能が追加されています。
この機能は、Solaris 9 8/03 リリースで追加されました。
Xscreensaver プログラムは、ユーザーが席を外して一定の時間が経過すると、ほかのユーザーが勝手にシステムにアクセスできないようにモニタ画面をロックします。Xscreensaver では画面をロックしている間、さまざまなアニメーションを表示することもできます。Xscreensaver プログラムは、GNOME 2.0 デスクトップで使用されます。
この機能は、Solaris 9 4/03 リリースで追加されました。
XEvIE は、キーボードイベントとマウスイベントをすべて遮断し、これらのイベントを必要に応じて読み取り、消費、または変更できるようにする低レベルのインタフェースです。この X 拡張機能を利用すれば、将来的に GNOME 2.0 デスクトップで採用されているテクノロジなど、多くの補助テクノロジを有効に統合することができます。
この機能は、Solaris 9 4/03 リリースで追加されました。
FreeType 2.1.x は、単純な API (アプリケーションプログラミングインタフェース) を提供するオープンソースライブラリの 1 つです。この API は、ファイル形式にとらわれず一定の方式でフォントコンテンツにアクセスできます。フォントファイル内の特殊なデータにアクセスする際は、ファイル形式固有の API を使用できます。
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースで追加されました。
Xserver 仮想画面の拡張機能により、Solaris ソフトウェア用の GNOME 2.0 デスクトップのユーザー補助機能を使用することが可能です。この機能により、システム上でフレームバッファを 1 つしか持たないより多くのソフトウェアがサポートされます。
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースで追加されました。
新しい Xrender 機能により、Solaris ソフトウェア上で動作する、StarSuite パッケージのようなアプリケーションのパフォーマンスが向上しました。Xrender 機能により、アプリケーションの外観を最新の手法で見せることが可能です。Xrender は、アルファ合成効果および透過効果に対応したハードウェア処理を利用しています。
以前の Solaris 9 リリースから、次のフリーウェア拡張機能が追加されています。
これらのフリーウェアパッケージの使用許諾権、帰属、および著作権を確認するには、以下で説明するライセンスパスを参照してください。Solaris ソフトウェアをデフォルト以外の場所にインストールした場合は、インストールした場所に合わせてパス名を変更します。
Solaris 9 リリースに付属しているフリーウェアの一覧については、「フリーウェアの機能拡張」を参照してください。
この機能は、Solaris 9 8/03 リリースで追加されました。
この Solaris リリースには、Ghostscript 7.05 フリーウェアパッケージが含まれています。Ghostscript 7.05 は、PostScript ファイルと PDF ファイルを読み取った後、それらのファイルを、画面上に表示するか、多くのプリンタに対応した形式に変換します。/usr/sfw/share/man の gs(1) のマニュアルページを参照してください。
Ghostscript の使用許諾権、帰属、および著作権を確認するためのライセンスパスは、/usr/sfw/share/src/フリーウェア名> です。
この機能は、Solaris 9 4/03 リリースで追加されました。
Solaris 9 4/03 リリースで新しく追加または改訂されたフリーウェアパッケージは次のとおりです。
libxml2 2.4.16 タグベースの構造化文書またはデータを構築する標準
libxslt 1.0.19 XML の変換を定義する XML 言語
これらのパッケージの使用許諾権、帰属、および著作権を確認するためのライセンスパスは、/usr/share/src/フリーウェア名>/ファイル名> です。
この機能は、Solaris 9 12/02 リリースで追加されました。
この Solaris リリースには、次の新しいフリーウェアパッケージが含まれています。ANT 1.4.1 これは、Jakarta ANT による Java および XML ベースのビルドパッケージです。
ANT の使用許諾権、帰属、および著作権を確認するためのライセンスパスは、/usr/sfw/share/src/フリーウェア名> です。