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Sun ONE Message Queue 3.0.1 SP2 インストールガイド

第 1 章
概要

この章では、MQ 製品のインストールの概要を説明します。次の節が含まれています。


製品エディション

SunTM ONE Message Queue 製品には、Platform および Enterprise の 2 つのエディションが用意されています。各エディションは、後続の節で説明するように、別々のライセンス機能に対応しています。MQ をいずれか一方のエディションから別のエディションにアップグレードするには、『MQ インストールガイド』を参照してください。

Platform Edition

このエディションは、Sun の Web サイトから無料でダウンロードできます。また、最新の Sun ONE Application Server プラットフォームにもバンドルされています。Platform Edition では、各 MQ メッセージサービスでサポートされる JMS クライアントの接続数に制限はありません。Platform Edition には、次の 2 つのライセンスが付属しています。

Enterprise Edition

このエディションは、運用環境でメッセージングアプリケーションを配備および実行するために使用されます。このエディションには、マルチブローカのメッセージサービス、HTTP/HTTPS 接続、安全な接続サービス、スケーラブルな接続機能、および複数キューの配信ポリシーに対するサポートが含まれています。また Enterprise Edition は、メッセージングアプリケーションやコンポーネントの開発、デバッグ、および負荷テストにも使用できます。Enterprise Edition のライセンスには有効期限がなく、マルチブローカのメッセージサービスにおけるブローカ数には制限がありませんが、サポートされる CPU の数は指定されています。


サポートされているプラットフォームと製品

MQ 3.0.1, SP2 は、Solaris、Linux、および Windows の各オペレーティングシステムとプラットフォームをサポートしています。また、次の表に示すように、ほかのテクノロジにも依存しています。ほかのバージョンやベンダーの実装でも利用できますが、Sun Microsystems では、テストを実施していないため、サポートしていません。

表 1-1
MQ 3.0.1 製品サポート一覧 

プラットフォーム/製品

用途

サポートされているプラットフォーム/製品バージョン1

JRE (Java Runtime Environment)
(Sun Microsystems 製品バージョンのみ)

MQ ブローカ (メッセージサーバー) および MQ 管理ツール

JDK/JRE 1.4.1_03 の場合:

  • Solaris 9—MQ は、プラットフォームにバンドルされている JDK/JRE 1.4.1_03 に依存する
  • Solaris 8—プラットフォームにバンドルされている JRE 1.3 を削除し、JDK/JRE 1.4.1_03 に置き換える必要がある
  • Windows—JRE 1.4.1_03 は MQ にバンドルされており、共にインストールされる

JDK/JRE 1.4.1 の場合:

  • Linux— JRE 1.4.1 は MQ CD にバンドルされているが、Linux プラットフォームにはバンドルされていない

Java Software Development Kit (JDK)、Standard Edition
(Sun Microsystems 製品バージョンのみ)

JMS クライアント開発

(SOAP メッセージングクライアントは JDK 1.4.1_03 でのみサポートされている)

バージョン 1.4.1_03 の場合2:

  • Solaris 8 および Solaris 9 (SPARC 版)
  • Solaris 9 (x86 版)、Update 4 以上
  • Windows XP Professional、2000 Professional SP2、2000 Server SP2、2000 Advanced Server SP2
  • Linux RedHat 7.2

バージョン 1.3.1_05 の場合3:

  • (SPARC 版のみ) Solaris 8 および Solaris 9
  • Windows XP Professional、2000 Professional SP2、2000 Server SP2、2000 Advanced Server SP2

バージョン 1.2.2_08 の場合:サポートされていないが動作する (以降のバージョンにアップグレードできないとき)

LDAP Directory Server

MQ ユーザーリポジトリおよび管理オブジェクトサポート

Sun ONE Directory Server バージョン 5.1

Web Server

HTTP および HTTPS サポート

Sun ONE Web Server、Enterprise Edition 6.0 SP4

データベース

プラグイン持続性サポート

Cloudscape (バージョン 3.0)

Oracle 8i、バージョン 8.1.7 および Oracle 9i、バージョン 9.0.1

JNDI

管理オブジェクトサポート

  • JNDI バージョン 1.2.1
  • LDAP Service Provider バージョン 1.2.2
  • File System Service Provider バージョン 1.2 Beta 3 (開発環境およびテストではサポートされているが、運用環境での配備はサポートされていない)

1サポートされているバージョンへの更新については、MQ リリースノートで確認してください。

2この JDK は http://java.sun.com/j2se/1.4/index.html からダウンロードできる

3この JDK は http://java.sun.com/j2se/1.3/index.html からダウンロードできる


MQ ソフトウェアモジュール

次の表では、MQ 製品に含まれるソフトウェアモジュール一式を示します。モジュールのインストール場所については、表 1-2 を参照してください。

表 1-2
MQ ソフトウェアモジュール 

モジュール

内容

ブローカ

メッセージの転送および配信に使用されるサーバーサイドソフトウェア。このモジュールには、Java 実行時モジュールが必要

管理ツール

MQ メッセージングシステムの管理に使用される、コマンド行ユーティリティと GUI ツール。このモジュールには、クライアントランタイムおよび Java 実行時モジュールが必要

クライアントランタイム

クライアントアプリケーションのサポートに必要となる、クライアントサイドのソフトウェア

マニュアル

クライアントアプリケーション開発者が必要とする、JavadocTM 形式の API マニュアル

アプリケーション例

クライアントアプリケーション例

Java ランタイム

Java Runtime Environment (Windows のみ)

ライセンス

MQ メッセージングシステムのライセンス機能を有効にするために必要なソフトウェア


Web および CD-ROM からのインストール

Sun ONE Web サイトから MQ 3.0.1, SP2 製品をダウンロードするか、または CD-ROM からインストールするか、いずれかを選択できます。手順の詳細については、後続の章にあるプラットフォームごとの手順を参照してください。


インストールのディレクトリ構造

次に示すインストールのイメージは、Solaris の完全インストール (全パッケージ) または Windows の完全 (「標準」) インストールを示しています。部分的インストールを実行する場合は、イメージが異なる場合があります。



Windows では、COPYRIGHTLICENSE、および README の各ファイルの拡張子は .txt です。


表 1-3
インストールのディレクトリ構造  

ファイルとディレクトリ (Solaris)

ファイルとディレクトリ (Windows および Linux)1

内容

COPYRIGHT (インストールされない)

./COPYRIGHT

著作権テキストファイル

LICENSE (インストールされない)

./LICENSE

ライセンステキストファイル

README (インストールされない)

./README

README テキストファイル

/usr/bin ディレクトリ

./bin ディレクトリ

ブローカの実行可能ファイル (imqbrokerd) および次の MQ 管理ツールを含む

  • 管理コンソール (imqadmin)
  • コマンド (imqcmd)
  • オブジェクトマネージャ (imqobjmgr)
  • ユーザーマネージャ (imqusermgr)
  • データベースマネージャ (imqdbmgr)
  • キーツール (imqkeytool)

Windows では、上記ファイルの拡張子は.bat。このディレクトリには、ブローカを Windows サービスとしてインストールおよびアンインストールするためのユーティリティ (imqsvcadmin) と実行ファイル (imqbrokersvc) も含まれる

/usr/share/lib ディレクトリ

./lib ディレクトリ

MQ クライアントランタイムをサポートするファイルを含む

/*jar には、JMS クライアントアプリケーションの作成や実行に使用される jar ファイルが含まれる

/usr/share/lib/imq ディレクトリ

./lib ディレクトリ

MQ ツールおよびプロセスのサポートに使用されるファイルを含む

/ext/*jarはプラグイン持続機能に必要な、jar ファイルを配置する場所

/props サブディレクトリには、ブローカのデフォルトの設定ファイルが含まれる

/help サブディレクトリには、MQ ヘルプファイルが含まれる

/images

/etc/imq ディレクトリ

./etc ディレクトリ

ライセンスファイル、セキュリティ関連ファイル (パスファイル、アクセス制御ファイル、単層型ファイルユーザーリポジトリなど)、および自動起動するために使用される rc スクリプト設定ファイル ( Solaris のみ) が含まれる

/var/imq ディレクトリ

./var ディレクトリ

MQ の作業用格納ディレクトリ

設定ファイル、ログファイル、および各ブローカインスタンスのファイルベースの持続データ格納を含む /instances サブディレクトリ

/usr/share/javadoc/imq ディレクトリ

./javadoc ディレクトリ

Javadoc 形式 (HTML) の MQ および JMS API マニュアルを含む

/usr/demo/imq ディレクトリ

./demo ディレクトリ

クライアントのアプリケーション例を実行するためのソースコードと手順

 

./jre ディレクトリ

JRE 1.4 ファイル (Windows のみ)

1パスは IMQ_HOME を基準とする相対パスになります (「ディレクトリ変数の表記規則」を参照)。


バージョン 2.0 からのアップグレード

MQ 3.0.1, SP2 は、MQ 3.0.1 および MQ 3.0.1 SP1 との互換性があるので、MQ 3.0.1 あるいは MQ 3.0.1 SP1 から MQ 3.0.1, SP2 へアップグレードする場合、ブローカ設定、管理対象オブジェクト、管理ツール、あるいはクライアントアプリケーションを変更する必要はありません。

しかし、MQ 3.0.1 で使用される内部データおよび外部データが変更されたため、MQ 3.0.1 は通常 iMQ 2.0 と互換性がありません。このため、MQ 3.0.1 をインストールする前に iMQ 2.0 をアンインストールすることを強くお勧めします。MQ 3.0.1 を iMQ 2.0 に上書きインストールしないでください。

iMQ 2.0 のアンインストール

iMQ 2.0 の Service Pack 1 を使用している場合は、『Service Pack インストールガイド』にあるアンインストールの手順に従って、Service Pack をアンインストールしてから『iMQ 2.0 インストールガイド』のアンインストール手順に従って、iMQ 2.0 をアンインストールします。

アンインストールの処理では、iMQ 2.0 の IMQ_VARHOME ディレクトリは削除されません。このディレクトリ (デフォルトでは、Solaris および Linux オペレーティングシステムで /var/opt/SUNWjmq、Windows システムで c:\Program files\iPlanetMessageQueue2.0\var) には、一時ファイルとセキュリティ関連ファイルが含まれます (表 1-4 を参照してください)。このデータの一部は、MQ 3.0.1 と互換性があり、次の節に記載された手順に従って保存できます。

互換性と非互換性

機能向上のために行われた変更により、MQ 3.0.1 には、通常 iMQ 2.0 との互換性がありません。特に、iMQ 2.0 から MQ 3.0.1, SP2 へのアップグレードを行う場合、次の点に注意が必要です。

ブローカの互換性

ブローカプロパティと持続格納スキーマを変更したので、MQ 3.0.1 ブローカは、iMQ 2.0 ブローカと相互動作しません。ただし、表 1-4 に示すように、一部の iMQ 2.0 データには MQ 3.0.1 との互換性があるので、MQ 3.0.1 にアップグレードするときに保持することができます。iMQ 2.0 から MQ 3.0.1 へアップグレードするときには、次の点を考慮する必要があります。

管理対象オブジェクトの互換性

MQ 3.0.1 管理対象オブジェクトは、改良されて新しい属性が追加され、iMQ 2.0 属性名が変更されました。したがって、iMQ 2.0 から MQ 3.0.1 へアップグレードするときには、次の点を考慮する必要があります。

管理ツールの互換性

文字列「jmq」を「imq」に変更するなど、多くのファイルやディレクトリの名前が変更されたため、すべての MQ 3.0.1 コマンド行ユーティリティ、ブローカプロパティ、管理対象オブジェクト属性、および内部ファイル名が変更されました。したがって、iMQ 2.0 から MQ 3.0.1 へアップグレードするときには、次の点を考慮する必要があります。

クライアントの互換性

iMQ 2.0 から MQ 3.0.1 へアップグレードするときには、次の点を考慮する必要があります。


インストール準備後の作業

MQ を特定のプラットフォームにインストールする準備ができたら、プラットフォーム (Solaris、Linux、および Windows) に対応した各章を参照してください。各章では、ハードウェア要件とソフトウェア要件、インストール手順、およびエディションのアップグレード方法やインストール後の手順など、その他の関連事項が説明されています。



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