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Sun ONE Message Queue 3.0.1 SP2 インストールガイド

第 2 章
Solaris でのインストール

この章では、Solaris でのインストールに関する次の項目について説明します。


ハードウェアおよびソフトウェア要件

使用している SolarisTM 開発システム (SPARCTM Platform Edition) が、少なくとも次の表に示した要件を満たす必要があります。

表 2-1
Solaris でのハードウェアおよびソフトウェア要件 

コンポーネント

要件

オペレーティングシステム

Solaris 8 または Solaris 9 (SPARC プラットフォーム)
Solaris 9、Update 4 以上 (SPARC および x86 プラットフォーム)

注 :MQ を適切に操作するために、Java 2 の必要な Solaris パッチをすべてインストールする必要があります。パッチの最新情報および、推奨パッチや必須パッチのダウンロードについては、次を参照してください。

http://java.sun.com/j2se/1.4/install-solaris.html

CPU

TCP/IP ネットワークを利用できる Sun UltraTM 1 (またはこれと互換性のある) ワークステーション

RAM

128M バイト

ハードドライブの容量

圧縮インストールファイル用に約 6M バイト

インストールファイルの解凍に使用するための一時作業ディレクトリ用に 8M バイト

製品のインストールには、約 8M バイトの空き容量が必要。ただし、ブローカがローカルに持続メッセージを格納している場合は、MQ でさらに多くの空き容量が必要

Java 2 Standard Edition (J2SE)

Solaris でサポートされている Java Runtime Environment (JRE) および Java Software Development Kit (JDK) のバージョンについては、表 1-1 を参照

MQ ソフトウェアの配布 CD には、リリース時に必要な JRE バージョンが含まれている


Solaris での MQ のインストール

MQ 製品は、Sun ONE の Web サイトからダウンロードすることも、製品 CD-ROM からインストールすることもできます。詳細については、後続の該当する節を参照してください。



MQ 3.0 あるいは MQ 3.0.1バージョンをアップグレードする場合、MQ 3.0.1, SP2 をインストールする前に、該当する MQ リリースの『インストールガイド』に従って、MQ ソフトウェアをアンインストールすることを推奨します。




MQ はほかの製品 (Solaris 9 Update 2、Sun ONE Application Server 7.0 など) と共にインストールされるので、システムに MQ がインストールされているかを確認する必要があります。確認するには次のコマンドを入力します。

pkginfo | grep SUNWiq

MQ パッケージがすでにインストールされている場合は、次のコマンドを入力してバージョンを確認します。

pkginfo -l packageName

packageName は、該当する MQ パッケージ名です。


Web からのインストール

次の手順では、Sun ONE の Web サイトから MQ 製品をダウンロードし、Solaris 上にインストールする方法を説明します。

Web サイトから Solaris 上に MQ をインストールするには
  1. Web サイトから MQ 製品を、空の一時作業ディレクトリにダウンロードします。
  2. 次のコマンドスクリプトを実行します。
  3. sh imq3_0_1-edition-solsparc.sh

    edition には、 plt または ent の値のいずれかを指定します。これは、Platform Edition と Enterprise Edition のどちらをインストールしているかで決まります。

    コマンドにより、製品ライセンスの最初のページが表示されます。

  4. 製品ライセンスを読みます。製品のインストールおよび使用は、ライセンス契約書に同意することを前提としています。
  5. ライセンスの全文を 1 ページで表示するには、スペースバーを繰り返し押します。ライセンスを最後まで読むと、ライセンスに同意するように指示されます。
    • ライセンスに同意しない場合は、「no」または「n」を入力してインストールを中止します。
    • ライセンスに同意する場合は、「yes」または「y」を入力してインストールを続行します。次のファイルが解凍されます。
      • README
      • imq3_0_1-edition-solsparc.tar.Z
      • COPYRIGHT
      • LICENSE (ライセンス契約書のコピー)
  6. アーカイブファイルを解凍します。
  7. /bin/zcat imq3_0_1-edition-solsparc.tar.Z | tar xvfp -

    新しいディレクトリ、imq3_0_1-pkgs が作成されます。



    問題が発生する可能性があるので、MQ のインストール時には、GNU tar ユーティリティを使用しないでください。


  8. ディレクトリを変更します。
  9. cd imq3_0_1-pkgs

  10. スーパーユーザーになります。
  11. su root

  12. すでにシステムにインストールされている、MQ に含まれる共有パッケージを指定します。
  13. パッケージの一覧を表示するには、次のコマンドを入力します。

    pkginfo SUNWaclg SUNWjaf SUNWjhrt SUNWjmail SUNWxsrt

    すでにインストールされているパッケージと、検出されなかったパッケージが表示されます。

  14. pkgadd コマンドを実行して、パッケージをインストールします。
  15. pkgadd -d ./

    pkgaddユーティリティでは、このディレクトリからインストール可能なすべてのパッケージの名前が一覧表示されます (表 2-2 を参照してください)。プロンプトが表示されたら、インストールするパッケージを指定します。手順 8 で検出された共有パッケージはインストールしないでください。

    表 2-2
    Solaris にバンドルされるパッケージ 

    #

    パッケージ

    説明

    1

    SUNWaclg

    Apache Commons Logging Framework の API とランタイム

    SOAP/JAXM クライアントサポートに必要

    2

    SUNWiqdoc

    MQ クライアント API javadoc およびアプリケーション例

    クライアント開発にのみ必要

    3

    SUNWiqfs

    MQ JNDI File System Service Provider

    クライアント開発および JNDI FIle System Service Provider で使用する管理ツールにのみ必要。JNDI Service Provider の配備はサポートされていない

    4

    SUNWiqjx

    MQ Java API for XML Messaging (JAXM) の API とランタイム

    SOAP/JAXM クライアントサポートに必要

    5

    SUNWiqlpl または SUNWiqlen

    Platform Edition あるいは Enterprise Edition のメッセージサーバー用の MQ ライセンスファイル

    MQ エディションによって異なる

    6

    SUNWiqr

    MQメッセージサーバーのルートパッケージ

    MQ の実行可能ファイルに必要なファイル

    7

    SUNWiqsup

    JNDI および JSSE jar ファイル

    クライアント開発および JDK 1.2 と 1.3 の配備に必要

    8

    SUNWiqu

    MQ メッセージサーバーおよび管理ツール

     

    9

    SUNWiquc

    MQ JMS API およびクライアントランタイム

    JMS クライアントサポートに必要

    10

    SUNWiqum

    MQ JMS/SOAP Message Transformer の API およびランタイム

    SOAP メッセージと JMS メッセージ間の変換に必要

    11

    SUNWjaf

    JavaBeans Activation Framework の API およびランタイム

    SOAP/JAXM クライアントサポートに必要

    12

    SUNWjhrt

    JavaHelp の API およびランタイム

    Solaris 8 上にインストールする場合に必要 (Solaris 9 以上では、このパッケージはインストール済み)。JVM 1.4 以降を初めてインストールする場合にのみインストールする

    13

    SUNWjmail

    JavaMail の API およびランタイム

    SOAP/JAXM クライアントサポートに必要

    14

    SUNWxsrt

    SOAP アタッチメントメッセージ API for Java の API およびランタイム

    SOAP/JAXM クライアントサポートに必要

    pkgadd ユーティリティは、指定したパッケージをインストールするもので、多くの場合、追加情報の入力が求められます。最終的には、インストール可能なパッケージのリストを表示した、もとのプロンプトが表示されます。

    表 2-3 に、さまざまな用途に必要なパッケージに関する注意事項を示します。

    表 2-3
    さまざまな用途に必要なパッケージ 

    用途

    必要なパッケージ

    MQ メッセージサーバーおよび管理ツール

    SUNWiqr

    SUNWiqu

    SUNWiqlpl または SUNWiqlen

    SUNWiquc

    SUNWjhrt (省略可能)

    SUNWiqfs (省略可能)

    ホスト上で MQ メッセージサーバーを実行するのに必要

    JMS クライアントの開発、配備

    SUNWiquc

    SUNWiqdoc (省略可能)

    SUNWiqsup (省略可能)

    MQ メッセージサーバーが存在しないシステム上にもインストールできる

    SOAP/JAXM クライアントの開発、配備

    SUNWaclg

    SUNWjaf

    SUNWjmail

    SUNWiqjx

    SUNWxsrt

    SUNWiqdoc (省略可能)

    MQ メッセージサーバーが存在しないシステム上にもインストールできる

    注 : SOAP クライアントは、JDK1.4 を必要とする

    JMS/SOAP Message Transformer を使用するクライアントの開発、配備

    SUNWiqum

    および JMS、SOAP/JAXM クライアントのサポートに必要な全てのパッケージ

    MQ メッセージサーバーが存在しないシステム上にもインストールできる

    MQ Message Transformer API は、JMS と SOAP API の両方に依存する

  16. 終了するには「q」を入力します。
  17. スーパーユーザーのシェルを終了します。
  18. 一時作業ディレクトリから、imq3_0_1-edition-solsparc.sh ファイルのバックアップを行います。
  19. このバックアップが論理媒体となります。このファイルの扱いは、ほかのインストール媒体と同様です。システム障害など、製品の再インストールが必要となる場合に備えて、コピーを安全な場所に置きます。

  20. 一時作業ディレクトリに残っているファイルをすべて削除します。


  21. インストールが完了したら、デフォルトのブローカインスタンス (imqbroker) を実行するために、スーパーユーザーになるか、または設定および持続データが格納されている /var/imq/instnces/imqbroker ディレクトリの権限を変更する必要があります。ただし、-name brokerName オプションを使用して、デフォルト以外のブローカを実行する場合は、 /var/imq/instnces/brokerName ディレクトリに対して自動的に権限が与えられます。


CD-ROM からのインストール

次の手順では、MQ 製品を CD-ROM から Solaris 上にインストールする方法を説明します。



CD のパッケージから直接 MQ をインストールする必要がない場合は、CD に用意されている圧縮インストールファイル (tar.Z) を使用します。


MQ を CD-ROM から Solaris にインストールするには
  1. root としてログインするか、または権限をスーパーユーザーに変更します。
  2. たとえば、コマンドプロンプトに次のように入力します。

    su root

    次に、スーパーユーザーのパスワードを入力します。

  3. CD-ROM ドライブに MQ の CD を挿入します。
  4. 使用しているマシンでボリュームマネージャを実行している場合は、CD-ROM が自動的に /cdrom/messagequeue3_0_1 ディレクトリにマウントされます。

    ボリュームマネージャが実行されていない場合は、次の手順を実行します。

    • 次のように入力して、/cdrom/messagequeue3_0_1 という名前のディレクトリを作成します。
    •    mkdir -p /cdrom/messagequeue3_0_1

    • CD-ROM を手動でマウントします。
    •    mount -rF hsfs cdrom-device /cdrom/messagequeue3_0_1

      cdrom-device の例としては、 /dev/dsk/c0t0d0s0 があります。



      ボリュームマネージャとは、Solaris に用意されているツールで、このツールを使用すると、CD-ROM のマウントなどの管理タスクを容易に実行できます。ボリュームマネージャは CD-ROM を /cdrom/name_of_media としてマウントします。name_of_media は、CD-ROM 自体により決定されます。


      CD の solaris/ ディレクトリにある LICENSE ファイルをテキストエディタを使用して、開いて読みます。

    • ライセンス契約書に同意しない場合は、インストールを中止し、製品購入元に連絡して、返品ポリシーを決定します。
    • 契約書に同意する場合は、次のインストール手順を続行します。
  5. インストールパッケージが含まれる CD 上のディレクトリに移動します。たとえば、次のように入力します。
  6. cd /cdrom/messagequeue3_0_1/solaris/imq3_0_1-pkgs

    このディレクトリの内容は、製品のエディションによって変わります。

  7. pkgadd コマンドを実行して、パッケージをインストールします。
  8. pkgadd -d ./

    pkgadd ユーティリティでは、このディレクトリからインストール可能なすべてのパッケージの名前が一覧表示されます。プロンプトが表示されたら、インストールするパッケージを指定します (表 2-2 を参照)。

  9. pkgadd プロンプトが返されたら、「q」を入力して終了します。
  10. スーパーユーザーのシェルを終了します。


自動起動用に MQ を設定する

ブローカ (MQ メッセージサーバー) が自動起動するように設定するには、スーパーユーザーとして次の設定ファイルを編集する必要があります。

この設定ファイルで設定できる起動プロパティは、表 2-4 を参照してください。

表 2-4
ブローカ起動のための設定プロパティ 

プロパティ名

説明

AUTOSTART

ブート時にブローカを自動的に起動するかどうかを指定する (YES/NO)。デフォルト値: NO

ARGS

ブローカ起動コマンドに渡すコマンド行オプションと引数を指定する。imqbrokerd コマンド行オプションの一覧および説明については、『MQ Administrator’s Guide』を参照 (たとえば、-name brokerName など)

RESTART

異常終了時にブローカを自動的に再起動するかどうかを指定する (YES/NO)。デフォルト値: YES

システムをブートしないで起動の変更が正しいことを確認するには、「デバッグ」モードでスーパーユーザーとして次のように MQ 初期設定スクリプト (S52imq) を明示的に実行します。


MQ の Java ランタイムを設定する

起動時に、ブローカ (MQ メッセージサーバー) は必要な Java ランタイムバージョン (JDK/JRE 1.4) へのアクセスが確立されているかを確認します。

MQ を実行するには JDK/JRE が正しくインストールされている必要があります。MQ でサポートされている JDK/JRE については、表 1-1 を参照してください。

ブローカが使用する JRE を設定するにはいくつかの方法があります。次のリストでは、これらの方法を優先度の高い順に示します。

  1. imqbrokerd -javahome または -jrehome コマンド行オプションを使用して、JDK または JRE を渡します。両方を渡す場合は、あとに渡すほうのコマンド行が優先されます。
  2. JDK または JRE を IMQ_JAVAHOME 環境変数に設定します。
  3. ブローカがインストールした JDK を使用するようにします (デフォルト)。
  4. JDK は /usr/j2se にあります。

ブローカが特定の JDKまたはJRE を選択した理由を調べるには、次のコマンドでブローカを起動します。


エディションのアップグレード

「製品エディション」で説明したように、MQ には 2 つのエディションがあります。

Platform Edition から Enterprise Edition にアップグレードするには、Enterprise Edition のライセンスをインストールする必要があります。このアップグレードにより、すでにインストールされている MQ モジュールが上書きされたり、MQ メッセージングシステムの設定が変更されたりすることはありません。

Enterprise Edition に含まれる SUNWiqlen パッケージをインストールディレクトリに配置するだけで、Enterprise Edition のライセンスをインストールできます。インストールコマンドスクリプトを実行し、ファイルアーカイブを解凍して、アーカイブファイルを抽出すると、SUNWiqlen パッケージは自動的に imq3_0_1-pkgs ディレクトリ (Web インストールの場合) または solaris/imq3_0_1-pkgs ディレクトリ (CD-ROM インストールの場合) に配置されます。

Solaris 上で Enterprise Edition にアップグレードするには
  1. 実行中のブローカがあれば、停止します。
  2. imqcmd shutdown bkr -u name -p password [-b hostName:port]

  3. インストールが完了したら、SUNWiqlen パッケージを追加します。
  4. pkgadd -d . SUNWiqlen

  5. 次のコマンドを実行して、Enterprise Edition のライセンスが有効かどうかを確認します。


参考マニュアル

README および MQ リリースノートのファイルを参照してください。

Sun ONE Message Queue の概念の概要、クライアントアプリケーションの記述およびコンパイルの簡単な説明については、『MQ Developer’s Guide』を参照してください。

ブローカの設定および MQ メッセージングシステムの管理の詳細については、『MQ Administrator’s Guide』を参照してください。

クライアントアプリケーションの記述に使用するクラスやメンバーについては、/usr/share/javadoc/imq ディレクトリにある API マニュアルを参照してください。

製品をアンインストールするには、次の節を参照してください。


Solaris での MQ のアンインストール

次の手順では、Solaris 上の MQ のアンインストール方法を説明します。

Solaris 上の MQ を削除するには
  1. 実行中のクライアントアプリケーションがあれば、停止します。
  2. 実行中のブローカがあれば、停止します。
  3. imqcmd shutdown bkr -u name -p password [-b hostName:port]

  4. 動的なブローカデータを保存する必要がない場合は、各ブローカインスタンスと関連のあるすべてのデータファイルを削除します。
  5. imqbrokerd -name brokerName -remove instance

  6. MQ 単層型ファイルユーザーリポジトリと MQ アクセス制御ファイルを保存する必要がある場合は、MQ パッケージを削除する前に、次のファイルを安全な場所にコピーします。MQ を再インストールしたり、アップグレードした後に、それらのファイルを復元することができます。
  7. /etc/imq/passwd

    /etc/imq/accesscontrol.properties

  8. インストールされている MQ パッケージを確認します。
  9. pkginfo を使用してシステムにインストールされている MQ パッケージのリストを参照するには、次のコマンドを入力します。

    pkginfo | grep SUNWiq

    MQ によってシステムにインストールされた共有パッケージ (SUNWaclgSUNWjafSUNWjhrt, SUNWjmail、および SUNWxsrt) は表示されません。MQ の以降のバージョンにアップグレードするのでなければ、またその結果これらの共有パッケージを更新されたバージョンのパッケージに置換した場合は、共有パッケージを削除しないことをお勧めします。

  10. 次を入力して、スーパーユーザーになります。
  11. su root

    プロンプトが表示されたら、スーパーユーザーのパスワードを入力します。

  12. pkgadd でインストールした MQ パッケージを削除します。
  13. 次のコマンドを実行します。

    pkgrm packageName

    packageName は、該当する MQ パッケージ、あるいは pkgadd でインストールした共有パッケージです。複数のパッケージを削除するには、パッケージ名をスペースで区切ります。

    他の製品が MQ パッケージを使用している場合もあるので、削除する際は十分注意してください。pkgrm コマンドは、削除する前にパッケージの依存関係を警告します。

  14. プロンプトが表示されたら、「y」と入力して、削除要求を確認します。



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