Solaris Bandwidth Manager 1.6 のシステム管理

第 7 章 Solaris Bandwidth Manager の実行

この章では、Solaris Bandwidth Manager の起動方法、および管理と監視の方法について説明します。

Solaris Bandwidth Manager の起動、再起動、および停止

Solaris Bandwidth Manager のポリシーエージェントを起動する
  1. root としてログインするか、スーパーユーザーになります。

  2. 次のように入力します。


    # /etc/init.d/bagent.control start
    

マシンをリブートすると、ポリシーエージェントが自動的に起動されます。このときの実行レベルは 2 です。

リブート時にポリシーエージェントが再起動されないようにする
  1. /etc/rc2.d ディレクトリから S89bagent ファイルを削除するか、このファイル名を文字 S で始まらないように変更します。

Solaris Bandwidth Manager のポリシーエージェントを再起動する

設定情報を再読み込みさせて、Solaris Bandwidth Manager のポリシーエージェントを再起動することもできます。

  1. root としてログインするか、スーパーユーザーになります。

  2. 次のように入力します。


    # /etc/init.d/bagent.control restart
    
Solaris Bandwidth Manager を停止する
  1. root としてログインするか、スーパーユーザーになります。

  2. 次のように入力します。


    # /etc/init.d/bagent.control stop
    

    注 -

    Solaris Bandwidth Manager を IP 透過モードで使用している場合、Solaris Bandwidth Manager のポリシーエージェントを停止すると、システムがネットワークトラフィックを転送しなくなります。ネットワークトラフィックをすべて停止することなく Solaris Bandwidth Manager を停止するには、インタフェースが stats モードになるように設定を変更して、Solaris Bandwidth Manager のポリシーエージェントを再起動します。


動的再設定

Solaris Bandwidth Manager の設定内容は、ネットワークトラフィックを中断することなく、動的に変更できます。

batool を使って設定内容を変更し、Solaris Bandwidth Manager を再起動した場合、ポリシーエージェントは更新されたファイルを読み取り、その変更を有効にします。

現在の設定内容を変更した場合、または異なる設定ファイルを指すように ba_config.location を編集した場合、batool を使ってポリシーエージェントを再起動できます。あるいは、root またはスーパーユーザーになって次のコマンドを入力します。


$ /etc/init.d/bagent.control restart

複数の設定ファイルを用意しておき、異なる時間帯の異なるトラフィックパターンに対応させることも可能です。たとえば、対話型のトラフィックが多い通常の作業時間にはある設定を使用し、ネットワークを介したファイルの更新やバックアップを行う夜中や週末には別の設定を使用したいこともあるでしょう。

動的再設定のためのスケジュールの作成

batool の「スケジュール」ウィンドウを使って、事前に定義した時間に設定ファイルを自動的に切り替えるように Solaris Bandwidth Manager を設定できます。「スケジュール」ウィンドウを表示するには、タブウィンドウから「スケジュール」を選択します。スケジュールを作成するには、次の情報を設定する必要があります。

動的再設定における制限

動的に変更できる設定には、制限がいくつかあります。

SNMP による Solaris Bandwidth Manager の監視

Solaris Bandwidth Manager は、Solstice Site Manager や Solstice Domain Manager などの SNMP 監視ステーションで監視できます。Solaris Bandwidth Manager の SNMP エージェントは、Solaris 2.6、Solaris 7、または Solaris 8 オペレーティングシステムが動作しているホスト上で動作します。この SNMP エージェントは、 /opt/SUNWconn/ba/snmp/ba_mib ファイル内の管理情報ベース (MIB) を使用します。SNMP 監視に関連するすべてのファイルは /opt/SUNWconn/ba/snmp ディレクトリにインストールされています。

次の 10 個の情報テーブルが利用できます。

次の 3 つのトラップが定義されています。

SNMP 監視の設定


注 -

この節では、管理プラットフォームとして Solstice Site Manager または Solstice Domain Manager を使用していると仮定します。以降の指示の中で SNM という用語は、Solstice Site Manager または Solstice Domain Manager のどちらかを指します。


Solaris Bandwidth Manager の SNMP エージェントは Solstice Enterprise Agent と互換性があります。

Solaris Bandwidth Manager SNMP エージェントに Solstice Enterprise Agent を統合する
  1. ファイル ba.rsrcba.regba_read.acl/etc/snmp/conf ディレクトリにコピーします。

  2. ファイル /etc/snmp/conf/ba_read.acl を編集して、SNMP エージェントへの読み取り権を持つホストを指定します。デフォルトでは、すべてのホストがこのアクセス権を持っています。

  3. ファイル SnmpAgent.htmlqm_snmp.zip/opt/SUNWconn/ba/html/beans ディレクトリにコピーします。

  4. ファイル /opt/SUNWconn/ba/snmp/ba_trap.acl を編集して、トラップの着信先を指定します。SNMP マスターエージェントにサブエージェントへの読み取り権を与えるため、このファイルにはローカルホスト名も指定する必要があります。トラップの着信先は、次のようにコンマで区切ったホスト名のリストで指定します。


    trap-recipients = { host1, host2, host3 }
    
  5. Solaris Bandwidth Manager の SNMP エージェントを停止し、再起動します。次に、SNMP マスターエージェントを停止し、再起動します。

Solstice Site または Domain Manager のコンソールの使用

/opt/SUNWconn/ba/snmp ディレクトリ内のファイル ba_mib.oidba_mib.schema を使用すると、Solstice Site または Domain Manager のコンソールから Solaris Bandwidth Manager の SNMP エージェントに照会できます。まず、上記ファイルを管理ステーション上にあるエージェントのディレクトリ (デフォルトでは、/opt/SUNWconn/snm/agents) にコピーします。次に、build_oid コマンドを使って、OID データベースを再構築します。次に、/opt/SUNWconn/ba/snmp ディレクトリ内の ba_mib.traps ファイルを使って、トラップ番号を ASCII 文字列にマッピングします。そして、このファイルをトラップファイル (デフォルトでは、/var/opt/SUNWconn/snm/snmp.traps) に追加します。この手順についての詳細は、Solstice Site と Domain Manager のマニュアルを参照してください。