この章では、Solaris Bandwidth Manager の起動方法、および管理と監視の方法について説明します。
マシンをリブートすると、ポリシーエージェントが自動的に起動されます。このときの実行レベルは 2 です。
設定情報を再読み込みさせて、Solaris Bandwidth Manager のポリシーエージェントを再起動することもできます。
root としてログインするか、スーパーユーザーになります。
次のように入力します。
# /etc/init.d/bagent.control stop |
Solaris Bandwidth Manager を IP 透過モードで使用している場合、Solaris Bandwidth Manager のポリシーエージェントを停止すると、システムがネットワークトラフィックを転送しなくなります。ネットワークトラフィックをすべて停止することなく Solaris Bandwidth Manager を停止するには、インタフェースが stats モードになるように設定を変更して、Solaris Bandwidth Manager のポリシーエージェントを再起動します。
Solaris Bandwidth Manager の設定内容は、ネットワークトラフィックを中断することなく、動的に変更できます。
batool を使って設定内容を変更し、Solaris Bandwidth Manager を再起動した場合、ポリシーエージェントは更新されたファイルを読み取り、その変更を有効にします。
現在の設定内容を変更した場合、または異なる設定ファイルを指すように ba_config.location を編集した場合、batool を使ってポリシーエージェントを再起動できます。あるいは、root またはスーパーユーザーになって次のコマンドを入力します。
$ /etc/init.d/bagent.control restart |
複数の設定ファイルを用意しておき、異なる時間帯の異なるトラフィックパターンに対応させることも可能です。たとえば、対話型のトラフィックが多い通常の作業時間にはある設定を使用し、ネットワークを介したファイルの更新やバックアップを行う夜中や週末には別の設定を使用したいこともあるでしょう。
batool の「スケジュール」ウィンドウを使って、事前に定義した時間に設定ファイルを自動的に切り替えるように Solaris Bandwidth Manager を設定できます。「スケジュール」ウィンドウを表示するには、タブウィンドウから「スケジュール」を選択します。スケジュールを作成するには、次の情報を設定する必要があります。
ファイル名
使用したい設定ファイルのパスと名前
開始日
この設定ファイルの使用を開始したい日付
開始時刻
この設定ファイルの使用を開始したい時刻
頻度
このファイルを使用する頻度。「1 回のみ」、「1 日に 1 回」、「1 週間に 1 回」、「2 週間に 1 回」、「4 週間に 1 回」、「1 年に 1 回」のうちの 1 つです。
反復回数
「頻度」フィールドで指定した時間単位を使用して、設定ファイルを何回使用するかを決定します。たとえば、「頻度」に「1 日に 1 回」を指定して、「反復回数」に「7」を指定した場合、その設定ファイルは 7 日間にわたって、1 日に 1 回使用されます。「頻度」に「1 週間に 1 回」を指定して、「反復回数」に「2」を指定した場合、その設定ファイルは 2 週間にわたって、週に 1 回使用されます。設定ファイルをずっと使用したい場合は、このフィールドに「永遠に」を指定します。
IP 透過モードから IP 非透過モード、または IP 非透過モードから IP 透過モードには変更できません。
インタフェースを追加する場合は、システムをリブートする必要があります。「設定ファイルとディレクトリ」を参照してください。
ポリシーエージェントが軽量モードで動作している場合、ポリシーエージェントを再起動できません。
Solaris Bandwidth Manager は、Solstice Site Manager や Solstice Domain Manager などの SNMP 監視ステーションで監視できます。Solaris Bandwidth Manager の SNMP エージェントは、Solaris 2.6、Solaris 7、または Solaris 8 オペレーティングシステムが動作しているホスト上で動作します。この SNMP エージェントは、 /opt/SUNWconn/ba/snmp/ba_mib ファイル内の管理情報ベース (MIB) を使用します。SNMP 監視に関連するすべてのファイルは /opt/SUNWconn/ba/snmp ディレクトリにインストールされています。
次の 10 個の情報テーブルが利用できます。
クラス間における親と子の関係についての情報
IP 透過モードでインタフェースに設定されているルーターのリスト
フィルタ内に定義されているホストとサブネットワークについての情報
フィルタ内に定義されている URL のリスト
フィルタ内に定義されているサービスのリスト
フローについての情報
baDaemonUp は、Solaris Bandwidth Manager のポリシーエージェントが起動していることを示す
baDaemonDown は、Solaris Bandwidth Manager のポリシーエージェントが停止していることを示す
baReconfig は、使用中の設定内容が変更されたことを示す
この節では、管理プラットフォームとして Solstice Site Manager または Solstice Domain Manager を使用していると仮定します。以降の指示の中で SNM という用語は、Solstice Site Manager または Solstice Domain Manager のどちらかを指します。
Solaris Bandwidth Manager の SNMP エージェントは Solstice Enterprise Agent と互換性があります。
ファイル ba.rsrc、ba.reg と ba_read.acl を /etc/snmp/conf ディレクトリにコピーします。
ファイル /etc/snmp/conf/ba_read.acl を編集して、SNMP エージェントへの読み取り権を持つホストを指定します。デフォルトでは、すべてのホストがこのアクセス権を持っています。
ファイル SnmpAgent.html と qm_snmp.zip を /opt/SUNWconn/ba/html/beans ディレクトリにコピーします。
ファイル /opt/SUNWconn/ba/snmp/ba_trap.acl を編集して、トラップの着信先を指定します。SNMP マスターエージェントにサブエージェントへの読み取り権を与えるため、このファイルにはローカルホスト名も指定する必要があります。トラップの着信先は、次のようにコンマで区切ったホスト名のリストで指定します。
trap-recipients = { host1, host2, host3 } |
Solaris Bandwidth Manager の SNMP エージェントを停止し、再起動します。次に、SNMP マスターエージェントを停止し、再起動します。
/opt/SUNWconn/ba/snmp ディレクトリ内のファイル ba_mib.oid と ba_mib.schema を使用すると、Solstice Site または Domain Manager のコンソールから Solaris Bandwidth Manager の SNMP エージェントに照会できます。まず、上記ファイルを管理ステーション上にあるエージェントのディレクトリ (デフォルトでは、/opt/SUNWconn/snm/agents) にコピーします。次に、build_oid コマンドを使って、OID データベースを再構築します。次に、/opt/SUNWconn/ba/snmp ディレクトリ内の ba_mib.traps ファイルを使って、トラップ番号を ASCII 文字列にマッピングします。そして、このファイルをトラップファイル (デフォルトでは、/var/opt/SUNWconn/snm/snmp.traps) に追加します。この手順についての詳細は、Solstice Site と Domain Manager のマニュアルを参照してください。